猛暑!あなたのイタ旧車をいたわりましょう。
いやー、ホントーにお久しぶりの更新です(ついに7月はサボり倒しました:笑)。
もうとにかく、ここのところ春日町の作業場に詰めていることが多くて、パソコンの前に座っていることがスゴク少ないです。いやはや、なんとも暑いですね、今年の夏は。近所の懇意にしている国産車中心の整備工場さんのフロントマンとハナシをしたら、今年は例年になく「電動ファンのトラブル」によるオーバーヒートが多いそうです。国産車でも、いくらか車齢を重ねたモノは電動ファン自体がトラブり、アッセンブリー交換になるんだそうです。それが今年は異常に多いと。
その点、「イタ公(笑)さんたち」は、カワイイですね。同じファン不動もその原因が、リレーの不良やカプラーの焼損によるコトが多いですから、ファンのアッセンブリー交換という事例は少ない(というか、ほとんど無い)ように思います。
さあ、マセラティやフェラーリなどのイタ車乗りの皆さん!猛暑を元気に乗り越えるため、初心に還って御自身の愛車の電動ファンの動作チェックは怠りなく。キチンと元気よく回っておりますでしょうか。
猛暑の時期の電気的なトラブルは、湿気が多いコトも相まって、昼夜の寒暖差による「結露」が原因でカプラー(電気接点部)内部やリレー端子の腐食を引き起こし、通電不良になりかかった上に外気温が暑いため、頻繁にON&OFFを自動で繰りかえすような部位を制御する回路では、リレー内部には負荷も掛かりがちで、回路中の一番劣化のすすんだところ(一番ヨワいところ)から焼損していきます。ですから、国産車、外車を問わず、旧車においては、各部の電気接点(特に熱的負荷の大きいエンジンルーム内に存するもの)をひとつひとつ丁寧にチェックし、接点復活剤などで洗浄したうえで組み直したり、少しでも疑義のあるギボシ類は交換したりなどのケアは必要でしょうね。
もう一つ、あまり普段マセラティやフェラーリを御使用にならない(温存モード?:笑)方にはこんなおハナシもあります。こんなに暑いと「ガソリンもクサります」というお題。数か月に亘ってお乗りにならないのを前提にされている方は、バッテリー上がりを防ぐために高価な乾電池に換装したり、簡易型キルスイッチを取り付けたりと、あれこれと対策を講じますが、ガソリンはいちいち抜くのも大変な労力になりますので、あんまり考えて貰えてないような気がいたします。こういう方は常に新鮮なガソリンを入れられるよう、意識して「満タンにしない」ように心掛けるとよろしいかと思います。とにかく劣化成分を薄めていくことが肝心です。「腐ったミカン(By金八先生に出てくる不良生徒の加藤→コレわかるヒトそうとうなトシあるね:笑)」の原理と同じだと思ってください。
さらに関連してインタンクフューエルポンプのおハナシ。以下、80年代後半からのフェラーリや、ギブリ中期以降ロット、シャマルの大半、ガンディーニクアトロポルテ全年式、3200GT全年式に該当するおハナシですから、よく聞いてください。
かつて多くの欧州車においては、電動式フューエルポンプがストレーナー(フィルター:濾過器)や取り回しのフューエルホースと共々に、車体の床下に吊り下げる格好で取り付けられていました。上記以外のビトルボ各車がコレに該当します。で、どうしてこの交換容易な方法が捨てられて、インタンク型が主流になったかといえば、一つには、ポンプ動作音を室内より遮断するため。いま一つは、衝突時の安全確保のためです。万一の衝突事故の際、仮にフューエルラインのどこかが破断しても、ポンプが回り続けるコトが考えられます(もっとも、80年代の外装式ポンプ装備車の時代より、衝突時に自動的にポンプの電気回路を遮断するカットオフ装置は多くの場合組み込まれていたのですが。ビトルボ系の場合トランク内部にソレがあります。)から、ポンプがタンク内にあれば外部への直接的なガソリンの噴射をせずにすむというロジックによるものだと思います。
ちょっと以下の写真をみてください。このようにインタンクフューエルポンプがタンクの底面より挿入されているタイプがあります。
上の写真を拡大していただくとわかるのですが、なにやらアチコチが溶解している様子がわかりますでしょうか。中心部の筒状の物体がポンプ本体駆動部。その周りでヌルヌルしている黒いのがその外側の白い樹脂フィルターケージ部とポンプ本体のスキマを埋める緩衝材(純正パーツ日本語名は、単にガスケット)。指でさわると、ポロポロと崩れていきます。写真ではわかりませんが、外側のケージの底面は網になっており、本来はガソリンタンク内の不純物をポンプ内部に寄せ付けないための「最終防衛ライン:笑」なのですが・・・。
これが、「ガスケット」の新品。経年で溶ける、崩れる(笑)。で、コイツの崩れたクズがポンプ内部に直接侵入するわけです。だって、コレ「最終防衛ライン:笑」の中にいるんだもんなあ。
続きは次回のお楽しみ。