イタリア人には、してヤラれた(マセラティ3200GT:ウインドーレギュレータの場合は)
うおー!この時間になっても全然ブログが出来てない(泣)。本日は夕方に御試乗希望のお客さんがみえて(「Tさん」遅くまでお引きとめして申し訳ありませんでした。ぜひ、引き続きの御検討を!)、ついつい懐かしのロードレーサー自転車バナシなどで盛り上がり、気が付いたら21:00をまわってました。
というわけで、本日は久しぶりの「本ネタ」で盛り下がって(ヤでしょ?:笑)頂こうと思っております。タマにはこっち方面に戻っておかないとね。シゴトもしてるんですヨ、ちゃんと。
車検でお預かり中「Sさま」のマセラティ3200GT。昨日無事継続車検は済んだのですが、懸案の運転席側パワーウインドーの不条理な動作(一番上まであげると、自動的に転換して、ちょこっとダケ下がるべきところが、一気に一番下までさがってしまうので、ほっとくと永遠にさがったまんまになる→オーナーの「Sさま」だけは、あるコツを会得しているらしい:笑泣)をこの際なんとかしようと、新品のレギュレータ「コーンズさん」に聞いてみたら、「国内ラスいち(国内在庫がラスト一個)」との返事だったので、とっととオーダーしておきましたのが、本日到着いたしましたので、早速ドア内張りを剥がして、午後から戦闘開始であります。
箱を開けると「オニのように」エアパッキンが入っております。彼の国のヒトらには、内容物に合わせて箱の寸法をキメるという理念がありません(笑)。一応中身を出して内容物の点検確認であります。
ふーん、メインのレギュレーターのみならず、前後のランチャンネルなど付属品が全部付いてくるのね。マセラティもずいぶんとオトナになったモンだと、まずは一安心しておったのですが・・・
この二枚の写真は前後のランチャンネルをそれぞれ跨いでスライドするキャスト製スライダーとウインドーガラスを締結する留め具です。
色が替えてありますが、カタチは一見同じにしかみえません。どっちかが前用でどっちかが後ろ用なんていうオチがありそうな気がいたしますので、慎重に形状を比べて精査します。やっぱ、どう見ても同じだよなー。大体、意味不明な色分けなんてややこしいコトはしないで頂きたいモノですが、せめて「ペラ」一枚でいいから「取説」くらい入れて来いよな、イタリア人(笑泣)。
ランチャンネルを跨ぐ部分には、エンプラ製の摺動部材が嵌めこんであります。 あー、だからコレも新品が付いてくるんだな、きっと。樹脂部分は経年であっけなくイッてしまうモンですからね。実際にその後、数々の樹脂部材の欠損が、「今回の不具合」の根本的原因であることが分かりました。
今度の左写真は、レギュレータ本体のメイン昇降部材に、ウインドーガラスを直接締結するための留め具、通称「ハカマ」。
それらの取付ボルトと前述上記スライダー部材の組付ボルトは新品がそれぞれ付属しています。
そしてランチャンネル2本。それぞれ写真の右側が上方です。上方をボディに取り付ける部分がナットになってる方が前方用、ボルトが生えてる方が後方用です。
最初見た時は、なんで同じような部材をいちいち違う造りにするかなー、と訝しげに思っておりましたが、前と後ろを間違えない様にするための配慮なのかなと途中で得心いたしました。結構イタリア人も考える様になったわいな(笑)。
このブログに今まで登場してきた「デ・トマソ」期用とも、クアトロポルテ用とも、その趣はまったく異なります。
正調パンタグラフ式といった感じのものです。
こんなにガッチリしているモノが結構ぶっ壊れるので(コレはマセラティに限らず、すべての欧州車について云える)、本当に不思議でなりませんが、よくよく見ると、各部の要所にエンプラ樹脂が使われており、ソコをコワれどころにしてあるのがわかってしまいます。そして、それを再生するのをさらに阻むのが「カシメ」による締結です。昨今のクルマ作りは「計画的に」コワレどころを設けているフシがあり、この風潮はホントにコマったものです。
マセラティ3200GTの場合は、ボディの剛性感を出すためか、ドアインナーパネルの開口部がホントに必要最小限にしか設けられておりません。
せまいせまいスキマですべてを勝負する必要が出てまいります。あちらを立てればこちらが立たずの体でありますよ。
ドアウインドーには下部に4か所の穴が開いており、それぞれの部材を貫通ボルトで締結させるようになっています。上二枚と下二枚の写真がそれぞれの締結部位を撮影したモノです。
このレギュレータ取り外し作業工程では、電源を入れたままウインドーを動作させる必要がありますので、慎重さが薄れますと突如としてユニットが動き出し、思わぬケガをいたします。
新しい樹脂パーツも色分けされておりましたが、はずしてみたら古いのもそうなってた。しかも、また別の色で(笑)。
ドアの中、カラフルにしてどうしようというのだろう、イタリア人。学ランの裏打ちの「登り竜」と一緒ってコト?見えないところのお洒落(笑)というヤツなのか、例によって高邁な(んなワケ無いよな、きっと)理由がまた別にあるのか。一段落したら一旦カプラーを抜いておき、ウインドーガラスをはずしてしまいます(が、ワタシの両腕がふさがっているので、一番派手な作業写真が撮れませんでした:泣)。
取り外した古い方のレギュレーターユニットに溶接されている「扇型ギア」はどういったわけかモーターのピニオンギアが配置されていない側にも「歯」が切ってあり、前々から「コレって意味が無いよなー、きっと使い回しの部品なんだろな」と思っておりましたが、ちゃんと片歯にしたみたいです。先も丸めてくれて、作業者の手指にも気を遣ってくれています。きっと、組み立て中にレギュレータが動作して大きなケガをした作業員が居たに違いありません(前述した取り外し行程以上に、この取り付け作業は電源を入れた状態で上げたり下げたりしながらあちらこちらの締結調整が必要なので、不意に動き始めてしまう場合が結構あるのです。気を抜いていると、本当にユビがトビます(コレだけはシロウトさんは絶対に手を出さない事をお願いします)。
新しいレギュレータ本体ユニットを取り付ける前に、前後のランチャンネルもドア内部に放り込んでおかなければなりません。
ここで、新旧を見比べてみると驚愕の事実が(今さら)発見されました!なんと、後部ランチャンネルが右側(助手席側)ではないですか。まるで正反対のカタチです。ここで、先ほどの「国内ラスいち」が効いてきます。文句言って送り返そうにも、相手にゃ代品が無いんですから(笑泣)。おまけに、正しく入っていた方の前方ランチャンネルをボルト留めしようとしたら、ボディ側の取り付け孔と全然合わない。せっかく定位置までおずおずと差し入れていたのに・・・。もう一度、おずおず引きだして、新旧を比べてみると→右の写真のようになってました!ここも、「現物合わせ」なんですか。分かっちゃいるけどホトホトイタリア人は・・・。
・・・もう、寝よ(笑)。皆さん、また明日!
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コメント
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おおおお疲れさまでございます。ウィンドウレギュレータ3200GT編、堪能させて頂きました。
それにしてもカラフルな樹脂パーツ、わからん…。
投稿: おぐ | 2012年5月31日 (木) 00時21分
こんな作業は手間がかかり過ぎてフツウのクルマ屋では出来まい。
そこをやるのがマイクロ・デポなのです。
フツウのクルマ屋ではありませんから。
機械加工のセンスと根性が無ければ出来ません。
以前、ビトルボのドアミラーのカバーに大穴を空けてしまった時も、車検と諸々の整備のついでに大穴をパテ埋めして艶消し黒の塗装で綺麗に補修していただいきまして感謝・・・納期も僅か一週間でビックリしました。あれは面倒な作業なんです。
投稿: Ryo | 2012年5月31日 (木) 00時28分
パワーウインドーの不条理な動作、作業内容共に
「3歩進んで4歩下がる」
てな感じでしょうか。
海に向かって「バカヤロー」と叫びたくなるでしょうが、
匍匐でゴール目指しましょう。応援しています。
投稿: Wさま | 2012年5月31日 (木) 02時48分
イタリア人って一体…ウィンドウレギュレータ修理のタイヘンさはお店にうかがった時も少し聞かせていただきましたが、いずれまたこういう作業をお願いすることになるのでしょうか。その時は、せめてパーツの梱包だけでも、もちっとマシになっていることをお祈り申し上げます。意味不明なカラフルパーツくらいは愛嬌かもしれませんが。なにはともあれ、お疲れさまです。めげずに頑張ってください!
投稿: 上京FMt | 2012年5月31日 (木) 09時39分
たこちゃんがウィンドレギュレーター修理に費やす時間は人生の何分の一なのだろう?、などと考えてみたりして。
私も窓の開閉には、あれから(前回のは電気トラブルでしたのでよかったです)細心の注意で臨んでおります。
ガンバ!。
投稿: 一松 | 2012年5月31日 (木) 10時19分