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2012年2月 8日 (水)

マセラティ3200GTの買い方

 昨日は一日、雨がシトシトでしたが、南の風が入ってきたのか春っぽい雨とはなりました。うってかわって、今日はピーカンを期待していたのですが・・・結局、練馬では夕方までグズグズした小雪や小雨がパラつく天候(しかも、それなりに寒い:笑泣)。それでも気合いを入れて頑張ってイキましょう。

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 一昨日までは、「当店の本ネタ」とも云える「デ・トマソ期マセラティ」の話を中心に、しばらくお届けしてまいりましたが、本日は趣向を変えて、「フェラーリ期ビトルボ」でありますところのマセラティ3200GTについて、そのバイヤーズガイドっぽいハナシに「当店ならではの愚痴(笑)」も含めつつ中古車業界における現況を解説してまいりたいと思っております。

 先週も書きましたように、近頃マセラティ3200GTに関するお問い合わせが一時よりもさらに増えてきたように感じています。しかしながら皆さんのお話を伺っていますと、「ネットなどで販売相場を見ていると、ずいぶん安くなったように思う」という御感想とともに「予算は総額300万円がマキシマムである」といった御希望が判で押したように「セット」で出てまいります。

 それが、近頃当店に「マセラティ3200GTがあまり入荷しない」原因のひとつであると云ったら皆さんは驚きますでしょうか。一般的な「現状販売価格」が安すぎるのです。一方で皆さんがワタシどもに期待する「超絶デポ仕上げ(まあ、いつもの造り方です:笑)」を達成するには、部品代などを含めて「製造コスト」が掛かりすぎるため、当店での「総額価格」はいよいよ高くつき、一般的な現状販売価格と著しく乖離してしまうことを危惧しているのが現況です。

 このブログを読んでいる方々の中に、近い将来に当店でのご購入を考えてくださっている「マセラティ3200GT予備軍」の方がいらっしゃいましたら、特に耳を(目を:笑)傾けてください。ワタシも本日のこのネタ、初めて披露いたします。以下一生懸命に書きますから。

 一般論としてのマセラティ3200GTは「フェラーリ傘下になって信頼性が著しくアップしたマセラティ」と位置付けられています。確かに「新車時点」における信頼性を比較すると、222や430に代表される「デ・トマソ期マセラティ」やギブリⅡ、クアトロポルテⅣ(エボ前モデル)などの「フィアット期マセラティ」に比して各部が近代化してしっかりとしたイメージであった(過去形であるところにご注目)ことは疑いようが無い事実でした。

 しかしながら、最初期型1999年登録のマセラティ3200GT、車齢は今年で13年です。最終期のものでも10年に垂んとしています。ここでは、「10年(以上)経過した中古車としてのマセラティ3200GT」をテーマにして、論をすすめてまいりたいと思っております。

 ①:マセラティ3200GT、エクステリアの劣化と、当店が考えるそれらへの対応

2012020705 2012020718  まずマセラティ3200GTはジウジアーロの流麗かつクラシカルな流線形が魅力の一つです。凡百のクーペ車型のクルマとは大きな相違点があります。これは多くのフェラーリ各車にも当てはまりますが、「フロントバンパー直後→左右フロントフェンダー→左右Aピラー→ルーフ→左右Cピラー→左右リアフェンダー」、以上ここまでのボディシェルが見た目の上で「シームレス(継ぎ目が無い)」となっており、いわば一体化されているということです。これは「ボディの一部分だけを鈑金塗装」する場合に「塗装境界線(マスキングやボカシ)」を設定し難いという問題をもたらし、外装を美しく仕上げるうえで大きな障害となる要素です。

 アンドレアーニやガンディーニのビトルボマセラティ達には昨日まで解説しましたように、各部のエッジラインがありますので、そこをうまく使って(もちろん簡単では無いですが)「ボカし技法」を使うことが出来ます。

 フェラーリ各車も各部のエッジラインや、各ガーニッシュの切れ目などが塗装境界線として設定出来ます。また各部のディティールもアトラクティブなので、そちらに目がいってアラの方には目がいきにくいものです。

2012020717  この点、このジウジアーロの流麗でプレーンなオブジェは非常に厳しいのです。もう、本当にどこか一部にボカシどころを設定するか、ほとんど全塗装気分で広範囲に塗り広げるかといった選択肢しか残されていません。

 欧州車の場合、特にこういった少量生産車では新車時に日本国内の鈑金工場による「加修塗装」が施されていることは、極めて日常的なコトです(驚かれた方も少なからずいらっしゃると思います)。マセラティ3200GTにおいても、もちろんそれは例外ではありません。

 10年も経過しますと(実際には長くても5年くらいだと思いますが)、「ボカシ目」はハッキリ浮かび上がってくるものです。マセラティ3200GTの場合は前述の理由により、ルーフ中央部まで深く塗りひろげられている個体が多く、黒メタ、紺メタなど濃色系塗色ではかなり目立つ修正跡が出てきているケースもあります。

 ルーフの他に「ボカシ技法」が使われやすい部位としては「Aピラー」「Cピラー」「左右リアフェンダー前縁から30センチくらいのところ」「左右ドア後縁」「左右ドアミラー直下の影になるところ」「左右フロントフェンダー前半部」などがあります。いずれも、「ホントに塗りたかったところ」はホンの些細なモノなのですが、已む無く塗りひろげたか、ピンポイント(最少コスト)で抑えるためかで苦渋の選択の末の結果です。

 中古車の場合では、もちろん「後天的に」ぶつけたり、コスったりといった修正跡も多く出てきます。伝統的に(?)当店にお見えになるお客さんはこのあたりを気になさる方が非常に多くて、以上のようなボディ加修は商品化にあたって不可欠であると考えておりますが、前述の様に「広範囲に塗りひろげる」のみならず、「超絶仕上げ」を目指すには、各部艤装品の脱着も必要になりますので大きなコスト負担と作業労力負担を強いられます。斯くのごとき外装加修の可否につきましては、当店でマセラティ3200GTのご購入を考えておられる予備軍のお客さんからの忌憚なき御意見を伺いたいものです。

2012020702  次に、アルミホイールとタイヤという難関が待ち受けています。超扁平タイヤを装備したマセラティ3200GTでは、操舵しながらの段差の乗り越え時に「フチすり(ガリ)」をクラってしまうことが多く、ほとんどの中古車では4輪ともに修正や塗装が必要です。修正塗装自体のコストや手間は、デ・トマソ期マセラティ用に比べればはるかに楽ですが、工賃の安い業者に外注すると、ギラギラした品の無い色目に塗られてしまうことが多いですし、そのフィニッシュはそれなりのものでしかありません。またせっかくコストを掛けて美しく修正したホイールには新品タイヤを奢りたくなるのが(もちろん走行を思い切って楽しむ上でも)人情と云うものです。超扁平タイヤは非常に高価なものです。また、技術的にもしっかりしたタイヤ屋さんが必要となることは云うまでもありません。

2012020707   エクステリアの最後に艤装品。目立つのは、フロントグリル枠とそこにそそり立つトライデントエンブレムのメッキ劣化。左右ヘッドライトレンズの変退色。テールレンズの退色。フロントウインドーの飛び石跡や小さなヒビ、そしてウインドー周囲のエア噛みによる白濁。以上の他にも、地味ながらドアの当たり面(ボディ側)ウェザーストリップ(大概どこかしらちぎれたり、欠けたりしているのですが、ものすごく高価なので、交換は躊躇することが多い部位)なんてのもあります。これらにどこまで闘いを挑むかが、コストとの狭間で悩みどころとなります。「まあまあ」でいいとするのか、あくまでもどこまでも「超絶」を目指すのか・・・。

 

 ②:マセラティ3200GT、インテリアの劣化と、当店が考えるそれらへの対応

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   「マセラティ3200GT」では、ウッドパネルがセンタコンソールの一か所だけですので、コ レに関する障害に関しては当店においては比較的たやすく突破出来ます。大きな問題となるのは、皮革部分の劣化です。

 この時期のマセラティは、皮革部分が繊細で非常に縮み易く、マセラティ3200GTに関して云えば、多くの中古車で次のような症状が出てきています。

 

 a:ダッシュボード上面(メータークラスター一体型)パネルボードの皮縮み、浮き、ボード自体の歪み変形。

 b:左右ドア内張り中央部の広範囲な皮浮き(エアが混入しているように見える)。

 c:リアトレー部の皮縮み、浮き。

 d:ステアリング中央エアバッグパッドの皮縮み、浮き。

2012020704_3 2012020720_2  以上は、これまで当店で実際に遭遇し、個別に解決してきた事案ですが、年数の経過とともに、こういった瑕疵が一台のクルマに集中してきますとそれらすべてを完全に修復するには一体どれほどのコストと手間を掛ければよいのかと長嘆息の他はありません。もちろん、以上の他にも、普通にシートは荒れているものです(特に運転席左サイド)。特に淡色系色目のシートにおいて、ここに掲げた写真のように美麗なコンディションのものは通常ありえないレベルのものです。

 一方で、デ・トマソ期マセラティの御約束であった「天垂れ」は今のところあまり出ていないようです。ここは風合いや味わいを犠牲にして耐久性をアップさせた部位と云えるでしょう。

2012020701_32012020708   その他、この時期のフィアット系車の御約束「各部の樹脂表面がベタベタしてくる症状(通称ネタネタ病:笑)」も経年により昂進しています。ダッシュボード上面と前面に配置された各エアコン送風口、センターコンソールに配置された各スイッチ類、オーバーヘッドコンソールスイッチ、ステアリングコラムケース、灰皿のフタ等などがその対象部材です。当店ではこのネタネタ病対策を予め施した上で商品化しなければなりません。

 また、今となっては「旧態化した」DVDインダッシュナビなどもインテリアの美観を損なう原因となりますのでやはり外したくなりますが、これには狭い室内各部にあちこちと設置されてしまっているハーネス類や、ユニット類をきちんと撤去する必要が出てまいりますので、内装やトランクルームのトリムを70%程度分解する必要が出てきます。

2012020715 2012020719  インテリアの最後は、カーペットとフロアマット。どういうわけか、「カナリアイエロー色」や「ライトグレー色」など淡色系を装備した個体が多く、ちょっとした汚れも相当目立ちます。また2ドアクーペの宿命か、乗降時にあちらこちらに靴の底をコスることも多いようで、前オーナーさんの家族構成や足癖によってはクリーニング不能な状態になっているものも散見いたします。ここは見逃しがちなポイントです。

 ③:マセラティ3200GT、エンジンとその周辺補器のウイークポイント

2012020703 2012020716  最も代表的で良く知られた部位は「電子制御スロットルユニット」でありましょう。ボッシュ製のこのユニットは、発売当初より走行距離の多寡を問わずにトラブルの多かったパーツです。価格も「時価」といった按配で、日本円で40万円から60万円の間に設定され続けてきました。整備記録簿を見て仮に交換履歴があっても2万キロ前であるとか4年前であるとかであれば少なくとも当店では評価の対象にはいたしません。ものが重要保安部品(アクセルですから)だけに症状が出ている場合の新品交換は必須です。

 エンジン本体に関して云えば、主に「暖気運転をしっかり励行しない」のが原因と思われる「ヘッドガスケット」の抜けが非常に多いのが特徴的です。冷却水の濁りやエンジンオイルへの冷却水混入などしっかりとチェックして買うか、はじめからヘッドガスケット交換を想定して買うかのどちらかが必要です。現在抜けていないものであれば、購入後の手当て如何で急速に昂進するものではありませんので、当店においてはさほど御心配には及びません。

 また、ほとんど見逃されておりますが、マセラティ3200GTに装備されている「インタンク型フューエルポンプ(2基)」は、その周辺のフューエルホースとともに、過去に交換履歴の無いものにおいては、走行距離の多寡を問わず、今後数年の間にすべて交換が必要な時期に来ています。こちらも部品価格が高価な上、工数の掛かる作業でもあり、アタマの痛いハナシではありますね。

 スターターモーターはデ・トマソ期の理念のままですから、心配なら早期交換を予防的にお奨めせざるを得ませんし、オルタネーターは欧州車基準(笑)で普通にコワれます。

 ウォーターホース、エアホースなど多くのホース類もそのほとんどが交換時期を迎えています。その価格は非常に高価で、また入手も一般的には難しいとされています。

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 ターボチャージャーはそれまでのビトルボ同様に、オイル管理さえ行き届いていれば丈夫なもので、ほとんど心配は要りません。逆に「(水蒸気では無く、オイルの焼けるニオイの伴う)白煙モクモク」になってしまっているものは、たとえ「98万円(そんなの無いけど:笑)」でも買ってはならないでしょう。ターボ本体の脱着はエンジン搭載状態のままで行なうにはあまりにも過酷な作業であると云わざるを得ません。また一旦ターボの内部破壊を経験したものは、エンジンやエキゾースト内部などに思わぬ破片を撒き散らしていることがあります。よって、そのあたりのチェックをキチンと行なっているかどうかもカギとなりますが、それを達成するには、エンジンのほとんどすべてを分解することになってしまいますね。

 ④:マセラティ3200GT、ミッションとその周辺

2012020714  AT車がほとんどですが、オーストラリア製のOEMメーカーの造った電子制御ミッションを搭載しています。元来「完全メンテナンスフリー」を謳ったこのミッションは、一般的にはATF交換もままならないという、経年時にあっては却って難しいものです。シフトセレクターを操作した時の独特の「ジョリっと」した何か引っかかりのある感触はこのミッション特有のものです。「Dレンジ」に入れた時の変速時ショックも過大に感じられますが、これはビトルボユニット伝統の高いアイドル回転数に起因するものなので、もちろん程度問題ですが通常は心配要りません。 一方、マニュアル車の場合は、特に初期モデルにおけるクラッチの早減りが問題でした。現在はほとんど対策出来ますので納車時にすべての関連品目を一気に交換するのが正攻法と云えます。ただし正面突破には極めて高額な費用が掛かります。

 ④:マセラティ3200GT、エアコン関係について

 車齢を考えますと、そろそろ全体的に怪しくなってくるのがエアコンシステムです。かなり早い時期から、「エバポレーターの脆弱性」については、ワタシたち同業者間で囁かれていました。フィアット期以前のモデルではほとんど問題の無かった部位ですが、カッパーからアルミ化されたコトによる弊害です。ピンホールが開き、エアコンガスが室内にリークします。

 コンプレッサーは「サンデン製(もちろん日本製)」です。とは申しましても、耐久性は欧州車基準で「並」のものですから過剰な期待はしないでください(笑)。国産品であるにも関わらず、サンデンは修理対応が出来ません。問題が発生した場合、原則的には新品対応しか手立てはありません(しかもヨーロッパからの正規ルートが出元になります)。このあたりも、セイコー精機製の旧モデル(フィアット期以前)ではどうにでもなっていたので、今後、経年したマセラティ3200GTの中古車コストを下げる上での障害となり得る重要なポイントです。

 ⑤:マセラティ3200GT、ブレーキ関係について

 経年により、マスターシリンダーに障害の出るものが散見されています。これから長く乗るならばスパッと新品交換すべきでしょう。一時期は「意味不明」に高価であった、ブレーキローターやパッドも現在では落ちついている模様(それでも高いけど:笑泣)。ABSが壊れたハナシは聞いたことがありませんし、当店でも遭遇していません。

 ⑥:マセラティ3200GT、その他の装備品について

 パワーウインドー→非常に堅牢な造りに見えますが、一定の摺動箇所だけギアをナメます。そのAssy交換と調整作業はとことん手間が掛かり、特に「ドアを開けるときに予め数センチだけドアウインドーを下げるギミック」を制御するために仕組まれた複数のマイクロスイッチ交換と調整は完璧を期そうとすると気がヘンになりそうです(笑泣)。

 パワーシート→意外にも「大ゴワれ」しているのを見たことありませんが、座面の上下運動をさせる機構の他、「後席に入る時にフロントシートの背もたれ部分をシートバックサイドのレバーを上に引き上げつつ前に倒すとわざわざ電動で前方にシートが移動する」というあまり有難くないギミックが付いているのですが、コレのトラブルが出る場合が時々あります。

 メーター・インジケーター→デ・トマソ時代のお約束、「スピードメーターピョンピョン病」はすっかりありません(良かった、良かった:笑)。先日書きましたように、油圧計ピョンピョン病は良く出ますがこちらはエンジン側センシングユニットの方の問題です。外気温計はフィアット時代にはまったくあてにならないシロモノでしたが、装着位置を改善したおかげで精度を増しました。チェックエンジンランプ誤点灯は相変わらず(もう、コレはみーんなアキラメています:笑)。フェラーリ期のものはメーターの文字盤や針の色褪せも、いつも目の前に見えるだけに気になって仕方が無いポイントです。

 電子制御式サスペンション→これも相変わらず内部断線などがこれからもあり得ますが、コストの面を考慮してもアラゴスタなどの車外品対応で「非アクティブ化」して凌ぐしか無さそうです。

 ⑦:マセラティ3200GT、セキュリティーシステムと盗難防止装置(イモビライザー)

 まず、中古車を購入するにあたっては車輛とともに「コードカード」と「ヘッドが赤茶色のキー(マスターキー)」が揃っているかを確認してください。また、キーヘッドの脇にある、キーレスエントリーのスイッチがきれいに押せるかをチェックしてみてください。ここも「ネタネタ病」ポイントとなっており、直前にキーレスで施錠したものが、このスイッチボタンが押せずにセキュリティー解除不能となる場合があります。マスターキーは様々な局面で使用するケースが出てまいりますので決して紛失することの無き様に御注意ください。また、コ-ドカード番号は必ず複数バックアップしておくことをお奨めいたします。イモビライザーECUの故障は完全にエンジンが掛けられなくなります。

 ⑧:マセラティ3200GTを、リーズナブルに「買い、そして飼う」ために

 以上の様に、マセラティ3200GTを10年以上経過した現在買い求め、それを飼っていくのには多くの困難と試練を伴います。前述した「新車時におけるフェラーリのクオリティーコントロール神話」は、10年経って跡かたも無く粉砕されました。

2012020706  それでも、マセラティ3200GTには「クラシカルでエレガント、そしてアヴァンギャルドでもある」というオブジェとしての美しさと、「暴力的な(一名:直線番長:笑)」までの力強さをギリギリのところで両立させているという稀有な魅力があります。その真価に心を打たれたあなたは、それだけで所有する資格を有していると申せましょう。

 但し焦りは禁物です。最低でも上記に列挙してまいりました問題点やウイークポイントの数々に対する「明確な説明や回答」、「オルタネーティヴの提示」が出来ない販売元からは決して購入すべきではないクルマであると考えております。ワタシの知る限り、そのスキルと根性があると思われるのは全国でも数店舗のみです。予算が青天井ならば正規ディーラーという手ももちろんあります。もちろん経験値の高さで「コーンズモータースさん」を推しておきますが、本日現在、東京周辺拠点は非常に混み合っている模様です。

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 そういった意味では、あるコストの制約の中で超絶コンディションを生みだそうとする時、いまや経年したマセラティ3200GTは、もはや「デ・トマソ期マセラティ」よりもそのハードルが高くなってしまったと云っても過言ではないと思います。

 まずはとりあえず安いのを押さえておいて、あとからチョコチョコ治していけばいいと考えている方には、大変申し訳ありませんが未来永劫「超絶車完成の日」は訪れそうにもありません。同じマセラティ車でも思い切って他の車種(例えば、より高年式なるがゆえに信頼性が期待できる「クーペカンビオコルサ」とか、「当店の造った222やギブリ」)で超絶車を目指された方が断じて良いと思います。

 見た目(外装・内装)のある程度大きな瑕疵や、少々のトラブルには一切動ずることが無く、一回の故障あたり50万円の請求書がやってきても微動だにせず、それが同じ年に3回4回と続いて年間を通じほとんど修理工場に入場しっぱなしでも「オールOK!」であるといった「深い懐」を御持ちの方だけが、「安い現状販売車購入レース(笑)」の出場資格者です。このマセラティ3200GTに限らず、旧くて安いイタリア製高級車というのはすべてそういったものです。前にこのブログで書きました、シロウト時代のワタシ自身の体験談(ワタシ自身が出場資格者:笑)をいまだ御読みになっていない方はこちらからイッてみてください(三部作になってます)。

 ・・・あとは自らの御判断におまかせいたします。

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20120208152012020816     ・・・あれっ?コレ「マセラティ3200GTの買い方」って表題だったんですよね(笑)。なんだか、ウシロ向きの解説ばかりになってしまった様で申しわけありません。しかしながら、ふるくからの当店ホームページ読者の方々には御理解頂けると思いますが、「マイクロ・デポ黎明期」における、「デ・トマソビトルボ」の立ち位置に「3200GT」がようやく乗っかったってだけのコトです。

 しかしながら、「デ・トマソ期マセラティ」が「マイナートラブルの集積」により、一般的に「乗れないクルマ・買ってはイケないクルマ」と初めから結論付けられてしまったのとは対照的に「フェラーリ期マセラティ」では、初めの数年はまあまあのコンディションを維持しつつ、「ダマしダマし」でもイケるから距離が延びるけど、ある時期が到来すると「(コスト的にも実用的にも、そして見た目にも)致命的な瑕疵」が大きく出て手放さざるを得なくなるといった違いがあります。ですから市場に出てくるクルマが年式や走行距離の割にアレている様に見えるのです(エヴォ系クアトロポルテも同じ状況です)。そして、それをそのままの状態で売ろうと思うから「張り値(店頭販売現状価格)」はいきおい安くせざるを得なくなります。この日本という国においては「絶対価格の安さ」がすべからく「免罪符」になってしまうので、その慣習を最大限に活用するためです(それを揶揄した「安物買いの銭失い」という言葉も古くからある一方で、「良心的な価格」と云う称号が、もはや総体的に安くみえる物には何にでも使われていますよね。もちろん誤用ですけど。)。しかしながら、「良質なものと、そうでないものの価格差は、それらの車輛個体差よりはるかに小さなものでしかない」と、ここではワタシの経験上の結論を申しあげておくに留めます。平たく云い直せば「最初にあと30万円出せれば、後の100万円に相当するアドバンテージを初めに得る」という中古旧車購入の鉄則とも云える部分に着目してくださいというコトです。

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 フェラーリ車そのものの場合はほとんど日常使用されていないので距離が伸びません。また、雨天時も使用されることはほとんどなく、ほぼ必ず屋根付きシャッター付きの堅固なガレージにおいて大事に保管されます。一方の3200GTは、同時期フェラーリ社の製造理念をそのままに生み出されてきているわけですが、それがマセラティのエンブレムを持つだけで、日本での過酷で日常的な一般使用条件に晒されます。日本独特のマセラティの使われ方、飼われ方は、フェラーリ社にとってもマセラティ社にとっても、いわば「未踏の領域」なのです。

20120208062012020808_2  「旧いイタリア車を如何にしてリーズナブルな実用車へと造り変えていくか」、「その旧さに甘えることなく如何に美しさを維持させていくか」、それらへの回答を一つ一つ提示していくのも、これからのマイクロ・デポの使命であると認識しています。どなたか心あるお客さん方、ワタシたちと手を携えつつ、最後のマセラティ製エンジンを持つ「究極のビトルボグランツーリスモ」、マセラティ3200GTに乗りませんか・・・とびきり芳醇なひとときのために。 

 皆さんのご購入に関する御相談を御受けいたします。どうぞ御来店・御電話を。

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コメント

実は初めは3200GTに憧れてお店に伺ったのですが、222SRを選んで本当に良かったと思いました。

「やっぱマセラティって今でもそうなのね…」って、3200GTにも云えることだということでしょうか。安いものには理由があるとわかってはいても、ついそそられてしまうのですけれど。

3200GTなら外装白で内装はダッシュボードまで含めてボルドーとかがよいです。勿論6MTで。ってでも青内装のギブリが一番です。

うーん、普段の足にはXK8やDB7を選んどけ、ということですかね。これらもDEPO経由なら心配はないでしょうか? Virageも相当安いんですが…新車時の1/10なんて暴力的です。御存じのように、かなりのところまでは気にせず乗ってしまうのですが。車に限った事でもないですが…
この3車種に3200GT、どれが普段使いにはいいのでしょうか?

読み応え満点の丁寧な解説ありがとうございます。3200GT、アイスホッケーのスティックみたいなテールランプは好きですが、デトマゾ族とあまりに違うデザイン故まったくノーマーク、でもすごーく凝ったボディだったんですね。
今まで3200GTオーナーには「オカネあんのね」くらいの視線しか向けていなかった自分ですが、この道も茨の道(というか通行不能か?)じゃないですか!、今度から敬礼します。
よく911(930型ノンターボ車)は400万がラインといわれますが、こちらはその上をいきそうですね、でも惚れたらしょうがないのかな。
私が残念に思うのは3200GTというネーミング、伝統的っていうのはわかりますが余りに味気ない。これがミストラルⅡとかボーラⅡとかだったらなーと思います。

自分が長年のクルマ生活から教えられたのは、「新車並みにするのは新車買うくらいお金が必要だ」ということ、でもマイクロデポさんではギブリやカリフが700万ってことは無い、ほんとに遠くから買いに来てもお得だと思います。

本バイヤーズガイド、すべて納得ずくめの長編力作です。
読破に40分かかりましたが、作成は数時間費やされたのでは
と思います。

やはりマイクロ・デポさんの実力は「オニニカナボー(笑)」です。

を3200GTは好きですよ。
ジウジアーロのクアトロポルテⅢのデザインイメージを継承したデ・トマソ期の妖しげなアンドレアーニ、未来的なガンディーニルックを経て、クアトロポルテⅢのイメージから脱却したジウジアーロの3200GTは興味深い。ツインターボの継承とタレ目のテールデザインとボンネットのフィンが好きですが、NAのクーペになってから魅力のやんちゃさが薄れた感は有ります。
フェラーリ傘下になってから必死でビトルボのイメージを消し去ろうとしている、なんて話もうかがいました。
まあ、初期ビトルボを所有しているにも関わらず恐っそろしいメンテ費用は発生せず、極めてリーズナブルな維持費で養う事が出来ております。これも、商売を度外視して芸術愛好家を擁護するマイクロ・デポのボランティア、メセナ活動と理解しておりますので、御社に足を向けて寝れません(実際は寝る時の方角は気にしておりませんが)。

本当に業務後の力作,畏れ入ります.
正直,とりあえず読み飛ばしました.すみません<(_ _)>

でも,自分は3200GTのあのテールランプが相当好きなことを思い出しました.

シャマルの前に乗りてぇ…

《※真剣に助けてください》大変勉強になります。遠い地方にては変態趣味といわれながらも離陸するようなエンジン音、あぁ石川島播磨のステロイド注射でガソリンを燃やしまくるシャマルの息子よ…フェラーリのモデナと並んでも決して負けてないボディライン。手放せない(泣)頭がおかしくなる位悩んでおります。
イモビライザーが急にオーナーの私に乗車拒否ストライキを起こしています。エマージェンシースタートで何とか呼吸しますが、この手間…とてもホッとけないし。
探せど注文すれど
「イモビのECUがありません」
ステアリングポストの下あたりにあるそうですが部品がないなんて…イタリア人に直接聞いても返事がこないんです。なにぶんフェラーリに一杯当時の最新技術を詰め込まれてるから、ディスクリート。配線図読んでハンダが使えて抵抗の計算できれば直せるかも…が、お世話になってる中古車屋社長様の談 一番あてになるはずのディーラー、マゼラティ○○さんは「部品が入荷しないから」とオブジェに…デポさん、ホントに困って泣いてるんです。なんとか適正価格で直す方法はありませんか?お願いしますm(_ _)m

何度読み返しても、素晴らしいです。3200GTを購入献灯される場合の「出る単」(古い!)ですね。
さらには、過去のお店のノウハウを書いちゃうところが、凄い!

3200GTに惚れてしまって購入前に、また、購入後に実際にトラブルに見舞われた際に、本記事を何度か読み直していますが、大変参考になります。昨今の日本車は、トヨタプリウスにみるように、デザインも奇抜で目立つものが増えたため、3200GTはイタ車であってもそれほどガン目立ちしないようになり、むしろ、それが自分にとっては街の中で丁度いいぐらいの乗りやすさとなっています。
良心的なメカニックと、いざという時のディーラーがあれば、それとマセラティとジウジアーロの作り上げた、モービル作品への愛があれば、まだまだ乗れる車ではないでしょうか。

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