うおー、雪がちらついてきたあ!と急いでクルマをしまったら、ハレてやんの(笑)。・・・という本日の東京練馬。パソコンを開くと、またまた昨日の当コーナーにコメントを頂戴していて恐縮至極であります。昨日のお題「100ドロ」のハナシではないですが、本日は「飛び込むべき時には思い切って飛び込んでみてもいい」のではないか、といった、まったくワタシのパーソナル思い出話です。
知っているヒトは知っていると思いますが、ワタシが4輪免許を取得したのは20歳の時でして、初めて手に入れたのが、「スズキフロンテクーペ(動画その1)」というクルマです。どんなクルマかイメージ湧かない方はこのユーチューブ動画(動画その2)をご覧ください。どっちも知らないヒトのだけど(笑)。2種類リンク貼っておきました。「んー、いい音!蘇る青春の日々」。
その頃、ようやく大学に進学したワタシは自動二輪小型限定→中型限定と二輪免許のグレードアップを優先し、4輪免許が後回しになりまして、カワサキZ400FX(Ⅲ型)というのを愛機としておりましたが、4輪免許を取得するとやはりクルマが欲しくなりまして、10万円(!)くらいで買える国産スポーティーカーを物色しておりました。
今でも忘れませんが、練馬区に大泉という町があるのですけれども、当時そこらへんの空き地(草ボーボー:笑)で中古車屋をやっているお店がありまして、野ざらしで30台ほどもありましたでしょうか、とにかく、格安車がドーンと並べてある(というよりも、ブン投げてある:笑)わけです。竹馬の友とでもいうべき、お互いに「低め合う存在:笑」のT君をガイドに付き合ってもらったもので、自然と目は「セリカLB(初代)」に向いていました。それというのもこのT君、「だるまセリカ(初代セリカクーペの愛称)」を足にして、相当に心酔しておりましたので、スッカリワタシも感化されており・・・、「あのおー、コレ(セリカLB)いくらですかあ」とワタシ。「現状10万でいいよ」と店主。モスグリーンメタリックのドアを開けると、なにやら得も云われぬ「異臭(笑)」がいたします。「なんか、やべーんじゃないの?」とT君。「うーん」とワタシ。「まっ、帰って親父と話し合ってみます」とその場をあとにいたしました。家に帰って親父に「クルマを買う」と切り出しますと、「それ、なんCC?」「・・・2000」「学生の分際で・・・」と始まってしまいました(笑)ので、あ、こりゃハナシが長くなると思いまして、セリカは速攻でアキラメました。さあ、それでもどーしても4輪車には乗りたいワタシ。ワタシの場合、何も親父に金出してくれと云ってるわけではありませんで、バイトで稼いでローン払うから、保証人になってね。というハナシなわけですが、まあ、最初に原付買うといった時も同じ感じだったので、親父の反応は想定内ではありました。そういう時には「譲歩」が大切。幼いころより鍛えられたネゴシエーターの素養(笑)が生きてくるひとときです。
じゃ、「軽(自動車)」は?と尋ねると、「んー、」と2~3秒悩んだふりの後、「自分で維持できるんだったらいいんじゃないの」とのお答え。
翌日、本屋にカー○ンサー(当時発売されたばかりで画期的でした)を買いに行き、「軽」を物色。愛読書は「すくらん(スクランブルカー○ガジン:現在のカー○ガの前身)」だったので、やっぱり影響されて当時はホンダのN360やスバルR2(初代)をきれいに仕上げて乗りたいなあと思っておりましたが、これらの「名車群」は当時でもすでにプレミア扱いで、それこそ学生の分際ではまったく無理。で、知り合いがホンダライフ(もちろんこれまた初代)を持ってまして、ちょいと運転させてもらったところ、想像以上に良く走り感銘を受けました。いやー。360CCの4サイクル車に限るな、クルマは。燃費はいいわ、クーラーまでついててこれまた、想像以上に良く冷えるときたもんだ。
・・・でも、ライフ、カッチョ悪いんですヨねえ。で、似たよななりたちで、スタイルを追及すると、ホンダZ(もちろん初代:コレばっか)か、バモスホンダ(これまた・・・初代:ウルトラマンタロウでラビットパンダだったヤツ・・・って知らねえか)なんですが、バモスもすでにプレミア価格帯にイッてしまっていたので、線上に残ったクルマは「水中メガネ(ホンダZの愛称:後部ウインドー部の枠の形状よりそう呼ばれてました)」のみとなり、あとは、グレード違いや色違いを悩むのみとなりました。
当時小平(こだいら:東京の地名です)あたりの五日市街道沿いに、ホンダZを専門的に在庫しているお店がありまして、毎日のように練馬から眺めに行っては、ため息をついてました。だけども、どんなにバイトしても、バイクのガソリン代として消えるばかり。「あっ、こりゃ、バイク乗ってたら一生買えんわ」と遅まきながら気付き・・・。
もう一度、ボロボロになるまで読み込んだカーセンサーを見直してみると、巣鴨(東京の地名です:すがも)の方に、「二輪と軽自を両方取り扱ってる」という、都内では当時類まれなお店を発見。ホンダZも在庫にあったのですが、初期型のドッグクラッチタイプで、初心者には少々敷居が高そう・・・色もガンメタ系で今一つピンときませんでした。と、隣の欄に「フロンテクーペ」とある。「コンチネンタルマルーン」の塗色も素敵。「フロンテクーペかあ、この手もあるな」と一瞬思いましたが、「いやー、まてまて。ありゃ、2サイクル。オイル代も嵩む(2サイクルエンジン車はエンジンオイルを定期的に足しながら乗る必要があります:蛇足ながら)し、だいいち、燃費が悪そうだなあ、耐久性も低そうだし」、などど、現在のワタシを知る方々ですと、噴飯ものの、アキレるような堅実さを発揮、心の中の「天使の自分(白い方ね)」が、自制心に働きかけて一旦は踏みとどまりそうになりましたが、「黒い方の自分(たいがいヤリを持ってるヤツ:笑)」が「いけいけー、飛びこめえ」とあんまり叫ぶもんで、結局、巣鴨に飛んで行きました。
当時、車両価格が23万円だったと思います。ワタシのカワサキは程度の良いものだったのですが、大コケを何度かヤッてまして、フロントフォークも若干曲がってるし、シートは破れてるし、タンクもボコ凹みしてるしで、おまけに車検ももうじき切れる。まあ、ろくな査定は出んだろな、とタカを括っていたところ、「12万で取りますよ」と驚愕の高査定。3分後には、ハンコついてました。もちろん注文書の車名欄には「スズキフロンテクーペ」の文字が・・・。
今?ホンダZ、ぜーんぜん興味ありません。フロンテクーペはバリンバリンに仕上げてもう一度乗りたいです。それくらいインパクトのあるクルマでした。
フロンテクーペには、ずいぶん色んなコトを教わりました。まず、独特の2サイクル3キャブレター、3気筒エンジン、それをリアドライブ。ジウジアーロのデザインスケッチをこねくりまわして設計されたとする軽量ボディはペッタンコの車高。超せまい室内。夏の暑さ(クーラーなんてついてない)。旧いクルマはいたわりながら乗らないとシリアスにブッ壊れること・・・。まさに、原価30万以内でこの充実度と十分なドロ沼度。
この気持ち、忘れずに現在までヤッてきました。初めて、イタ車やマセラティを買おうというお客さんも、きっと(レベルはだいぶんゴージャスだけど・・・)こんな不安や心配をしているに違いないのでしょう。思い切って飛び込めば・・・飛び込んじゃえば「なああーんだ」といった感じですよ、ホント。
何事も最初が肝心と云いますが、このマシンを最初に手に入れたコトにより、現在のマイクロ・デポがこういうお店になったと云えましょう(なんで?続きはおいおい)。あそこで、セリカを反対してくれた親父にも(本人は忘れてると思うけど)感謝しなければいけませんね。
初めて、このブログをお読みになり、マセラティ車とマセラティ専門店のマイクロ・デポにご興味を持ったあなたは、こちらから、本家ホームページ「マセラティに乗りませんか・・・」http://www.microdepot.co.jp/に行ってみてください。