マイクロ・デポ株式会社”公式ウェブサイト”「マセラティに乗りませんか・・・」

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2008年9月の31件の記事

2008年9月30日 (火)

ガンディーニのクアトロポルテ(その34:パワステの補足とプロペラシャフト)

さあ、今日もハリ切っていってみよー!・・・と、リキんではみたものの、ソトでは雨がシトシトと。昨日も今日もデポ場内では、シゴトにならないので、先週、完全に舗装して新装なった「春日町第三ヤード(仮称)」で、雨の中、造作の作業をしております。お預かりした皆さんのマシンをきちんと保管するための任務ですから、しっかりとやりますよー。

さて、昨日のパワステばなしで、忘れてた「パワステポンプ」のハナシをしておきましょう。「松戸のS」さんのコメントを拝見して、思い出しました。

デ・トマソ時代より、ガンディーニのクアトロポルテの最終エボにいたるまで、「TRW」のパワステギアボックスを使っているコトをお話いたしましたが、パワステポンプに言及していないのを思い出したわけです。
マセラティ、「パワステポンプ」はイキません。少なくともマイクロ・デポでは、かつて壊れたの、一台もないと思います。ポンプ周りのキモはどちらかというと、Vベルトですね(エボ系とV8は除く:これらはリブ付き平ベルトを採用、テンショナー付)。コレは交換・調整にホネが折れますので、そのまんまになってる個体が多いようです。但し、他のVベルトに較べると、パワステベルトはリーチが短いので、あんまり伸びないし、イタまないです。エアコンのコンプレッサーが完全にロックしたりすると、そのサブプーリーで駆動してますのでパワステベルトもトビます。
パワステの油圧系統では、昨日のパワステギアボックス本体のほかに、高圧ホース・低圧ホースの各ホースは経年で劣化します。モレを見つけたらスパっと交換したいところですね。

また、「masepon」さんから、「マセラティのパワステ交換は150万円コース?」とのコメントを頂きましたが、コレは事実無根(笑)な数字なので、マセラティの名誉のために(とはいっても、高いケド:泣)訂正させてください。先週末のコーンズさん調べで、クアトロポルテ用のパワステギアボックスAssy部品代は¥303,000(税抜価格)です。交換と、アライメントで、最高5万円程度だと思いますので、現在のところ、「総額37万円コース」としておきましょう。
ちょっと前までは、本体価格が21万円だったので、「総額26万円コース」だったのですが、昨今のユーロ高を背景とした、パーツセンターの二度にわたる価格改定のあおりでこの「37万円コース」となりました。ビトルボシリーズの日本における歴史の中で、パワステ修理に150万円という例はおそらくは無いと思います。皆さん、ご心配なさらぬよう(でも、やっぱり高いコトは高いが:笑)。

今日のお題はプロペラシャフト。
こんなの、フツーのクルマでは、書くコトないはずのモンなんですが、マセラティだと、やっぱり、ひとネタあるんですねー、コレが(笑)。

70年代半ばの、アルフェッタ系から75系にいたるアルファロメオでは、トランスアクスル(トランスミッションが後輪車軸側についてる:理想的な前後重量配分を、フロントエンジン・リアドライブ車で目指したい場合に使われる手法:フェラーリ傘下マセラティでも多用されている)を採用したために、プロペラシャフトはエンジン回転(クランクシャフトの回転)と等速で回るコトになるため、「芯」がキッチリ出ていないと、加速するたびにユスられるので、極めて不快でした。

ビトルボ系はといえば、・・・トランスアクスルぢゃないですよね。なのに、加速する時に床下で「ゴロゴロ」と打撃音がする場合があります。先のアルファロメオとは違って、こちらは、ギアボックスで充分に減速した回転数でプロペラシャフトが回るわけですが、そのプロペラシャフト総全長の半ば地点に「プロペラシャフトセンターサポートベアリング」というものがありまして、そのベアリング内輪穴が前後ニ分割のプロペラシャフトのスプライン嵌合部にあたります。これが「ゴロゴロ」の原因。このベアリング、床下に取り付けるための金具の中に、ゴムで焼きこんで作られていますので、このゴムマウント部がヘタると、プロペラシャフトの位置が下がり、「芯」が思いっきりズレちゃうわけです。
そもそも、ビトルボ系のキャブ時代より、この構造が使われており、ドーシテこういうコトするかなあー、といつものように推論いたしますと、これは、基本が同じプラットホームのホイールベースを伸ばしたり縮めたりしながら、車種のバリエーションを増やす時に、後部ユニバーサルジョイント(回転しながらクネクネと振れる:製造には、高度な技術が必要)の設計は同じまま、後部シャフトのリーチだけを、ホイールベースに合わせて換えるコトにより、いちいち「丸々一本」新規にシャフトをこしらえなくてもいいようにしているのでは、と、思います。やはり、「コストダウン」のためかあ。じゃ、ベアリング部分をわざわざ作るコストはどーなるの?といった疑問も湧きますが、プロペラシャフトの前端と後端に普通は装備されている、「ディスクカップリング(急激に駆動系統にトルクが伝わるのを抑えるための、ゴムにブッシュが焼きこんであるもの:穴のあいた今川焼きみたいな形状)」を省くこと(エボ前V8とエボV6・エボV8にはフロントだけ付いてる)により、ウマイことやったのでしょう、・・・って、だーかーらー、デファレンシャルギアやドライブシャフトに負担が掛かってぶっ壊れるのでは?ここのあたりは次回にやりましょう。

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2008年9月29日 (月)

ガンディーニのクアトロポルテ(その33:パワーステアリング)

はい、こんにちは。イイ感じで雨が降っております。もうそろそろ、いーかげんにしてほしいモンですな。

さて、本日はちょっと軽めのネタ。パワーステアリングばなし。
初代ビトルボ時期にはパワステ設定はありませんでしたが、この時期のステアリングギアボックスユニットは2箇所とも「バンド留め」であったため、スエ切りなどでロードを掛けると、ステアリングギアボックス自体がズレてました(笑)。もう、アライメントもヘチマもあったもんじゃありませんな。で、改良版で、本体のアルミ鋳物部にようやく取り付け用のダボが備わり、キチンと位置決めが出来るようになった・・・って、あたりまえダロ、ふつー(泣)。デ・トマソ期でも、メカニカアッティバ(コレは別の機会に説明します)化された、222系以降の2.8リッターものは、もう、ちゃんとしてます。ところが、このパワステ、切ると不気味な「フシュル・ふしゅる」音がしますね。これは、パワステの油圧経路をオイルが通る音で、使用上問題はないのですが、やっぱ、不気味がるお客さんが多かったとみえて、フィアット期になって出た、ガンディーニのクアトロポルテやギブリ以降のモデルでは、油圧経路を長くとり、パワステオイルクーラーまで装備して、「ふしゅる音(笑)」が出にくくなりました。またこのオイルクーラーの恩恵か、フィアット期のものは、パワーステアリング本体の寿命が長くなったようには思います。

このパワステユニット自体は「TRW社」製で、欧州車用としては、まっ、標準レベルのものですが、基本的に日本国内でのリビルドができないため、ダメになっちゃった場合は新品のフルアッセンブリー交換になります。

こんなコトにならないようにするためには、まず、ステアリングのスエ切り(車体が停止した状態でグルグルとステアリングを回すこと)&フルロック(いっぱいに切ってるのにさらに、キューっと切り込むこと)を出来るだけしないよう、気をつけたいモノです。また、車庫入れ時に多くの「切りかえし」を必要とするのも考え物です。出来るだけ回数を減らす工夫が必要です。
さらに、たとえ新品を装着しても、一発でダメになるのが、コラム底部の「ハラ打ち」。段差を乗り越える時などは、細心の注意を払うべきです。実は当店が「マセラティのシャコタン化」を嫌う理由のひとつがコレなんです。最初から、充分にヒクいんですよ。パット見た目は余裕がありそうですが、実際の最低地上高はホント低い。ガンディーニのクアトロポルテも例外ではありません。このコラム底部のハラを打ちますと、ステアリング方向にいってる軸のナイロンブッシュにクラックが入り、最悪の場合、オイルが大量に吹き出ます。
とにかく、ジェントルになめらかに、ステアリングさばきが出来るよう、お盆を回して練習だあ!通常の保持位置は10時10分を厳守、必ず「順手」でキレイにさばく、クランクコースなどでも、ステアリングの復元力は、適度で絶妙だから(コレがメカニカアッティバフロントサスシステムの、実は大いなる長所:他のクルマとは根本的に違うと思う)、きっかけを与えるように「切る・もどす・切る・もどす」、コレでキレイに曲がる。コーナーの立ち上がりでは、常に(軽く)アクセルON。
ステアリングさばきとアクセルワーク、この2つの絶妙のコンビネーションを駆使して走れば、結構ハヤいはず。よく、メルセデスなどの「シャーシがエンジンに大きく勝ってるクルマ」から、マセラティに乗り換えると、「不安」をクチにするお仁がいますが、ソレはマセラティ用の乗り方をしてないだけ。
ムカシ、自分のスパイダーザガートで、千葉の房総半島の山越えワインディング走行を敢行。あんまり、痛快なんで、右へ左へダンシング。家に帰って、車庫みたら、パワステがオイル漏れ(泣)。パワステをAssy交換しましたとさ、ちゃんちゃん。

・・・皆さんも、あまりムリはなさらぬよう(笑)。
でも、おもしろいよ。

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2008年9月27日 (土)

今週(9/20〜9/26)のコメンテーター諸兄におくる感謝と伝言

はい、こんにちは!本日はチト疲れが出ております(笑)。で、この時間(18:45)から、スターターモーター不調のマセラティが入ってくるそうなので、ざんぎょーザンちゃんです。うー、ハラ減ったア(ひるメシも抜きだったし:泣)。キャラメルなめなめ頑張りマス!

今週は、ほぼ常打ちメンバーさんが固定してきた模様ですね。新しいコメンテーターの方も、どしどしコメントをお寄せくださいね。もちろん、当店の顧客様以外の方も大歓迎です。宜しくお願い申し上げます。


「松戸のS」さん
いつも、長文のコメント、誠に有難うございます。貴殿のご指導通り、ずっと変わらずに一緒に年をとっていく所存であります(笑)。今後とも、宜しくお願いいたします。モン様は来週末にはカタチになる予定です。お楽しみに。

「りゅたろう」さん
だーめーだーよー、モン様ケナしちゃ(笑)。ウチのお客さんには、結構好評なんだから。「12気筒以外はフェラーリぢゃない」なんて、エンツオおぢさんみたいなコト云ったらダメよ。イイ子だから。そーゆーのを「原理主義」という。そんなコトいったら、ワタシなんか、もっとスゴイ「超原理主義者」だから、ホンモノのフェラーリは、いまでは「F1」だけだと思う(笑)。所詮、フェラーリの市販ロードカーは全部「F1チーム」の資金源ですから。ちなみにワタシは、275GTB(4)、250LM、206(246)ディーノ、330P3(4)、206SPあたりが好み。でも、みーんな雲の上(笑)。だから、いいの!モンディアルで。

「だんちょ」さん
モンテくんは、本日、板金屋さんでの最終仕上げを終わり、電気装備品の「ウミ出し」工程をヤッテます。今日も、ワイパーが止まりました(笑)。来週のアタマに一旦ナンバーを付けます。安心できるまで試走を繰り返します(もう50Km以上は乗りました、ワインディングは面白そうですね)。来週もコメントを宜しく。

「glyco」さん
いつも、「戦記物ネタ」に反応して(笑)頂き、誠に有難うございます。「ひこうき班長」さんを交えて、コノ手のハナシで、プラモ作って酒飲めば、三日は持ちますね(笑)。潜水艦ネタ、またヤリますよ。

「ひこうき班長」さん
今日、ヤッてきましたよ。サークルKサンクスオリジナル、マセラティミニチュアカー(オトナ買い仕様:笑)、ホントに有難うございました。さぞや苦労されたコトとイタミいりやす。来週も元気なコメントを御待ち申し上げております。

「蝉夫」さん
いつも、マセラティを愛する「熱情メール(笑)」を有難うございます。こんなお客さんに愛されてるマセラティ達はシアワセもんです。また、私達のバカ話に付き合ってくださいね。来週もコメント、宜しくお願い申し上げます。

「Ryo」さん
最近、場を盛り上げてくださって、本当に有難うございます。ご本人&マシン(ビトルボ)は結構ご無沙汰ですね。前のオーナーさんが先日来店して、「あのクルマは元気ですか?」とおっしゃっておりましたよ。

皆さん、来週も「濃いコメント」を宜しく!

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2008年9月26日 (金)

きょうも闘う(笑)マイクロ・デポ

はい、こんにちは!

昨日よりアツイコメントを頂いておりますが、大丈夫ですヨ。ちゃんとシゴトをやりつつも、寸暇を駆使してブログ書いてますから。あと、きれいなおねーさんも永久にムリらしいです。「Rたろうさん」からも「NEVER」(笑)と何度も云われてますよね。まあ、小汚いお店ですけど、徐々にスッキリさせるつもりですから、皆さんも寛ぎに来てくださいな。

只今の時間はモンディアルtのリア左パワーウインドーレギュレーターの脱着作業。実は昨日の夕方からヤってます(泣)。

内装の内張りをハグって、ハグって、幌の骨部も一部はずし、覗いてみれば、「ここに、どーやってレギュレーターをいれたのカナ」状態。

あーでもない、こーでもないとバラしているウチに、正解発見。もー、ホント、イタリア人はいーかげんにシロ!!(笑)カタチのためなら、後の整備性など、本当に度外視、っていうか、眼中に無さすぎ!おめーら、ヤッテみろよ。このイ○公(笑)!

まっ、何にしても、パワーウインドー直すのに、ホイールはずして、フェンダーライナーカバーをはずして、キャニスターをはずして、エアダクトをズラして
ようやく本丸の金属製カバーをはずす、っと。内側から外側からぜーんぶ分解だもんね。イタリア人、天才!(バカボンだけど)
だいたい、パワーウインドーの修理するのに、普通リフトが要るか?哲学的思索に耽りたくなりますな。

イタ車とホンキで闘うのはかくの如き根性が必要です。ちゃんちゃん(たけしか、オレは)。



モンtP/W修理1.jpgリフトを上げたり下げたりしながら、いろんな儀装や配管類をはずしていく、当店工場長とガラス屋さんの社長。ご覧のようにアセびっちょりです。



モンtP/W修理2.jpgホイールとフェンダーカバーをはずすと、まずキャニスターが見えてます。


モンtP/W修理3.jpg次に巨大なエアダクトユニットをズラします。


モンtP/W修理4.jpgヤット見えたよレギュレータ、くるんと丸いレールがその一部です。ようやく本丸を発見!


モンtシート修理後.jpgモンディアルのいすも出来上がってきました。素敵です。


シャマルメーター(アルカンタラ装)完成.jpgこれも今日の成果、シャマルの特注アルカンタラ装メータークラスターが出来上がりました。おしゃれですね。ウチはナニ屋だ?(笑)

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ガンディーニのクアトロポルテ(その32:トランスミッション)

このガンディーニのクアトロポルテねた。ようやく、エンジンのお話がだいたい終わりましたので、お次は駆動系の要、トランスミッションのお話をいたしましょう。

ガンディーニのクアトロポルテは、正規輸入されたディーラー物では、ほぼ全数といってよいほど、オートマティックトランスミッション装備車です。ディーラー物の極々少数台と、並行輸入車の一部に6速マニュアルトランスミッション装備車が存在いたします。

まず、独ゲトラーク社製、6速マニュアルトランスミッションについてご説明いたします。従来のビトルボマセラティに積まれ、脆弱と評判(?)だった、ZF製5速ミッションやゲトラーク製5速ミッションに較べ、飛躍的に耐久性が上がっているとは云えましょう。ゲトラークミッション独特のなめらかなタッチで、「コクッ、コクッ」と爽やかにシフトを楽しめます。マセラティ車伝統の(?)エンジン特性に比していささかローギアードぎみな1速、2速では、瞬間的に吹け上がってしまいますので、レーシング走行のようなハードな使用法を続けますと、デファレンシャルギアやドライブシャフトも含めた駆動系統が早期にガタガタになります。ぜひ、ジェントルに走るクセを身につけましょう。良質なギアオイルを入れ替えながら、じっくりと調教していくのも大切です。また、クラッチのレリーズベアリングやレリーズシリンダーはクラッチ板交換時に必ず交換しましょう。ホントはフライホイールも交換したいのですが、非常に高価につきますので、表面研磨をすれば大丈夫でしょう。但し、クラッチ板の当たり面を完全に喪失し、走行不能状態までイッてしまったものは、フライホイール表面が金属同士の摩擦熱により、「焼き」の入った状態になってしまいますので、表面研磨加工が難しくなります。「そろそろだな」と思ったら、早めに対処した方がよさそうです。また、このゲトラークミッション(5段・6段ともに)は、ギア欠けや、内部のベアリング不良などの内部トラブルが発生した場合、一切の修理が不可能です。メーカーから、内部パーツの供給が一切行なわれず、また、特殊なシャフト組み立て工法を使っているため、大型のプレス機と専用治具が必要で、ドイツ本国のメーカー送りにする以外の手立てはありません。ゆめゆめ、手荒に扱うコトは止めましょうね。

次に、オートマティックトランスミッションのおハナシ。
ガンディーニのクアトロポルテV6車の非エボモデルは、すべて、ZF製の4速AT「4HP22型」を採用しております。これは、デ・トマソ期の222や430時期のものと同一の製品と思われ、互換性はあります。この「4HP22型」は80年代後半から、90年代中盤まで、広く欧州車に使用されていたものですが、マセラティ用のものは、内部がその強大なエンジントルクに耐えるように対策してあるそうです。このミッション自体は適切なATF(オートマティックミッションフルード)管理さえしていれば、非常に丈夫な部類といえ、通常寿命は12万キロ弱程度だと思います。極々まれに、そこまでモタナイものもありますが、その多くはオートマクーラーホースのオイル漏れをホッタラカシにしていた場合にみられます。この時期のクーラーホースは非常に耐久性が低く、カシメ部からのオイル滲みが比較的に早く訪れます。また、ディーラーにおけるこのホースの部品価格設定が、ある時期非常に高価で、かつ品薄であったのと、加えて、その交換には、ミッション本体をエンジンごとずらす工程が必要なことから工賃もバカにならないため、泣く泣く交換を諦めていたユーザーも多かったコトでしょう。整備履歴がピリっとしない個体は、ここがネックになるかもしれませんね。とはいえ、この形式のミッションは、国内に存在するZF社の正規代理店で、メーカースペックの完全リビルドが可能ですから、部品供給、信頼性の点では抜群です。リビルド費用も脱着工賃込みで「2ケタ万円半ばから後半」くらいのリーズナブルプライスで出来るでしょう。但し、費用は、いわば「時価」(笑)ですから、必ず、見積もりの上、コトにあたってください。
リバースギアに入れた時に「ゴロゴロ」と振動が床下から響くモノが時折ありますが、まずはミッションマウントラバー(4個)をすべて交換してみます。それで治ればOK。ダメな場合は、ミッションの内部ダメージを疑います。

最後に、エボV6と、すべてのV8車に搭載されている、新型のオートマティックミッション。キックダウンを電子制御で行います。BTRエンジニアリング(オーストラリア製:オーストリアではないので念のため。よく間違って記載されています)リミテッドという会社の製品です。
シフトチェンジの際に「ゴクッ」という、ちょっと不気味な触感があるのが特徴。ZFのミッションと較べて、ミッションマウントの設計がしっかりとしているので、「剛性感」はありますが、それゆえ、シフトアップ&ダウンのショックの出方は(特にV6エンジン車では)ZFに比して一歩譲るかな。まあ主にV8エンジン車に採用しているのは、アクセルのON&OFF時のトルク変動の相性の問題でそうなってるのかなと思います(実はエボ期はほとんど、V8が載っかってるんです。V6の製造台数は、エボ全数から見れば極々わずか:なんでダロ)。この形式のミッションは、なんでもBTR社がツブれたとかで、今後、なんらかの抜本対策が必要です。当店でも鋭意研究中ですが、万一の場合、当面は良質な部品取り車からの換装で凌ぎます(現在も在庫あり)。まずは、ご安心ください。



BTRオートマミッション.jpgエボV8のミッションに貼り付けてある、BTR社のラベル。マセラティの純正部品番号も入ってます。見えねえか(笑)。


BTRミッション本体.jpgこれが、下部から眺めたBTRミッション全景です。近代的な見た目になってます。

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2008年9月25日 (木)

ああっ!モン様っ(商品化への道はどうなってる?)

えー、きょうは天気も良いコトですし、もう一台の「モン様」、フェラーリモンディアルtカブリオレの商品化作業を再開中。リモコンミラーが動かないとか、トランクリリースが電動で出来ないとか、マイナー系の電気周りトラブルをシュートしているうちに、このハメに(笑:写真参照)。内装各部も分解して皮革部の修繕中です。きょうの夕方にはイスがやってきます。それまでに何とかしないと・・・。早くダレか、お嫁に貰ってやってくださいな。こうやって、よーく躾けて送り出しますから(笑)、気立てのイイ子になりますですよ、きっと。


モン様商品化1.jpgヘルニア持ちには、とってもツライ姿勢です。でも、頑張るからね(三男工場長談:泣)、ヒー。



モン様商品化2.jpg後ろ側もバラしていきます。リア左側のパワーウインドーレギュレータも異音がするので、なんとかしないと(こんなトコ、パワーにすんなっつーの!)。



魅惑のモン様1.jpg出し惜しみつつ、ホイール周りを一葉。ブレーキローター&パッドは、ほとんど新品。せっかくだから、ローターにはきれいに塗装をいれてみました。



魅惑のモン様2.jpgボディもいいツヤ出ております。だれか、早く迎えに来てエ(モン様談)!


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2008年9月24日 (水)

晴れた!ソラ!高速チャレンジへGO!!

昨日、場内の写真でフューエルポンプを電磁ポンプ化作業をやってた方の「モンちゃん」。今日は、ようやく晴天に恵まれて、最終仕上げ&高速ラン&車検の3連発!30年の時空を超えて、高速道路を走ってみました。当店では、試運転のコトを、往年のマセラティ社に在籍していた、名物テストドライバー、「グェリーノ・ベルトッキ先生」になぞらえて、「ベルトッキしに行く」といいます。で、ベルトッキ、してきました(笑)。ランチアだけど、まっ、いいか。やっぱ、いいわ、旧いミッドシップマシンは。フューエルポンプの電磁化は著効を発揮して、全段でトルクフルな走りが出来るようになりました。車検も無事突破。まだまだ細かいところのツメがありますが(今日も、途中で水温計センサーが不良の症状を出したり引っ込めたり:イタ車はホントだめ:笑)、まあ、最終コーナーを曲がったかなとようやく思えるようになってきました。明日も内装仕上げの続きやろー。毛玉とりは手がイタいです。喜んでもらえると嬉しいな。


モンテ高速試運転.jpgエンジン回転は4000回転までに抑えてナラしておりますが、レスポンスはヒジョーに良いです。


モンテ毛玉とり工程.jpgこの時期のランチアは、大概このモヘア生地なんで、キレイに見せる仕上げにはこの作業が不可欠ですね。もうほとんど「手芸」の世界(笑)。ちなみにワタシ小学校の時、家庭科は「5」、たぶん大丈夫(爆笑)。


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2008年9月23日 (火)

今日のマイクロ・デポ本社場内

やっと、待望の晴天!
相変わらず、コンナ調子で今日もやっております。
早く広い工房を持ちたいな(ぜいたく?)。


デポ9/23.jpg宙を舞うフェラーリはまさにプランシングホース・内装がぜーんぶハズれている状態で空飛んでます。奥のシャマル1号は天井張替え中。手前シャマル2号はメインヒューズボックス対策完了でダッシュボード張替え作業中。一番手前モンテカルロは電磁式フューエルポンプに換装中。オモテのスパイダーザガートは昨日持込みで車検、本日只今納車中、コレ納めるとアルファロメオ147が車検で持ち込まれます(あっ、お客さんから電話掛かってきて予定より20分早く到着と)。
・・・もう、てんてこまい(笑)。

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2008年9月22日 (月)

ガンディーニのクアトロポルテ(その31:エンジンの21話)

いやー、いーかげんに雨は止まんかなあ。カラダがフヤけそうです(笑泣)。

さてさて、ガンディーニのクアトロポルテのエンジン話。きょうはインタークーラーツインターボの続きなんですが・・・。

ちょっとー、皆さん!ウイキペディアで「ツインターボ」って入れて見てみてくださいよー。載ってないんだよ、マセラティビトルボについて、マセラティの「マ」の字もビトルボの「ビ」の字も。
おまけに、グーグルで「世界初のツインターボ」って入れたら、ワタシがこの間書いたブログの中の文言よりも先に、トヨタツインカムエンジンについての記述が出て、それを見たらば、またビックリ!1986年デビューのGX71型(マークⅡ・チェイサー・クレスタの三兄弟)GTツインターボが世界初のツインターボ市販車と、堂々と書いてある・・・。
・・・やっぱり、マセラティって日陰げの身なのね(ヨヨヨ:泣)。

ワタシ、事情通の関係各位にもう一度資料をあたってもらいましたが、やはり、「マセラティが世界初」で間違いないことが判明いたしましたので、改めてご報告申し上げます。「マセラティビトルボこそ、世界初のツインターボ市販車です。間違いありません(笑)」。しかもトヨタは5年もあとです。あしからず。

というわけで、気を取り直して、マセラティのツインターボユニットについてのハナシです。

ターボ本体は昨日のお話のように、日本のIHI製です。コレは、なにやら年代別に仕様違い(タービン形状や冷却方法の違い)があるようなのですが、きちんとした資料に当たったことがありませんので、適当なコトは書きません。非シーケンシャルであることと、ジャーナル(メタル)軸受け(フローティングメタル方式)であることは間違いないと思いますが。
とにかく、ほとんど問題が起きないんで、あんまりハズしたりバラシたりもないんです。タービン軸受けを冷却するための冷却配管からLLCが漏る(金属製配管腐食のため)トラブルが430で一例あったぐらいだよなあ。
但し、キャブ期のビトルボでは、冷却方法の不備、当時高い粘度のオイルがポピュラーで無かったという理由に加え、なぜかメーカーやディーラーの推奨オイル交換時期が「10,000Km毎(左ドア内張りに貼ってあったコーションラベルにもしっかりと書いてある。もちろん日本語取扱説明書にも)」という常軌を逸したモノであったため、「白煙モウモウ」のクルマが続出してたらしいのですが、2.8リッターインジェクションモデル以降のものでは、高性能エンジンオイルの管理をしっかりとやるだけで、まずは、トラブルフリーと云えます。少なくとも、当店では、モチュール300V(高粘度型)を用い、3,000Km〜長くても5,000Kmでのエンジンオイル交換をこの十数年に亘り推奨してきましたが、ビトルボエンジンにおける、ターボの焼損(焼きつき)トラブルは一例もありません。カムタイミングベルトやその関連に起因する、エンジン破損が一例も無いという事実とともに、その専門店ゆえのビトルボマセラティ販売台数(分母)の多さ(実台数300台以上)から見れば、たまには、ダレかにホメて欲しい(笑)と思うもので、密かにマイクロ・デポが「誇り」としているところではあります。

当初、オリジナルのキャブビトルボに装着されていたものは、インタークーラー未装着のターボユニットです。

次にビトルボESが高性能バージョンとして設定された時にインタークーラーが初めて装着され、その時はエンジンの左右バンク上に、地面と水平に「乗っかる」ようなカタチでの搭載方法であり、ボンネットにはインタークーラーに空気を導入するための、いわゆる「NACAダクト(前方がスボまっていて後方が幅広くなった形状:外気を積極的に吸い込む)」が開けられて、より、スポーティーな外観になりました。
しかし、このモデルはそうでなくても整備性の悪いこのマシンを、インタークーラーのゾンザイな搭載方法により、いよいよ「いぢれなく:笑」しちゃったので、さすがにこれ一代でやめました。

2.5リッター時代の最後に、インジェクションを装備、この時インタークーラーの取り付け位置が変更になり、車体最前方のラジエターのさらに前に並列して2基、取り付けられました。この搭載方法は2.8リッターになってからの、228、222、430、スパイダーザガート、カリフ、などデ・トマソ期最後のV6モデル達にそのまま継承されていきました。で、この時期のものが、もっとも「熱的に」エンジンルーム内がシビアな状態になるといった問題を抱えているわけです。このへん、もうちょっと詳しく説明いたしますと、モノコックボディ先端のラジエターコアサポート(ボディの構造部材の一つ)の下には、いちばん室内側から最前方に向かって、順に、
・2基の大きな電動ファン
・ラジエター本体
・エアコンコンデンサ(コレについては、エアコンの説明時に詳解いたします。)
・インタークーラー(並列2基)
という構成になってます・・・って、どうやって冷えるのコレ?って感じ、分かって頂けますでしょうか(笑)。初めて、現在当店がシゴトを依頼している、「この道50年」のラジエター屋の社長に見せた時は、「こりゃー、冷えないよー」と爆笑してましたっけ。現在でこそ、適正な「コア」を選定し、当店のマセラティではなんの問題も無くなっておりますが、こういった部分ひとつをとっても、デ・トマソマセラティを日本で実用に供するには、対策が必要だったんですね(みーんな、アタリマエと思ってるみたいだけど:泣)。ナニシロ、このマシンの電動ファンは外気を社外に直接排出するんでは無くて、エンジンルーム内に吸い込んでいるんです。しかーもー、インタークーラー→エアコンコンデンサ→ラジエターと3段も熱した外気を。で、エンジンルーム内に吸い込んだ熱気は、どこからというコトも無く、なんとなく、熱ーいエキゾーストマニホールドを「撫で」ながら、さらに熱くなりつつ、エンジンルーム床下後方から、やっぱりなんとなく出て行くと、こういうコトになっております。だから、勢い良く電動ファンがブン回ってるビトルボマセラティは真夏など、暑くて近寄りがたいわけです。SE以降の222や、430後期、スパイダーザガート最終、4V、カリフには「放熱ダクト(ビトルボESのとは向きが逆になってる)付きエンジンフード」が装備されておりますが、ハッキリ云ってほとんど実効性はありません。
フィアット期に入る直前、シャマルにおいて、フロントバンパー下部左右のダクトからインタークーラーを冷やす方法論(よってインタークーラーはフロントバンパー後部に搭載)をようやく採用し、上記の問題はほぼ解決をみましたので、ギブリやガンディーニのクアトロポルテにもこの搭載方法を選定しております。
ガンディーニクアトロポルテV6車がビトルボエンジン搭載全車の中で、もっともエンジンルーム内の熱問題に関しては、ラクなのではないかと思います。

インタークーラーは西ドイツ(当時)の「LANGERER&REICH(ホントは「A」の上に点々が付く)社」製、異物を飲み込んだり、ブツけない限り、まーずコワれません。

また、室内にある、「マセラティブーストコントロールユニット(ターボを制御するコンピューターユニット)」は、室内の湿気などによる経年変化で、ほんっとにマレですが、イカれることがあります。でもホントにレア(笑)です。

よって、ガンディーニのクアトロポルテのターボシステムはあんまり「ぶっ壊れない」と思っていいようですよ!これは、力強いこと。

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2008年9月20日 (土)

ガンディーニのクアトロポルテ(その30:エンジンの⑳)

本日二回目の投稿(あしたの分:笑)

このガンディーニクアトロポルテねたも、きょうで30回目。いやー、ここまで長かったですね。そのうち、20回もエンジンの基本的な説明と由来に費やしてしまいました。しかし、ビトルボマセラティのV型エンジンについて、マクロな視点から周辺をも眺め、重箱のスミをつつくミクロの視点まで、初めてマセラティを知るヒトにも興味をもって頂けますように、頑張って書いてまいりました。ここで一旦、おヒマな方は、このシリーズの始めから読み返して頂きますと、ガンディーニのクアトロポルテについての理解がより一層深まると思いますので、お試しくださいね。

さて、本日はエンジンスペックを基にした説明も大詰め、「インタークーラーツインターボ」、いってみましょう。

現在、俗に「ターボ」と呼ばれているものは、日本語でいうところの「過給機」の一種で、内燃機関(エンジンなど)がその着火爆発工程の次で必ず発する「排気」を再利用して、エンジンそれ自体の基本的構造にはそれほど大きく手を加えずに出力を増大させるメカです。

これは、基本原理自体はそうとう旧いものなのですが、自動車用というよりは、むしろ航空機用として、高高度上昇用の大馬力エンジンを手っ取り早く作るための方法論の一つとして、航空技術の世界では「排気タービン式過給機」と呼ばれ、早くから発展してまいりました。

ガンディーニのクアトロポルテはもちろん、ビトルボマセラティに代々採用されてきたタービンユニットは、石川島播磨重工業製、現在の株式会社IHIが供給しておりました。このIHIという会社、幕末以来の歴史(150年以上!)を誇る、まあ、とってもリッパな会社なんですが、その前身たる、東京石川島造船時代は、ちょうど第二次大戦中にあたり、国産初のジェットエンジンの製作(これは極めて高度なタービン製造技術を要する)を、当時の海軍航空技術廠(空技廠)の依頼に基づき成功させた実績があり、そのタービン製造と整備の技術は現在でも、ボーイングその他のジェット旅客機に搭載されている、エンジン重整備の委託事業などに引き継がれております。

その国産初のジェットエンジン誕生の経緯は、つとに有名ですが、ご存じない方のために、ここに簡単に御紹介いたしましょう。
第二次大戦も後半に差し掛かり、同盟国たるドイツ軍はヨーロッパ戦線のあちこちで連合国より補給路を絶たれ、最前線で物資が枯渇する事案が逼迫しておりました。一方、我が国の方も、度重なる南方戦線での敗退により、本土空襲も時間の問題となり、高高度を飛来する連合国軍の爆撃機に備え、高性能の迎撃機を早期に完成させる必要が生まれました。ここに日独双方の思惑は一致し、すでに制空権も制海権も奪われた状態の中、両軍の隠密潜水艦行動作戦により、日本からは、ドイツへの物資を運び、ドイツからは、現地日本人駐在員の撤収や新型高性能エンジンの技術資料などを受け取りに行きました。日本側の潜水艦による、この一連の作戦行動は、「遣独潜水艦作戦(けんどくせんすいかんさくせん)」と呼ばれ、全部で5回行なわれました。不幸なことにそのうち完全に成功したのは一回だけ。ここに取り上げるのはその成功した作戦ではなくて、ほとんど失敗だった「第四次遣独船(帝国海軍潜水艦イ−29号による)」のハナシです。この時期、すでにドイツには、世界初の実用ジェット戦闘機:メッサーシュミットMe262シュヴァルベ(つばめの意)が存在し、連合国軍の脅威になりかけておりましたので、何とか日本でもジェット戦闘機の国産化をと願い、この搭載エンジンたるユンカース社製Jumo004エンジンとともに、写真や図面その他の技術資料を取り寄せるために潜水艦を派遣しました。しかし、連合国軍に計画は粉砕され、水没飛散したものの中から、かろうじてかき集められた資料のみで、ジェットエンジンとジェット戦闘機を作るハメになりました。この時同時に日本海軍はジェットも通り越してロケット技術さえ試そうとしていましたので、やはりドイツでほぼ実用化されていたロケット機:メッサーシュミットMe163コメートの資料も搭載しておりましたが、こちらもほぼ散逸してしまったため、日本における開発は困難を極めました。
ジェットエンジンを積んだ方は「試製橘花(きっか)」、ロケットエンジンを積んだ方は「試製秋水(しゅうすい)」と呼ばれ、終戦ギリギリまで開発は続けられました。「皇国二号兵器」の別称も与えられたジェット機「橘花」は、その開発の最終局面では、本土を空襲しにくる連合国軍のB−29爆撃機に追いつき体当たり攻撃をしかける特別攻撃機の位置づけを与えられそうになっており、原型初飛行が1945年8月7日と終戦間際であったことが幸いして、悲しい歴史を背負わずにすみました。その「橘花」に積まれた国産初の実用ジェットエンジン「ネ20型」こそ、東京石川島造船、現在のIHIが開発製造したものです。
とにもかくにも、戦時中にジェット機、ロケット機を曲がりなりにも飛ばすことが出来た、当時のドイツと日本の航空技術はたいしたものではありませんか。

そんな歴史あるタービン製造技術が数十年のちに、旧同盟国の同志イタリア人の製造する世界初のツインターボ市販車に生かされていると思うと歴史の不思議さを感じずにはおれません。

来週はターボチャージャーの説明の続きからお届けいたします。お楽しみに。

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くださいね。

今週(9/13〜9/19)のコメンテーター諸兄におくる感謝と伝言

今週も、コメンテーターの皆さん、有難う!
きょうは、五十音順に御紹介いたします。

うっくんさん。ガンディーニのクアトロポルテへの情熱的な賛辞、有難うございます。これからも可愛がってやってくださいね。

蝉夫さん。「マセラティ一代男」の生き様はカッチョイイ!これからも、マセラティを知らない大衆に魅力をシッカリ語ってください。

だんちょさん。週の始めのスターター役を担って頂き、誠に有難うございました。時々シリを叩いてください(笑)。

ナデナデされながらの口説きに弱い3200GTさん。ホントこの度はご迷惑をお掛けいたしました。適度に(笑)遊びにきてね。

ひこうき班長さん。当店とのご縁を大事にしてくださって、ホントに有難うございます。これからも、アツいコメントを宜しくお願い申し上げます。

maseponさん。常にマシンには暖かい声を掛けてあげてくださいね。コメントとっても嬉しいです。

松戸のSさん。今週も、たくさんのコメントを有難うございました。毎日なんとかブログを続ける糧とさせて頂いております。

Ryoさん。オリジナルのキャブビトルボをこよなく愛する方です。これからも大事にしてやってください。きっと、お祈りは通じるでしょう。

りゅたろうさん。222 4Vのエンジンも90度クランクを採用しています。但し、222系とギブリの橋渡し的な位置づけのモデルのため、内装各部のインシュレーターなどの造作が多少マシになり、エンジンマウント類は3Vそのままですが、ミッション&クラッチ部の内部共振音(4Vと初期のギブリMT車は不可避)をエンジンのアイドル回転数を他のモデルより若干高めにセッティングして逃げる他、マニュアルミッション(ゲトラーク5速)設定のみということも相まってアイドル時のエンジン振動がさほど気にならないので、「4Vは除く」と書きました。期待させて(なにを?)ごめんなさい。シャマルの180度クランクV8エンジンは、80年代末に概要が発表されていた「マセラティ シュバスコ(チュバスコ)」の心臓として開発されたのがコトの発端だと思います。このモデルは、「ミッドシップ、縦置きV8」で、まったくフェラーリの348系と市場がカブることから、デ・トマソからフィアットへの権限委譲に伴い、フィアットグループ内での「食い合い」を避けるために販売計画はご破算にされました。でも、せっかく作ったニューエンジンを見捨てるのも忍びなく、フロントエンジン・リアドライブ・超ショートホイールベースのシャマルを作ったというわけです。このエンジンは一代限りで転用もされていないので、極めてレアなものとは云えましょう。

また、来週も宜しくお願い申し上げます。
新規参入の方もどしどしとコメントをどうぞ!
ウチのお客さんでない方、マセラティオーナー
以外の方からのコメントもぜひお寄せ下さい。

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2008年9月19日 (金)

ガンディーニのクアトロポルテ(その29:エンジンの⑲)

はい、皆さんご機嫌はいかがでしょう。

三日ぶり、ガンディーニのクアトロポルテねた:エンジン編。前回までに「DOHC4バルブ」の部分までだいたいの説明はいたしましたが・・・、

ガンディーニクアトロポルテのエンジンスペックは
「水冷90度V型6気筒(8気筒)DOHC4バルブ インタークーラー付ツインターボ」でしたね。

で、今日はまた「気筒配列:V型6(8)気筒」部分の説明の補足から。ハナシがいったりきたりですみません。クランクシャフトのハナシです。

まあ、前述のように「ビトルボマセラティ」のエンジンは、マセラティ史的には、その概念上「V8をぶった切って作ったV6エンジン」であるわけですが、ロードカー用のV型エンジンには、長年にわたり、そのクランクシャフトは90度(ダブルプレーン)を採用しています。90度というクランク角の意味は、隣り合うピストンを動作させる、コネクティングロッド(コンロッド)の穴のデカイ方(俗にビッグメタル側)が取り付くクランクシャフト側の軸(クランクピンといいます)同士の位相が90度・・・要は、隣り合うクランクピン同士が必ず直角に配置されてる・・・、ってクチで云ってもぜんぜんわからないと思いますが(笑)、もっと詳しく理解したいヒトはこの機会にウイキペディアでも検索して勉強してみてください。

ちなみに、ビトルボマセラティの中でも、シャマル用V8だけが、180度クランク(シングルプレーン:隣り合うクランクピンが、必ず直線上の両端にそれぞれ位置する形態)を採用しており、近年のフェラーリV8もみんなコレで、アイドリング時には独特のパルス感が出るので、「うおー、スポーツカー」感のあるエキゾースト音は、ひとしお快感ではあります。

V型90度のバンク角を持つ8気筒エンジンの場合、静粛性とスムースネスな回転のためには、ダブル(クロス)プレーン(90度クランクシャフト)を用い、レスポンス向上の味付けが欲しい場合は、構造上カウンターウエイトを持たない(ということはクランクシャフト自体が軽い)シングル(フラット)プレーンを採用するといった感じです。まっ前者がジェントルな味なら、後者はスポーティーでレーシーな味といった感じでなんとなく覚えておいてください。

但し、同じV型90度でも、6気筒ではハナシが変わってきます。90度クランクシャフトのまま、8気筒を「ぶった切って」6気筒にしちゃうと、そのままでは、「不等間隔爆発(着火)」という状態になります。で、ビトルボマセラティのV6車はまさにコレなんですね。それで、あの独特のアイドル時のパルス(振動)が出ているのです。222系(4Vを除く)や、430系、スパイダーザガート、カリフ、228までのビトルボシングルカム車は全車こうです。クアトロポルテやギブリなど、フィアット傘下期に入ってデビューしたクルマでは、この90度(バンク角:シリンダーの開き角度)V6で90度(クランク角)のままなので、当然「不等間隔着火」なのですが、エンジンのマウントなどに良いものを奢り、防音防振材をふんだんに使った結果、室内に伝わる振動はかなりジェントルになってます。そもそも、「イタリアンスーパーカー」の顧客はこの「いかにも、レーシングユニット由来のエンジンっぽい」粗野で獰猛な雰囲気を好んでいたものですが、時代の流れで、というか、ドイツ車や日本車の「静粛でスムースネス」なエンジンにならされてしまった結果、もっと、「スムースなものを」との要望に応えて出来たのが、クアトロポルテV8のエンジン(90度クランク)というわけです。
ですから、クランクケースやカムカバーの造形はそっくりですが、シャマル用のエンジンとクアトロポルテV8のエンジンはエンジンのキャラクター的にも、心情的にも、まったく相反するものと云えましょう。
これを機会に、エンジンのスペックを見る場合、このクランク角に注目してみては如何でしょう。

このクランクシャフトに関連して云えば、ビトルボエンジンのクランクシャフトの前端部と後端部には、クランクシャフトシールと呼ばれる、特殊素材のオイルシールが用いられ、フロントシールの方は、カムタイミングベルトの交換時についでに行なえるもので(それでも大変だけど)すが、リアシールから「ドバドバ」と漏ってる場合は、まず、エンジンのバンク上に乗っかってる「インジェクションユニット」をインテークマニホールドごと降ろし、なぜかミッションのベルハウジングケース側に付いてる(どーして、イタリア人はこういう設計するかなあ:泣笑)スターターモーターをはずした上、車体をリフトアップ。今度はエキゾーストユニットを後ろのタイコ部から前へ前へとすべてはずしていきます。次は、プロペラシャフトをセンターサポートベアリングもろともはずし、(はあはあ、ちょっとお休み:笑)返すカタナで、今度はフロントの左右ホイールをおろし、左右のパワーステアリングラックエンドをハズシ、エンジンマウント・ミッションマウントをすべてはずしつつ、フロントサブフレーム全体を下にズラした状態を作り、パワーステアリングユニットを降ろす。最後にミッション下部をドーリーで支えつつ、エンジンとミッション間の結合ボルトをはずしていき、ようやくミッション本体とエンジンが分離いたします。そうして、「後ろ側がズンだれた状態」でぶら下がってるエンジンの後にある、リアシールの交換作業(これが、ここでの本論なんだよなあ:笑)がやっと行なえます。
というわけで、リアシールが漏ってるのを正式に直すには、「ミッション脱着作業」が不可欠ですから、ミッションオーバーホールのついでにヤルのが理想的なんですが、ミッションの寿命とクランクシールの寿命はぜーんぜんリンクしてないもんで(シールの方がはるかに早くダメになる)困ります。

以上のハナシは、ビトルボエンジンのマセラティでは、すべてが対象になるハナシですから、ご購入の際は必ずチェックした方が宜しいかと思います。微細なモレやにじみは当たりまえと思った方がよさそうですけどね(笑)。あるお店(略称M・D:笑)では、「オイルが漏るのは、エンジンオイルが入っている証拠」と笑いながら嘯いております。

「キーンコーンカーンコーン」
今日の講義はこれにて終了!

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2008年9月18日 (木)

それでもオカルト(笑)は、信じちゃいけませんヨ。

はい、こんにちは。練馬は雨がドバドバ降ってます。
下の工場では、スパイダーザガートのタイミングベルト交換やってます。リフトに上げた、モンディアルtの下で(大泣)。

昨日の「お祈りネタ」は、過去最多コメントを頂戴し、「マセラティ乗り」がいかに敬虔な方々(笑)かが分かりました。皆さん有難うございました。

先日、NHKBSのテレビで「日めくりタイムトラベル:昭和44年編」というのをやってまして、コレ大好きな番組なのですが、米国がアポロ計画により月面上陸を現実化してる頃、ニホンでは、「ラムダロケットシリーズ」を東大のエラーイ教授陣が、飛ばしても失敗、また失敗の連続で、ついに5号機でやっと人工衛星「おおすみ」を周回軌道にのせるコトができました、てなハナシをやってまして、コレを見てますと、やっぱり最後は、地元の婦人会のヒト達が「千羽鶴」は折るわ、地元の神社にミンナして成功祈願しに行くわ、「お祈り」になっちゃってました(笑)。

お祈りは「人智を尽くして天命を待つ」のココロこそ大切。マイクロ・デポでは、「なんとなく治っちゃった」っていうのを許しません(笑)。たとえ相手が旧いマシンであれ、それがマセラティであれ、とことん、トラブル原因を「科学的に」追求し、カッコつけて云えば、「論理的整合性」のある結論が導きだせるまでネバります、とことん。でも、昨日のハナシのように最後はお祈りになっちゃうんだよなあ、「科学の子」でも(笑)。

ちなみに、あやしげな「チューニングパーツ」とか「添加剤」の類はホントにオカルトだったりする場合がありますので、ご注意あれ。本当にキチンとした技術であれば、「一流大メーカー」が絶対研究してますって。当店が基本的に「社外品」や「改造」に冷淡で、「この原理主義者(Byりゅたろうさん)!!」と罵られようとも、その理念を貫いているのは、「ニホンの製造業の末席」にかつて身を置いていたからなんでしょうね。たとえ小さなネジ一本、ナット一個でも、その素材の選定、焼入れのやり方、タップの精度管理、表面処理(メッキなど)の塩水耐蝕試験などをくぐりぬけてきたモノたちなんです。簡単に、「カタチが似てるから」なんていう単純な理由だけで選んではダメな場合が現実にある。ワンオフの「PCD変換用スペーサー」なども、過酷な実機試験を充分に繰り返しているわけではないと思いますので、ロードカーに取り付けて、耐用距離や年数を問われれば、我々は答えに窮します。責任が持てないものには関わりたくないというのがホンネかもしれませんね。

確固たる自信をもって、ヤルべきことを行い、あとはお客さんとともに敬虔にお祈りする。今日一日走りきったら、「有難う」とマシンに感謝いたしましょう。

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2008年9月17日 (水)

やっぱ、マセラティにはお祈りが大切(笑)

こんばんは、皆の衆(笑)。

もー、最近コメントの毒気が強すぎて、一般のお客さんには理解不能なトラブルねた書くのは「ホンのちょっと」にして(笑)。お願い、頼むよー。まっ、ぜーんぶ実話なんですけどね(爆笑)。
このブログを見て、「いつの日にかマセラティを」と思っているアナタ!決して「ヒカ」ないでください。マセラティには、オーナーの祈りが通じますから。
現に、昨日の「松戸のS」さんのコメント、「河口湖でパーコレーション(正式にはフューエルベイパーロック現象の発生)」のオチは、「でも、結局自走して帰って来れた」んですよ。そこ書いてくれなきゃ(泣)。

ダメだ、ダメだとくさしていると、マセラティはどういうわけか云うことを聞かなくなります。

先日は、3200GTに、やはり上記の「松戸のS」さんの症状と似た症状が頻発するクルマがありまして、継続車検のついでにシュートしようということになり、東京の南のはずれから、北のはずれ(練馬)の当店まで、「真夏の、東京の、渋滞」を潜り抜けて「自走」で乗ってきて頂きました。「きょう、どうです?」とワタシ。「うーん、なんでもない(症状出てない)」とお客さん。「じゃ、お預かりして様子見てみます。じゃーねー。」とお客さんが帰って、「さあ、置き場に回送するか」とスターターを回したら、もう、うんともすんとも掛からない(笑泣)。しかし、我々にとってこれは、トラブルシュートの大チャンス。症状が出たり引っ込んだりするヤツのシュートが一番大変なんです。こうやって、ハッキリと「ぶっ壊れて」くれている方が原因探求がしやすいモノ。
30分くらい、シュートして、2個あるフューエルポンプがどうも「両方」お逝きになってる様子。「2個同時にぶっ壊れるコト」はあんまり考えられないんだよなあ、と思いつつも、とりあえず、辺りは夜のとばりも降りてきて真っ暗に。置き場への回送は諦めましたが、なんとか、店の中には仕舞わないといけない。「えー、押すのー?(泣)」と怨嗟の声が上がります。いや、重いのよホント、3200GT。で、ワタシが室内に乗り込みまして、メータークラスターを撫でながら、「いやー、アンタ今日は良く頑張ってここまで来てくれたねえ。このお客さんホントいいヒトだもんね、よくやった。でもね、オレたちも愛してるからさあ、お願いだから、一分でも30秒だけでもいいから、エンジン掛かってちょ。おぢさん達、もう、クタクタだから。ホント頼むよー。」と儀式を終えて、セル一閃。「がるるるるー」と一発始動。もう全員で爆笑しました。ホントカワイイヤツ。
もう、なんつーか、「間」がいい。笑いのツボを抑えてる。昨今のつまらんお笑い芸人など足もとにも及ばぬオモシロサ&人間味(笑)。なにせ、さっきまでは何やっても掛からなかったんですから。おかげで、長い間悩まされた出たり引っ込んだりするトラブルもようやく真犯人を特定でき、解消。クルマに愛情ある、持ち主のお客さん自身の観察眼(トラブル発生時の状況説明のおハナシがマトを得ているので、原因の推測にたいへん役立つ)と、マセラティの「一発芸」と我々のネバリが三位一体となって、結果を出すコトが出来ました。お客さんは大変寛容で、ウチのポカも笑って許してくれました。それも、マセラティを愛するゆえのコトと理解して、気を引き締めていこうと思いました。有難うございます。

ついでに、もう一題。
これは、一昨日のハナシ。関西からわざわざマセラティをご覧になりたいと、あるカップルが来店されまして、ワタシの運転で、マセラティの試乗をして頂きました。すっかり堪能して頂いた上、来年あたりに本気で考えてくださるとの由。「じゃ、お気をつけてー!」と送り出し、「雨も降りそうだし、クルマ仕舞おうか」と弟が乗り込み「セル一閃」。「かっつん」。もいちど「かっつん」。「ぎょえー、セルしぼーしたあ(泣)」これは、スターターモーター内部で磁石が落っこちた時の典型的症状。こんどは、押しました。兄弟三人で仲良く。いやはや、マセラティはヤッてくれます。でも、試乗の時には、なんの兆候も無かったんですから、もう、何と云ったらよいものやら。「とりあえずスゴイぞ、マセラティ!」とホメておきましょうネ。

祈りましょう!やっぱ、みんなで(笑)。

今日は、とことん毒気がツヨかったな。
でも、マセラティは断然面白いですよ。
(フォローになってるんだろか)


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2008年9月16日 (火)

ガンディーニのクアトロポルテ(その28:エンジンの⑱)

はい、お待たせしました。今日もヘッドのハナシの続きです。ホントはこういうメカの深い部分の真面目なハナシは一部のお客さんにしか受けないように思うので、サラっと行きたいところなんですが・・・。

まずは、いきなり写真から(以下4カムV6の例)

マセラティ4カム各部品.jpg

ここに見えてるのが、カムシャフト、タペット、その他のヘッド内部品の数々。今日はこの中で小さいけど非常に重要な部品、バルブアジャスティングピンのおハナシ。


下の写真のように、ガスケット交換のためにシリンダーヘッドまではずしちゃった場合は、必ずバルブクリアランス調整のためにバルブアジャスティングピン(いわゆるタペットシム)をマイクロゲージにより計測をしながら、ひとつひとつのバルブについて、組みあがり状態でのクリアランスが規定値に入るよう検証し、24本(V8では32本)のバルブが正常に動作するように組み立てていきます。
本来このバルブアジャスティングピンは、底面の厚み(この部分の寸法がバルブクリアランスを決定づける)違いにより、2.850mm〜4.000mmまでの、小数点以下第三位(ミクロン)が0のシリーズと、同様に末尾が5ミクロンに設定された、2.125mm〜3.375mmまでのシリーズがあり、どちらも0.050mm刻みで寸法違いの製品が予めメーカーから用意されてるワケなんですが・・・。
・・・出てないんですヨ、精度が(笑泣)。まあ、ラベルには、数字が書いてあるんですけどね、袋詰めするヒトが「同じように見えるから(実際パッと見じゃわからん)、まっ、いいか」という感じでかなりアバウトにやってる模様で(笑)「遠い数字」のヤツが普通に平気で出てきます。で、いちいち測定が必要(泣)と。
さらに、新しいヘッドガスケットを挟み、シリンダーヘッドとエンジン本体を結合させるわけですが、この時、本体とヘッドを締め付けるスタッドポルト(下の写真で、エンジン本体からそそりたってるヤツらです)の締め加減一つで、さっきまでの「鬼計測(笑)」がすべて水泡に帰する場合も非常に多いのですが、ここは企業秘密(笑)としておきましょう。
カッチリと組むのに成功すると、タペットの「ゲテゲテ音」が小さくなってエンジンがキレイに回ります。


シリンダーヘッドを
上から眺めたところ
「◎」のうち、真ん中の
「○」がバルブのオシリ

マセラティ4カムヘッド内部.jpg


手前に立てかけてあるのが
シリンダーヘッドの裏側。
「○」がそれぞれバルブ
のアタマ。この部分が
飛び出たり引っ込んだり
して動作する。
気筒当たり4バルブで
あることがワカルデショ。

奥の台車に乗っかってるのが
エンジン本体(いわゆる腰下部)。
3つの大きな「○」がピストン
の頭部。その周りにこちらを
向いてそびえているのが、
先におハナシしたスタッドポルト。



マセラティ4カムヘッド裏側.jpg


今日はここまで。こんなん、面白かった?

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2008年9月15日 (月)

ガンディーニのクアトロポルテ(その27:エンジンの⑰)

はい!新しい週を迎えました。
今週もまだまだつづく、ガンディーニのクアトロポルテねた、エンジン編。前回までにようやく「DOHC4バルブ」の部分まで説明が到達いたしましたが・・・、

ガンディーニクアトロポルテのエンジンスペックは
「水冷90度V型6気筒(8気筒)DOHC4バルブ インタークーラー付ツインターボ」でしたね。

で、今日も「DOHC4バルブ」部分の説明の続きをば、いってみたいと思っております。

ガンディーニのクアトロポルテ期の4カムエンジンは、カムカバーとシリンダーヘッドのすきまからエンジンオイルが滲むようになると、一度完全にカムカバーをはずしてから、新品のカムカバーパッキンをすべて貼り直す作業が必要になる(これは、丸断面のまさにゴムひも状のパッキンを液体ガスケットにて、カムカバー裏面に設けてあるミゾに直接貼り付けていき、そのパッキンがズレないように一発でヘッドに載せなきゃならないといった、極めてメンドーくさい、且つハラのイタくなる作業です。もちろん、前に塗布してあった、液体ガスケットの除去も予め必要です)のですが、左バンクの後側(エンジンに向かって右の奥)の作業はそのままでは困難ですから、ブレーキマスターシリンダーを一遍はずすか、エンジン本体を手前にずらすかといった、大工事になってしまいます。で、この部位はなかなか手を入れてもらえていないコトが多かったりするんですが、そのままカムシャフト後側からオイルが漏ったままにしておきますと、ときおりオイルのしずくがエキゾーストに垂れ落ち、ハデな白煙がエンジンルーム内から立ち上るコトになりますので、当店では納車時整備にてこの工程を行なっているわけです。
この時、フロントのカムシャフトシールも交換したくなるわけですが、それに伴って取り外すはずのカムシャフトプーリーとカムシャフト間の「空転止めキー(半月キー)」を必ず新品交換することもお忘れなく。非常に小さなこの「半月キー」は、経年で、内部クラックが出ているコトが多く、次にそのまま組み立てますと、プーリーがズレて、ヘッドがおしゃかになる恐れがあります。同業者の方は特にご注意あれ。5万キロ以上を経過しているエンジンにはとりわけ重要な対策だと思います。

フロントカムシールからのエンジンオイル滲みの例

フロントカムシール漏れ1.jpg

カムカバーをはずしたヘッドの状態(ブレーキマスターをはずしての作業の場合)

カムカバーはずし1.jpg

インナーシム型のタペット調整は困難を極めますが、次回はこの辺のお話をいたしましょう。


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有難うございました。

2008年9月13日 (土)

今週(9/6〜9/12)のコメンテーター諸兄におくる感謝と伝言

ハイ、こんにちは!

ここんところ、色々ヤッてて結構バテてます。皆さんは、お元気ですか?コノ連休も走り回っておりますよ。

そんな中でも、這うように、たましひの(笑)ブログ
は(ナントカ)続いておりますが、今週も皆さんのコメントに励まされつつお送りいたしました。
また、直接お顔を会わせたお客さんからも「ブログ、毎日読んでますよ!」とか「「よく、あんだけの量、書きますよねえー、意味はよく分からないケド(笑:ワタシは泣)」などの一言を頂けるので、本当に有難いコトだと思っております。
当ブログを盛り上げてくださっているコメンテーター陣。今週もさらに新しい方々が加わり、益々充実してまいりました。このコーナーは毎週土曜日に定例化すると御約束しておりましたので、今週もワタクシからお返事をさせて頂きます。「まず、皆さん本当に有難う。」

「glyco」さん。旧ーいハナシにお付き合い頂いてホント有難うございます。戦中戦後ネタは、分かって頂ける方が少ないようで、ワタシの熱意が空回りしているようです(泣)。でも、温故知新の精神は忘れませんヨ。これからも応援宜しくお願い申し上げます。

「うっくん」さん。そーですか、分かって頂けましたか。地味な作業は価値を分かってもらいにくいものなので、ホント嬉しいです。有難うございました。

「Shing/T」さん。「カウンタック」の正しい本国読みについてのご指摘、誠に有難うございました。じゃ、日本で誰が最初に「カウンタックっていうことにしよーっと」と思って名づけたのでしょうね。いずれにしても、「まくだーなる」が「まくどなるど」になっちゃう国ですから(笑)。ワタシは須らく「本国読み」に統一すべきでは、と思います。また、ご意見をお寄せくださいね。御待ち申し上げておりますヨ。

「masepon」さん。これも「車名の本国読み問題」で、面白い例を沢山挙げて頂きました。「アチラさん」も勝手な呼び方してるんですね。オリンピック見ながらコノ間も考えてたんですが、「日本」だって、「ニホン」「ニッポン」「ジャパン」「ヤーパン」「ハポン」など様々。クルマやバイクなど無数の読みが存在するんでしょうね。「郷に入れば、郷に従え」に類する言葉、外国にもあるのかな(笑)。

「★あい★」さん。初の女性コメンテーターかな(すでにいらしたらゴメン)。マセラティ、ご自分でも如何ですか。当店にも女性オーナーさん、何人かいらっしゃいますヨ。これからも応援よろしくお願いします。

ここからは、「常打ちメンバー」。もはや四天王状態ですが、皆さん、相変わらず絶好調!

「松戸のS」さん。今週も毎日有難う。そろそろ、コメントするの疲れてきただろー(笑)。ムリせず付き合ってね。尚、スパイダーザガートがいっぱいあるので、どれか買って(願)!タマにはお顔を見せてくださいナ。

「りゅたろう」さん。今週は比較的大人しいコメントで風格を感じます、「耽美派」の一言には重みがありますね。来週も御待ちいたしております。

「だんちょ」さん。「Rたろう」さんへの絶妙の突っ込み有難うございます。今後もその調子でお願いいたしますヨ。「Rたろう」さんはムキにならないでください(笑)。

「Ryo」さん。今週も要所要所で絶妙のコメント、誠に有難うございます。こんど、「ダメ男会」メンバーに推挙したいと思います。「スーパーカーねた」もいけてるクチですネ。

今週はこんなところで。
また、月曜日に会いましょう!

来週も、皆さんからの活発なご発言を期待しております。当店顧客以外の方のさらなる新規参入も、どしどしと御待ちいたしておりますよ。個人の誹謗中傷以外はなんでもアリ。ワタシのブログ継続のモチベーションになってますので、よろしく。

追伸
ブログランキングが、3位から5位の間を彷徨っております(笑)右下「人気Blogランキング」スイッチを忘れずに押してくださいね

2008年9月12日 (金)

ガンディーニのクアトロポルテ(番外編) ピニンファリナのもよろしくネ。

昨日は、このブログ、サボってしまいましたあー(笑)。

実は、コレに行ってたもんで・・・。

プレミアムデー1.jpg

プレミアムデー2.jpg


ワタシなんかにゃ、まー、とっても場違いなところなんですが、ここは都内某所のこうきゅーホテルの宴会場(洋風)。バンケットっていうんですか、こういうの。とりあえず、招待状が来てたんで、タマには顔を出さないと忘れられちゃう、との思いから行ってまいりました。ウチの電気屋さんから借りた15年落ちのサニーにて、会場の駐車場へ。コソコソと停めました。来客用駐車場がすでに「スーパーカーショー状態(笑)」なもんで。
「マセラティプレミアムデー」と題された昨日の会は、現行クアトロポルテのフェイスリフト(マイナーチェンジ)とグランツーリスモS&クアトロポルテSの4・7リッターエンジン搭載車のお披露目。同時に20台ものクアトロポルテが様々な仕様で並び、まさに豪華絢爛ではありました。

このクアトロポルテ達、すべて即納可能車であるということでしたので、当店にてご購入をしたいといったキトクなお客さんのためには、ご一報頂けましたらコーンズさんの営業マンと共に伺いますよ。よろしく。

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2008年9月10日 (水)

番外編:「スーパーカーメーカーの名前」転じて、すべてのカーメーカーの名前の本国読みだの日本語表記だののハナシ

(本日2回目の投稿)
なんか、このネタ、みょーに「食いつき」がいいな(笑)。というわけで続編です。

ワタシは、おやぢなので、以下のように呼びます。

マセラティ(発音しにくい)→(つい)(平板な感じで)マセラティーと発音する。略称はしない(スーパーカーブーム時にそういうカルチャーが無かったから)。
本国の発音は、ウチの三男(弊社工場長)が修行時代に、あるイタリア人に尋ねたところ「マセラーティ」のセがゼに近く濁り(この濁り具合は極めてビミョーだそうです)、ラにアクセントが来るように発音していたと証言しておりますので、「松戸のS」さんの見解と完全に一致します。二玄社系の表記がやはり二つとも正解なんだろな、きっと。

フェラーリは、そのまんま。

ランボルギーニも、そのまんま。

BMW→断じてヴェー・エム・ヴェー。
なんじゃ「ビーエム」って、安っぽい。ちなみに現在日本の正規ディーラーでは、「ビー・エム・ダヴュリュー」といってるみたいですが、そのムカシ「バルコムトレーディングカンパニー」が正規ディーラーだった時は「本国読み」してたと思う。もっとジジイになると「ベンベ」か(笑)。

メルセデスベンツ→ベンツ。
ディーラーは「メルセデス」と呼べと。有名識者もそれを推奨しています。ワタシは「ベンツ」で通します。「感じ」が出ないから。

ジャガー→ジャガー、そのまんま。
これは、バブル景気華やかなりし頃、正規ディーラーでキャンペーンをはり、「ジャグワと及びください」という宣伝を盛んにメディア掲載していました。さすがに、これはちっとも浸透せず、あたかも国電に代わる呼び名「E電(覚えてます?:笑)」のごとくに忘れ去られた過去となりました。英国の軍用機に同じ綴りのものがあるのですが、これは伝統的に「ジャギュア」と表記されることが多いのも不思議。「りゅたろう」さんの意見に(珍しく)同調させて頂きます(笑)。

ランチア→(平板な感じで)ランチャー。
これは、国土交通省が車検証などを作る時につかう「コードブック」にも「ランチア」「ランチャ」と複数名称が年代違いで錯綜しています。「マセラティ」は現在でも車検証上「マセラテイ(大文字5文字)」です。なんだか、「ラ・ン・チ・ア」ってやっぱ日本語の発音になじみにくいですよね。でつい、ロケットランチャー(笑)みたいに発音してしまいます。らんちゃーすとらとす(笑)。

アルファロメオ→アルファーロメオか、アルファかな?
ワタシは「ロメオ」とはあんまり云いませんが、ウチの次男は「ロメオ」ってイッテルな、そういえば。普段あんまり気にしてなかったケド結構面白いね。この考察。

フィアット→そのまんまフィアット。
ウチの協力工場のおやぢ(60代)たちはフィアットのシゴトの伝票書かせると「ヒアト」とか「ヒィアト」とか書いてくるので困る(笑)。クチでは云えてるのに。

アストンマーティン→アストンマーチンでしょ、やっぱ。ショーンコネリーは「チン」の方が・・・(笑)。

ロールスロイス→(平板な感じで)ロールスだな。
じゃ、ロイスさんの立場は(笑)?

ベントレー→そのまんまベントレー。
ムカシの書籍にはベントレイとするもの多し。

マスタング→ムスタングってつい云っちゃうよなあ。
これも米国戦闘機名にあって、こどもの頃はみーんな「ムスタング」って書いてあった。

リンカーン→そのまんま。
戦前の広告なんかみると「リンコン」とか書いてある。ちなみに「ビュイック」にイタっては「ビウイク」と・・・。もはやほとんど意味不明。

新しく参加していただいた「maseponさん」からのコメントに「アバルト」が出てましたが、これは米国で「えいばーす(最後は例のthの発音、上下の歯と歯の間にシタを挟んで抜くヤツね)」となるらしい(ムカシなにかの本で読んだ)。

そんなところで、またね。

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ガンディーニのクアトロポルテ(その26:エンジンの⑯)

とーとつですが、皆さんはV型エンジンのシリンダー番号は、どういう配列になってるか、ご存知ですか?
例えば、まず、直列6気筒エンジン(フロント縦置きの場合)が、エンジンに向かって手前(ということは車体最前方)から①〜⑥となっており、これがV型6気筒になりますと、エンジンに向かって左側(ですから右バンクですね)の手前から①②③、向かって右側(左バンク)は奥から④⑤⑥となります。要は、直6のエンジンを真ん中から「折って」2列にしたと思えば分かりやすいと思います。ですから、DOHC(ツインカム)の直6エンジンをポッキリと折って、V6にいたしますと、各バンクに「吸気バルブ駆動カム」と「掃気バルブ駆動カム」がそれぞれ必要になるわけで、カムシャフトが都合4本必要になり、これをDOHC(4カム)というわけです。
よく、「タイミングベルト」と一般的に云われているのは、この各カムシャフトとクランクシャフトの同調を採るための「カムタイミングベルト」というもので、あるシリンダー内部で、ピストンが上死点(ピストンがシリンダーの最上部にある状態:圧縮工程の最後にして着火(爆発)工程の寸前)にあるときに、間違えてバルブが飛び出していると、ピストン上部とバルブ先端が衝突し、バルブが変形破損し、シリンダーヘッドのオーバーホールが必要な事態(要は、とりあえずエンジン上部がおシャカになったということ)になるため、それを防ぐために、ベルトの早期交換を推奨しているわけです。カムシャフトの先端にはタイミングプーリーと呼ばれる、円周上に凹凸凹凸凹凸と連続的に歯がついている、コックドプーリーが装着されてます。クランクシャフト先端にもついています。ココから先はクチで説明するのはワタシの表現力では非常に困難なのですが、クランクシャフトといい、すべてのカムシャフトといい、クランクピンやカムの向きや形状には「位相(法則的・意図的なズレ)」がつけてあり、これらの組み合わせの「ツジツマ」をすべてバッチリあわせるように、各プーリーに歯付きベルトをかけて、位置決めをするよう設計してあります。で、経年変化や、寿命により、このベルト裏の「歯」が飛んでしまったり、ベルト自体が伸びてしまったりで、予め位置決めしてあった位置から「ズレて」しまったとき、各シャフトも「ズレた」タイミングで回るようになり、前述の「バルブ突き」が発生します。この時、当然エンジン自体も満足に回らなくなります。
エンジンの設計によっては、タイミングがズレて、エンジンの調子が悪くなるだけのものもあります(燃焼室の設計が深いマシンの場合:大衆車に多い)が、高性能車の多くは「バルブ突き」は不可避とおもってください。

ビトルボエンジンの場合、このカムタイミングベルトの背中(歯の裏:平たい側)でウオーターポンプの駆動もいたしますので、ウオーターポンプの経年や寿命によるロック(固着)による、ベルト切れや歯飛びも想定されねばなりません。さらに、タイミングベルトの目前で高速回転をしている、各Vベルトが寿命や、アライメント(回転軸線)調整の不備により、切れた場合に、タイミングベルトケースの中に破片などが運悪く飛び込むと、やはり、バルブクラッシュの恐れが出てきます。
ガンディーニのクアトロポルテの4本のカムシャフト、実はフェラーリエンジンの様にすべてがカムタイミングベルト駆動にはなっておりません。エンジン両バンクの外側にある2本(掃気:エキゾーストバルブ駆動用)のカムシャフトは手前にコックドプーリーがついており、これと、クランクシャフト先端のプーリーとの相関で、ダイレクトにタイミングをとっておりますが、エンジン両バンクの内側2本(吸気:インテークバルブ駆動用)にはいっけんプーリーが無い。じゃ、どーやってるかというと、各バンクの吸気・掃気用カムシャフトはその後端部にそれぞれチェーンホイール(ギア状のもの)がついており、この2本をチェーンで同調&駆動します。
ハナシを整理しますと、前面クランクシャフトから始まった回転運動は、プーリーを介したタイミングベルトの走行により、前部タイミングプーリーを回し、そのプーリーに繋がる、バンク外側の掃気用カムシャフトの回転がチェーンを介して隣の吸気用カムシャフトに伝わるというものです。
そんなわけで、クチの悪いワタシはコレを、親しみを込めて「インチキ4カム(笑)」と呼んでいます。なにも、部品点数や工数をわざわざ増やしてまでも各カムシャフト駆動の「非ダイレクト化」を推進するのは、昨日までの説明をシッカリ読んで来たアナタにとって「エンジン発展の歴史に棹さす」不可解この上ない出来事と思います。もっとも、これをマセラティ社が採用した理由はとかくアタマでっかちになりがちな4カムユニットの採用に際し、前部プーリー駆動ユニットをできるだけコンパクトにしたかったのではないかと推測します。だってフェラーリみたいにでっかいカムシャフト駆動プーリーを4個も手前に付けたら、ボンネットの前方にパワーバルジ(大きなふくらみ)のついた、ギブリやクアトロポルテになっちゃってた可能性がある(4Vやシャマルなら、あり?:笑)ので、やっぱ、カッコを採ってるのが、ここでも分かりますね。

マセラティの「インチキ(笑)4カム」
実は工数・部品点数ともにコッチの方
が高級かも知れない。
ちなみに、こちらが前方方向。
外側カムシャフトの先端にプーリー
がつく。後ろ側にチェーンが
見えるでしょ。
マセラティ4カムエンジン.jpg

フェラーリの「ホンモノ4カム」
どーせ、ミッドシップでタテ置き
するから、いーの、デッカクなっ
ても(笑)。F1みたいだし。
ちなみにこれが前方方向。
フェラーリ4カムエンジン.jpg

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2008年9月 9日 (火)

番外編:日本における、「スーパーカーブランド」の呼び名の変遷

きょう3回目の投稿です。ウチに帰ってから書いてみております。ちゃんと更新できてる?

はい、呼び名の変遷いってみよー!
フェラリ(フにアクセント)→フェラリー→フェラーリー→フェラーリ(ラにアクセント)
ムカシのプラモは大概フェラリーだったと思う。

マセラッティー→マセラティー→マセラティ
その他、カーグラ誌では伝統的にマセラーティ、ナビ誌では(同じ出版社なのに)マゼラーティとかカッコつけてます。ちなみに、当店では、コーンズさんの公式見解に基づき、「マセラティ」の呼称で表記していますが、たぶん、ワタシは会話の中では「マセラティー」と発音してると思いますし、これが、われわれ世代では一番一般的だと思います。ジジイのクルマ屋はマセラッティって大概発音してますネ(笑)。

ランボルギ(ジ)ニー→ランボルギーニー→ランボルギーニ
ムカシの英国製ミニカー「コーギー」とか「マッチボックス」のカタログには「ランブロギニイミユーラ(大笑)」とか「ランボルギニークンタッチ(爆笑)」などとあったように思う。もはや、原型すら留めてない。

イゾ→イソ
これはスペル短いから「ISO」あんまり悩んでない。

デ・トマーゾ→デ・トマソ
どう、アクセントつけるのが正しいのか未だに悩む。

以上、ワタシの個人的体験に基づく見解、ご講評を請う。

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超絶ギブリカップはもうすぐ納車! (マイクロ・デポのココロ、その①)

たったの5,000Kmも走ってないギブリカップも・・・、

こんなコトしたり、
ギブリカップ整備1.jpg

こんなモノ替えたり、
ギブリカップ整備2.jpg

こんなトコも磨き、
ギブリカップ整備3.jpg

張替えは下処理が命だし、
ギブリカップ整備4.jpg

ノリ落としも大変で、
ギブリカップ整備5.jpg

ここまでやって
やっとOK。
ギブリカップ整備6.jpg

・・・やっぱり、ビョーキでしょうか(笑)。

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ガンディーニのクアトロポルテ(その25:エンジンの⑮)

えー、昨日も錯乱状態のまま終了(笑)いたしましたが、昨日のおさらいから。
はい、1960年代のイタリアンスーパーカーメーカーの名を5つ挙げよ。
・マセラティ
・フェラーリ
・ランボルギーニ
・イソ
・デ・トマソ
・・・でしたね。で、昨日イソの方はサラッと説明いたしましたが、デ・トマソについては、説明を省略していました。皆さんご存知のように、デ・トマソは「ビトルボマセラティ」の生みの親でもありますから、今後幾らでも説明の機会がありそうです。ここでは、「ヴァレルンガ」「マングスタ」「パンテーラ」の3車名をとりあえず、覚えておいてくださいね。
で、イソとデ・トマソは自社でエンジンの開発をすることは無く、特にフルサイズスーパーカーには、アメリカ製の大排気量V8・OHVエンジンを搭載して販売していたメーカーです。まっ、イマ風に云えば、イタリアンカロッツエリアルックとアメリカマッスルエンジンの「コラボ(キライだ、この言葉)」ってなモンでしょう。
そこで、OHV(オーバーヘッドバルブ)という、バルブ駆動方式の説明に絡めて、このバルブ全般のお話を簡単にしておきましょう。まず、基本的な形状は、ヨコから見ると「ラッパ」みたいなカタチのもので、その「出口(口径の最大部分)」にあたる部分が塞いであるといった感じ。で、このバルブは、通常一つのシリンダー(燃焼室)に対し、吸気バルブ・排気(掃気)バルブの各1本が配置されています。この吸気排気のバルブは4ストローク(4サイクル)エンジンには、ガソリンエンジン・ディーゼルエンジンともに不可欠ですが、2ストローク(2サイクル)エンジンやロータリーエンジンには基本的(原理的)には必要ありません。2ストロークエンジンの進化の過程では、色々と、付加的にリードバルブなどの制御デバイスが付くのですが、その辺は、また別の機会に。

バルブ配列の歴史では、
・SV(サイドバルブ方式)
・OHV(オーバーヘッドバルブ方式)
・OHC(SOHC:オーバーヘッドカムシャフト方式)
・DOHC(ツインカム:ダブルオーバーヘッドカムシャフト方式)
の順に進化し、次第に高性能、高級化してきた、というコトになっています。簡単にいうと、「いかに、すべてのバルブ駆動をそれぞれ独立したダイレクト駆動に近づけるか」の歴史です。レシプロエンジンは基本原則的には、エンジン回転数を上げれば上げるほど、ピークパワーを上げるコトが出来ると盲目的に考えられてきた側面があり、エンジン内部の高速回転時にある回転数を超えると、バルブが正常動作しなくなる(ついてこれなくなる)現象(バルブサージングといいます)が起こるためコレがそのエンジン性能の限界点になってたわけです。で、この限界点を少しでもあげていくための方法論がカムシャフトによるダイレクトなバルブ駆動であり、気筒あたりの多バルブ化(バルブを小さくして、その質量(による慣性)を減らし、超高速回転にもついていけるようにするための工夫)であるわけです。で、マセラティも、超高性能サルーンの威信を賭けて、ガンディーニのクアトロポルテには、このDOHC4バルブを採用するコトになったんですね。きっと(笑)。

ところでSV方式は、ほぼ絶滅種といって差し支えないと思いますが、ほかの3種は現在でも、盛んに使われています。とりわけ、昨日までのハナシでお分かりのように、1960年代までは、「夢の高級エンジン」であった、DOHC(ツインカム)は、平成の世ではスッカリ大衆化してしまい、その有難味はまったく無くなってしまいました。
今では、軽自動車や商用車でも、珍しくありません。
あっ、そうそう、ホンダが初めてつくって販売した四輪車は、「ホンダT360トラック(昭和39年)」といい、「360CC・DOHC・タコ足エキゾースト・ミッドシップ」という、スペックだけ聞いたら「アバルト(これもいつか詳しくヤリます)」みたいな「アホ商用車(笑)」でした。ムカシのクルマは、ほんと面白いですね。昭和40年代前半までの「若いホンダ4輪車」はクダラネーエンジンがまだありますので、今後もとりあげていきたいと思います。
しかし、現在では、製造技術の進化、素材技術の発展、電子制御技術の細密化(キメ細かい制御が可能になった)等々のファクターにより、必ずしも、ガソリンエンジンのDOHC車でないと高性能なクルマ(特にロードカーでは)造りが出来ないとは限らなくなっており、環境問題の観点からは、ディーゼルエンジンも見逃せないものを持っております。「ハイブリッド」の前に、まだまだ、ヤレることあると思うんだけどなあ。・・・とボヤきつつ、まだまだ続くのであった。

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2008年9月 8日 (月)

ガンディーニのクアトロポルテ(その24:エンジンの⑭)

はい!新しい週を迎えました。
しかし、今週も(懲りずに)先週のつづき。
ガンディーニクアトロポルテのエンジンスペック、
「水冷90度V型6気筒(8気筒)DOHC4バルブ インタークーラー付ツインターボ」にちなんでの、「エンジンレイアウト小史」のつづきです。
実は、前回までの「マセラティになーんも関係なさそうな」ハナシ達の中に、なにげなく「DOHC4バルブ」エンジンたる、プリンスの「S20型エンジン」を紛れ込ませておきましたが、イタ車の世界では、ロードカー用の「DOHC&気筒あたり4バルブエンジン」搭載車という構造をもつものは、ここ20年ちょっとの間にようやく出現したものである、というコトを説明するための前フリだったんです。
1960年代前半のイタリアンスーパーカーの世界では、「老舗マセラティ」と「戦後派フェラーリ」がほぼ勢力を二分(市場シェアという観点だけでなく、そのレースに於ける実績や、それぞれに属する有能な技術者たちも)していたわけですが、そこに振興勢力たる「ランボルギーニ」と「イソ」が乱入(笑)、60年代も後半になると、「デ・トマソ」も登場し、派手な新車合戦が繰り広げられるワケですが、この辺の詳しいハナシはいつの日か取り上げますんで、きょうのトコロはアッサリと。
まず、「イソ」なんですが、このメーカーは、もともと冷蔵庫屋です。戦後、落ち着きを取り戻したイタリア人の足となったクルマとしては、我が国では「フィアット500(トッポリーノ・ヌーボトッポリーノ:ルパンはこっち)シリーズ」「同600シリーズ」が有名ですが、それすらも手の届かない贅沢品にみえる大衆の要求に応えてでてきたのが、後世に「バブルカー」と呼ばれた「小さく愛らしいクルマ」たちなんです。この日本でも、360CC規格軽自動車が生まれる以前に、「フジキャビン」「ダイハツ・ビー」「ミカサ(当時、流体継手:今でいうトルクコンバーターの特許を持ってた岡村製作所、そう、スチール家具で現在でも有名なオカムラが作ってました)」「フライングフェザー(住江製作所:当時主に日産車の内装素材を担当していた、住江織物(現在でもカーペット製造メーカーとして有名)の関連会社が少数製造)」「ニッケイタロー(これ、説明すると日が暮れるので省略:笑:フザケタ面白い車なので、ネットで検索してみてください)」など、「何とか、安く大量販売できないものか」と知恵をシボって作られましたが、どれも今ひとつ決定打にかける存在で、大量生産とは程遠い数字を残して市場から消えていきました。
ドイツでは、安価な乗用車では、有名なVWカブト虫がありましたが、これもまだまだ高嶺の花。さらに廉価なセグメントに「DKW(デーカーヴェー)ゾンデルクラッセ・マイスタークラッセ」、商用では「ゴリアート(ゴリアテ)」などが(それでもまだ比較的裕福な)庶民のアシとしてそれなりに売れていました。
だけど、それでも、「まだリッパ、もっと安いのでいい」のご要望にお応えして登場したのが、「メッサーシュミット」と「BMWイセッタ」です。この二車につきましても、ホントは山のように書くコトがあるんですが、又の機会にしましょうね、長くなりそうだし。興味とガッツのある方は「検索&ネットサーフィン」をどうぞ。
で、この「BMWイセッタ」の原型たる「イソイセッタ」、コレを始めに開発したのが、なぜか冷蔵庫メーカーの「イソ社」だったんです。この「イセッタ君」、あんまり、原型の完成度が高かったもんで、ヨーロッパ諸国の庶民層にたいへん受け入れられ、各国でライセンス生産されていたので色々なイセッタが存在します。おそらくは、このクルマが、前述したこの手のクルマの総称「バブルカー」の語源になっているものと思われ、なんとも、「不気味(笑)且つ愛らしい造形」をしております。
で、なんの因果か、この「冷蔵庫屋でバブルカー屋」の会社が60年代前半より、「スーパーカー道(笑)」に目覚め、「ベルトーネ」などのカロッツエリア製ボディに、「アメリカンマッスルV8エンジン」を突っ込んだマシンを次々に発表します。今日はとりあえず、「リヴォルタ」と「グリフォ」の2車名だけを覚えておいてください(笑)。
はい、お次は「ランボルギーニ」。「トラクター屋でエアコン屋」ですね。この社の歴史はソリャモー「いーぱい」書籍が出てますので、ネットサーフィンしてみてください(って、「逃げ」ばっか:笑)。
ところで、イタ車エンジンのツインカム(4カム)化、気筒あたり4バルブ化を促進したと思われるのは、この「ランボルギーニ」車出現に端を発すると思われますので、このあたりのみサラっと、おハナシをばいたします。
1960年初頭。この時点では、フェラーリのロードカーはSOHCエンジンでした。もちろんV12ではありましたが。60年代も半ばになると、レーシングエンジンを由来とするV6の「ディーノユニット」をロードカーに搭載、有名なディーノ206(246)GTができあがりますが、これは「エンツオ・フェラーリ(フェラーリ社創業者:超有名人:勝手に検索をどうぞ)さん」自体が「12気筒でないのは、フェラーリにあらず」という名言(迷言?)を吐いていたらしいので、ソレをそんちょーして、ココでは無かったことに(笑)。で、マセラティ。こちらは、直6とV8のDOHCユニット搭載で、気筒数を除けば、バルブ駆動理念は一歩先行く存在。そこに、「ランボルギーニ降臨(笑)!」「V12とDOHC」を合体させた、「4カムDOHCV12ユニット」を完成させ、プロトタイプ第一号車の「350GT」にいきなり搭載、量産車は、深海魚のフォルムに、ポルシェ911の上半身を乗っけたような、珍妙極まるマシンだったため、今ひとつの評判でしたが、ベルトーネ製の「ミウラ」シャーシ&ボディを発表した途端に大人気車種に。この初代「ランボルギーニミウラP400」は急造のため、各部の設計のツメが甘く、まともには走れない有様の、いわば開発中のプロトタイプを量産しちゃった様なマシンでしたが、ランボルギーニ自慢のエンジンを、マセラティやフェラーリがまだ市販に漕ぎ着けていなかった、ミッドシップレイアウトとし、看過できない存在感をアピールしていました。
この60年代中盤時点で、「カタログ値における世界最高速ロードカー」の序列には「マセラティギブリ(初代)」「フェラーリ275GTB」「イソグリフォ」「デ・トマソマングスタ(ギア)」などが、軒を連ねておりましたが、いきなり標榜する最高速が290Km/h以上!の「ランボルギーニミウラ」の存在は当然(実測ではとうていムリとしても)のように、いわゆる「セレブリティ(特ににわかの方々)」の目をひき、「頭ひとつリード」したわけです。ちなみに、「本当に300Km/h」のカベを初めて突破しそうになったのは、フィアットグループの支援を全面的に仰ぎ、その風洞実験用装置を駆使して、航空機の「流体力学(エアロダイナミクス)」理論を実証しながら、ボディ形状を(当時の自動車製造技術内ではありますが)徹底的に煮詰めて完成した「フェラーリ365GTB/4(俗名デイトナ)」が、フィオラノテストコ−スで叩き出した297Km/h(294だったか、このヘンうろ覚え)と云われています(でもカタログ値は実に控えめに、280Km/hだったけか?と書いてあった様に思います、「フェラーリ、正直じゃないか!」と思った記憶あり)。
で、ここまで、やって参りましたが、未だ「気筒あたり4バルブ化」までは、イタ車(ロードカー)の世界では、未到達だったわけです。で、昨日の「プリンスS20」は60年代末に登場しているわけですから、いかに贅沢なものだったかというハナシに繋げたかったわけです。前述のデイトナ風洞実験のくだりと併せて、「ヒコーキ屋あがり(あるいは兼業)の自動車屋」、あだや、疎かにしてはいけませんぜ、ダンナ(笑)。というわけで、イタ車4バルブ化への道のりはまだ続くのであった。

2008年9月 6日 (土)

ガンディーニのクアトロポルテ(その23:エンジンの⑬)

(本日二回目の投稿)
まーね、ホントは昨日も、戦後の「川崎」がこしらえた「オートバイ」方面にも、興味深い「機構」をもってるモノがあるんで、その辺だけでも「10日は、こなせる」くらいのハナシがあったんですけど、やめときます(グスン:泣)。ヒコーキ話の方は「日産」で締めなんですけど、昨日お話した、「ハ40」発動機と「異母兄弟」とも云える「熱田(アツタ)」エンジンを造った愛知飛行機(のちの愛知機械工業:戦後はジャイアント三輪トラックや軽自動車コニーの製造で有名。昭和40年代に日産自動車に吸収された。)のハナシは、一昨日のコメントにて「ひこうき班長」さんが、非常にまとまりのある文章で分かりやすく説明して下さってますので、省略します。また、「日産」は、「プリンス自動車工業」も吸収しており、これは「旧中島飛行機」の一派なんですが、スバルの内容と重複しますので、戦時中のハナシは、さらっと、流します。で、その後の歴史も、「プリンス スカイライン」と検索すれば、それこそ、モーイヤと言うほど「プリンスおたく」は居ますんで(笑)、そちらにまかせます。ワタシ、スカGとか、あんまり好みではないもんで(いや、書いていいならこのネタだけで軽く5日はもつんだが)。でもね、自動車エンジン技術的には、この「プリンス」の説明はキチンとしておきたいと思うのですが、みんな、聞く気ある?(笑)

マセラティに乗るくらいの「変態さん」たちは、これくらいは覚えておいてもいい、「S20型エンジン」。何?知ってる?それはそれでヨシ。
知らないヒトは、覚えておいてください。機械として素晴らしいし、美しい。
およそ、エンジンルーム内の景観には無頓着としかアイサツのしようがない、古今の国産車の中にあって、このマシン(まさに、ザ・マシン)だけは別格。
ただなあ、搭載されたクルマ(ロードカー)の方がねえ。
・ハコスカGT−Rセダン→2ドアハードトップ
・ケンメリGT−R2ドアハードトップ
・フェアレディZ(初代)432
・フェアレディZ(同)432R
ま、フェアレディZはキライじゃないけど、ボディは北米日産のものだし、格調低いジャガーEタイプとか、軽〜いフェラーリ275GTBといった感じだもんなあ。ケンメリ&ハコスカはワタシの中では、もう論外といった(とはいえ、ムカシ我が家のおやじは、ハコスカは3台も乗り継いだので、愛着もあるにはあるんだけれども)感じで、ヒコーキ屋さん上がりのヒトたちが考えるこの時代のクルマのデザインは、どうしてこうなっちゃうんだろー、と、率直に云っときます。だいたい、内装の匂いがもうダメでした(こどもの頃)。
で、「S20」のハナシ。当時の国産車では、まず、「直列6気筒」だけでも、「スペシャル」なものでした。それに、ツインカムヘッドがついて、おまけに気筒あたり4バルブの合計24バルブ、キャブもさすがにウエーバー(この先祖モデル、プリンススカイラインGT−Bには、ウエーバーついてた、これ未装備のGT−Aの30万円高!当時の価格で)は奢れなかったけれど、三国ソレックス3連装、タコ足エキゾースト、カムカバーの結晶塗装(マセラティエンジンでお馴染みの縮れ塗装デス)、と見せる要素が満点。
欠点は難しすぎて、メンテ出来なかったこと。メーカー出荷時にすでに完調なものはほとんど無かったのではと思われます。

「カーグラのフルテスト信望者」で「人呼んで、原理主義者(笑)」のワタシは、村山の試験場でたびたび行なわれるゼロヨンや最高速チャレンジの結果を見て、「やっぱ、今回もダメだわ」とタメ息をついてたもんです。いっつも、なんやかんやと理由があって、ロクな数字が出てこない。いかに完全な状態が難しいマシンであるかが偲ばれます。「音」はいいんですけどねえ(笑)。「プリンス大森SCのチューンナップキット」で武装すれば・・・。とかいうのは、ワタシの耳には入りません。「原理主義者」だから(笑)。

で、このあと暫くの間、各メーカーは、米国議員発案の「マスキー法案(自動車の排気ガス成分の浄化を期限と具体的達成目標付きで推進する義務をメーカーに課する内容の法案)」が議会で通っちゃったモンで、コレをなんとか、クリアしなくちゃならなくなって、この時点より、全世界の自動車メーカーは右往左往するんです。これ達成しないと、巨大な北米市場を失うわけですから、メーカーは大から小にいたるまで、死活問題を抱えたも同然。まったく、今現在の「CO2削減推進問題」とおんなじムーブメントというべきで、歴史は繰り返しとるなーと思いますが、「京都議定書問題」を見るまでもなく、今度は合衆国(現政府:次の大統領選挙の結果コロッとかわるかもしれませんが)が及び腰なのは、米国メーカーのエコカー技術が遅れをとってたりなど、いろいろと事情があるんで大変なんでしょうけれども、身勝手なモンです。
お若い方は知らないと思いますが、「ジジイども(笑)」の皆さーん覚えてますかー。
48年規制、50年規制、51年規制、このおかげで、どれだけのマシンのキバが抜かれて「ぜーんぜん走らん」ものになったコトでしょう。「キャタライザー(触媒)」というものが、エキゾーストの途中に設けられているのはコレが発端なんですよ。
で、例のフルテストでヤルわけです。国産車のも。で、なにしろ「絶望的な数字」を毎回見せられるわけです(中学生のワタシに)。だってさー、2000CC級の国産GTカーたちが、最高速160Km/hに届かなかったりするし、ゼロヨン18秒台なら「速いほう」といった有様だったんですから。で、唯一何とかなりそうだったのが、「マツダコスモAP」というわけで、ロータリーエンジン信望者になりかけたことも(知られざる過去)ありました。中学校の文化祭では、模型同好会を急遽発足させ、コスモのプラモ作って展示した(笑)。「オトナになったら乗るんだ、色はねー、サンライズレッドかサンダーイエローだな」とか、夢想の日々を送ってましたよ。そのまま、イッてたら、「ロータリー大魔王」になってたカモしれませんね。
そこに・・・、かの「スーパーカーブーム」が降って湧いたように降臨(笑)。ワタシャ「天才バカボン」以外にマンガって読んだことなかったんですが、初めてマンガ単行本、買いに行きましたよ「サーキットのむすめ(笑)」。いやー、ハマりました。毎週自転車漕いで「世田谷環状8号線詣で」。テレビを付ければ、「サンすたああー!すうぱあかあー、これっくしょんー、せぶんセぶん!!」の歌声(松崎しげるか串田アキラかヒデゆうきと思われる)も高らかに、画面よりこちらに向かって爆走してくる、オレンジ色のLP400カウンタック他数台のスーパーカー。次の日からは、練馬平和台のスーパー「シヅオカヤ(今はダイエー傘下になっちゃってる)」に日参、サンスターの歯磨き、買いマクりました(当時のスーパーカー小僧あこがれのイベント「スーパーカーコレクション77(セブンセブン)」は、サンスター歯磨製品一本に一枚ついてくる、スーパーカーカードのアタリ券がないと参加できなかったため、みんな買いまくりのハズシまくり(笑)。人生中あんなに歯を磨きまくったのは、あの時だけだったな、思えば(今や虫歯だらけ:笑)。
その後、中学の卒業文集だったかに、「ぼくの生きがい」と題して、スーパーカーに賭けるアツい一文をよせ、紆余曲折を得て現在にいたる、と。
そう考えると、「スカGたち」は、そのエンジンの素晴らしさ、かっこよさと、廃ガス規制時のなさけなさで、思春期のワタシの心情を熟成するもとにはなったとは、いえるでしょう。おかげでマセラティ&イタ旧車屋になれたもんね。

あれ、このコーナー「スーパーカーと私」だったっけ(笑)?
つづく。

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今週(8/30〜9/5)の、コメンテーター諸兄におくる感謝と伝言

毎度おおきに!
今週は、毎日かなり「脱線」しながら進行している、当ブログ。「マセラティでイッてみよう」の看板に偽りありの内容に辟易している向きもあろうかと思いますが、そこはそれ、なんせ書いてるヤツが私(岡本アニキの方)ですから、「のーまくえん(笑)」だし、諦めてくださいな。そこで日ごろ当ブログを盛り上げてくださっているコメンテーター諸兄にコメントへの返事代わりに以下お届けいたします。このコーナーは毎週土曜日に定例化しようと思います。以後宜しく。

「松戸のS」さま。最多コメント大王に認定(笑)!「シゴトはやってるのか?(笑)」だいぶ、「岡部いさく状態」に辟易している様子ですが、生きてる?「世界の駄っ作機シリーズ(岡部ださく名義によるいさく氏の著作)」は全巻読みましたが、「グロスターミーティアねた」などは、ワタシもサスガについていけないので、とっつき易い日本製をお題にしてみたんですけどね。ともあれ、いいかげんにマセラティに戻ってきてください。今後とも宜しく。

「りゅたろう」さま。どーせワタシは変態ですヨ(笑)。「ボクも変態、アナタも変態、みーんな変態で世界平和を目指そう!」頂く[R’sコメント]の数々は、「エスプリ」が効き過ぎてて、ヒジョーにカラダに悪そう(笑)。その笑いの毒で、九州方面を席捲してください。

「蝉夫」さま。さすがは、イタ車遍歴を重ねた上、マセラティ漬けになってるだけのコトはある。今後は「ビトルボマセラティ」の魅力を、「なぜか、踏み込めないヒトビト(そりゃ、人外魔境だもんなあ)」に熱くウナッてやってください。って、他のヒトには乗って欲しくないんだよなあ、きっと(笑)。

「だんちょ」さま。「例の12番タンク」さいこーでした。有難うございます。R先生の暴走には、「抑えが効かない」でしょうか(笑)。お願いしますよ、本当に。今後とも宜しくお願いします。

「ひこうき班長」さま。ワタシの「ヒト振り」で、あれだけの「火星エンジン解説文」を送って下さるとは、「りゅうせきだね、ながれいしだね、サスガだねえー、ボヤッキー」と賛辞を送ります。ヒコーキねたは、なかなか不評(笑)のようですが、なんでだろーなあ。

「Ryo」さま。おそらく、このコメンテーター陣の中では、もっとも、「真人間に近い(ホントは違うと思うが:ゴメン笑)」御仁。お人柄は、生真面目な文章にも表れておりますね。お元気ですか。今後とも「良識派」のご発言、期待しておりますヨ。

「いつかはシャマル」さま。そーなんです。いつの間にか再開してたんですよ、このブログ。職業柄、もっとも、まともな作文が出来ると期待しておりますので、ヒマだったら積極的にご参加くださいね。これからも宜しく!

来週も、皆さんからの活発なご発言を期待しております。当店顧客以外の方の新規参入もどしどしと御待ちいたしておりますよ。個人の誹謗中傷以外はなんでもアリ。ワタシのブログ継続のモチベーションになってますので、よろしく。

追伸
ブログランキングが、3位から5位に低迷しております(泣)。右のスイッチを忘れずに押してくださいね。

2008年9月 5日 (金)

ガンディーニのクアトロポルテ(その22:エンジンの⑫)

いよいよ、混迷を深める当コーナー(笑)、きょうもガンディーニのクアトロポルテのエンジンレイアウトたる「90度V6」にちなんだような、ゼンゼンかんけーないよーな、おハナシからまいりましょう。
昨日の「三菱」に引き続いては、ちょっと毛色を替えて「川崎重工」いってみましょう。ここの会社の製品は、民需用耐久消費財としては「オートバイ」や「ジェットスキー」の製造で知られておりますが、「鉄モノ」製品の世界では、およそ4輪自動車以外のものなら、今現在でも、そりゃもー、なんでも造ってる、途轍もない規模のメーカーなんです。
その発祥は、明治時代。造船業から始まり、製鉄、鉄道車両、航空機、バスボディと「重厚長大産業の歴史」と共に歩んできています。でやっぱり、戦前戦中(もちろん現在でも)を通して「ヒコーキ野郎部門(笑)」があったわけですが、第二次大戦も後半の頃には、「エンジンレイアウト史」のなかでも、非常に興味深いエンジンを作ってましたので、このあたりを解説いたします。
そのエンジンの名は「ハ40型発動機」。このつまんねーネーミングは、陸軍発注エンジンの特徴で、海軍のロマンティックなネーミング(「栄」「誉」のような)とは、そうとう趣が異なり、陸軍の無粋さが際立ちます。このエンジンの元設計は、かのダイムラーベンツ。メッサーシュミットBf109シリーズ(ドイツ第3帝国の誇る超有名戦闘機)の搭載エンジンとしてあまりにも有名な「DB601型エンジン」です。連合国軍のイギリス本土防衛を賭けた勝負、いわゆる、「バトル・オブ・ブリテン」に於ける、並み居るスピットファイア(こちらは、ロールスロイス「マリーン」エンジン搭載)との死闘は歴史にその名を刻んでいますね。
「同盟国ドイツに素晴らしいエンジンがある。」そんな評判を聞いた「帝国陸軍」は、ドイツ側と交渉、法外なライセンス料を川崎にもたせた上、この「DB601エンジン」を国内で量産せよと下命しました。
基本レイアウトは「液冷倒立V型12気筒」。なぜか航空機エンジンの世界では「液冷」と呼んでるけど、これは自動車の世界でいう「水冷」のコトです。「倒立」というのは、V型の転地をひっくり返して搭載しているという意味。で、やっと出てきましたよ、「V型」(笑)。しかも「V12」だし。ここで、昨日のおさらい。「V12型エンジンは、その構造上、長大なクランクシャフトが必要」ということ。もうひとつ、「それを量産するのは極めて難しい」ということ、でしたね。

・・・すでにご想像はついてると思いますが(笑)。

やっぱ、ダメだったんですよ、当時の我が国では。もうすでに、戦前からドイツの精密加工技術は世界一だったんですね。そういう精密加工が可能な工作機械自体を当時の日本では造れなかった。だから、製造公差をヒト桁もフタ桁も「甘く」せざるを得なかった。その上、材料となる合金に元設計では「ニッケル」を入れないといけなかったのですが、これが「戦略物資扱い品目」であったため、そう簡単に入手できない。で、陸軍はなんて云ったかというと、「ニッケル抜き」でヤレと、根性で(笑)。ダメだな、こりゃ、ワタシがあちこちで語る「デ・トマソビトルボのダメダメばなし」と、なんだかそっくりですね。ダメな工業製品が出来アガる過程は、古今東西だいたい一緒。
とりあえず、どうにかカタチは造りあげ、ベンチテストしたら、たったの80時間でクランクシャフトが折損したそうです。それでも、当時の川崎技術陣にはド根性があって、色々と改良を加えながら、ようやく実用化にはこぎつけました。
さあ、やっとできたこの「ハ40」。積まれる航空機は、やはり川崎製の機体「陸軍3式戦闘機:飛燕(ひえん)」。
従来の「空冷星型エンジン」搭載機(ゼロ戦のフォルムを思い浮かべてください)とは、まったく異質な、極めてモダンでスマートなフォルム。ご本家さまのドイツ製品特有の「無骨さ」は微塵も無く、むしろ、同じような成り立ちで生まれていた、同盟国イタリア製「マッキC202単座戦闘機」に機影が近似しています。飛燕の機体写真は、ファンが多い機種ですので、ウエブ上で、浴びるほど見ることが可能です。ぜひご覧になってみてください。かっちょええです。ハイ。
それで、なんとか量産にはこぎつけてはみたものの、徴兵による熟練工員の不足、材料調達の不足、など、相変わらず「いつものダメダメ要素」満載(笑)で量産は遅々として進まず、やっと、戦地に送り出せば、故障で目的地にたどり着けない僚機が続出。前線の整備兵は、そのあまりの複雑なメカニズムに手を焼き、満足に飛ばせない。稼働率は常に低空飛行状態でありました。
なんか、ホントにイタリアンスーパーカーぽいなあ。
まっ「ハ40」、さすがにDOHCではなかったんですけどね(OHVです:笑)。
そんな「かっちょいいケド、役に立たない」と思われていた「飛燕」にも、大戦も最後の方では、(悲しくも)勇ましい活躍の場がありました。

すでに、大日本帝国軍が「絶対防衛圏」としていた南方地域は、あいつぐ大海戦での敗北により連合国軍の制空権下にあり、そのうち「最後の砦」であった「沖縄決戦」にも、沖縄全県民の奮闘努力と、幾多の尊い犠牲にも拘わらず敗北を喫し、いまや、超高空の成層圏をゆうゆうと飛来する「憎っくき敵爆撃機:ボーイングB29(ホンット、キライだ、こいつ)」は、本土全国主要都市の爆撃をするために連日のようにやってくる。そうして、楽勝の体で、毎日焼夷弾攻撃はつづく。切歯扼腕(ああ、くやし!)。そんな中で「飛燕」のチャンと飛びさえすれば(ポテンシャルを発揮すれば)、高性能を発揮する特性に目をつけ、帝都防衛の最終手段とした陸軍士官たちが全国に点在しておりました。それぞれの隊には、実働可能な飛燕が集められ、熟練整備兵を集結配置して稼働率の向上をはかり、気鋭の若く腕のたつパイロットを可能な限り養成、温存しつつ、B29の飛来時には、迎撃できる態勢を極めて短期間に整えました。しかし、「飛燕2型(エボルツオーネです:笑)」の増産体勢は相次ぐ爆撃のよる工場の被災もあって、相変わらず遅々として進みません。搭乗員は揃っても、乗ってくマシンがない。1945年の正月には、機体だけ完成してエンジンを待ってる半完成品(俗に首なし飛燕という)が200機以上も溢れかえっていました。もう「ハ140(ハ40の高出力タイプ。これまたエボV8エンジンみたいなモンか(笑)」の完成は待てない。
いつも御無体な、陸軍からは、「もう、コレ積んで!」と指定されたのが、「三菱のハ112−Ⅱ型(海軍呼称:「金星」エンジン)」。「おいおい、コレ、空冷星型ぢゃん!こんな直径デカいのつくわけないよ」と思ったら、奇跡はおきてアッサリ付いちゃった(笑)。しかも、この大改変をたったの3ヵ月で(しかし、もー、ムカシの技術者はホントホント偉い)。この空冷エンジン装備の機体が、俗に「五式戦闘機:ごしきせん」と呼ばれるものです。なんだか、マセラティキャラミとデ・トマソロンシャンの関係にも相通じますね(強引?)。この飛燕と五式戦のコンビは、今や「ナメきって」比較的低空を飛んでくるようになった「Bさん」目掛けて体当たり攻撃を敢行、これは、いわゆる「搭乗員の玉砕」を前提とした、海軍発案の「神風(ホントはしんぷうといいます)特攻:カミカゼ」戦法とは違い、機体をぶつけたら、脱出して生還せよ、というものです。もっとも、これはヒューマニズムに基づくものではなく、「もう、新しい搭乗員を養成している猶予はない」という、せっぱ詰まった状況で、ようやく(精神論によらない)合理的判断ができるようになった所作というべきで、陸軍上層部がもっと早くコレに気づいてくれればと、慙愧に堪えません。陸軍の「帝都防衛」の要衝、調布飛行場に、1945年の春まで展開していた「第244戦隊」はつとに有名で、その優美で繊細な機影より、誰云うともなく「飛燕(このネーミングは云わばあだ名で、正式名称ではない)」と呼ばれし機体を操り、B29を迎撃する彼ら空のエースたちは「つばくろ部隊」と呼ばれ、こどもたちの羨望を集めました。
20代前半の若きスーパーエース、244戦隊長の「小林照彦少尉」は、B29に3度「体当たり」し、3度生還するという前人未到の境地に達していました。ムカシの20代男子は、ホントにオトナだよなあ。まあ、このあたりのハナシをもっと突っ込んで調べたい方は「ググッて」みてください。

きょうも、後半は雑誌「丸」みたいな「戦記物コーナー」になっちゃいましたが、超高性能エンジンの開発というのは、いつも、それを造るヒトと、操るヒトの人間ドラマ中心になりますので、周辺情報も書かざるを得ません。いましばらくのご辛抱をお願いしますね。
ともあれ、V型多気筒エンジンがいかに高級かつ困難なものかを、本日もさらにご理解頂いた上で、次回へとまだまだ続くのであった(先は長いな:泣)。

2008年9月 4日 (木)

ガンディーニのクアトロポルテ(その21:エンジンの⑪)

実は、今日のこのブログ、実は書くの3回目なんですよねー、7割方完成すると、用事が入ってパソコンから目を離してるスキに、ぶっとんじゃってるんです(泣)ヨ。うー、結局きょうもザンギョーして更新だあ!
さてさて、ガンディーニのクアトロポルテのエンジンレイアウト、「V型90度」というシリンダー配列が、「エンジンレイアウト技術史」的に、どのような位置づけになってるかといったハナシを、ものすごーく「回りくどく」外堀を埋めながら解説する、このコーナー。今日もなぜだか、国内に現存するヒコーキ屋出身メーカーの解説の続きからです。
昨日は、旧中島飛行機たる富士重工(スバル)のハナシでしたが、本日は、やはり「西の横綱」三菱重工業のお話をしていきたいと思っております。
前回触れているように、三菱は戦前のかなり早い時期には、イスパノスイザエンジンのライセンス生産を手がけ、戦中には、あの「零戦」を設計・製造したことで、勇名を馳せましたが、戦後「GHQ(ダグラス・マッカーサーですね)」の行なった民主化施策の一つ、「財閥解体令(正式な名称は忘れた)」により、東日本重工業・中日本重工業・西日本重工業といった、0.2秒で決めたような、そのまんまネーミングの3社に分割されました。その後1964年に再合併、1970年には三菱自動車工業として、自動車部門を独立させました。この辺までのハナシをより深く突っ込んで知りたい方や、再合併後の歴史、H2ロケットについて調べたい方は、勝手に「ググッて」検索してみてください。必ず、「三菱おたく」みたいな方が、どっかでサイト運営してると思いますんで。
戦後スグには、やはりヒコーキの尾輪をその車輪に見立てた「シルバーピジョン」スクーターを売ってたところまで、スバルとそっくり。
たまたま、昨日、某国営放送にて「終戦ネタ」の番組を我が岳母と一緒に見てましたら、「わたしが女学生の頃には、学校行かずに、勤労奉仕に行ってたのよー」と申しますので、「どこ行ってたの」と水を向けますと、ママちゃん(あっ、ウチでは岳母をこう呼んでルンです:齢80だけど:笑)曰く、「川崎(神奈川県)の工場に麹町から毎日通ったのよー」「ソレ給料とか出るの」極めて打算的な質問をするワタシ。「確か女学校の月謝くらいはもらってたから、3円とか3円50銭くらいかなあ」「で、その工場でなにやってたの?」「気化器よー」と半笑いで申します。「キャブレター!?」「そーよ!キャブレターよ!」そのうち、作業工程のハナシになり、「中身のベンチュリーがどーの、バルブがこーの」と相当専門的(しゃべってるのは80のばーさまですよ!)。「その会社、なんつー会社?」って尋ねますと、「東京機器」と。ワタシのアタマの中{「東京機器工業→トキコ(現在は日立製作所の一部門)」??うー、こりゃ、ホンモノだあ!}「その気化器は、何のヒコーキ用だったの?」と尋ねれば、30秒ほど考えてその口から飛び出したのは「火星」。「火星!そりゃエンジンの名前だ、三菱の」というやりとりがありまして、まさに今日「三菱ネタ」で書こうと思っていたワタシにうってつけのやりとりだったわけです。この「三菱火星空冷複列エンジン」、キャブレター付きなら「11型」ということになりますが、これは、「一式陸上攻撃機(一式陸攻:山本五十六元帥戦死時の乗機としても有名)」や「局地戦闘機:雷電」の搭載エンジンとして知られる、有名なモノなんです。
「火星11型」のより詳しい解説は、当ブログの「準常打ちメンバー」のお一人「ひこうき班長」さんのコメントを待つことにいたしましょう(あとは宜しく:笑)。

皆さんが男の子であれば、こどもの頃、一度ならず「ゼロ戦プラモ」を作ったコトがあると思いますが、
「ちょっと高級なクルマプラモ」のボンネットの中に入ってる「四角いエンジン(多くの場合、直列型を模してある)」と較べて、「E.T」や「溶解人間ベム(が帽子を取ったとき:ネタが旧い旧い:笑)」の頭部みたいな「ハート型」を伸ばした形状のシリンダーと思しき部品(表面にはフィンを模したモールドがされている)を環形に接着していくのが「エンジンのくみたて」工程とされている「ゼロ戦のエンジン」は、「なんか変なの」と思ったことと思います。これが「空冷星型エンジン」だったんです。で、この工程を2回やって、殆ど同じよーなー「ハート型が繋がったワッカ」を2個作り、その2つを後ろ側のハートが、手前のハート⇔ハート間に顔を覗かせるよう、ズラして接着する工程がつづきます。これで、「複列」です。このハートの一つ一つが実はシリンダーを模したものであったなんて、わたしゃ高校生になるまでよく分からんかった(アホ:笑)。
内燃機関の開発初期の時代、切削工作技術の未熟や熱処理技術の未進化により、精度は出ないわ、熱処理で歪むわで、長いクランクシャフトを量産することは困難を極めていました。しかれども、直列多気筒エンジンやV型多気筒エンジンには、その構造上、長大なクランクシャフトが不可欠。よって、その製造はとっても難しいものとされていました。そんな中で、いっけん、その外見が物凄く複雑怪奇なモノにみえる「星型」は、クランクシャフトが「単気筒」分の長さだけあればいい(要はもっとも短くていい)ので、シャフト造りがラクだったんですよねー。さっきの「ゼロ戦プラモ」のように、「複列」になっても、「直列2気筒」分の長さで良いわけです。航空機の場合、なんせパワーが必要ですから、当然の如く大排気量エンジンが必要ですが、そんなの「単気筒」でつくったら、エンジン回した途端に、振動で機体が折れちゃいます(笑)。星型エンジンのおかげで、当時の貧弱な技術でも「14気筒」とか、「20気筒」の超多気筒、大排気量エンジンが量産可能であったというわけです。
1960年代に入っても、なお、ナガーいクランクシャフトを必要とする、直列6気筒とか、V型12気筒などの自動車用エンジンは超高級品扱いでして、おまけに長大なカムシャフトが4本も必要なV型12気筒のDOHCV12なんて、もう「論外」だったわけですね。
フェラーリでもランボルギーニでも、シャフト5本作ったら、3本は不良といった有様だったらしいです。
だから、マセラティはついにロードカー用の12気筒は作らなかったのでしょう。ちなみに、60年代の末期には、「クーパーマセラティF1」というフォーミュラー1マシンがありまして、ジョン・クーパー(初代ミニクーパーを造ったヒトです)率いるクーパーF1チームにV12エンジンを供給していました。一応造れたのよV12、マセラティも(笑)。しかし、このマシン、当シーズン中に現れたすべてのF1中、最も「醜く」「大きく」「重い」と評判は「絶好調(笑)」であったコトも付け加えておきましょう。
やっと、マセラティねたに戻ったところで、今日の講義はおしまい!
次回を鶴首して待て(もうちょっと回りくどくしてやろーっと:笑)。

2008年9月 3日 (水)

ガンディーニのクアトロポルテ(その20:エンジンの⑩)

えー、きょうのお題は・・・、なんだったっけ(笑)?もー、だいたいにおいて、このブログ、「一切の下書き無し」でいきあたりバッタリで書いてるモンで、文章の趣旨は、もー、アッチへ行ったりコッチへ行ったりとしておりますので、「つまるところ、ナニが云いたいわけ?」といった突っ込みがソロソロ出てきそうな気はいたしますが、まあ、おシゴトの息抜きや疲労回復・滋養強壮のため、適当に読み流しておいてくださいね。何の役にも立たんけど。
でもね、このブログの「真の目的」は、「世界征服のため(笑)」などでは当然なく、少なくとも、「自動車趣味人」の方々と、そうなりたいと願う予備軍のために、「ビトルボマセラティの魅力や思想」をコアにしつつも、深遠かつ「おバカな」自動車趣味それ自体の「面白さ」や「楽しみ方」を共有するためにあり、さらに、この「楽しい自動車趣味の世界」が未来に続いていくものでありますよう、念願しながら書き進めてまいります。というわけで、場合によっては、文章の趣旨がどんどんマセラティから離れて行っちゃう場合もあるので、「現在マセラティ乗り」のお客さんの情報蒐集の欲求には、お応えできていないコトもありますが、あんまり、「ビトルボねた」ばっかりだと、マセラティに興味の薄い「ブログ訪問者」からソッポを向かれる可能性がありますので、そこはそれ、「徐々に真綿で締めるよう、蜘蛛女(byりゅたろう:笑)の如くに」外堀り、内堀りウメながら、「コッチの世界」に来てもらえるよう、じーっくりと時間を掛けての説得を試みようと思っておりますゆえ、「ビトルボフリーク」のお客さんには、ご理解とご協力の程、宜しくお願い申し上げます。
あー、あとねえ、マイクロ・デポの技術力なんて、ハッキリ云って、たいしたコトありません。もっと、もっと、腕の立つお店(ヒト)や、高レベルのサービスを実施しているところは、この日本国内にも大勢いらっしゃると思う。ワタシらはそんなにウヌボレてはいません。本当に心底「まだまだ序の口」であると思っております。「魅力のある商品車」と「それに付帯するアフターサービスの充実」には、その時その時、最高レベルの情熱をもって心血を注いでいることは間違いないですが。
自動車趣味のお店を標榜する以上、お客さんに「夢」を見てもらえるようにするのは、とりわけ「急性(笑)セレブリティ層」のお客さんをお相手する商売の場合には、絶対条件だと考えています(それは、ものすごく分かってる。で、日ごろ切歯扼腕してる)だから、きれいなおねえさんもいなければ、モダンなショールームも持たないマイクロ・デポには、「にわか超セレブ層」顧客は近寄りもしません。また、そういった方々には「モノ造りの苦労話」なんて、まずもって興味を抱いては頂けないでしょう。それが、われわれが「超一流ではない」証だと思います。
しかしながら、マイクロ・デポには、それを暖かく見守ってくださる心強いお客さん方とその予備軍がいらっしゃる。そのお客さん方が、その愛車とそれがもつ趣味性の楽しさを日々のストレス解消にでも役立て、生きがいの一つに加えて頂くことにより、勇気百倍、お仕事を充実させ、ひいては出世もし、ご商売も地道に繁栄させて頂いて、「いっちょ、またマイクロ・デポでも行って、くだらねー車でも買うか」となってくれれば本望なんです。その時までに、我々はどんなご要望にも(原理主義を貫きつつ:笑)お応えできるよう、日々の精進をつづけますヨ。

えー、きょうの本題。
ガンディーニクアトロポルテのエンジンスペックは、
水冷90度V型6気筒(8気筒)DOHC4バルブ インタークーラー付ツインターボ
でしたね。

今日からは、暫くの間、この「90度V型」という、エンジンのシリンダーレイアウトにいたるまでの歴史を概観してみましょう。

エンジンレイアウトの基本は云うまでも無く、「単気筒」ですね。「一つのシリンダー」。で、これだと、「ドコドコ」と振動(鼓動)が出るわけです。特に、大排気量化していくと、シリンダー内で高速往復運動を繰り返すピストンやコネクティングロッドも大型化(よって重くなる)してくるので、摩擦も大きく、慣性も増すので、「ドッコン・ドッコン」とそのパルスはハラをゆするように、いよいよ大きくなります。
で、高級高速化の歴史の流れで段々と「増やしたくなる」。で、直列、並列、V型、水平対向型など各種のレイアウトで2気筒になり、同様に3・4・5・6・8・12・16とエスカレートしてきたわけです。
こういった、いわゆるレシプロエンジン(往復運動を回転運動に転換して何らかを駆動するエンジン)は、航空機や、船の進化とも並行して歩んできています。皆さんご存知のロールスロイス社は、一般的には「超高級車メーカー」であるわけですが、エンジン技術史的には、むしろ「航空機用エンジン製造メーカー」として捉えられている会社です。今やロールスロイスの親会社たるBMWもそう。忘れちゃならねえ、ダイムラーベンツも。戦前にはイスパノスイザなんていう、やはり「超高級車」と「航空機エンジン」を主力商品とするメーカーも存在し、日本の三菱重工はこのイスパノ航空機エンジンをライセンス生産していました。フィアットに至っては、現在でも航空機はもとより、石油タンカーだって作ってる、ものスゴイ会社です。ちなみに現在はマセラティも、フェラーリも、ランチアもアルファロメオも、離合集散の歴史の結果、現在はこのフィアットの傘下企業であります。スウェーデンには「自国防衛を自給自足」でやりますよ、といった国是があるので、サーブ社は現在でも戦闘機が作れますし、有事の際には国内のすべての高速道路がジェット戦闘機用滑走路に転用できるように設計されてる。
我が国内に目を向けましても、現存する自動車製造メーカー、オートバイ製造メーカーの中には、その出自が「ヒコーキ屋」であるものが、やっぱりある。中でも有名なのは、やはり富士重工(スバル)でしょうか。戦前戦中を通して最も有名な航空機メーカーの「中島飛行機」これが、スバルのもとです。そもそも、それを設計した三菱重工業よりも、多くの「零式艦上戦闘機(レイ戦が正しいが、一般的にはゼロ戦の呼称でおなじみ。海軍の戦闘機)」を製造し、陸軍の「隼(はやぶさ)」「疾風(はやて)」など、名機と呼ばれる航空機を生み出した「技術屋ダマシイ」あふれる会社です。ちなみに、この「疾風」、完成時には、「大東亜決戦機」と銘打たれ、その「超高速性能」に本土防衛を賭けましたが、あいつぐ徴兵に伴う熟練工不足に起因する品質不良、良質な資材の枯渇による量産の遅滞、あいつぐ負けいくさによる、熟練搭乗員の少なさ、航空燃料枯渇により、松根油を混ぜて水増しした代用燃料の低性能などにより、ほとんど真価を発揮することもなく終わってしまいました。大戦後、米軍はこの疾風を本国に持ち帰り、その心臓「誉(ほまれ)星型(これもレシプロエンジンのレイアウトの一つ)エンジン」とともに徹底的に分析し、きちんと設計通りに組み直した上で、100%航空燃料を入れて飛ばしてみたら、「うワ−(Oh!my ガー、かな?)、こりゃ、スゴイわ」な結果が出て、「疾風は、第二次大戦中に出現した自国も含む全世界の戦闘機中、最良のものであった」と結論づけたと云われています。でも、それはかなりあとからわかったコト。見渡す限りの焼け野原の中で、「旧中島」の方々は、その辺にころがるテツ兜に、アルミ、ジュラルミンのクズを使って「取っ手」をつけ、ナベや釜として製品化、それを鬻(ひさ)ぎながら、糊口をしのいでいたそうです。それが、そのうち飛行機の尾輪を用いて造った「ラビットスクーター」へと結実し、ほぼ試作ながら量産車「スバルP−1」を経て、かの有名な「スバル360(てんとう虫)」クンに繋がっていくわけです。「スバリスト(スバルフリークのことを古来、自らそう呼びます)」諸兄の中には、WRCで爆走する「インプレッサ」に、「疾風」の悲しい栄光を投影して声援を送っている方も、おそらくはいらっしゃるコトでしょう。由来や歴史を知ることもまた、自動車趣味のひとつなのです。「スバル車」に対する見る目が変わりませんか?

また、きょうも余談ばかりで日が暮れるのであった。
つづく。

2008年9月 2日 (火)

ガンディーニのクアトロポルテ(その19:エンジンの⑨)

毎度おおきに!(笑)
えー、京は、ぢゃなくて、きょうは、エンジンの冷却方式について引き続き概観してまいりたいと思っているのでありんす。

この、水冷による冷却方式のおかげで、室内のヒーティングを行なっているということを、「なんとはなしに」ご存知かと思いますが、これについても少々解説をしておこうと思います。エンジンで(結果的に)温められた冷却水は、「水」という言葉の持つ言語感覚からは程遠く、ほとんど「熱湯」の領域に突入しているわけですが、これを利用しないのは、なんとももったいないというわけで、室内の暖房装置の熱源として再利用しているんです。近年の自動車におけるエアーコンディショニングは、暖房(熱風)は、この冷却水熱源方式、冷房は冷媒(いわゆるフロンガスR12とかR134)が(圧縮されることにより)気体から液体になったり、(常圧に戻るとき)液体から気体になるときにおこる物理的性質(潜熱)を利用したシステム(この正逆の循環を両方使うのが、家庭用エアコンの原理)のうち、後者の性質のみを抽出したもので、この熱源(ヒーターコア)と冷気発生源(エバポレーター)を同じ箱に入れ、この熱気や冷気の出し具合(?)を調節しながら、ブロアーにて送風するというしくみになっています。この「熱気や冷気の出し具合」を運転者自らがツマミなどを調節しながら「いい塩梅」にしなければならないのが、「マニュアルエアコン」で、コンピューターが自動制御するのが「オートエアコン」というわけです。

まっ、マセラティのエアコンシステム全体のおハナシは後に別項を設けて、「もっと突っ込んで」ヤリますので、ここでは、冷却水路に関連する、ヒーター部分についてのみご説明しておきます。

ガンディーニクアトロポルテのエアコンは、一応(笑)「オートエアコン」です。で、その中のヒーター部はこんな動きをしています。

で、室内の温度が実測10℃(冬ね)だとしましょう、あなたがエアコンのスイッチをONにしますと、ダッシュボードに取り付けられた(ステアリングコラムの右にある、直径3cmくらいの樹脂スリットの内部)室温センサーが室内温度を検知して、エアコンコントロールユニット内のコンピューターが、そのON信号を室内のヒーターコックに送ります、しからば、そのコックが全開し、ヒーターコア内には、すでにエンジンを巡り温められた冷却水が一気に流れ込みます。そこで、ヒーターコアのアルミフィンより放出された熱気はブロアーによって、室内に送られて「ぬくぬく」になってくるわけです。しばらくいたしますと今度は「暑すぎ」になってきますので、それを感知したセンサーは「幾らかコックを閉めよ」と指令せよとコンピューターをつつきます(笑)。コンピューターはヒーターコックに「ちょっと閉めてね」と信号を送ります。で、コックが閉まってくると、ヒーターコア内に送り込まれる「熱水」の量が少なくなりますので、暖める力が弱くなるというわけです。

逆に、真夏などは、常にコックに送られる指令は「全閉にせよ」になってますから、このヒーターコックが動作する機会がまったく無くなっちゃうわけです。それが、木枯らしも吹く頃になると「アダ」となり、「えーん、寒いよー(泣)」になってしまうコトがある。これが、「ヒーターコックのロック(固着)」という症状で、マセラティでも時々起こり得るものです。基本的には「コック」ですから、水路を開閉させるメカなんですが、これをほぼ無段階に微妙に開けたり閉めたりさせる部分が電動なわけです。で、意外なことに、というか、珍しくというか、電動部分はあんまり壊れない(フォルクスワーゲン・アウディ用だから:でも、コック部との結合方法の違いがあるので、大改造が必要で、そのままでは、マセラティには使えません。念のため:泣)。メカの部分のコック軸が固まって動かなくなってしまうんです。まあ、いつも水気の中に浸かっているわけですから、いたしかたありませんね。

先日のラジエターやら、ヒーターホースやらのおハナシの時にマセラティのオーバーヒート直前時の対応について述べましたが、世間一般で云われている、オーバーヒート時の対応法の一つが「ヒーターを最強(全開)にせよ」という理由が、上記の説明の中にあるわけです。ヒーターコアもエンジンにとっては、サブラジエターの働きをしていると云えるからです。但し、マセラティのオーバーヒート時においては、余り有効ではない(ヒーターコアの物理的放熱量くらいでは、とうてい助けにならんから)んです。まあ、幾らかの気休めにはなりましょうが(笑)。

ここからは、じゃ、「空冷」のクルマは、ヒーターどーなってんの?というハナシ。無いんですヨ、本当は(笑)。昨日ハナシに出た、パブリカとか、他にもマツダR360クーペやスバル360、ホンダN360などは、オプションの「燃焼式ヒーター」という、ほとんど「ストーブ状態(笑)」のものを燃やしながら走っていました。ムカシのヒトは偉い!酸欠になるなよ(笑)。ポルシェやVWビートルなどは、エキゾーストの排気熱を利用した「熱交換式ヒーター」を装備。シンプルですが、東京程度の寒さならコレで充分しのげます。北米や北欧では・・・やっぱり「燃焼式ヒーター」なんだろな(笑)。

まだ、まだ、まだ、つづくのであった(疲笑)。
ぜんぜん、先にすすまねーなあ。

2008年9月 1日 (月)

ガンディーニのクアトロポルテ(その18:エンジンの⑧)

えー、当連載(その11:エンジンの①)で、4カムDOHC車になってからの特徴として、最後に挙げた「冷却系のキモ⑦:シリンダーヘッドガスケット(新品時の組み付け不良、暖気省略走行)が抜けかかってるマシン多し」の項につき、これまで一切の説明を忘れておりました(笑)ので、追加しておきます。
3バルブヘッドの時期はVバンクを覗くと、冷却水がスタッドボルトを伝わって上がってきた上に、バンクに「チャプチャプ(笑)」と「みどりのお水が」溜まっているのが見えたので、比較的、スグ見つけやすかったのですが、4カム車(クアトロポルテも該当)の場合、パッと見、わかりづらいのがヘッドガスケットの「抜け」。フツーのクルマでは、ヘッドガスケットが抜けるというのは、オーバーヒートさせる以外の原因では、まーず、ありませんが、マセラティの場合、フツーじゃないので、オーナーの扱い方次第では、早期にダメになります、とは申しましても、一番多いのは、冷却水路にエンジンオイルが混じるタイプの抜け方で、冷却水にラード状物質が徐々に混じってくるのが、コレです。全力走行時に完調のものと較べると、力がウスいのが分かりますが、コレに気づくヒトは相当エキスパートの方だけでしょう。現在市場に通常出回ってる多くのクアトロポルテ&3200GT&ギブリは多かれ少なかれ、この症状が出ているものです。あまり気にするコトもないでしょう。看過できないのは、エンジンオイルラインに冷却水が回ってるヤツで、このタイプのガスケット抜けをおこしているものをツカまされたら、相当な根性が必要(笑)になりますので、購入時には、チェックが必要です。エンジンオイルのディップスティックをひきぬいて、白っぽいラード状物質が大量にスティックについて出てくるものは、エンジン内部やターボシャージャーに潤滑不良に起因する、深刻なダメージを与える(あるいは、すでに逝っている:笑)可能性がありますので、ヤメておいた方が無難でありましょう。また、どこも漏れてないのに、ものすごく冷却水が減るクルマは大概コレです。まっ、いずれの場合もキチンとヘッドガスケット交換を施し、ついでにバルブクリアランス調整(タペットシム交換)をやれば、バッチリなんですが、これは非常に高価につきます。現在、当店の送り出す4カム車では、少しでも疑わしいものはすべて納車時にヘッドの分解整備を行なって、お納めいたしておりますので、ご安心を。

さてさて、ここからは昨日のつづき、今日の本題なんですが、本日は、クアトロポルテのエンジンスペックにちなんで、様々なエンジンの構造上の進化について一説ブっておこうと思います。メカ音痴の方にもお分かり頂けますよう、もんのすごーく基本的な部分だけお話いたしますので、当店エキスパート級顧客には、いささか物足りないとは思いますが、そういったお客さんには御来店頂ければ、イヤというほど(コレばっか:笑)オハナシさせて頂きますので、どうか、ご容赦を。

水冷90度V型6気筒(8気筒)DOHC4バルブ インタークーラー付ツインターボ
クアトロポルテのエンジンスペックはコレでしたね。

まず「水冷」。
エンジン冷却理念の一つです。エンジンの「筐体(本体ケース)」たる、クランクケースやその上に乗っかるシリンダーヘッド(ケース)には、主に、シリンダーを取り囲むようにして、冷却水の経路(貫通穴)が開いており、この中を「エチレングリコール水溶液」たる、LLC(ロングライフクーラント)が流れ、これらケースに伝導してくる、摩擦熱(シリンダー内壁と高速往復運動を繰り返すピストンリングがコスれることにより発生する熱や、バルブ開閉にともない周辺メカが発する熱等)を奪って、さらに熱を帯びたLLCは、ラジエターまで到達し、そこで適温に冷却された上で、またエンジン内部に経路に戻っていきます。コレの繰り返し。ちなみに、皆さんは、オーバーヒートには過敏ですが、実はエンジンにとって最も過酷なのは、オーバークールであることをご存知ですか?東京でも、真冬には氷点下3℃や5℃になることも珍しくありません。このような気候下で、暖気無しでいきなり爆走(笑)すれば、ひ弱なイタ車どもなどは「イチコロ」でぶっ壊れます。そこで、先日このコーナーでご説明した、「ラジエターサーモスタット」が登場するわけです。そもそもこれは、何のために付いてるのかと申しますと、エンジン内部に循環するLLCを早期に「適温:80℃以上」にもっていくためのメカなんです。このサーモスタット、ビトルボエンジンの場合には73℃で開くよう設計されております。せめて、水温計が動き出すまでは、走行を控えて頂ければエンジンの寿命を延ばすには都合がいいんですけどね。まあ、たいへんな「騒音(泣)」を発生させるマシン達ですから、マンション住いのお客さん方は、よっぽど心臓に毛がはえてないと、充分な暖気が出来ないかもしれません。そのような場合は、走行開始後はそろそろと、おもて通りにでるまでの間、30〜40Km/hくらいの速度で、できるだけ「定速(ギクシャク走らない)」を保って暖気しながら走行すれば大丈夫です。ついでに云えば、水温が75℃以上になったからといってスグに全開走行では、マシンがあんまり可愛そう。クルマはメカの塊ですから、エンジン以外の部分、例えばミッション内部やデファレンシャルギア内部なども定速走行しながらジックリと暖めてやりたいところですね。この辺のハナシはおいおい別項にて詳しくやります。

この「水冷」方式を一歩推し進めたものに「油冷」というのがありますが、80年代初頭にスズキ製のオートバイなどで試されましたが、自動車用としては今ひとつポピュラーにはなってこないようです。

また、「空冷」方式というのも、聞いたコトはあると思います。これは、オートバイの世界では、いまだにポピュラーなエンジンの冷却方法ですね。クルマの世界では、90年代初頭までのポルシェ911シリーズやVWカブト虫(ムカシのビートル)などで、お馴染みです。国産車では、初代パブリカやその基本構造をそのまま踏襲したトヨタスポーツ800(ヨタ8)などが有名。マイナーどころでは、一時期ミョーに名前の出てきた、旧東ドイツ製の「トラバント」や、旧チェコスロバキア製の「タトラ」各車(このタトラには、空冷V8エンジンなんてとんでもないのがある)など、東欧圏のさむーい地域では、つい最近までポピュラーな冷却構造でした。これは前述のオーバークールに対処するための、一番安価で確実な構造だからです。合衆国の北部地域で、先のVWビートルが60年代に爆発的に売れましたが、こんなところも好まれたのかもしれませんね(まあ、有名な、DDB製の広告も効いたんだろうけど)。

余談ばかりで、次回につづく・・・。

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