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2008年9月 8日 (月)

ガンディーニのクアトロポルテ(その24:エンジンの⑭)

はい!新しい週を迎えました。
しかし、今週も(懲りずに)先週のつづき。
ガンディーニクアトロポルテのエンジンスペック、
「水冷90度V型6気筒(8気筒)DOHC4バルブ インタークーラー付ツインターボ」にちなんでの、「エンジンレイアウト小史」のつづきです。
実は、前回までの「マセラティになーんも関係なさそうな」ハナシ達の中に、なにげなく「DOHC4バルブ」エンジンたる、プリンスの「S20型エンジン」を紛れ込ませておきましたが、イタ車の世界では、ロードカー用の「DOHC&気筒あたり4バルブエンジン」搭載車という構造をもつものは、ここ20年ちょっとの間にようやく出現したものである、というコトを説明するための前フリだったんです。
1960年代前半のイタリアンスーパーカーの世界では、「老舗マセラティ」と「戦後派フェラーリ」がほぼ勢力を二分(市場シェアという観点だけでなく、そのレースに於ける実績や、それぞれに属する有能な技術者たちも)していたわけですが、そこに振興勢力たる「ランボルギーニ」と「イソ」が乱入(笑)、60年代も後半になると、「デ・トマソ」も登場し、派手な新車合戦が繰り広げられるワケですが、この辺の詳しいハナシはいつの日か取り上げますんで、きょうのトコロはアッサリと。
まず、「イソ」なんですが、このメーカーは、もともと冷蔵庫屋です。戦後、落ち着きを取り戻したイタリア人の足となったクルマとしては、我が国では「フィアット500(トッポリーノ・ヌーボトッポリーノ:ルパンはこっち)シリーズ」「同600シリーズ」が有名ですが、それすらも手の届かない贅沢品にみえる大衆の要求に応えてでてきたのが、後世に「バブルカー」と呼ばれた「小さく愛らしいクルマ」たちなんです。この日本でも、360CC規格軽自動車が生まれる以前に、「フジキャビン」「ダイハツ・ビー」「ミカサ(当時、流体継手:今でいうトルクコンバーターの特許を持ってた岡村製作所、そう、スチール家具で現在でも有名なオカムラが作ってました)」「フライングフェザー(住江製作所:当時主に日産車の内装素材を担当していた、住江織物(現在でもカーペット製造メーカーとして有名)の関連会社が少数製造)」「ニッケイタロー(これ、説明すると日が暮れるので省略:笑:フザケタ面白い車なので、ネットで検索してみてください)」など、「何とか、安く大量販売できないものか」と知恵をシボって作られましたが、どれも今ひとつ決定打にかける存在で、大量生産とは程遠い数字を残して市場から消えていきました。
ドイツでは、安価な乗用車では、有名なVWカブト虫がありましたが、これもまだまだ高嶺の花。さらに廉価なセグメントに「DKW(デーカーヴェー)ゾンデルクラッセ・マイスタークラッセ」、商用では「ゴリアート(ゴリアテ)」などが(それでもまだ比較的裕福な)庶民のアシとしてそれなりに売れていました。
だけど、それでも、「まだリッパ、もっと安いのでいい」のご要望にお応えして登場したのが、「メッサーシュミット」と「BMWイセッタ」です。この二車につきましても、ホントは山のように書くコトがあるんですが、又の機会にしましょうね、長くなりそうだし。興味とガッツのある方は「検索&ネットサーフィン」をどうぞ。
で、この「BMWイセッタ」の原型たる「イソイセッタ」、コレを始めに開発したのが、なぜか冷蔵庫メーカーの「イソ社」だったんです。この「イセッタ君」、あんまり、原型の完成度が高かったもんで、ヨーロッパ諸国の庶民層にたいへん受け入れられ、各国でライセンス生産されていたので色々なイセッタが存在します。おそらくは、このクルマが、前述したこの手のクルマの総称「バブルカー」の語源になっているものと思われ、なんとも、「不気味(笑)且つ愛らしい造形」をしております。
で、なんの因果か、この「冷蔵庫屋でバブルカー屋」の会社が60年代前半より、「スーパーカー道(笑)」に目覚め、「ベルトーネ」などのカロッツエリア製ボディに、「アメリカンマッスルV8エンジン」を突っ込んだマシンを次々に発表します。今日はとりあえず、「リヴォルタ」と「グリフォ」の2車名だけを覚えておいてください(笑)。
はい、お次は「ランボルギーニ」。「トラクター屋でエアコン屋」ですね。この社の歴史はソリャモー「いーぱい」書籍が出てますので、ネットサーフィンしてみてください(って、「逃げ」ばっか:笑)。
ところで、イタ車エンジンのツインカム(4カム)化、気筒あたり4バルブ化を促進したと思われるのは、この「ランボルギーニ」車出現に端を発すると思われますので、このあたりのみサラっと、おハナシをばいたします。
1960年初頭。この時点では、フェラーリのロードカーはSOHCエンジンでした。もちろんV12ではありましたが。60年代も半ばになると、レーシングエンジンを由来とするV6の「ディーノユニット」をロードカーに搭載、有名なディーノ206(246)GTができあがりますが、これは「エンツオ・フェラーリ(フェラーリ社創業者:超有名人:勝手に検索をどうぞ)さん」自体が「12気筒でないのは、フェラーリにあらず」という名言(迷言?)を吐いていたらしいので、ソレをそんちょーして、ココでは無かったことに(笑)。で、マセラティ。こちらは、直6とV8のDOHCユニット搭載で、気筒数を除けば、バルブ駆動理念は一歩先行く存在。そこに、「ランボルギーニ降臨(笑)!」「V12とDOHC」を合体させた、「4カムDOHCV12ユニット」を完成させ、プロトタイプ第一号車の「350GT」にいきなり搭載、量産車は、深海魚のフォルムに、ポルシェ911の上半身を乗っけたような、珍妙極まるマシンだったため、今ひとつの評判でしたが、ベルトーネ製の「ミウラ」シャーシ&ボディを発表した途端に大人気車種に。この初代「ランボルギーニミウラP400」は急造のため、各部の設計のツメが甘く、まともには走れない有様の、いわば開発中のプロトタイプを量産しちゃった様なマシンでしたが、ランボルギーニ自慢のエンジンを、マセラティやフェラーリがまだ市販に漕ぎ着けていなかった、ミッドシップレイアウトとし、看過できない存在感をアピールしていました。
この60年代中盤時点で、「カタログ値における世界最高速ロードカー」の序列には「マセラティギブリ(初代)」「フェラーリ275GTB」「イソグリフォ」「デ・トマソマングスタ(ギア)」などが、軒を連ねておりましたが、いきなり標榜する最高速が290Km/h以上!の「ランボルギーニミウラ」の存在は当然(実測ではとうていムリとしても)のように、いわゆる「セレブリティ(特ににわかの方々)」の目をひき、「頭ひとつリード」したわけです。ちなみに、「本当に300Km/h」のカベを初めて突破しそうになったのは、フィアットグループの支援を全面的に仰ぎ、その風洞実験用装置を駆使して、航空機の「流体力学(エアロダイナミクス)」理論を実証しながら、ボディ形状を(当時の自動車製造技術内ではありますが)徹底的に煮詰めて完成した「フェラーリ365GTB/4(俗名デイトナ)」が、フィオラノテストコ−スで叩き出した297Km/h(294だったか、このヘンうろ覚え)と云われています(でもカタログ値は実に控えめに、280Km/hだったけか?と書いてあった様に思います、「フェラーリ、正直じゃないか!」と思った記憶あり)。
で、ここまで、やって参りましたが、未だ「気筒あたり4バルブ化」までは、イタ車(ロードカー)の世界では、未到達だったわけです。で、昨日の「プリンスS20」は60年代末に登場しているわけですから、いかに贅沢なものだったかというハナシに繋げたかったわけです。前述のデイトナ風洞実験のくだりと併せて、「ヒコーキ屋あがり(あるいは兼業)の自動車屋」、あだや、疎かにしてはいけませんぜ、ダンナ(笑)。というわけで、イタ車4バルブ化への道のりはまだ続くのであった。

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コメント

おっ、だんだんそれらしくなってきた〜。

ところで、オカムラで思い出しました。
只今、会社の事務椅子の背もたれ(車で言うバックレストか)のストッパーが
不良で、15分に一回くらいの割合で突然「のけぞる」トラブルに
みまわれております。(そのオカ○ラ製)
全然修理に来ないんだよな〜!かれこれ2ヶ月。
「総務部」の怠慢かも知れない。
総務部長、これ読んでたらさっさと仕事しろっ!
マセラティだってそんなトラブルはまず無いぞ。

ニッケイタローってのは、日本経済新聞のキャラクター?(笑)

しかし、ALFA ROMEOっーのはスーパーカー話になると、とんと
登場しなくなりますな。
その時代はいささか地味。モントリオールもちょっと違うしなぁ…。

ニッケイタローの実車を見たことあります。余り覚えていないけど、ひどく小さく、本当にちゃちい。可愛かったが。ビーの方が好きです。イソの車はかっこよかったなあ。海外の雑誌を読んでると、信じられないくらい安い。イタリアの車はかっこいいけど、まともに走るのかな?と感じてしまう。これってほぼ全てのイタリア工業製品にいえるのでは?イタリアの人工関節もかっこいいんです。チタンとセラミックコーティングのツートーンがなんともおしゃれで。デザインもいい。でも使ったことないのにコーティングがはがれてしまうんじゃないかな?という理由のない不安を感じます。
それにしても・・・社長、よほど抑圧されてたんだねぇ、書きたかったんだね、書かせてもらえなかったの?奥さんが怖かった?弟さんから止められてた?一度覚えたら死ぬまで続けてしまうというお猿さんになっちゃうから?普段の仕事が大変なのに。いや、これなら死ぬまで書いていただきたい。もう面白すぎる。仕事に支障をきたそうが、寝不足で体調を壊そうがやり続けて欲しい。でも私の納車時にはやっちゃやだよ。

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