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2008年9月10日 (水)

ガンディーニのクアトロポルテ(その26:エンジンの⑯)

とーとつですが、皆さんはV型エンジンのシリンダー番号は、どういう配列になってるか、ご存知ですか?
例えば、まず、直列6気筒エンジン(フロント縦置きの場合)が、エンジンに向かって手前(ということは車体最前方)から①〜⑥となっており、これがV型6気筒になりますと、エンジンに向かって左側(ですから右バンクですね)の手前から①②③、向かって右側(左バンク)は奥から④⑤⑥となります。要は、直6のエンジンを真ん中から「折って」2列にしたと思えば分かりやすいと思います。ですから、DOHC(ツインカム)の直6エンジンをポッキリと折って、V6にいたしますと、各バンクに「吸気バルブ駆動カム」と「掃気バルブ駆動カム」がそれぞれ必要になるわけで、カムシャフトが都合4本必要になり、これをDOHC(4カム)というわけです。
よく、「タイミングベルト」と一般的に云われているのは、この各カムシャフトとクランクシャフトの同調を採るための「カムタイミングベルト」というもので、あるシリンダー内部で、ピストンが上死点(ピストンがシリンダーの最上部にある状態:圧縮工程の最後にして着火(爆発)工程の寸前)にあるときに、間違えてバルブが飛び出していると、ピストン上部とバルブ先端が衝突し、バルブが変形破損し、シリンダーヘッドのオーバーホールが必要な事態(要は、とりあえずエンジン上部がおシャカになったということ)になるため、それを防ぐために、ベルトの早期交換を推奨しているわけです。カムシャフトの先端にはタイミングプーリーと呼ばれる、円周上に凹凸凹凸凹凸と連続的に歯がついている、コックドプーリーが装着されてます。クランクシャフト先端にもついています。ココから先はクチで説明するのはワタシの表現力では非常に困難なのですが、クランクシャフトといい、すべてのカムシャフトといい、クランクピンやカムの向きや形状には「位相(法則的・意図的なズレ)」がつけてあり、これらの組み合わせの「ツジツマ」をすべてバッチリあわせるように、各プーリーに歯付きベルトをかけて、位置決めをするよう設計してあります。で、経年変化や、寿命により、このベルト裏の「歯」が飛んでしまったり、ベルト自体が伸びてしまったりで、予め位置決めしてあった位置から「ズレて」しまったとき、各シャフトも「ズレた」タイミングで回るようになり、前述の「バルブ突き」が発生します。この時、当然エンジン自体も満足に回らなくなります。
エンジンの設計によっては、タイミングがズレて、エンジンの調子が悪くなるだけのものもあります(燃焼室の設計が深いマシンの場合:大衆車に多い)が、高性能車の多くは「バルブ突き」は不可避とおもってください。

ビトルボエンジンの場合、このカムタイミングベルトの背中(歯の裏:平たい側)でウオーターポンプの駆動もいたしますので、ウオーターポンプの経年や寿命によるロック(固着)による、ベルト切れや歯飛びも想定されねばなりません。さらに、タイミングベルトの目前で高速回転をしている、各Vベルトが寿命や、アライメント(回転軸線)調整の不備により、切れた場合に、タイミングベルトケースの中に破片などが運悪く飛び込むと、やはり、バルブクラッシュの恐れが出てきます。
ガンディーニのクアトロポルテの4本のカムシャフト、実はフェラーリエンジンの様にすべてがカムタイミングベルト駆動にはなっておりません。エンジン両バンクの外側にある2本(掃気:エキゾーストバルブ駆動用)のカムシャフトは手前にコックドプーリーがついており、これと、クランクシャフト先端のプーリーとの相関で、ダイレクトにタイミングをとっておりますが、エンジン両バンクの内側2本(吸気:インテークバルブ駆動用)にはいっけんプーリーが無い。じゃ、どーやってるかというと、各バンクの吸気・掃気用カムシャフトはその後端部にそれぞれチェーンホイール(ギア状のもの)がついており、この2本をチェーンで同調&駆動します。
ハナシを整理しますと、前面クランクシャフトから始まった回転運動は、プーリーを介したタイミングベルトの走行により、前部タイミングプーリーを回し、そのプーリーに繋がる、バンク外側の掃気用カムシャフトの回転がチェーンを介して隣の吸気用カムシャフトに伝わるというものです。
そんなわけで、クチの悪いワタシはコレを、親しみを込めて「インチキ4カム(笑)」と呼んでいます。なにも、部品点数や工数をわざわざ増やしてまでも各カムシャフト駆動の「非ダイレクト化」を推進するのは、昨日までの説明をシッカリ読んで来たアナタにとって「エンジン発展の歴史に棹さす」不可解この上ない出来事と思います。もっとも、これをマセラティ社が採用した理由はとかくアタマでっかちになりがちな4カムユニットの採用に際し、前部プーリー駆動ユニットをできるだけコンパクトにしたかったのではないかと推測します。だってフェラーリみたいにでっかいカムシャフト駆動プーリーを4個も手前に付けたら、ボンネットの前方にパワーバルジ(大きなふくらみ)のついた、ギブリやクアトロポルテになっちゃってた可能性がある(4Vやシャマルなら、あり?:笑)ので、やっぱ、カッコを採ってるのが、ここでも分かりますね。

マセラティの「インチキ(笑)4カム」
実は工数・部品点数ともにコッチの方
が高級かも知れない。
ちなみに、こちらが前方方向。
外側カムシャフトの先端にプーリー
がつく。後ろ側にチェーンが
見えるでしょ。
マセラティ4カムエンジン.jpg

フェラーリの「ホンモノ4カム」
どーせ、ミッドシップでタテ置き
するから、いーの、デッカクなっ
ても(笑)。F1みたいだし。
ちなみにこれが前方方向。
フェラーリ4カムエンジン.jpg

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コメント

お、楽しくなってきたぞ。

しかしまぁ、車ってのは凄いね。あんな輪ゴムや歯車でよく全体の同調が取れるよね〜。
近年の車なら200km/hオーバーで、何時間も連続走行なんてのも可だろうし。
(マセラティはムリか?:笑)
理屈は解っても感心するばかり。

「インチキ4カム」(これは知らなかった)
やはりデザイン優先の禁じ手がここにもありましたか〜。
イタリアお得意の技です。
だが、その結果のボディデザインが良いから納得させられる。

ALFA 164なんかもボンネット高を下げたいがために(さらにFFだし)
フロントサスをムリな配置にし、ステアリング舵角に制限を与えてましたね。
そして見事に、モノスゲー切れない。(泣)ギアレシオの問題もありましょうが…
気持ちの七掛け位しか曲がりません。(笑)ホント。


スーパーカー発音特別編

フェラーリ、韓国では「ぺラリ」のようです。(ここではハングルは文字化け)
韓国語には「F」の発音が無いんですね。「P」に置き換えます。
母音も伸ばさないので、ペラリです。
ま、つい最近輸入が始まったので、ネイティブの正確な発音はまだ聞いたことがありませんが。

米英では「フゥラーリ」と大体発音してますね。(そう聴こえる)

思い出した。
「サーキットの嫁」(だんだんムリが…)に登場する(実在だったんですね)
スナック「ポルシェ」って、家の辺りからだと何とか自転車で行ける
行動範囲だったので(小学生が)
見に行ってミウラがあったとか、何とカウンタックに乗せてくれた
とか言う「狼少年」が続出しました。

実際、スナックやってる時間に小学生がそんなとこ
なかなか行けないし
漫画みたく年中スーパーカーオーナーが通ってるはずもなく…
せいぜいチェリーとかバイオレットとかで、
また、見ず知らずのガキを載せる訳がないんですよ。
「サーキットの狼(少年)」ですな。

今の感覚だとスナック「ポルシェ」のネーミングはさすがに旧っ!(笑)
(まだやってたらスイマセン)
当時はスナック「カルチェ」なんて店も多かった気が…
時代がもう少し進むと、スナック「来夢来人」(らいむらいと)
なんてのが各地に現れます。
あれ、なんでスナックの変遷史に?(笑)

因みに通勤途中にカルメン'77って店がまだやってます。

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