マイクロ・デポ株式会社”公式ウェブサイト”「マセラティに乗りませんか・・・」

サイト内検索
ココログ最強検索 by 暴想
2015年4月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30    

カテゴリー

無料ブログはココログ

« 2008年7月 | トップページ | 2008年9月 »

2008年8月の20件の記事

2008年8月30日 (土)

ガンディーニのクアトロポルテ(その17:エンジンの⑦)

もう、月末だし、そろそろ息切れすると思ってるだろー。みんな。頑張ってるんダヨーン、ざんぎょーしてまでも。

えー、まだつづくのー、のこのコーナー。もう厭きたでしょ?そろそろ。クアトロポルテユーザー以外の方々は、ご興味半分かもしれないけれども、まあ、今しばらくご辛抱の程を!

90度V型6気筒(8気筒)DOHC4バルブ インタークーラー付ツインターボ
エンジンスペックのつづきはコレでしたね。

はい、このV型90度というバンク角は、マセラティ伝統のレイアウトですね。ちなみに、第二次大戦後に製造された、ロードカー(いわゆるGTカー)には、戦後初期の「A6シリーズ」から始まって、直列4気筒、直列6気筒、V型8気筒、V型6気筒などの基本レイアウトがありました。
このうち、フロントエンジン時代のフォーミュラーワン用マシン「250F」の「直列6気筒」エンジンを源流とするのが、「3500GT」「ミストラル(デュオポスティ)」「3500GTIS(セブリング)」などの市販GTカー群。
レーシングスポーツプロトタイプの名車「450S」の「V型8気筒」をロード用にモディファイしたものが、「5000GT」「ギブリ(初代)」「メキシコ」「インディ」「ボーラ」「カムシン」「キャラミ」「クアトロポルテ(3台目:ガンディーニルックの前のヤツ)」「ロイヤル」等々の各車に排気量を適宜変えながら積まれていきました。
そうして、70年代のシトロエン提携時代に生まれた「V型6気筒」。これは、そもそもシトロエン社が、当時開発中のフラッグシップモデル(シトロエンSM)用の心臓として、マセラティ社にエンジンのみ開発を依頼してきたもので、上記の「V8」の2気筒を「ブッた切って(もちろん半分冗談ですヨ:笑)」おそるおそる奏上したら、そのまんま通っちゃったモノ。で、当時出現した「ベイビーミウラ」こと、「ランボルギーニウラッコ(これは、ミッドシップ車なのに、プラス2の後席がついてるという点で画期的だった)」迎撃用(笑)に、これまた「ボーラ」を「ブッた切って(コレばっか:笑)」、「メラク」をこしらえるにあたって、後席スペース確保のためにこのV6を積んだという経緯があるわけです。ちなみに、まったくの余談ですが、このエンジン搭載車は、「シトロエンSM」「マセラティメラク」の他に、フランスの極超少量生産メーカー「リジェ社」の「JS2」というのがあります。こんなマイナー車も30年前の「スーパーカーブーム」の折には、例の「サーキットの・・・」という有名マンガの劇中に登場する、結構どーでもいいサブキャラ(さて、ダレでしょう。このクルマの前にはフェアレディZ432Rに搭乗)が搭乗してたという理由だけで、プラモ化されてたから商魂恐るべし(笑)・・・。

あっ、先を急ぎましょ。スグ余談になっちゃう悲しいサガ。

で、このマセラティ社的には「メラク用」エンジンは、当時の水準では非常にコンパクトに仕上がっていたため、デ・トマソ傘下になってからの「ピッコロマセラティ(小さなマセラティ)プロジェクト」では、この90度V6というレイアウトに着目したわけです。

ここから先はまったく、ワタシの推論(創作に近い?)なんですが、当時の文献を紐解くと、まず「ビトルボシリーズ」は「BMW3シリーズ」の市場で闘わせようとしていたらしいんですね。で足回りはセミトレーリングアームとマクファーソンストラットで完全に3erのパクちゃん(笑)。でも、当時のBMWは直列の4か6気筒しか手持ちに無かった。ここで、おなじみの「差別化」戦略が登場し、「高級な(部品点数と組立工数が直列エンジンに比してとっても多くなるから)」V型エンジンを採用、しかもヒジョーにコンパクトなんで、思いっきり低重心に出来てノーズも薄く作れるからいい感じ。で、とりあえずのアドバンテージは確保(笑)。敵(BMさん)は、シングルカムエンジンなんで、ここは、コストダウンのためにも、ウチもシングルカム(SOHC)で、まっいいか(笑)。でも、気筒あたり3バルブ(70年代後期にはホ○ダのオートバイ用エンジンには、コレがもうあった。CB400TとかCB400Nなどのホークシリーズに搭載:2気筒だけど)くらいにはしとこう、カッコ付かないし。うーん、後発切り込み隊長としては、なんつーか、こう、もうひとつ「アタックポイント」がほしーよなあ。と考えて、「ターボチャージャー」でも付けてみる?ってなハナシが出て、いやー、敵さんには、もう、ずいぶん前からターボ車(BMW2002ターボ)あるもんなー、なんてコトになり、「ぢゃ、2個付けてみる?」「(開発会議の一同)そーしよー、そーしよー(大団円)」といった感じなのではなかったのかと(笑)。そうして、「世界初」の「ツインターボ装着市販車(そーなんですよ、ト○タより先なんですから:有名な愛知のト○タ博物館には、2代目ソア○開発時に研究用として購入した初代ビトルボが温存されているらしいです。展示してないけど:泣)」であるところの「マセラティビトルボ」は誕生したものとワタシは思っております。だって、名前が「ビトルボ(イタリア語でツインターボ)」なんですから、なんつーか、そのまんまではないですか。よっぽど、嬉しかったに違いありません。「コレで、どうだ!」といった感じでしょう。ちなみに、このターボチャージャーは初代のときから、「KKK」でも「ギャレット」でも「日立」でもなく、ボーイング社からジェットエンジンのオーバーホール、やってヨシとお墨付きをもらってる「IHI(石川島播磨重工業)」製、メチャクチャ立派な会社。もちろん我が祖国(笑)で製造されたモノです。極初期のモノには非常にトラブルが多かったと先達の大先生方からは聞いておりますが、3期目に突入し、(まともな)インタークーラーが付いた222時期以降のものは、オイル管理さえキチンとすれば、まったくシッカリとしたもので、まさに日本製の面目を保っておりますです、ハイ。

で、フィアット期に突入する頃には、ドイツ勢(あの保守的なメルセデスでさえ)も日本勢も「DOHC(ツインカム)はあたりまえ」の時代が到来していましたので、「ぢゃ、ヤルか、しょうがねー(笑)」と開発したのが、シャマル用のツインカム気筒当たり4バルブ(これは、クアトロポルテ用とはクランクシャフトが違うけど、文章で違いを説明してもどうせわからないと思うんで省略。まっ、クアトロ用の方がマイルドな味といった感じ)と222 4v用のツインカムV6をベースに、より近代的な「燃料調整システム」と「点火システム」を取り付けたのが、当項の主役、クアトロポルテ用のV8・V6エンジンというわけです。この流れのエンジンを最後まで搭載していたマセラティ車が、エボV6&V8と3200GTで、ここまでが「ビトルボ仲間」と云えましょう。

まあ、それぞれに部品互換性は、実際のところはあんまり無いんですが、ガンディーニクアトロポルテのエンジンは「450Sのエンジンをデチューンした、ボーラとかのスーパーカーエンジンを」、「メラク用に2気筒をちょん切ったヤツに」「シングルカム3バルブヘッドを載せ、カムタイミングをチェーン駆動から、コックドベルト(これがいわゆるタイミングベルト)駆動に換え、近代化し」た上で「ツインターボをつけ」たヤツに、モアパワーのためと「インタークーラー(ターボに過給する前に吸入気を一旦冷却することにより、より多くの量、空気が圧縮できるんでパワーが上がるんです)」も追加しちゃったものに、電子制御フューエルインジェクション(燃料噴射)&イグニッション(点火装置)を装備して、もう一度「4カム(V型エンジンのカムシャフトは4本)化、しかも気筒あたり4バルブ(吸気2・排気2)で作ってみました」、というものです。以上。

はあはあ、ちょっと疲れた。上の段、試験に出ますから、ヨーク再読して理解を深めてください(笑)。

ヒトに歴史ありと云いますが、ひとつのエンジンにも色々と歴史があるもんですね。旧い歴史のあるメーカーがアナログ的思考(メカ優先)にこだわって造り続けるととこういったスゴいものが生まれるんですね。

ちなみに、フェラーリF430用エンジンの兄弟とも云えるエンジンを搭載した、4200クーペ並びにスパイダー、現行のピニンファリナクアトロポルテ、グランツーリスモ達はエンジンのエンジニアリング的には、マセラティのナガーイ歴史とは「キッパリ」と断絶してしまいました。これは、少し悲しいコトだと思います、オートバイで云えば、ハーレーやドウカティのエンジンがホ○ダのインライン4(直列4気筒)になっちゃった様なもんですから。まあ、フェラーリだから、しょーがないか(とほほ)。

但し、逆もまた、あって。

皆さんが大好きな、ビトルボマセラティのエンジンルームの景観。一部には、コレを眺めながら、ガレージで夜中にウヒウヒと酒飲んでる(運転するなよー!)ユーザーさんもいるらしいのですが、この「超絶にカッチョイイ、エンジンルームの見せ方に関するノウハウ」は、マセラティを傘下に納めたフェラーリ社をいたく感銘させたらしく、「360モデナあたり」からは、ハッキリとそういう「見せる」演出をしていますね。そこに「ビトルボマセラティ精神」を見出すのもオツというものです。

いいなあ、やっぱイタ車って。コワれるけど(笑)。
今日の授業は「これにて、一件落着[いーけーーん、らくちゃく」(By中村梅之助の声で:ムカシの金さんですよ。知らねーか)」

2008年8月29日 (金)

いつも、当ブログをごひいき頂いて有難う!の各位に告ぐ

はい、こんばんちは!マイクロ・デポです。

当店ユーザーさま各位におかれましては、毎日、毎日、当ブログを盛り上げてくださり、本当に有難うございます。特にお褒めや賞賛の声には、ワタシらはバカですから、素直に「へへっ、ド−も」とお応えしておきます。だけどね、あんまりホメられると、「北の将軍さま」とか「小松のオヤブンさんギャグ」みたいで、当店のユーザーさん以外のお客さんはヒイているのでは、といささか心配しております。
私たちにとって「耳のイタイ話」も正直なところあるのではないかと。「店はもっとキレイにできないのか」とか、「日曜休むな」とか、「納期はもっと早くならんか」とか、「マイクロ・デポのクルマも壊れるじゃん」とか、「代車を用意しろ」とか、「だいだい店がおしゃれじゃないし狭い」とか、「継続車検や12ヶ月点検のお知らせくらい寄こせ」とか「きれいなおねーちゃんもいないし」とか・・・色々あるでしょ。以上みーんな、ワタシのここ何年かの悩みなんで、今スグには解決できないですけどね。とにかく、もっと、合理的に作業を進められたらいいのになあと念願いたしております。それでも、最初の春日町工場時代をご存知の方は「現在は、アレよりはマシ」と思ってくださっているとは思いますが(笑)。まあ、結構本人たちは深刻に悩んでるんですヨ、これでも。
というわけで、部外者の方も含めて、貴重なご意見をこれからも宜しくお願い申し上げます。「耳のイタいご意見」や軽度の「誹謗中傷」も、もちろんそのまま
載せておくつもりです。でも、それらのご意見にいちいち「突っ込み」を入れるのはヤメましょう。オトナなんだし(電話でなぐさめてね:笑)。

また、明らかにクルマねたと関係のない、「エロ系」・「カネ儲け系」のトラバは発見次第削除しておりますゆえ、予めご了承ください。

このブログを毎日チェックしてくださっているお客さん(既に当店ユーザーの方と将来の予備軍の方)たちと「共に老いる」自動車屋になりたいです。イタ旧車の未来に少しでもお役に立てればと思います。
また、このブログが、「旧車好き」の集うフレンドリーで、「ほんわか」した空間になればいいなあと思っております。

あとねえー、「冷却水バナシ」は必ず、エンジンルームを見ながらとコックピットドリルの水温計の説明時の最低2回は納車時にご説明してるつもりなんだけどなあ。あっ、あの「M戸のS」さんと「Rたろう」さんは、イタ車や旧車に関して「超歴戦のツワモノ」さんたちですから、そのスキルに敬意を表して、サラッとしか説明してなかったかもしれません。「釈迦に説法」もナンですから。今度御来店の節には、「いやというほど」、説明して差し上げます(笑)。

ついでに「Rたろう」さんの質問、とご希望について申し上げます。「まさか、いれたんぢゃないだろーなー」の水漏れ防止剤、ビトルボマセラティに入れて大丈夫なのとヤメたほうがいいのがあるんですが、ブログの公共的性質を考えると商品名を名指し出来ないので、電話で答えます。少なくとも当店でも「W社(青いパッケージでお馴染みの)」のは日常的に使用しております。要は中に入っている成分の粒子が細かいか、荒いかということでして、ものすごく旧いクルマなどには、一般市販品の中には有効なものがあります。また、「ブログに写真を」とのご希望にはできるだけ沿うようにしたいと思っておりますが、「大変」なの、色々と。写真を圧縮加工したりとか結構メンドクサイの。まっ、少しずつ改善いたしますゆえ、ご理解のほど。だいたい、60年代のジェンセンねたなんか、オレしか分からないんだから(ありゃ、たしかにスゴイ顔&フォルム)。ゆくゆくは、もっとコアなクルマばなし専門の別サイトを作って、そっちの方でよりマニアックなオハナシを展開できればと思います。

すいぶんと、アクセス数も増えてまいりました。皆さんと共に、マナー良く遊んでまいりたいと思っております。当店ユーザーさん以外の方もどしどしご参加を!

ガンディーニのクアトロポルテ(その16:エンジンの⑥)

あー、昨日の⑤、サブタンク&キャップばなしですが、エボ以降の記述をまったく忘れておりました(笑)。えーと、それはね、「忘れるくらいに問題無し」ということなんで、まあ、時々は冷却水量とその汚れ具合をチェックしてあげてください。ちなみに、エボのサブタンク&キャップは同時代のアルファロメオやランチアに使われているものの流用の様です。

で、本日のお題。
冷却系のキモ⑥:ラジエター本体(一品ごとに、コア交換の上、耐圧試験が必要)
ですね。

これは基本的に3種あり、
①:エボ未満V6用
②:非エボV8用
③:エボV6&V8用
ラジエター自体はどれも結構しっかりしてます。
①は多くの場合、当時の正規ディーラー出身車では、新車をおろしてから早い段階で予め対策されているようです。ラジエター業者のステッカーが張ってあります。地方出身車(地方ディーラーでおろしたクルマ)では、そのまま出しているケースも多いです。当店では、そろそろリビルドが必要と判断した場合は「カッパー(銅)コア」できっちり交換の上、一品一品、耐圧試験(規定圧の倍以上の圧力をかける)を入念に実施の上、取り付けています。
②と③は今までのところ問題が出ていませんが、特に③では、冷却系統とは関係ない他のコア部材と抱き合わせた構造になってるため、分解作業時に余計なテマヒマがかかります。アルミ同士が結合してある「継手」部分は緩める時に必ず「ナメ」ます。これが始まると「大ハマリ」の前兆なんだよなあ(泣)。まっ、マイクロ・デポでは結局やりますけどね、どこまでも、大ハマリ覚悟で(笑)。
はい、とりあえず、「冷却系のキモ」のご説明はコレで完結。エンジン周りの解説はまだまだ、まだ続くのであった。いったい、いつ終わることやら。

追伸
今日も自動車ブログランキング「3位」、嬉しい!
右のランキングスイッチを押していってくださいね。

2008年8月28日 (木)

久しぶりにハネ馬降臨!

えー、本日2回目の投稿です。クアトロねたも先にアップしてありますヨ。

フェラーリモンディアルtカブリオレが近日入荷予定。詳細はそのうちホームページに載せますが、お友達にも知らせてあげよう!(笑)
90年型のユーロ並行車、3.2万キロ。
外装:ネロメタリック、内装:マグノリア(アイボリー)革。
フェラーリ348用純正17インチホイール付き。
例によって、エンジン・クラッチ・足回りなど、「鬼のように手を入れて」、「イタ旧車好き」垂涎の一台に仕上げますよ。
詳しいお問い合わせはお電話にて。どうか、宜しく。

追伸
で、上のクルマを買ってくることを決めて帰ってきたら、自動車ブログランキングが怒涛の3位になってる!
みんな本当に有難う(涙)。まー、コレ以上は、いくらなんでもムリだなきっと(笑)。一位は「ユーチューブねた」だし(泣)。

ガンディーニのクアトロポルテ(その15:エンジンの⑤)

はい、お待たせしました!今日の授業(笑)は、
冷却系のキモ⑤:ラジエターサブタンク(品質極悪、超低寿命、但し価格は低廉)
のハナシですね。・・・って、こんな、うすーいネタでいったい何行書けっていうのかしら(笑)。

まず、エボ未満クアトロポルテについている、デ・トマソビトルボ由来の、このサブタンク、スグ膨らみます!歪みます!しまいにゃ割れます!(笑泣)
対処法は唯一つ、こまめな新品交換。コレに尽きます。但し、前回書きました様に、ここダケを「攻撃」するのは、却って逆効果になってしまう恐れもあるため、現在、冷却系統の整備履歴が怪しい、エボ未満クアトロポルテをお持ちの方は、このブログ見たからといって、スグに交換しなくて結構ですヨ。毎日始動時にサブタンクの冷却水量をチェックの上、水道の水を足してください(飲料用ミネラルウオーターは不可)。LLC濃度が薄くなってきた場合は、ホームセンターでも容易に手に入る、「トヨタ純正キャッスルLLC(緑)」で充分ですから、これをタマに足してください。ラジエターの水がかなり減るのは、サブタンク以外の要素(ヘッドガスケットがイッてるとか、ヒーターホースが漏ってるとか、ヒーターコアがダメとか)が考えられますので、ちゃんと直しましょう。スゴくカネ掛かりますけど。
間違っても、ホームセンターで売ってる「水漏れ防止剤」のたぐいは使わないよう。取り返しのつかないコトになり得ます。

さて、当店では、このサブタンクが4期に分かれているコトを確認いたしております。

①:オリジナルビトルボについていた新品時に乳白色のもの。この時期のものは結構長持ちした。

②:リターンホースの継手部の位置が変更になり、それに伴い、リターンホースも(L型)と称する形状のものに変更する必要が生じた。この②時期がクアトロポルテ前期型時期に相当すると思われる。

③:材質変更になり、新品時の成型色が半透明に。明らかに「ポリ系」の素材にみえる。見た目も安っぽい。出現当初、「これで、寿命がさらに延びるのか?」と半信半疑で期待をしたが、期待通りに「やっぱダメ(笑)」。ぜんぜん持たなくなっちゃった。これが、クアトロポルテ後期型あたりの時期。この時期に供給されていた補修用パ−ツとしてのサブタンクもこの時期のもの。だから全部ダメ。「マセラティ原理主義者(笑)」の我々としては、しょうがないけど。この時期のサブタンクには「苦い思い出」が数多くあるので、あんまり思い出したくない(泣笑)。

④:で、(対策っつーか、なんつーか)もとの材質に戻ったと。でも心なしか①②の時期のモノよりも全体的に肉が薄い気がする。現在、市場に流通している殆どのクアトロポルテは、数次のサブタンク交換を経てきているので、大概この④が付いている。

サブタンクを見切るタイミング→まずドレーンホースを見よ!

当店では、納車時整備において、すべてのサブタンクとキャップ、そしてキャップの根元に付くサブタンクドレーンホースを真っ透明な新品に交換してお納めしております。それには意味があるんです。ひとつはエンジンルームの美観(アホ:笑)のため。もうひとつは、サブタンクの注入口部が異常変形していないかどうかの判断を、シロウトさんにも容易に出来るようにするためなんです。この透明なホースを経由して、たびたびドレーン口から(オーバーヒート状態ではないのに)噴出したLLCが流出し、右フロントフェンダーのフェンダーライナー裏を通って地上に垂れているマシンは、この透明ホース内にLLC独特の鮮やかな緑色を呈しますので、「あっ、こりゃタンクダメだわ」とすぐに分かるという寸法です。ウチのお客さん方、知ってた(納車時には一通りご説明しているんですが、みんな忘れてるよなあ:笑)?
なんで、当店では、こんなに神経質に冷却系統に拘っているのかというと、これがマセラティの「イタ車にしては管理しやすい低めの水温」の「元締め」だからです。マセラティを知ってる同業者諸兄もここの重要性は認識してるハズ。

小学生の理科の問題。

問い「水は何度で沸騰するでしょう?」
答え「100℃」

ですね。

「じゃ、どうして自動車エンジンの水温は、100℃を超えても容易には沸騰しないのでしょう。」
これは、高校物理の問題かな。よーわからん、ワタシはコレでも文科系(笑)。

「エチレングリコール水溶液だから沸点が水とは違う(上がる)」正解の一部ですね。
「水は加圧することにより、沸点があがる(100℃で吹かなくなる)」これが正解の続き。

これで、冷却系統の管理がいかに重要か、お分かりになって頂けたと思います。

今日の授業はここまで!キーンコーンカーンコーン。
「きりーつ」「礼!!」お疲れ様でした。
(で、あしたにつづくと。)

2008年8月27日 (水)

ガンディーニのクアトロポルテ(その14:エンジンの④)

続きましては、
冷却系のキモ④:各ヒーターホースとその継手(アルミ継手の腐食、ホース交換困難)
いってみましょうね。

このヒーターホースとかウオーターホースとかの題名がついた「水ホース関係」は大小長短併せて十数本ありますが、ここでは、主にエンジンシリンダーヘッド(Vバンク)の谷間、インジェクションユニットの下にある、通常、外からは見えにくい位置のホース類とその継手関係のお話です。新車より5年程度の間では通常は問題ないと思われますが、使用頻度に「波がある」使われ方(数ヶ月乗らなかったかと思うと、いきなり遠出の旅行に高速をカッ飛ばして使ったり)をすると、ホースと継手の接合部分から冷却水が滲んだりしてきます。アルミ製の継手(ゴムホースも)は、国産車などの品質に較べてその精度、面相度、工作が格段に劣り、加えて腐食耐性も低いので、長時間乗らずに放置しますと、ホースの裏では継手が「虫喰い状」に腐食してまいります。目に見える、ラジエターのアッパー&ロワーホースは、ホース、継手ともにかなり肉厚ですから、まあ、メッタなことでは「逝き」ません。が管径が細く肉厚も薄い、ここでの主役ヒーターホース類には、もっともハードに水圧が掛かるためソコから滲むというわけです。
エボ前V6の場合、デ・トマソビトルボ由来の後述するラジエターサブタンクが膨らんじゃってダメになってると、車検時などに交換されますが、ここがちゃんと直ったことにより、ホース継手部から漏れが始まることもあります。ある意味、「ダメな」サブタンクは冷却系の「ヒューズ」みたいな意味が(結果論ですが:笑)あるんですね。ですからこのサブタンクがキチンとした(膨らまない)V8&エボ系は経年の進んだ今、かえってヒーターホースには気を使った方がいいでしょう。
自動車には、内部を液体が循環する経路がいろいろとありますね。この冷却系統もその一つ。人間の体の循環器系統の老化や生活習慣病と理屈はほぼ一緒なんです。但し、マシンですから、自然治癒力は何かの偶然が起こらぬ限り、やっぱり期待できません。しかも患者(患車か?:笑)はもの云わぬ、気高きマセラティさま。こちらでいろいろと予防策を考えてあげないといけません。本当は、一番ダメに見えるところだけを直すのはマシンが新しいうちはいいのですが、全体的に老化が進んだものには、有効ではないのです。つまり、マシンにとっての「アンチエイジング」とは、一つの系統ごとに老化箇所を「全とっかえ」するということです。電車も、船も、航空機も皆そうやっているから、いっけん何事も無く、数十年の酷使に耐えている様に見えるんです。
余談ですが、数年前にネット上のある書き込みに、「マイクロ・デポは部品交換しすぎなのではないか」といった主旨の非難をされていたことがありました。ワタシはじっとこらえました。マセラティや旧いフェラーリなどの大規模な部品交換や整備は、ハッキリ云って「ハマるのを覚悟の上」で行なうものなんです。すべては当店を支えてくださるユーザーのため、納車時整備では、部品は原価、われわれの工賃は殆どなしで精一杯施しております。全国の旧いマシンを愛するユーザーさん、そのすべてに、弊社の理念がご理解頂ける日がいつの日にか来ないものかと念願いたしておりますよ。

追伸:自動車ブログランキングがついに5位まできました。本当に感謝感激です。今日も右のスイッチをクリックしていってくださいね。宜しく!

2008年8月26日 (火)

ガンディーニのクアトロポルテ(その13:エンジンの③)

えー、前回スッカリ忘れておりましたのが、電動ファンユニットの変遷に関するご説明。基本的に3種類あるようです。
①:前期型〜後期型までのV6用
②:エボ前V8用
③:エボV6&V8用

それぞれの特徴
①:デ・トマソビトルボ時代から使われてきたユニット。動作開始時に大きく電圧変動があり、その動作音(風切音:ブーン)と水温の振幅(75〜90℃の間、ファンの動作・停止に伴い比較的大きく振れる)がかなり大きいのが特徴。ファンユニットそれ自体の信頼性は高く、カプラー部の改造により安心できる。
②:ファンプロペラ部の形状変更により、このモデルから風切音が著しく激減。ファンの動作タイミングが①より若干遅いのが特徴だが、心配は要らない。
③:ラジエター本体の全面的変更に伴い、ファンユニットも筐体ごと大改変。シュラウド状の空気導入ダクトが装備され、さらに改良されたプロペラにより、動作音も静粛になり、水温計90℃でピタっと安定するのが特徴。上記①装備車に長年のっていたユーザーにとっては、ファンの動作音が聞こえない上、水温が高め安定なので、夏場などはかえって心配になる(笑)。
V8車では(マセラティ車)禁断の100℃近くを指すこともあり得る。大丈夫だけどね(笑)。各カプラーの造りも現代的なものになっており、安心感は抜群です。但し、ラジエター本体とオイルクーラーが「合体メカ」化されているので、この辺をはずす場合は根性が必要になっちゃった。「また、余計なコトを・・・」感も我々的にはひとしおです。

さあ、今日の本題冷却系のキモ②:サーモスタット(新品品質の不安定による、短寿命。寿命予測は不可能)
にまいりましょう。

これは、V6車とV8車で大きく違う部分です。
V6車は(エボ前もエボも)例によって、デ・トマソビトルボ由来のサーモスタットを採用しており、その交換時にはサーモスタットハウジングのガスケットも含めて、各部のOリング交換が必要になります。サーモスタットの耐久性もさることながら、このハウジング周りの腐食や劣化により、その交換を困難にしているケースが多いです。だから後述のヒーターホースとともに、新車時から一度も手をつけてきていない(ハマりそうだから、逃げてきている)中古車の個体は大変多いと思われる項目です。各部の点検により、サーモ不良と断定した場合は、まず一旦分解の上、サーモスタットをお湯を入れたナベに入れ、「煮沸」します。73℃で開けばOKなのですが、ダメになってるものは、ここで開かないか、開きが甘いんです。交換後一年未満で、パーになった(しかも真冬に)ことがあるため、新品パーツにも問題がありそうです。そうかと思うと、10年なんでもないモノもありますので、パ−ツ個体差も多そうです。

V8車においては、エボ前モデルもエボもV6用とは全く造りが違います。サーモスタットがアルミケースの中に封入されているタイプで、メッタなコトでは交換を要しません。

よく、「旧車の心得」みたいな本の中で、オーバーヒート時は、「エアコンを切って、ヒーターに切り替えろ、エンジンは止めずにアイドリングで様子を伺え」などといった記述がありますが、マセラティにはその方法論がどれも当てはまらないように思います。オーバーヒートの原因は色々とありますので、「水温に異変(通常より高くなってる)を感じたら、即クルマを脇に寄せ、エンジン停止」これが、「マセラティ乗り」用の心得です。そのために、通常の水温が他の一般的な欧州車に較べて20℃近くも低く設定してあるのですから。マセラティのエンジン冷却に関する思想はちょっと独特なものがありますね。ものすごく熱を発するエンジンをありとあらゆる手段を講じて「ムリヤリ早めに冷やす」ということでしょう。その反動が各部電気周り、とりわけバッテリーやオルタネーター(発電機)の寿命に影響しているというわけです。

ハナシはそれましたが、真冬なのにオーバーヒートして乗れないし、ヒーターの効きが悪い方は一度サーモスタットを始めとした、冷却系統を徹底的に叩く必要がありそうですね。
(冷却系のキモ④につづく)

2008年8月25日 (月)

ガンディーニのクアトロポルテ(その12:エンジンの②)

冷却系のキモ①:電動ファン(熱で、ファンスイッチやリレーが故障、カプラー焼損で不作動)

そもそも、ほかの当時のイタリア車にこんなに低い水温(水温計で80℃〜90℃)で真夏に走行できるものがありましょうか?そのカギの一つがコレ。大型の電動ファンが2基、ブン回り続けます。エボ前V6の電動ファンは(個体差はありますが)水温計が85℃を超えたあたりで2基同時に「ON」になり、真夏などはエンジンを停止しても所定の温度以下に下がるまで、しばらく回り続けます。また、エアコンを「ON」にして、コンプレッサーが回っている間は、その水温の高低に関わらず、必ずファンは「常時作動」になり、すでに水温が所定の温度以下なら、エアコン「OFF」により2基のファンは一旦停止します。
電動ファンがシッカリ回らなくなる主な原因には、電動ファンリレー(ファン一基につき一個割り当て)の内部不良(この場合、リレーがハネた方のみ不動になる)か接触不良、ラジエターに付いているセンサースイッチ(水温を検知してファンの動作と停止を制御)の不良(2基とも不作動になる)、ファン本体から伸びているハーネスのカプラー(接合部)の接触不良による焼損(カプラーが焼けた方のみ不動になる)、などがあります。ファン本体のモーター不良も稀にありますが、ホントにマレ。これは、各ファンカプラーを抜いて、そこにバッテリーを直結してやればスグに分かる。
また、不動原因が上記のうちでリレーかファンセンサーにある場合は、エアコンを「ON」にして走行すれば、「何事も無かったかのように」走れます。但し、エアコンがちゃんと動く場合のハナシですヨ、もちろん。
実はこれらのトラブル、222や430などデ・トマソ期モデル(当店のは大丈夫)には頻発したものですが、リレー台座ギボシの改良、カプラーの見直し、広いエンジンベイ(クアトロV6)による放熱効果などが相まって、フィアット期以降のモデルでは、さして問題にならなくなっているものです。しかし、「経年」という重要な要素を見落としてはなりません。旧いクルマを足とするためには、(マセラティに限らず)予防整備は重要です。
ワタシは17年落ちの某国産(軽自動車)スパイダーを、ヨメの足として所有しておりますが、先週の木曜日にワタシ自身がオークション会場まで往復110Kmほど走行の後、ヨメが千葉の我が家へ帰るため、引き渡しましたところ、20分後に電話が掛かってきて「今、環八のアンダーパスの中でいきなりトマって、どうにもならないぴょん」とか云ってるので、即レスキューに。行ってみると「オルタネーター」が終わり。この辺の国産車は電圧計はおろか、チャージ不良を示すインジケーターランプすら付いていないので、
「終わる」時は本当に突然なもんでコマりますね。まあ、そろそろ10万キロだしな。このディーラーも迅速かつ的確な対応をしてくれたので、助かりました。
「うー、今月も余計な出費があ!(泣)」って、お客さんの気持ちがよく分かりますネ。余談ばっかし。
(冷却系のキモ②につづく)

追伸
奇跡的にブログランキングは6位に!
うちのお客さんって頼れるなあ、ホント感謝します。
今日も右のランキングスイッチをクリックしてね。

2008年8月23日 (土)

ガンディーニのクアトロポルテ(その11:エンジンの①)

さあ、今日から暫くのあいだ、エンジンとその補器類のハナシにお付き合いの程を。

とりあえずは、各車のエンジンスペックを一応書いておきますね。

マセラテイ クアトロポルテ[前期型・後期型V6](型式:E−MQ)
マセラテイ クアトロポルテV8(型式:E−MQ8) 
(文中、{ }内はV8)

・エンジン形式:水冷90度V型6気筒DOHC4バルブ インタークーラー付ツインターボ
         {水冷90度V型8気筒DOHC4バルブ インタークーラー付ツインターボ}
・ボア×ストローク:φ94.0mm×67.0mm
           {φ80.0mm×80.0mm}
・総排気量:2789cc {3218cc} ・圧縮比:7.4:1 {7.5:1}
・最高出力:285PS/6000rpm(DIN) {336PS/6400rpm}
・最大トルク:42.0kgm/3500rpm(DIN) {45.9kgm/4400rpm}
・燃料供給:電子制御燃料噴射
・点火装置:電子制御ダイレクトイグニッション

マセラテイ クアトロポルテ エボルツィオーネV6(型式:GF−QP6)
マセラテイ クアトロポルテ エボルツィオーネV8(型式:GF−QP8)
(文中、[ ]内はV8)

・エンジン形式:水冷90度V型6気筒DOHC4バルブ インタークーラー付ツインターボ
         [水冷90度V型8気筒DOHC4バルブ インタークーラー付ツインターボ]
・ボア×ストローク:φ94.0mm×67.0mm
           [φ80.0mm×80.0mm]
・総排気量:2789cc [3218cc] ・圧縮比:7.4:1 [7.5:1]
・最高出力:285PS/6000rpm(DIN) [336PS/6400rpm]
・最大トルク:42.0kgm/3500rpm(DIN) [45.9kgm/4400rpm]
・燃料供給:電子制御燃料噴射
・点火装置:電子制御ダイレクトイグニッション

・・・なんか、代わり映えしませんねえ(笑)。まっ、とりあえず、基本のV6が2.8リッターで
上位モデルのV8が3.2リッターとだけ覚えておきましょう。
ムカシの国産車のCM風に云うと、「驚異のメカニズム!ツインカム24バルブ
インタークーラーツインターボエンジンを搭載!(V6)」「余裕を知るオトコの、ツインカム32
バルブ、3.2リッターV8エンジン車も宜しく!」てなところです。

でもなあ、考えてみると、こういった、エンジンスペックに心を躍らされていた時分が、いま
や懐かしいですね。ワタシの若い頃(こんな書き方するほどのトシになっちゃったのね)は
DOHC(ダブルオーバーヘッドカムシャフト:別称ツインカム)とかインタークーラーとか、
ましてやターボチャージャーとか、こんなメカ付いてたら、「お空も飛べる」とか思っていた
ものでありますよ。しかもこいつは「ツインターボ」。もはや、宇宙へ行けるナ(笑)。

で、冗談はさておき、バブル景気全盛期にウルトラはいぱあスーパープレミアムなマシン
であった、フェラーリF40と、よく考えればエンジンの(字面上の)構成は同じなわけで、
これは一つスゴイことなのでは、と思います。

ところが、クアトロポルテのこのエンジン、その源流は当然「元祖ビトルボ様」にありまし
て、特にV6エンジン車は「エンジン腰下部(クランクケース)」が殆ど同じ(とはいっても
互換するのは至難だと思われるが)なんです。

これは、何を意味するかと申しますと、年代、エンジン形式の別を問わず、互換性の
あるパーツが結構存在するので、一品目あたりのパーツ生産量も見込めますから、ここ
まで旧くなっても、機能パーツの再生産供給が可能であるということです。これが、
他の(フェラーリも含めた)イタリア製のマシン達よりも、パ−ツ供給にアタマを痛めること
が少ない所以でしょう(但し、その部品価格はベラボーだけどな:泣笑)。
因みに、かなりムカシの話、当店では、キャブレター時代のビトルボ425に電子制御
インジェクションをくっ付けて「425i」を造っちゃったコトがあります。スゴクちゃんと走った(笑)。

さてさて、余談ばかりになってしまいました。エンジン(あっ今、変換キー間違えて
押したら「猿人(笑)」になった。オモロイ):ああ、また余談)の解説に戻ります。
上に書いたスペックシートを利用しながら、順を追って解説してまいりましょう。

まず「水冷」。現代のクルマでは極めてアタリマエの、猿人(もういいって)冷却機構
なんですが、クアトロポルテさまのV6エンジンはまったくよく冷えます。「ビトルボ時代」
から連綿と続く「オーバーヒート伝説」、ありゃいったいなんだったんでしょう?てな
もんです。V8エンジンも、だいたい(笑)冷えます。大丈夫、ほんと。当店の送り出す
すべてのマセラティは大丈夫なのに、どうして新車以来、この悪しき伝説がバッコして
いるのでせう(笑)?


エボ前のV6エンジン車には「ビトルボ時代」より引きずる以下のキモがあります。

冷却系のキモ①:電動ファン(熱で、ファンスイッチやリレーが故障、カプラー焼損で不作動)
冷却系のキモ②:サーモスタット(新品品質の不安定による、短寿命。寿命予測は不可能)
冷却系のキモ③:ウオーターポンプ(品質劣悪、予想外の寸法精度、バリ等加工不良多し)
冷却系のキモ④:各ヒーターホースとその継手(アルミ継手の腐食、ホース交換困難)
冷却系のキモ⑤:ラジエターサブタンク(品質極悪、超低寿命、但し価格は低廉)
冷却系のキモ⑥:ラジエター本体(一品ごとに、コア交換の上、耐圧試験が必要)

で、さらに、4カムDOHC車になってからの特徴として、
冷却系のキモ⑦:シリンダーヘッドガスケット(新品時の組み付け不良、暖気省略走行)
が抜けかかってるマシン多し           

・・・なーんだ、やっぱダメだあ(笑)。ちょっと考えたダケでこんなにキモが出てくるとは。
ともあれ、これだけやらないと、真夏に安心して乗るコトはできません。
(つづく。次回は、キモそれぞれの説明から)

追伸:ブログランキング15位まで来ました。
本日も右上のスイッチをクリックしていってくださいね(願)。

2008年8月22日 (金)

クアトロポルテと暮らしてみませんか〜ガンディーニの疾駆するオブジェ(その10)

はい、今日は内装の「色」についての説明です。
前期型と後期型の時期は、基本色がアイボリー(温かみのある白)、タン(ベージュ)、黒(重役室)が基本3色と思われますが、中には、ブルー(真っ青!)、グリーン(これまた、真っ緑:笑)、グレー(女性用の靴みたいな色)などもみられます。
エボ期は、外装同様に多様な内装色がカタログには用意されていますが、やはり基本は、アイボリー(アヴォリオ)、クオイオ(野球のグローブみたいな茶)、黒、あたりが基本3色。タバッコ(焦げ茶)を入れて四天王(笑)といったところか。前述のブルー、グリーン、グレーのほかにも、ネイビー(濃紺:これも結構ポピュラーかも)、ボルドー(ワインレッドに近い臙脂?これも意外と見るような気がする)など結構多彩です。これは、エボ期のディーラーである「コーンズさま」が顧客のオーダーをかなり細かく受けていた証拠でもありましょう。というわけで、そうとう「ハイセンス(皮肉ですヨ:笑)」な、内外装の組み合わせに仕上がっちゃってるスゴイのが相当数あるので、「こまったちゃん」です。
また、前期型・後期型では、シートステッチが複雑に入りくんでいる上、「ギョーザ縫い(あえて、ドレープをつけて縫いこむ驚異の職人芸)」も随所に使われていますので、淡色系では汚れると見られたモンじゃなくなります。
エボ期のものは、アッサリした造形ですが、革表皮が非常に薄く繊細なので、露天置きで紫外線の長時間照射をクラっているモノや、おしり癖のよくない(笑)オーナーが乗っていたと思しきクルマは、表面に細かい縮れジワが出来たうえに、ひび割れ、ハガれるといったトラブルに見舞われます。
全期に亘って、黒、濃紺などの濃色系内装のものは、汚れこそ目立ちませんが、ダッシュボードやメータークラスターが縮む、反る、歪むなどのトラブルに見舞われやすいといった、特徴があります。
また、製造時期や内装色によって、室内の「匂い」まで違うんです、マセラティの場合。こういった「官能的要素」は、ヒトにより評価や感じ方が分かれる項目だと思いますが、長くクルマに乗る上で、非常に大事な要素と思われますので、「見た目」のみならず、現車を確認すべき項目だと考えます。ひとつハッキリといえることは、どれも、いわゆる「皆さんのイメージする革の香り(コノリーの香りが、たおやかに上りたつ的な)」ではないことだけは確かですが、少なくともワタシはどの香りからも「癒されて」おります。
(次回はいよいよエンジン・・・メンドくさくなってきたぞー:笑)

追伸:ブログランキング(自動車の部)で本日26位までやってまいりました。一週間前は300位(笑)。皆さんのパワーを実感いたしております。
右下方のスイッチをクリックしてくださいね。宜しく。

2008年8月21日 (木)

ガンディーニ・クアトロポルテ〜そのエクステリア補足

この連載も今まで、ずーうっと内外装の「見た目」のハナシに終始しておりましたが、肝心の「色」にまつわるハナシをスッカリ忘れておりましたので、軽く触れておきたいとおもいます。
まず、外装色とそのペイントについて
前期型では、ペイント素材の供給メーカーが、かの「グラスリッド」なんで、フェラーリ好きのマニア諸兄には「グッと来る」ものがあると思います。後期型からエボ最終までは「PPG」の塗料が使われています。因みに色番号のシールは、クアトロポルテの全型を通して、通常はトランク裏面の左側に貼ってあります。グラスリッドは白地に商標の「インコ印」、PPGではギンギラギンのメッキ地に黒い文字で商標ロゴと色名・色番号が入っております。
国内に存在するクアトロポルテには、モデル時期別に以下のものがあるようです。一部の色は時期を跨いで混在することもあるようなので、あんまり正確な区別ではありません(全部現物を見たことあるヤツなので、記憶に頼って記述しております)。あくまで、参考までに記しておきます。より詳しい方は、間違いに突っ込みコメントをくださいね。

前期型
ビアンコアルピ(アルペンホワイト:青みがかったソリッドの白)
ブルーセラメタ(いわゆる紺メタ)
インペリアルブルー(まったく群青色)
ナイトブルーメタ(落ちつき、屈折した渋いブルーメタ)
ヴェルデツンドラメタ(深く青みがかった緑メタ)
ロッソオリエンテ(いわゆるマルーンメタ)
ネロシデラル(メタの粒子が細かい黒メタ)
グリジオツーリングメタ(ザ・シルバーといった感じ)
グリジオヴァルカーノメタ(ほんの少し茶がかったグレーメタ:いわゆるガンメタ)
他にも、忘れてるのがあろうかと思いますが、「ヘンな色」をお持ちの方はご教示ください。

後期型以降
ブルースペチアーレ(キリっとした濃紺メタ)
アルゼンチンブルー(爽やかな空色メタ)
ヴェルデメキシコ(シャキっとした明るめの濃緑メタ)
ヴェルデフォレスタ(ブリティッシュグリーンメタ)
ロッソマデラ(チェリーピンクメタ)

エボ期
ビアンコバードケージ(温かみのあるホンワカ白)
ブルーネッチューノ(濃い紺色メタ)
ヴェルデミストラル(なんとも云えん薄いグリーンメタ)
ヴェルデブルックランズ(かなり濃い緑メタ)
ドロミテ(まっ金金メタ、アラブの大富豪状態:笑)
ロッソボローニャ(ワインレッドとマルーンの中間メタ)
・・・こんなところか。
エボ期にはディーラー色見本にいーぱい色が載ってます。この時期以降に初登場したカラーの色名は、マセラティ社が過去製造したモデル名や、世界のサーキット名、マセラティ社にゆかりのある地名などに因んだネーミングがされているようです。

他にも、中途半端な中間色が多数存在するようですが、ディーラーカタログにも載ってないようなのもあるので、(例えばギブリカップでお馴染みの)ブルーフランス:水色とか、とんでもないですが(笑:ワタシはイケる)、実際にある。
並行輸入車もごくごく少数ですが、存在しますので、ほかにも我々が見たコトない色目は存在すると思います。(次回は内装色のハナシ)

2008年8月20日 (水)

クアトロポルテと暮らしてみませんか〜ガンディーニの疾駆するオブジェ(ちょっと一息コラム)

毎日、当ブログをご贔屓頂いて誠に有難うございます。特に毎度コメントを賜る「常打ちメンバー(笑)」の方々、当ブログでは、その一々にお返事をするコトはあえていたしません(そうしないと、このブログが当店関係者ダケの排他的な空間になってしまうような気がするもんで、ごめんなさい。広く色んな立場のヒトがコメントを寄せてくれることを祈っております)が、その一つ一つを有難く、嬉しく思っております。ブログ更新へのモチベーション維持のために(笑)、これからもドシドシご意見をお寄せくださいね。あっ、そうそう、ブログランキングってのにも参加してますんで、画面右下方のランキングスイッチも必ず押して下さると有難いです。木戸銭代わりに宜しくお願い申し上げます。
さてさて、ちょっと一息コラムなんですが、以下、クアトロポルテ内外装ネタの締めです。
イタリアは、よく巷で「デザインの国」と云われています。もっとも近年では、品質・性能が伴わないことが多いことから、若干揶揄の意味が込められていることもあるようです。けれども私達は、あえて、こう云いたい。「デザインは性能のうち」であると。エコだエコだと云いますが、納車のその日に飽きるデザイン(それは早期の買い替えを誘発する)の凡庸なクルマを溢れさせておいて、また、その製造時に大量の鉄板と合成樹脂を必要とする表面積の広大な形状の「ミニバン」と称する実はどでかいクルマたち(7人乗りのクルマに1人か2人で乗ってるのをよく目にするけれども、せめて軽にしろ!と叫びたくなる時ありませんか)をブームにしておいてエコもないもんだと思います。
まだまだ使えるクルマたちをどんどんお払い箱にするなんて、それこそもったいないもいいところだと思いませんか。また、カタチのいい物に囲まれた生活は、たとえシンプルでもビンボーくさくなりません。使い慣れたグッドデザインの万年筆(いや300円の良く出来たボールペンでもいい)は、悪いけど100円ショップのインクがすぐに出なくなるボールペンとは、設計の思想、材料の吟味から根本的に違います。ハサミ、カッターナイフ、缶きり、みんな同様。
最近では日本の一流ブランド電気製品も、海外生産の廉価品を、特に「一円でも安く」と、安売りで鳴らす大手小売店で購入した場合には。信じられないくらいに早い時期に壊れていくような気がします(これはあくまでも、ワタシ自らの体験からくる私観に過ぎませんが)。それがまた、さして酷使もしないのに、ハンで押したように保障期間のちょうど終わった直後「1年と一ヶ月」でぶっ壊れるもんで、ネラってやってるんだったらスゴイ技術力だよなあ、と、むしろ感動すら覚えます。

そんな使い捨ての思想は、「豊かさ」の実感を生みません。コンビニで買った弁当も、キチンとした器に移しかえて食べれば、「ちょっとは嬉しい」ものです(昨日の晩もやってみました:泣)。なんでも、目先の金額の高い安いでモノを選ぶのをやめたら(まっ、自分もなんですけどね:笑)、ちょっといい物を手に入れて大事に使うようにすれば、もっと「豊かさを実感」できると思いませんか。悲しいかな、人間には、飽きる」とか、「マンネリ」とか、と言った習性があるようです。ですから、よく「一生もの」なんて言い方がされますが、長寿になった昨今、現実に一生使われる事、ましてや、代々受け継がれて使われるモノは非常に少ないと思われます。クルマはその価格が高い上に、長期間維持するには消耗品も多く、流行にも過敏で、とても一生ものには出来そうもありません。それがまごうことなき現実です。けれども、「一生もの」の思想、「モノを大切にする心」は大事にしたいじゃありませんか。
イタリアンデザインの精華は、「ひと目惚れ」させるパンチ力。「厭きる暇(あきるいとま)」をあたえない内面からにじみ出る濃密さが身上です。私達はその誕生以来、初めて幕張の外車ショーで「お立ち台」に麗々しく飾られた雄姿に心躍らせてこのかた、「ガンディーニ・クアトロポルテ」の信奉者になってしまいましたが、現行の「ピニンファリナのクアトロポルテ」とはまた違う魅力の「オブジェの力感」「手作りの温もり」は全く旧さを感じさせません。この魅力を一人でも多くのヒトに味わって頂きたいと念じて、経年により、買いやすくなった今こそ、高品質リーズナブルプライスで「ガンディーニのクアトロポルテ」を一生懸命供給してまいります。
思えば人生は一度きり。耐久消費財の自動車を一生のうちに何台乗り換えることができましょう。願わくば「一生もの」足りえる様な「厭きない」クルマ造りをしていきたいものだと念じております。

2008年8月19日 (火)

なつやすみに考えてみた。

なにしろ、活字中毒のワタシが「本」を持たずに旅をしてみました。いつものように、青春18鈍行列車の旅です。道中の時間はとにかくタップリとある。それで、ヨメさんとの会話にも飽きると、車窓の外を眺めながら、色々と「来し方行く末」などへの想いに耽るワケです。そのような中でも、いつも想うのが、「旧車の未来」について。まず、ワタシ自身がドーシテ旧いクルマでないとダメなのか。それから、マイクロ・デポとお付き合いして下さるお客さんの顔が次々と浮かびます。地方の都市駅に停車するたびに、注文書に書いて頂いたお客さんの「住所」がその「絵図(まっ、イメージデーターってヤツですかね)」ごとアタマの中にフラッシュバックしてきます。こんな遠くから、わざわざ旧ーい、それも「イタ車」、しかもよりによって(笑)マセラティを求めてネリマまではるばる来て頂いていたんだなあ、と、感謝の気持ちで一杯になるわけです。「ワタシ(とその兄弟たち)は、そのお客さん方の熱烈な想いに応えきれているんだろうか」背筋が文字通りサムくなります。ハラの調子もおかしくなってきます。あんまりツラいんで、自己を弁護してみる。曰く、「そもそもイタ車は出来が悪いんだから、仕方がない。」また曰く、「もともと新車の時からこんなもんなんだから、仕方がない。」さらに曰く、「いつまで、この全速力は続けられるのか。もうそろそろ他店のように高年式車にシフトしてもいいのではないか。」ああ、とってもネガティブ(笑)。プレッシャーに押しつぶされそうになる。
初日の宿につき、テレビをつけるとオリンピックもたけなわ。ワタシはもう、メッタなことではスポーツ番組の観戦などしないのですが、引きつけられるように観ました。始めに観ちゃったのが、女子卓球の予選。これがまた、そもそもメダルの期待が「いけそで、ダメそな」ビミョーな実力の日本勢だったモンだから、食い入るように応援しました。結果はストレート負け(対韓国戦)。でも、よくやったと思った。ボクらも、この商売を始めて最初の4年間は、まさに「ストレート負け(泣)気分」の毎日だったんです。旧いマセラティは乗り越えても乗り越えても、次の試練を課してきます。現在の我々が、たったの3分で出来るコトが3日掛かってた。まさに試行錯誤の日々。とにかく、安心して乗れるイタ車を造るための努力はしてきたつもり。でも、メダルは、まだまだ遥か彼方のように思われます。今回「ビミョーな入賞」に終わった選手達も、きっとまた、次のロンドン目指して4年間頑張るんだと思う。自分たちも進化するだろう。でも、メダリストたちもさらなる進化を遂げてくる。民族的素質の違い、経済力の違い、勝負運の有無、これらの要素も無視し得ない。それでも、立ち向かわなければ、なにも生まないと思えてきた。そんな、日本の卓球選手達に、自らの姿を重ねては、近未来のマイクロ・デポに想いを馳せました。
翌日は、呉の「大和ミュージアム」へ。有名な1/10スケール模型は、前評判ほどには感動しなかった。
やっぱ、ホンモノがいい。隣りの部屋には、爆装特攻用の零戦62型、人間魚雷回天などのホンモノが。胸を打たれる。事の是非はさておき、「あの時期」、そうするしか選択肢のなかった勇敢な「彼ら」の心中は察して余りあると思う、ワタシ。
呉市が運営(それにしても、この大規模な施設を市とそれを支える企業でなんとか持ちこたえているのは、賞賛に値する)している大和のトイメンには、「てつのくじら館」なる「国」が運営している、海上自衛隊がいかに頑張ってるかをアピールする施設。これまた、「税金を使って、このようなものを・・・」な大規模施設なので、存在の是非はあろうが、ワタシは一見の価値ありと思う。本物の退役潜水艦の内部を見学しました。それにしても狭い。その「3段ベット」に寝てみましたが、入り込むダケでも一苦労のシロモノ。とりあえず、コレに耐えるだけでも「特殊技能」だと思いましたよ。赤色灯の下での食事、毎食この状態だったら、ワタシのアタマもより一層オカシクなりそうです。掃海艇というのは、このトシになるまで、なにしてる船(海のお掃除でもしてるのかと)かイマイチ理解していなかったのですが、「機雷除去」がその任務だったのですね。やはり、命がけ。そういった方々のおかげで商船などの海の安全が守られてきているわけです。素直に有難うと思いました。そんな中で
「旧いイタ車の安全はダレが守るのか」なんて、僭越ながら考えてしまうわけです。大げさだと思いますか。いや、ホントに大変なんです。旧い工業製品を「あるコスト」のなかで、「安全」に使いこなすというのは。自動車に限らず、電気製品しかり。このへんの民需用耐久消費財と呼ばれるものは、旧くなると造ったメーカーからもやっかいもの扱いされるようになってくる。電車や、航空機、船などは、驚くほどの年月を経過したものでも、現役で酷使されるものです。
そのような旧い機械を安全に完璧に動作させるには、「予防整備」しか方法がない。だから、お金と時間を適正にシッカリと掛けて実際やってるわけです。そういえば、休み直前に壊れた当店の中古エアコン。メーカーのサービスさん曰く「もう、新品に買い換えてください(笑)」どうしようかなあ。
最終目的地は九州だったのですが、現地のお客さんのご好意にスッカリ甘えてレンタカーも借りずに、当店が納めたマセラティを貸して頂いて移動の足にしました。5段マニュアルを駆使しての高速走行、ワインディング走行、じっくり堪能しました。「マセラティ屋、やっててヨカッタ」ちょっと、ポジティブな気持ち。食欲も出てきたよーな気が・・・。そんな状態で「ウマイもん」もたくさんご馳走して頂きました。現地では、我がヨメさんの幼馴染とも再会いたしましたが、某社の有名ハイブリッド車に乗ってきたので、その後席に。ワインディング、ツラくなってきた。いや、本人もつらいらしい。酔うんですよ。ホントに。クルマ酔いなんて、ここしばらくの年月味わったコトがなかったから、ちょっと新鮮なきもち(ってなんのこっちゃ)。欧州車、酔わないモンなあ、ワタシは。
ツラいのイヤなので、運転交代、ワタシがステアリングを握ります。このステアリングのギアレシオ、ダメだわあ(笑)。いかにもバネ下が重い感じのドタバタ感もイヤ。「これが、我々の未来?」断じて「NO!」でしょう。やっぱ、頑張ろう。世間に抗って。旧いイタ車(特にマセラティ)は、いいもの。やっぱり。ワタシは、旧いクルマを未来に(根性で)連れていってみせようじゃないかと心から自信をもって思えるようになりました。メダルはいいわ、入賞くらいで(笑)。「素晴らしい夏休み」を有難うございました。皆さんに感謝いたします。頑張るからね!

2008年8月18日 (月)

ご期待に反して(笑)、休み明けもブログ再開!

またまた、このまんま、なし崩し的に当ブログが休止状態になってしまうのでは?と、皆さんがご心配だろうと思いまして、とりあえず、「戦闘継続(笑)」の意思を示しておこうと。というわけで、今週も宜しく!

2008年8月 8日 (金)

あしたから休みます(お店もブログも)


328GTSn01.jpg昨日は神奈川県の某所まで、「純正キルスイッチ」が
バラバラに破損して、アース不良になってる「ハネ馬328」を一日がかり(ほとんど移動時間。首都高のタンクローリーの事故のせいか、都内の環七・環八はズドド渋滞で、毎日困りモノ)で出張修理。というわけで、ブログもサボっちゃいましたあ(エヘヘ:)。えっ?そんなの理由になってない?うー、こういうのが「ブログ休止」のハジマリなんだよなあ(反省)。
でも、明日からは「夏季休業」につき、ホントにしばらくお休みです。休み明けに再開できるかどーかがカギだな、こりゃ。見放さないでネ。

2008年8月 6日 (水)

クアトロポルテと暮らしてみませんか〜ガンディーニの疾駆するオブジェ(その7)


MQ8bn003.jpg(前回よりつづき)
ガンディーニ・クアトロポルテ〜そのインテリア
これは、うるさいヒトがたくさんいそうな項目ですね。まずは「金時計」ですか(笑)。もう、内装は云うことありません。「華麗で豪華で洗練されてて結構シンプルな装備」、終わり。てな感じなんですが、同じ「ガンディーニルックのクアトロポルテ」のなかでも、年次によって以下5段階の内装仕様が当店において確認されております。この項は順を追うと説明がし難いため、あまり箇条書き風に整理せず、「ダラダラと」まいります。

でも、いきなり箇条書き(笑)。
①:最初期の95年〜96年序盤登録車
②:前期型の96年中盤〜97年前半登録車
③:後期型の97年後半〜99年前半登録車
④:エボルツオーネの99年後半〜最終売れ残り車
⑤:同セリエスペチアーレ(2期あり)の全部

これらを手作り感のある順(本当に組立作業工程や加工工程が多い順)に並べてみますと、①→②→③→⑤→④となります。

また、内装のパッと見の華麗さ(豪華さ・派手さ)では③→①→②→⑤→④ですね。これはあくまでも我々マイクロ・デポの主観ですが、同業者各位もおそらく同感して頂ける方、多いと思います。まあ、⑤も新車時だったら内装色によってはかなりの線にいきますね。その場合③→⑤→①→②→④もありかと。なんのこっちゃ。まっ、その位のモンです。

このエボルツオーネからすべてのシート(椅子)の装飾的なステッチ(縫い目:③までの時期のシートはイタリアの革工芸の粋を凝らした、超絶技巧の立体縫いが施されていました)が全廃され、いささかビジネスライクなシートデザインになりました(それでも充分に豪奢なんですけド)。また、③で頂点を極めた木工細工芸でしたが、残念ながら、各部のスイッチ枠やノブ類など、従来「ホンモノの木」で出来ていた小部品の大半が樹脂化され、ウッドパネルもその特徴だった質感が大幅に薄められ、「でらでらと」妖しく輝く感じから、「半ツヤ」の光沢になりました。また、ある意味「ガンディーニ・クアトロポルテ」だけ(他のすべてのマセラティに採用されなかった)の特徴であった「ツヤ有り鋲打ちウッドステアリングホイール(ハンドルの表面に点々と鋲が打ち込んであり左側にはカワイイカラーのマセラティエンブレムが埋め込まれている、なんとも華麗でクラシカルな演出)」が廃止され、なんでもない「半ツヤのウッドステアリング」になっちゃったのは、私などはかなり悲しかったのですが、これは、意外と気にするヒト少ないようです。実は、こういうところがイタリアの職人芸の真骨頂だと思うんだけどなあ。逆にそれらの質感低下を補う意味もあってか、各メーターパネルの書体が変更され、従前のありきたりのものから、クラシカルな香り漂う(いささかワザとらしいので、好みは分かれそうですが)ものになりました。装備面での決定的な違いは助手席SRSエアバッグの追加とキーレスエントリー(やっと付いた:泣)がありますので、大書してあげたいところです。

実は、構成的にはエボ系になりかけてるけど、あたかも対極に位置するように見えるのが③の後期型、俗に云う「エボ前最終モデル」というヤツです。これは、確かに我々マセラティの専門家が見ても、納得の出来なんです。伝統の手工芸と工業製品のハザマのギリギリを衝いています。そうでなくても「本革とウッドの洪水」と評されてきたビトルボ系マセラティなんですが、このクアトロポルテ後期型がその頂点であろう事は疑いを挟む余地はない様に思われます。ところが、コレ、日本国内における供給台数が他のモデルに較べて圧倒的に少ないんです。また、経年変化により、リセットが必要な個体がほとんどで、そのリセット費用を勘案すると、「程度並」のエボより高価についてきます。長く大事にしたい方には向きますが、ガシガシ日常の足にしたい向きには③はもったいないのでむしろ④をお奨めいたします。

②はかつてポピュラーだった前期型ですが、さすがに経年で退役した個体が多く、まともなクルマの残存数はごく僅かです。経年で、店頭売り価格が200万円を切るものも昨今散見いたします。しかしその多くは内装が(他の部位もだけど、ここは内装のコーナーなので:笑)完全に「終わって」おります。マセラティの売りの多くは、やはり華麗なインテリアにもあると我々は考えておりますが、「内装なんかどうでもいい」の向きはチャレンジしてみてもいいでしょう。但し、内装の荒れたクルマで機関その他にお金を掛けてきたクルマというものは、欧州車の場合、ほとんど無いという事を申し副えておきましょう。大体なんとか動く状態に持っていくだけでもう50万円〜100万円、購入後数ヶ月以内に掛かる公算が大です。こういった格安マセラティの場合、「走行距離がいってる」ものと「まあまあ」のものでは、どーんと距離が伸びていて「安い」ものの方が寧ろ数次に亘るリセットを繰り返しているケースが多く大事に愛情込めて乗られてきたケースも多いので、乗り潰すつもりなら、むしろ「買い」であることを、そっとお教えいたしましょう。「エンスーの杜」さんや、「ヤフオク」さんなどをチェックして、出品車が(業者かその関係者ではなく)個人ユーザー所有のものであれば、元の持ち主によくよくハナシを聞いた上で、見る価値はありそうです。
むろん、当店にすべてお任せ頂ければリーズナブルプライスで「ガンディーニ・クアトロポルテ」の真髄を安心して楽しんで頂けます。ホント、コレが一番安上がりなんです。

①は、ほぼ淘汰されて絶滅種に近い最初期型ですが、これは「量産試作型」の香りがほんのり漂う、我々の「マセラティ技術史」的には面白いモデルです。とにかく、なんかむりやり革装部を増量(笑)しようとしてまして、③にもないサイドシルとシートの間の分厚い革装ガーニッシュなど、意味ない(笑:現実に他のどのモデルにも付いてないけど、なんも困らない)けど、「付いてたら尚嬉し」感があるし、そのくせ、デ・トマソ期の樹脂製ATセレクターパネルなんかが残ってるし、でもパワーシートのスイッチをいちいちシート色にあわせてわざわざ塗装までして作ってあったり(その後のモデルではどのシート色でもスイッチは黒)はします。トランク内の内張りがもっとも顕著な違いでして、一切の成型カーペットを用いずに3次曲面の覆いをなんとかしようとしている(で、なんともなってない:泣)ところがヒジョーに微笑ましいです。また、このモデルだけ、トランクフード内側に工具スペースが存在せず、別体の工具入れをなんとなくトランク内において置きます。この全体的な緩さが70年代エキゾチックカーの味に似ていて私(岡本)は個人的には好きです。但し、パワーウインドーユニットや、ボンネットダンパーなど、この最初期モデルだけの構造を持つ部分が細かくあり、また、それらの部品供給はもはやありません。大規模な改造加工が必要な場合が多々ありますので、(市場では安めですが)安易にお求めになると、一旦壊れた場合、なんも完成しない可能性が高いと思います。もちろん当店では、それらの諸問題に関する「解答」をすべてご用意してあることは云うまでもありません。

ちなみに、上記①と②の初期型のみ、前席2脚の両方に、手動のランバーサポートが装備されており、かなり有用な実質的装備だっただけに、③の後期型以降省略されたのは、コストダウンのためなんだろうけど、私のような腰痛持ちには、非常に悔やまれます。また、それとはうらはらに、③以降〜エボ系最終までの日本向けモデルは、左右前席の座面のサイドが従来の皮革張りからアルカンタラ張りに変更され、シートサイドとセンターコンソールの間で革同志が擦れることにより発生する、走行中の「軋み音」を低減させてあります。これは、この手の「低質音」を異様に気にする神経質な日本人顧客向けに、コーンズさんがスペシャルオーダーした特殊仕様が元になっている模様。

最後に⑤、正式にはマセラティクアトロポルテエボルツオーネV6(若しくはV8)コーンズセリエスペチアーレ(あー、長い)といいます。V6をセイ・チリンドリ(6気筒の意)、V8をオットー・チリンドリ(8気筒の意)と読めば更に長く(笑)なります。コーンズとは、現在日本でのマセラティ社の総代理店、コーンズ・アンド・カンパニー・リミテッドさんの事。我々マイクロ・デポもマセラティ純正パーツの供給元として日頃お世話になっております。
正規ディーラーのコーンズさんが日本向けに特注したスペシャル仕様といった意味です。
要するに、フェラーリ社がマセラティ社を傘下に納めた、④のエボルツオーネ出現時には、出来るだけ「デ・トマソ臭」を抑えたかったといった事情(デ・トマソ時期のマセラティの低品質管理による故障頻発神話を払拭したい。あの時期はマセラティ社の歴史から削除(泣)したい(ううっ!)といった気分の事)もあり、デ・トマソビトルボの象徴たる金時計を思い切って廃止したんです。この決断はある意味(マセラティブランドは本来金時計のみで語られる様な安っぽいものではなく、もっとホネっぽい、男っぽいイメージ)正しい選択であったと私個人は思いました。しかし内心、「商品としては、ヨワくなるのに」とも思っておりました。案の定、購入(予定)者は、ユニゾンで「時計、無いのー」の大合唱(笑)。結局、「日本向け限定車」として時計を付けさせたのが、このモデルの出自なんだろうと思います。ついでに、カラード・ブレーキキャリパーだの、リアドアエンブレムだの、あんまり実質には関係ないものがおまけについてきます。内装の仕様は④の非セリエエボに準じますが、金時計と、限定車を表す「シリアルプレート」がついています。

さてここで、「ガンディーニ・クアトロポルテ」の内装についてもう一度簡単に総括を。
①:量産試作車の味わい、レトロスーパーカーの香りがのぼりたつ逸品。原初の姿が崇高。
②:ほど良い手作り感・部品入手容易で互換性も高く現在でも実用車として維持しやすい。
③:全モデルの頂点に君臨する超絶技巧を工業製品としてのギリギリのラインで駆使した。
④:フェラーリの4ドアと思って買えば、金時計レスも気にならず、実用性能は最高で買得。
⑤:走行距離の少ない、「グッド・ヒストリー車」は蔵に仕舞っておきましょう。家宝。

要は懐具合とお好みに合わせて今ならまだかろうじて①〜⑤のすべてが間に合いますので、好きなのを今のうちに買っておきましょう、ということです。未だマセラティに手を出しそびれてるイタ車マニアのヒト、あとで気づくと、きっときっと後悔しますヨ。日本の外車中古車市場の歴史が、そう教えてくれているように思います。(以下次回へつづく)
QP6vt1203.jpg

2008年8月 5日 (火)

クアトロポルテと暮らしてみませんか〜ガンディーニの疾駆するオブジェ( その6)


QP8bs001.jpg (前回からのつづき)さあて、ようやく本題です(ホントに長げーな、オレの前フリは)。
「ガンディーニ・クアトロポルテ」の外装変更の変遷は、かなり微細なものに留まっています。天才ガンディーニの基本デザインが「非の打ち所なき」ものであった所作でしょう。当店では、年次によって以下7段階の外装仕様を確認しております。以下、しばらく理解がしやすい様、箇条書きでまいります。

①:最初期の95年登録車
②:前期型の96年序盤登録車
③:前期型96年中盤〜97年前半登録車
④:前期型の最終版(後期型への移行期)
⑤:後期型の97年後半〜99年前半登録車
⑥:エボルツオーネの99年後半〜最終売れ残り車
⑦:同セリエスペチアーレ(2期あり)の全部

①:最初期の95年登録車のみの特徴
a)ボンネット上に2つのウインドーウオッシャーノズルがある。
b)前後バンパーのスリットがアルミ製で黒色半ツヤ塗装を施されている
c)リアナンバープレートのベース部が樹脂にボディ色塗装を施された別体モノで、この時期のものはトランクキーシリンダーが違うため、メインキーとは別にトランクキーがある。

②:前期型の96年序盤登録車の変更点
a)バンパースリットが樹脂化され限りなく黒に近いツヤ無しダークグレー(メタ?)塗装になる。ちなみに、従前アルミ製のものとは取付方法が異なるため、互換性は微妙。
b)別体だったリアナンバープレートベース部の造形を、バックパネルのプレス金型を改変することにより「一発抜き」できるようになったとみえて、ワンピース化。バックパネルがスッキリした上、従来樹脂部に取り付いていたキーシリンダーも、一体化さ<れたバックパネルに顔を出す構造になり、防犯上もよろしい。ついでにイグニッションキーやドアキーなどすべてのキーシリンダーが同一構造になり、一本のキーで共用操作出来るようになった(グローブボックスキーは別:これは①から⑦まで。)。

③:前期型96年中盤〜97年前半登録車
ボンネット上のウインドーウオッシャーノズルが廃止され、ワイパーアームに沿った形状の噴射ノズルに変更。

④:前期型の最終版(後期型への移行期)
全ドアウインドーの水切りモールが、従来の水切り部(ゴム)+モール部(樹脂)のツーピース構成から、すべてエラストマー(樹脂弾性体)によるワンピース化。同時に同モールの前後にいちいち付いていた(洗車時に引っ掛けてこわしやすい)水切りモールエンドを廃止。リアドア水切りモール後部のアルミダイキャストの黒色塗装ガーニッシュ(略三角形)も廃止。
ドアウインドー周りをスッキリさせつつ、工数をものすごーく削減しました(だから板金時もラク)。幾らか手造り感は薄れましたが、たぶん多くのヒトは気づいてないと思うので、ことさら問題ナシ(笑)。

⑤:後期型の97年後半〜99年前半登録車
ここで大きく(といっても細かな違いですが)マイナーチェンジ。同時に初めてV8の3.2リッターエンジン搭載車(V8:オットーチリンドリ)を市場投入。
a)左右ドアミラー本体ケースの形状が従来のギブリ中期型以降と同じ形状の(略四角形)ケースから、先端部に向けて尖った形状(流線型)に変更。ちなみに台座の形状は違うので、ギブリ用との互換性はなし(内部構造部品は一緒なので、組み換えはOK)。
b)アルミホイールの変更:V6車はサイズは従来と同じ16インチのままでスポーク型に形状変更。同時デビューのV8車は同様にスポーク型ホイールで17インチを装着。
c)エンブレムの変更:左右フロントフェンダーに「セイ・チリンドリ」「オットー・チリンドリ」の金属製メッキエンブレムを新たに装着(見た目でV6とV8の違いがほとんどないため)。トランクの「トライデントエンブレム」の下部に「MASERATI」ロゴエンブレムを追加

⑥:エボルツオーネの99年後半〜最終売れ残り車
ここは、車輌全体としてはビッグマイナーチェンジ(なんじゃそりゃ?:英語間違ってるような:笑)なんですが、外装は意外にも変更点少ないんです。

a)エンブレム:左右フロントフェンダーに装着されるエンブレムの表記が「エボルツオーネV6(若しくはV8)」に変更。フロントグリル中心とトランク垂直面中心の「トライデントエンブレム」が従来のアーモンド型枠のついたものから、枠無しに変更、フェラーリ傘下になって変更された「新規格のマセラティ書体(?)」に合わせて、残った三又槍も骨太な感じ(明朝体がゴシック体になった感じかなあ)になる。それに伴ってフロントグリル中心部のスリット段加工が省略された上、グリル枠の樹脂蒸着メッキ部分の面の処理(カット)が微妙に違う(よって、オリジナル性を重視するなら、従前モデルとのグリル互換性は基本的にないと思った方がよい。付くけど。)。

b)トランクフード下部バックパネルの形状変更:大きく実質的な変更点。従来はトランク垂直面とバックパネルの間に指をかけ難く、手指のツメで引っかき傷を付けやすかったが、バックパネル上部に面取り造形を施すことにより、トランクを開ける際に指をかけ易くなった。

c)フロントフェンダーに装着される左右フロントサイドマーカーの樹脂製枠が従来の蒸着メッキ処理を省略した樹脂成型色(黒色)に変更された。但し一時期、メッキのサイドマーカーの供給が途絶えた時期に、①〜⑤のモデルにも補修用としてこの黒色枠マーカーを使用していたこともあるため、エボ前のモデルにコレが付いている場合も多いので注意。

d)アルミホイール:V6も17インチ(スポークタイプの造形のまま)に変更

e)ドアアウターノブに従来鋳込まれていたトライデントマークが省略された。

f)確証はないが、全体を見た感じ、各部のプレス金型や樹脂成型金型、ボディの鉄板部材やバンパー本体の樹脂素材などの全部か、どれか一部を手直ししたように思われ、外装が全体的にカッチリとシャープな印象になってる気がする。塗装の工法や材料の違いがあるのかもしれない。さらにボディ裏側の各部にインシュレーター(防音・防振材)が詰め込んであり、別掲するホイールのインチアップによる、タイヤの超扁平化やシートのデザイン(と詰めもののウレタンフォームを硬くした)変更などが相まって「見せ掛けの剛性感」は飛躍的に向上。ここに至って「当時現在の工業製品としての最低レベルの品質安定感(笑)」をやっと達成したイメージ。言葉で伝えるのは非常に難しいが、カッチリした完成度は幾ばくかの「クールさ」さえも感じさせるので、手造りの温もり感を好む「ユルいの大好き」な従来の「癒し系を求めるマセラティ乗り」には、ちょっと「他人行儀」な感じがすると思われる(し、そういうヒト実際多い)。翻って、BMWやメルセデス、アウディなどのドイツ車から乗り換える向きには、むしろ安心感をもって頂けるとも思うので、「ここからマセラティ」の御仁はエボで入門の方がシアワセか。

⑦:エボルツオーネコーンズセリエスペチアーレ(2期あり)の全部

a)ブレンボ製ブレーキキャリパーが発注者の好みで色を選べるようになった。(ブレーキシステムの変遷は別掲する)ゆえに、中古車では色々な色の可能性があるという事になる。

b)リアドア水切りモール後方(①〜③でアルミダイキャスト製黒色ガーニッシュが付いていた位置)にタテ長楕円形の新規格マセラティマークエンブレム(カラー七宝焼)を装着。

さて、「ガンディーニ・クアトロポルテ」のエクステリアを駆け足で概観して参りましたが、「マイナーチェンジとは、コストダウンと見つけたり」(笑)ということがご理解頂けた事と思います。これは、決して悪い意味ばかりではありません。初期ロットを納めた顧客の悩みやそれを整備するものから上がった声も結構吸い上げているではありませんか。「結構頑張ってるねえ、マセラティ」と珍しく褒めてやりたい気持ちです。この項を総括しますと、「手造りの温もり感を求める」癒し系好きの向きには旧いものを、インターナショナルなカッチリとした剛性感を求める向きには新し目のものを選んで頂きたいという事です。貴方がイメージする「マセラティクアトロポルテ」にピッタリと合わせるのは、少量生産車の特性ゆえ(しかも中古車ですから)、なかなか困難ですが、どこかに妥協点を見つけるのも、良い中古車選びの鉄則と心得て、金額的なムリを決してなさらずにご購入ください。ハッキリと云えること、それは「ガンディーニルック・クアトロポルテ」は程度の良し悪し、年式の新旧、走行距離の多寡、事故歴の有無、購入店のスキルを問わず、それを買えば、「カウンタックと同じ」リアフェンダーアーチが付いてくるということです。「ガンディーニのオブジェ」、そのオブジェ、自称270km/hもの最高速が出ることになっている(笑)。
なんと素晴らしいこと!

ぜひ手に入れてください。そしてともに楽しみ切って人生を送ろうではありませんか!(次回につづく)
QP8bs002.jpg

2008年8月 4日 (月)

クアトロポルテと暮らしてみませんか〜ガンディーニの疾駆するオブジェ(その5)


QP6ro101.jpg(前回よりつづき)
 まったく余談ですが、昨今の自動車デザインはこの点においては、まったくヒドイものだと思う。これは全世界のデザイントレンドなんでしょうけれども、ホント「悪そうな顔」のクルマで満ち満ちていますね。これは、ある心理学の学説に基づくものだそうで、ルームミラーに映るクルマやバイクの車影が「怖い顔」で迫ってくることにより、その前方を走る運転者に「警戒心」「防衛本能」などを喚起させ、安全運転の一助となるという主旨なんだそうです。全世界の大手カーメーカーやオートバイメーカーがなぜかこの理論の信望者になったらしく、ある時期を境に「おっかない顔(笑)」のクルマが増えたようです。大型トラックなどは特に怖い。もはや「悪の首領(笑)」ですな。一部の軽自動車や小型車(イヤ、小さいクルマの方では日本車はかなり頑張ってると思う)を除いては、どれもこれも「悪人顔車コンペ」のグランプリを狙っているとしか思えない造形です。元来自動車は「走る凶器」とさえ云われています。心あるデザイナーならば、そのイメージを少しでも和らげる工夫をし、トップ(経営陣)と闘うべきです。「いや、顧客の好みが少しでも偉そうに、また立派に見えるものに傾いてるんだ」というかもしれません。営業畑からもそういってくるかも知れない。でも時間を掛けてそういう顧客意識を熟成させちゃった責任は世界中の大メーカー全部にあると思います。とりわけ90年代後半からは、若いデザイナーも登用され、なんだか「差別化のための差別化」デザインばかりを見せ付けられている様に思います。私は、この心理学理論には異議を唱えたい。「悪くて強そうでエラそうな顔」のクルマに乗れば、運転態度もそういったものになっていくように思う。実際、高速道路上で「悪人顔ミニバン」が途方も無いスピードで、右へ左へ、フラフラジグザグと、前車にパッシングを浴びせながら走り行く光景をたびたび目にする昨今、「もはや、どこか違う平和な星に行きたいワ(泣)」とナミダにくれる今日この頃です(笑)。生物同志(いや植物も、人造物も)お互いに「癒し、癒される」存在になりたいもんです。地球の平和と未来のために(笑)。こりゃ地球温暖化問題と同じ次元で人類が考えるべき問題かと。イヤ、ほんと。
さあさ、またまた余談が過ぎました。「ガンディーニ・クアトロポルテ」、おしまいにリアに回って見ますれば、分厚いトランク部に下からのぞくのはアンサ製4本出しエキゾースト。トランク中心に輝く「三又槍(イル・トリデンテ)」を見れば、この車が只者ではない(スーパーカーな世界か、人外魔境の使者(笑)か)ことがいやでもわかります。けれども、まったく厭味がないし、ことさらイバってもいない。コレ書いてて、改めて「ガンディーニの天才さ」に想いを馳せます。
プレスラインの一本一本、すべての曲率の微妙にして大胆な計算。かつてこれほどまでに洗練されつつ、破綻がなく、かつ誰も見たことないカタチの4ドアサルーンのデザインが地球上に存在したでありましょうか。つまるところ、「カッチョいいんですよ!!」どこから見ても。もはや、ここまで読んでオブジェとしてのクアトロポルテの素晴らしさに異論のある方はよもや居ないとは思いますが(やっぱ、分からないヒトいます?)、そういった方々は、ここで置いていきます(笑)。(次回につづく)
QP6ro102.jpg

2008年8月 2日 (土)

クアトロポルテと暮らしてみませんか〜ガンディーニの疾駆するオブジェ(その4だよーんのおじさん:笑)


QP6bb001.jpg(前回のつづき)
 さて、フィアットの傘下にされてから開発されたクアトロポルテは、それ以前の430(ビトルボ系4ドア車)と一切の互換性が絶たれたかの様にうつります。もうこれは、はっきりと、デ・トマソ時期のものとは切り離されているわけです。ボディの内外板、プラットフォーム、内装の組み方、全部違う。しかし、どのような理由か、マセラティ社はこの段階でクアトロポルテを大きくはしませんでした。430に較べて幅で8cm、長さで16cmしか拡大してない。ここで発揮されたのが天才ガンディーニの手腕なんです。「パースのマジック」としか我々凡人には形容のしようがありませんが、とにかく「品の良い押し出し」といったようなものがある。クアトロポルテ、実に小さいんです。全長4.55m×全幅1.81m、ね。ビトルボ系のコンパクトな良さはしっかりと守られました。さりとて、現物を目の前にいたしますと、これが非常に威厳がありつつも、モダンである。バンパーやボディ各部のチリなんか一つも合っていませんが(大笑)、チリが合ってなくても、チットモお安く見えない不思議な造形体なんです。
皆さんは、我が愛車を真横からご覧になったこと、ありますか。実はこのボディを「真横から見る」シチュエーションって、そのクルマの持ち主には、ほとんど無いんです。ガンディーニのクアトロポルテを一度(お願いだから:笑)真横からご覧になってみてください。ウエストラインは、物の見事に超ウエッジシェイプ(くさび型)、イタリア人にはサルーンを選ぶ条件に「ゴルフバッグが5個入る」なんて項目がないから、トランクはバッサリと裁ち落とされ、その主題の上に乗っかるキャビンは異様に曲率の大きなフロントウインドーに始まり、のびのびとルーフラインを描き、なだらかにリアエンドに収斂していきます。そして、そのリアホイールアーチに目をやれば、ガンディーニの特許(冗談)、「カウンタックカット」が・・・そう、あのカウンタックLP400のリアアーチと同じモチーフのアーチカットなんです。それが、全く違和感なくドア中段のプレスラインと溶け込みつつ、そのカットの上辺は、なんと遠く離れたフロントフェンダーと平行線を形成し、とかく曲面構成でハイデッキ(ボディの後ろへいくほどウエストラインが厚みを増す形状)のデザインにはありがちな「鈍重さ」をも、たくみに逃げているのです。フロントに回れば、コンパクトなV6(若しくはV8)を低ーい位置に搭載したおかげで先端部は適度に薄い造形。マセラティ伝統のモチーフによるセンターグリル枠の両端からV字型にのびのびと伸びるプレスライン。そして前述のボディ後方に向かって厚みを増すサイドのウエストラインと相まって、斜め前方から俯瞰でみると、本当に大きく威厳タップリのクルマに見えます。でも、昨今の高級車達によくある「ふんぞりかえった偉そうさ」のような「オラオラ感(笑)」は微塵もなく、お目目はキリッとしつつも若干タレ気味で、あたかもハンサム君が微笑む様。見るヒトに余計な気苦労をさせず、安心感さえ感じられます。(以下次回へつづく)
QP6bb002.jpg

2008年8月 1日 (金)

クアトロポルテと暮らしてみませんか〜ガンディーニの疾駆するオブジェ(その3)


GBCbf001.jpg(前号からのつづき)
はあ、ようやく「本題」に近づいてきたぞー(笑)。先程の「コーチビルダー」。これのイタリア版を「カロッツェリア」といいます。カーオーディオシリーズの商品名としておなじみ(これの新発売時のコマーシャルにはベルトーネ(後述)ストラトス・ゼロが出てまして、まだ新番組だった頃のカーグラTVの幕間によく流れてました、って余談ばっかし!)ですね。本来のカロッツェリアとは、主に「シンデレラの馬車」を造っていた人達が(魔法使いのばーさんのことじゃないぞ、念のため)、富裕層のための自動車を造るにあたって、エンジンとシャーシは自動車専業メーカーのものを流用した上で、ボディのデザインと架装・儀装を施し、製品化していく業者の事です。イタリアだけでもピニンファリーナ、ベルトーネ、ツーリング、ミケロッティ、ザガート・・・、挙げれば古今大小さまざまなカロッツェリアが存在しました(もちろん現在でも)。
斯くの如きカロッツェリアのデザイン部門には、美術・工業・工芸に秀でた世界屈指の実力をもつデザイナー達が切磋琢磨しながらひしめき合っております。1970年代、こういった実力派デザイナーがもっとも輝いていた時期、「マルチェロ・ガンディーニ」は名門ベルトーネ社の「チーフデザイナー」でした。その頃の代表作と云えば、名にし負うランボルギーニカウンタックLP400、ランチアストラトスHF、マセラティカムシン・・・。どうです、これらのクルマ。実性能や実用性は、この際、脇に置いといて(笑)、その圧倒的な存在感・塊(オブジェ)としての際立った造形美は現在までそれを超える物が無い、天上天下唯我独尊な第一級のデザインと云えましょう。
対して、「クルマの実性能や実用性を脇に置いとかない派(笑)」のイタリア代表選手としては、あまりにも高名な「ジョルジェット・ジウジアーロ」の存在も忘れてはなりません。ジウジアーロは60年代にベルトーネ社のチーフを務め、70年代に入ってからは、自身のデザインスタジオ「イタルデザイン」を開設、早速手がけたマセラティボーラ&メラクではミッドエンジン車らしからぬ居住性を与えながらエキゾチックスーパースポーツに不可欠な「押し出し」さえ品格を損なわずに実現。初代VWゴルフでは、フォルクスワーゲン社の当時の悲願「ビートル(VWタイプ1:カブト虫)の後継車」開発にその天才ぶりを遺憾なく発揮。世界にゴルフ旋風を巻き起こし、西ドイツ(当時)のVW本社は、ようやくカブト虫の製造をやめることができました(それまでの後継車候補は、皆商業的には失敗作だったんですから、そりゃーもう、大変な功績ですね)。
話をガンディーニに戻しましょう。時代は下り、ガンディーニのデザイン工房に、マセラティ社から依頼がはいります。お題は「ビトルボ系のブラッシュアップ」。80年代に突入してすぐにデビューした「ビトルボ」。デザインテイストは明らかに70年代後半の「ボクシー(箱型)」なものでした。これらのプラットフォームと基本構造を全部生かしたまま、90年代を全部乗り切れるものにして欲しいとの、なんともマセラティ社らしい(笑)勝手極まるご注文。ガンディーニが「やって見せましょう!」といったかどうか、とにかくもそのプロジェクトの帰結が「シャマル」そして「ギブリ(Ⅱ)」はたまた当項の主役「クアトロポルテⅣ)」なんです。そのシゴトぶりたるや見事と云う他はありません。「シャマル」は「ギブリへの一里塚」的な色合いが濃く、実験車的な妖しさがなんともソソります。「ギブリ」は、ボディのインナーパネルや足回りなどを、まだ流用していたせいで、そこかしこに「222(ビトルボ系2ドア車)」の香りが見え隠れこそしておりましたが、どうして、どうして。それは我々「マセラティ漬け(笑)」のヒトたちだけが分かるのであって、素人目には「222とギブリ」、全く別物にしかみえませんね。ブリスターフェンダーの効果的な使用法の、顕著な(そして稀有な)デザイン上の成功例を一気に2例も見せてくれました。さすが天才!
(次号へとつづくのであった。)
shamal12.jpg

« 2008年7月 | トップページ | 2008年9月 »