マイクロ・デポ株式会社”公式ウェブサイト”「マセラティに乗りませんか・・・」

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2012年6月の26件の記事

2012年6月30日 (土)

土曜日の夜は・・・

 土曜日。今日も一日爽やかに晴れて気持ちの良い一日でした(但し、屋外に居ればのハナシ:笑泣)。でもワタシは昨日の昼ごはんを食べてからというもの、営業時間中は、ずーっとマセラティシャマルの中に入り浸り。すべての配線清掃とチェック、問題点の洗いだしと復元作業に邁進しておりました(ようやく7割5分といった進捗)。午前中は群馬県からわざわざお見えになった御試乗希望のお客さんがいらっしゃいましたが、主に次男が御相手をさせて頂きまして、その間もクルマの中でワタシはずーっとウナってました(笑)。

 クアトロポルテの「Iさま」、ギブリカップの「Yさま」と夕方に向けて次々とご来店頂き、Yさまとはつい先ほどまでお引き留めしてハナシがはずんでしまいました(おいしいお煎餅を有難うございました。早速本日の酒のツマミにさせて頂いております)。

 2012063001_2
 ・・・ものすごくハラを空かせて家に帰りつきますと、左の写真の食物が・・・。

 いわゆる「天然モノ」のタイ焼。麻布十番の有名店、浪花屋総本店
のモノだそうです。ヨメが久しぶりに立ち寄ったら並ばずに買えたとのコト。

 なんか、「型」がガッタガタになってます(笑)。でも、この感じがとっても好きなんです。シッポ部分がやけにデカイですね。他店には無い特徴だと思います。

 煎餅とタイ焼で発泡酒を飲んでるワタシはほとんど味覚異常者と云えましょう(笑)。

 これから、この間「一松」さんから頂いた「清水もつカレー」をディナーでいただこうと思っております。

 皆さんのおかげで、結構な土曜の夜を楽しませて頂いておりますよ。あー、今週の一週間はハードではあったなあー。

 それでは、また来週!

2012年6月29日 (金)

時代の空気感

 げに、まっこと、本日も不思議なくらいに一日中ハレましたよ、練馬。「ツユ」は何処へイッてしまったのかと思うくらいで、またまた今日も「有難い」。昨日のコメント欄には「年齢関係」とか「月日の流れ」とか、皆さんそれぞれの想いをお寄せくださいました。お忙しい中でのコメント、有難うございました。

 誠に私事ではありますが、この8月の終わりに、岡本三兄弟の今は亡き実母が17回忌を迎えます。で、時々亡き母を想う折には、「あー、20年前の今日は、まだ元気にしていたんだよなー」などという「過去の時系列」に遡った記憶や妄想が心の中に渦巻いてまいります。

 まあ、俗に云う「放蕩息子」の三人衆といった感じのワタシたち三兄弟。さしたる親孝行も出来ぬままにとっとと旅立たれて(笑泣)しまったので、残されたコチラは喪失感と未達成感で一杯ですね。その後色々ありましたのち、母が亡くなった翌年に起業いたしましたので、もちろんマイクロ・デポの存在も実母は知らないワケです。仮に生きていたらどーなってたのかな、と、パラレルワールドを想像してみたくもなりますね。

 旧いモノを商売にして扱うというコトは、その時代、時代の「空気感」を鬻ぐことだと思っています。ですから、ワタシたちマイクロ・デポは、例えば、あの今となっては無くなってしまった「懐かしい等々力のショールーム」で、ムカシのガレーヂ伊太利屋さんがデ・トマソ期マセラティを販売していた「まさにアノ頃」の空気感を身に纏ったビトルボマセラティ、コレを出来るだけ再現しようと常々心掛け、造り上げています。但し、目には見えない部分の信頼性だけは、「はちゃめちゃ」に(笑)アップさせてもいます。だから、ホントのところは「ウソツイテル」と云うコトになっちゃいますかね。

 コレに説明を加えますと、1980年代から90年代半ばくらいまでの空気感にプラスアルファの「デフォルメ」を追加させて頂いていると云うコトになりましょうか。当時の空気感を「今現在の感覚」を持っていらっしゃる「今現在の方々」にそのままブツけても、逆に飲み込めなくなっちゃっているのが容易に想像出来ますから、些かならず「翻訳作業(20年間の時空間の隔たりを埋めるため)」がどうしても必要になってくるのです。

 ビトルボマセラティは(一般的なイメージの中では)伊達でお洒落で粋なクルマのハズでした。当時の「ホントは洒落にならないくらいのキビシイ真実の姿(笑)」はさておき、皆さんがかつて夢想し憧れた「イメージ」通りに造り上げていく事、コレがワタシたちの毎日の仕事です。夢や憧れを売るんですから、本当はもう少し立派なショールームとかキレイなおねーさん、そして立派な工場が必要なんでしょうけれども、ソコだけはまだまだしばらくの間、当店顧客の皆さんには御辛抱頂くコトになってしまいそうですね。

 それでは、また明日!

2012年6月28日 (木)

アタリマエの有難さ

 本日も事前の天気予報とは裏腹に、なんとか一日中、空がフンばってくれました。この時期にあってはほんとうに有難いコトです。

 まっ、こりゃ「本来降るはずの雨が降らない」というところが「アタリマエではない」ところに有難さを感じるわけですが、そんなビミョーな予報の中でも「中央区のTさま」がマセラティギブリを御内覧・御注文のため来店、雨にも降られること無く晴天下でクルマもご覧になって頂くコトが出来、無事に御売約となりました。これまた有難いことです。

 さらに「浜松のMさま御夫妻(例によってお土産を有難うございました)」もマセラティカリフで御来店、クルマをお預けになって東京観光(夕刻6時に東京スカイツリーの展望台に登る予約を取っておられたようです)を楽しまれてお帰りになるとのおハナシでしたが、夜までなんとか雨は降りませんでしたね。雲は厚いので東京の夜景をお楽しみになって頂くコトは叶いましたでしょうか、夕方の空を見上げながら、ちょっと案じておりましたよ。

 最近のワタシ、柄にも無く殊勝にも(笑)、「アタリマエ」だと日常ついつい思ってしまう事柄への感謝の気持ちというのが、いつもアタマの中に湧いてくるようになってきました。こんな「明治生まれのバーサン」みたいなコトを本気で考えるようになるとは、ワタシも「やっぱ、トシあるね」なんでしょう。

 朝、起きる。もう、普通に起きられただけで「感謝(笑)」。アパートの窓を開けて空を見上げる。雨が降っていなければ、ソコでもう一発「感謝」。ズボンの脱ぎ履きで、本日の体調を見る。スカスカ快調にソレが出来れば「ウーン、今日は絶好調!」というコトでまた「感謝」。朝食のパンを齧り、奥歯のブリッジがトレずに快調に咀嚼出来れば、コレまた「感謝」。・・・という按配で、普通の方々にとっては「ホントにたわいも無い」日常の一挙手一投足が、もはや、すべてワタシの「感謝対象」となってしまっております。

 「なーんか、カッコ付けちゃってギゼン的!」なんてコトも云われちゃいそうですが、本心なんだから仕方がありません。若い頃から比較的「自由にならない(特に身体的に)」コトと闘ってきた全半生ではありましたので、この歳になってまいりますと、ホントにひとつひとつが有難く感じられるのでありますよ。むしろ、コレでも今が一番元気で健康かも知れないと思うのです。

 先日、買取査定に伺った先で、その御夫妻はワタシを見て「20代ですよね?」と真顔で仰られるので、「こんな、ヒゲに白髪の混じった20代はあるワケ無いぢゃないですかー」と些かテレながら申しあげました。「ホントは今年49なんですヨ」と云いますとさらにビックリされ、そこまで驚かれちゃうと「オレって、そんなに貫禄無いんかな」と却って2秒間くらいナヤみましたが、これだけアンチエイジングなどが流行して、いわくありげで高価なサプリメント類が売れまくっているご時世であるコトを考えれば、さして、そのあたりにコストを掛けてきてはいないワタシとしましてはコレはコレで「有難いコトである」と思い直しました。

 もしも、このブログを20代、30代のお若い方々がご覧になっていらっしゃいましたら、老婆心ながら申しあげます。「フツーに暮せる、フツーに動ける」というのは、それだけで儲けモノだと思って全然差し支えないです。

 ソコでさらに「マセラティなんかに乗れちゃう人生」であるとすれば、その状態はまさに僥倖。もちろん御自分の努力の賜物でもあるワケですが、周囲の様々なファクターもその環境を支えてくれているのだと認識して、「有難い」と思いつつ歩むコトにより、一層日々の暮らし向きが楽しく感じられようと思うものです。

 今日は、些か説教クサかったですね。ワタシと同世代人以上の年齢の方々は、「健康が一番、命は二番(笑)」くらいの気持ちでいるのが好ましいんじゃないでしょうか。適度に日々のストレスを発散しつつ、若干刹那的に暮らすのがワタシの現在の生き方になっているようです。

 現在の日本人、有るか無いかも分からない「遠い未来の老後」のためにアレやコレやと悩みすぎだと思いますヨ。治安といい、軍事情勢といい、経済状況といい、明日をも知れぬ状態を長きに亘って続けている国々の人々が、どうしたわけか、現在の飽食日本人よりも明るい笑顔で楽しそうにしているのはどうしてなんでしょうね。「足るコトを知る」と云うところにその答えのカギがあるように思えてなりません。

 それでは、また明日!・・・皆さんにとっても良い日でありますよう。

2012年6月27日 (水)

スロットル全開で作業中

 ほいほい!あー、今日も天気が良くて本当に有難かったですね。早朝より夜の9:30までしっかりと作業が出来ました。労働の後のビールは(ほんとはサントリー金麦だから発泡酒なんだけど:笑泣)。何しろウマイ!タイ米炊いて、タイ式レッドカレーを食いながらコレを書いております。申し訳ありませんが、今日の進捗だけお伝えいたします。

 「練馬区のHさま」マセラティシャマルのエアコンリキッドタンクを交換し、真空引きを行ない、エアコンの動作試験とガス漏れサーチをいたしました。

 「豊島区のNさま」マセラティクアトロポルテV8のエアコンガス漏れ修理を完了し、お納め出来ました。おいしいドーナツ(帰ってヨメに見せたら、コレは並んで買う銘柄なのではと指摘され、本当に有難く頂きました)をたくさん有難うございました。ワタシが満足に御相手出来なくて申し訳ありませんでした。

 「文京区のDさま」フェラーリモンディアルtカブリオレの陸送が無事完了し、トラブルシュートを開始いたしました。エンジンの吹け上がりに力が無いのと、ガソリンの劣化変質が見られます。明日以降、細かくチェックしてまいります。

 以上です。明日の天気はビミョーな予報。されど頑張らないと、ね。酷暑の真夏はすぐそこまで来ています。毎日が闘いになってきました。ファイト!ファイト!

 それでは、また明日。

2012年6月26日 (火)

お天道様、有難う

 こんばんは。本日は晴天で作業も捗りました。今日の「お預かり車作業」は以下の様になっております。

 「豊島区のNさま」マセラティクアトロポルテV8のエアコンガス漏れ修理完了いたしました。継ぎ手のOリングを交換して真空引きをした後にガスチャージをいたしました。お手数をお掛けして申し訳ありませんでした。

 「練馬区のHさま」マセラティシャマルにヒーターケースユニットを搭載いたしました。また、エアコンコンプレッサーをR134対応型に交換いたしました。

 「朝霞市のHさま」マセラティ222SRのエンジン&足回り整備が完成し、リフトから降りました。続いてメインヒューズボックス根源対策工事に入ります。

 「仙台市のMさま」マセラティビトルボEの鈑金塗装作業が完了したとの連絡が入りました。たいへんお待たせいたしました。天気の良い日に回送し、継続車検の段取りをいたします。

 以上です。本日も皆さんお疲れ様でした。今日は、ちょっと気疲れしちゃったワタシです。

 それでは、また明日。

2012年6月25日 (月)

ヒーターケースはこんな感じに(マセラティシャマル&222SRの場合)

 本日も、たいへん「ツユ」らしいと云えばそれまでですが、ハッキリしない天候が一日中続いてしまいました。佳境に入ってる作業がたくさんあるのでお天道様にもぜひ頑張ってほしいものではありますよ。とはいえ、何とか雨のほうはフンばってくれましたので作業の方は全体的に「ジクジク」と匍匐で進めるコトが出来ました。

 では、ご覧に入れましょう。それぞれの写真内で左側が「マセラティ222SR」で、右側が「マセラティシャマル」です。どちらも既にシツコイくらいにヨゴレ&サビ落としと脱脂などを繰り返してまいりましたが、各部材に良質なウレタンフォームを貼り直し、組み立て前の最終チェック写真を先週撮影しておきましたので、ソレが今日のお題であります。

20120625012012062502 まずは、「ドグちゃんず」。すべてのダクト「アタリ面」に附着していた「ネチョドロ」充填材を除去して、対候性能に優れたウレタンフォームを貼り付けてあります。

 なんだか、「ドグちゃんず」さんたちも「わーい、わーい!」とはしゃいでいる様に見えてきますから不思議です。右の写真は裏側を撮影したモノです。もちろん、各々2枚のリアダクト送風用フラップにもウレタンフォームを新装いたしました。

20120625032012062504 裏側を下の方から見ますとこんな感じ。

 組み立て時にケースとケースの「アタリ面」になる部分には、このように「M字型」の新製ウレタンフォームが貼り付けられています。

 で、「ドグちゃんず」を仰向けに寝かせ、さらに「頭部方向から」見ると、すっかり「”ハゼドン”ず(コレ知ってるヒトもそーとートシあるよ:笑)」になってしまっています。懐かしの「スペースインベーダー」で「一番下の方にいるヤラレキャラ(でかくてアテやすい:笑)」にもちょっと似ていますね。

20120625052012062506 こちらは「フロントバルクヘッド」下部に顔を出す部分、外気導入口です。

 この部分は洗浄時には分解されて二分割になっておりましたが、ダイヤフラムともどもに組み立てられて、いまやご覧の様な形状に生まれ変わっております。ケース間の合わせ目や、ダイヤフラムとケースの隙間にはすべてウレタンフォームを新装しておりますのが写真でお分かりになって頂けますでしょうか。

20120625072012062508 樹脂フラップ、金属フラップともにご覧の様に張り替えられました。

 樹脂フラップ表面のビニール皮膜はキレイにヨゴレ落としと脱脂を行ない、再使用としております。

 メインケースには、サビの出ていた「ドレーン導水板」をサビ転換剤処理を施してから完全に乾燥させたのちに装着しました。今回の場合はサイワイなコトにどちらもサビが「軽症」であったので、エアーサンダーで表面の形状を整えた上で、転換剤を厚めに塗布することにより再使用が可能でありました。

20120625092012062510_2 ・・・で、本日の午後より二個のヒーターケースの組み立て作業が開始され、二個とも夕刻までにほぼ完成。

 単にバラして組み立てるだけならコレくらいのスピード感なんですけどね、ホントは。

 やはり左が「マセラティ222SR」用、右が「マセラティシャマル」用です。両方ともに、あとは外気導入口周りにウレタンフォームを張り込み、完全体となります。あぁ、シャマルの方は、ブロアーレジスターの直付け対策を明日に控えております。SRの方は完了いたしました。

 ・・・ここまでやって、ようやくヒーターケースの搭載作業に取り組むコトが出来る環境を整えるまでの一通りが完了というワケです。今週このあと、少しは天気が良くなるといいんだけどなぁ。なんとか一気にイキたいのもではありますが。

 それでは、また明日!

2012年6月23日 (土)

我が追憶の「秘密基地」

 本日は、「梅雨の合間の貴重な晴れ間」といった感じで一日中東京練馬は爽やかな土曜日となりました。然れども、どのように一生懸命にやっても「ぢりぢり」としか進まない「匍匐」作業の連続で、今週も「カラダのアチコチがううっ!」状態になり果てております。というわけで明日の日曜日には完全に「逝って」しまいそうなワタシではありますが、不思議なくらいに月曜日の朝には「蘇生」してるんですよね(もう、ここ何年も:笑泣)。これぞ、「ざ・かんぜんねんしょー」というコトでありましょう。

 今日はそういう土曜日ですから、ブログ更新は、もはや「気力」だけに依存いたしましてカラダの方は「省電力モード」といたしましょう。時に、まったく久しぶりにシゴトから離れまして肩のチカラを抜いた本格的な「懐かしネタ」をフッてみたいと思っておりますが・・・こんなハナシでは如何かしら?

 昭和49年の練馬・・・ソコに「空き地」があり、得体の知れない「建築廃材」の数々(石膏ボードの破片とか、ヒビの入ったポリバス浴槽とか、タイルの欠片とか、とにかくデカイ段ボール箱とか、大小のベニア板とか、配線コードとか、電球とか・・・)が落っこっている上に、ヒマそうでカネも無い数人の小学生が所在無さげにしていれば、当然の如くに(なんでぢゃー:笑)「秘密基地」が御建立遊ばすというワケでございます。

 幼少の頃の「秘密基地」造りというのは万国に共通するネタらしく、このブログでも、ワタシが御贔屓のために度々登場いたします、懐かしの特撮モノ「サンダーバード(第21話:危険な遊び)」においても、「ウルトラセブン(最終回の第49話:史上最大の侵略(後編)」においても、劇中にこの「秘密基地モティーフ」を使ったハナシが登場いたします。なぜか血沸き肉踊る「秘密基地」と云う言葉の響き・・・「ざ・シークレット・ベース」・・・ううっ、いい!

 ワタシも四年生だったか、五年生だったかの頃に二回くらい「かなり本格的な」ヤツを作ったコトがあります。とにかく、今まで見たコトも無いくらいに「どデカイ肉厚段ボール箱」を空き地で発見してしまうと、そのまま建造工事に突入してしまったりするワケです。そこらにころがってる「自称、所有者不明(笑)」の部材の数々を眺めつつ、アタマの中に材料とその加工法&基地の”青写真”(難しい工作は面倒なので、出来るだけアリモノの原型を生かしつつカッチョいい基地にしたいなぁ)を叩きこみ、もう寝ても覚めても、もちろん学校でも授業なんぞはウワの空で、基地の在り様を夢想する日々が続きます。当然待ち侘びた放課後になれば夕暮れ時までの数時間は毎日秘密基地づくりに没頭します。

 塩ビ管は、L字継ぎ手と組み合わせて、鏡を仕込めば「潜望鏡」に。基地の内部照明は、とりあえず「懐中電灯」だったりするワケですが、そのうち「発電機ほしいな」とか思い出し、自宅から「マブチ(モーター)ゼネコン:コレ知ってるヒト、そーとー、そーと、トシあるね(笑)」を持ってきてはハンドルをグルグルと回して「おー、自家発電装置完成!」などと悦に入っておりました。

 基地がイイ感じになってくると、数日後に「あきらかにダレか別のヤツが入った」形跡を発見したりして、「きっと別のクラスのヤツら(こういう場合は、たいがい三組のヤツら:笑)だ」なんてハナシになり、見張りを立てたり、「こっちが先だ」系の喧嘩をしたりといった「お約束」の悲喜こもごもを演ずる期間になってきます。ワタシは「造る過程」を目いっぱい楽しんでしまったので、出来あがっちゃうと「いーぢゃん、またつくれば・・・」という感じで、バトルの方には参加しないようにしてた(けど、最終的には”首謀者”扱いなので、巻き込まれちゃうんだよなー:笑)。

 なぜか毎度そうなのですが、大概この基地建造遊びは秋口にやるコトが多く、自慢の基地が崩壊(笑泣)するのは、台風による大雨が原因となってたように思います。なにせ、骨格がない「段ボール」ですからね、水は大敵。

 なんでも、有名なまんが「ドラ○もん」によく出てくる「土管の積んである空き地」というのは、まさに当時の「練馬あたり」がモデルなんだそうですね。昭和も40年代までは、ホントにこういった「意味不明な空き地」とか「いかにもショッカーが出そうな造成地」があちこちにありましたもんね。今となっては懐かしいけど、”現在のお子様”にとってはDSとかのゲームの方が面白いのかも知れません。そうそう、ゲームと云えば、もう10年くらい前の「プレステ」に「ぼくのなつやすみ」っていう体験型ソフトがありましたっけ。その中にもやはり「秘密基地」が出てくるんだよな、確か。ほのぼのと疑似体験が出来る癒し系のゲームでした。

 前にも書きましたかも知れませんが、実現はおそらく難しいと思われる「ワタシの夢」は、「サンダーバード2号」の発射プロセスを再現できるガレージをつくること。・・・ガレージの間口上部には、まずラウンジがある。ガレージのゲートが上に向かって自動的に開く(コレはリモコンの電動シャッター、文化でも三和でもいい:笑)。普段は自転車かバイクしか通れない幅員しか無いハズの通路、その両脇には、なぜか「ヤシの木(笑)」が棚引いております。いざ出動の折にはそのヤシの木が左右にパッタンと開いて、おずおずとタキシングウェイに登場するワタシの車・・・まずは広ーい土地が必要だわな。

 本日のネタは「昭和43年」以前に生まれた方でギリギリかなぁ。お若い方には「おぢさんの戯言」と受け取ってもらえれば、と。ワタシはいつまでも、こういうジジイで居たいです。

 それでは、♪まーた、らーいーしゅー!

2012年6月22日 (金)

「レストア心」について、作業をしながら考えた

 あいよ!おばんです。今日は午後からなんとか雨も上がって、予定の作業を進めるコトが出来ました。天気がイイだけで斯くの如くに喜ばしいというココロもちは、ほとんど「第一次産業従事者」のノリではありますが。

20120622012012062202  「朝霞のHさま」こと「Hでございます」さんのマセラティ222SRはエンジン周りがほぼ組みあがり、現在下周りの最終仕上げを絶賛実施中(笑)。

 下周りの仕上げと云えば、我がマイクロ・デポの場合には恒例の「ホイールウラオモテ完全洗浄の儀」というコトになりますが(どーしてそうなっちゃうのか分からないんだけれど:笑)、昼過ぎから日が暮れるまで掛かって、ウチの次男さんが「ひーはー」と洗浄作業に勤しんでおりました。

20120622032012062204 先日、結晶塗装を施したサージタンクとタペットカバーも組みたてられました。

 エンジンにコレがくっ付いているの図は、まだちょっと皆さんには「お・あ・ず・け♡:(笑)」。御本人のH様には先日の御来店時に現車をご覧になって頂きましたんですけどね。コレはウチの「三男作雛人形(ウチのヒトたちの間では○○作のあとに、必ず”ヒナにんぎょー”と付ける癖があります:笑:一種の符丁と云うワケですね)」

20120622052012062206 そしてコチラは、本日「ワタシ作のヒナにんぎょー(笑)」。もっとも、222SRとは「別のクルマ」のハナシですが(すみません)。

 ボンネットフードインシュレーターとそこに付着した接着剤を一生懸命に剥がします。

 ついでにボンネットフードのキャッチ金具も頑張って洗浄いたしましたよ。これもウチではいまやルーティン。

20120622072012062208 そのプロセスはこのような感じでした。

 左側の写真が初めの状態。劣化したインシュレーター裏側の脆弱な粘着層と、ソレを少しでも強力にノリ付けしようとあらかじめ下地に塗りたくられた「ボンドG17系」の接着剤が、作業を阻みます。油汚れ、ホコリ汚れ、劣化したウレタンフォーム、あらゆる種類のサビや腐食、アルミホイールの裏表にガッチリと食い込んだ固形ダスト、そして斯くの如き「ネチョドロ」状にして最後は落とすしか方法の無い「粘着系付着物」の諸々・・・。

2012062209 どれも完全に除去するまでには、皆さんの想像を絶する時間とスキル&ノウハウ、そしてなによりも「気合いと根性」が必要ではあります(かと云って、ウサギ飛びはヤメておきましょうね、今となってはカラダによろしくないらしいし:笑)。

 ウチのお店でも、アルバイトや正社員採用枠を求めての問い合わせを(過去に一度も募集などしていないにも関わらず:笑泣)お若いクルマ好きの方々から時々頂戴いたしますが、ハッキリ云って「すぐヤメる」のが分かりきっているので、すべてお断りしてまいりました。なにしろ毎日が「イタい」ことの連続ですから(笑)。ハラが据わってないととても続きません。酷暑の真夏でも、厳寒の真冬でも、「いつも同じ結果」をコンスタントに出していかなければなりませんからね。「高率のアベレージヒッター」に留まっていなければならない上、連続試合出場記録まで樹立しなければならないというのは、本当に大変なコトだと思いますよ(衣笠祥雄さんとジャイアント馬場さんが今にして思えば如何に偉大であったかと感じ入る毎日です)。

 一方で、「毎日が好きなクルマに囲まれててイイですねー」と主に一見のお客さんから云われるコトもまた多いのですが、「いやいや、毎日が”ネチョドロ”の生活でして・・・」とはとても申し上げられませんよねー(笑泣)。ウチのお店はいつも雑然としていて、キレイなショールームもありませんし、ましてや”キレイなおねーさん”もご用意(笑)しておりません。とにかく、一日中「カッチョ悪い」格好(へっぴり腰や、う○◎坐りなど:笑泣)で、文字通りの3K仕事をし続けるのが、ワタシたちの偽らざる日課ではあります。皆さんに喜んで欲しいという想いだけが、強いて云えばワタシたちの羅針盤なのかな。・・・それでも、売り物のクルマだけは、ソレがマセラティで無くても、ドコよりもキレイで、キチンと走れる様に造り上げていくのが「1分の1モデル」造りの醍醐味だと思って精進しておりますよ(パクトラタミヤでフデ塗り出来ればラクなんだけどな:笑)。

 それでは、また明日!

2012年6月21日 (木)

夏至に因んで(ちっともチナんでなーい!:笑)プラモ本のハナシでもしてみよう

 今日は、なんだか一日中ハッキリしない天気で、雨がパラパラと降ったかと思うと、また上がり、・・・かと云ってスッキリと晴れるわけでも無く、やっぱり今にも降ってきそうで・・・ええい!アキラメがつかん(笑泣)。だいたい一昨日のピンポイント天気予報では本日の東京練馬はハレるんぢゃ無かったのか・・・。午前中の降って無い一瞬をネラって、マセラティシャマルを電気屋さんの「秘密工場(笑)」から陸送してデポに戻しました。コレでメインヒューズボックスの「サイボーグ化」が完了。

 とはいえ、今晩帰宅いたしますと「今日は夏至だったらしいワヨ」とヨメ。へー、そーなのか。今日は一年で一番昼間が長いのね。ところで、ワタシ(たこちゃん)の「アバター」はやはりヨメが勝手に毎日色々とイジっているそうです。ワタシには服の着替えさせ方が分かりません(だいたい、変わっているのも気付いてなかったりして:笑:「Wさま」さん、「おぐ」さん、ゴメンなさーい&毎日気付いてくれて有難うございます)。

 で、今日は夏至ともアバターとも、ぜーんぜん無関係な「プラモ本」のハナシをいたしましょう。

 先日「Hでございます」さんが御来店した折に、「コレ日曜日のヒマつぶしにでもどうかと思いまして・・・きっと気にイッテ頂けると思いますよ」とおずおず差し出された一冊の本。その時もパラパラと捲って眺めてみましたが、「コレはやばい」くらいにササりそうな内容であるコトを瞬時に察知。去る日曜日に半日掛けて完全に読破いたしましたよ。

 「35分の1の迷宮物語」と題された、このプラモねた本、そもそもはタミヤのミリタリーミニチュアシリーズに関する悲喜こもごもを綴ったモノなんですが、「あーぁぁ、そーだよ、そーだったよなー(泣笑)」といった感じで、ワタシたちアラフィフ世代にとっては「プラモ界のあるあるネタ(あったあったネタか:笑)」が満載で、そりゃもう抱腹絶倒の面白さでありました。バリをニッパー代わりにツメ切りで切っていて親から激怒された思い出、マルザンのプラカラーのにおいも懐かしいし、「レベルカラー」がいつの間にか「Mrカラー」なったハナシやら、初期の水性カラー「レペ→ホッペ」は筆を進めるに従って泡立ってしまっていたというコト、はたまた「タミヤカラー(エナメルの方)」は最初の頃「パクトラタミヤ」と名乗っていたコトも思い出したり(何とこの最初期型のビン、探したら我がマイクロ・デポにありましたよ!:笑)・・・この本に載ってる事象の98%くらいは自らが当時経験したコトがあったという事実にも驚きました。「オレって、やっぱプラモ好きだったんだなー、なんだかんだ云っても」とあらためて思いなおしました。とは申しましても、「夏休み」までは”おあずけ”なんですけどね(笑泣)。

 とは云え、プラモにクルった70年代、80年代を送った方々には、ぜひ手にとって読んで頂きたい本であると思いました。特に「ダメ男メンバー」の必読図書として認定(笑)。

 毎日、「1分の1」のマシンたちと格闘していますと、わが家で待つ「小さいヤツら」もちょっと懐かしくなりますね。今日は「小ネタ」でごめんなさーい!

 それでは、また明日。

2012年6月20日 (水)

アホ達がまた、ヒーターケースを掃除したり、右往左往したり(マセラティシャマルとギブリカップの場合)

 いやはや、昨日夜半の台風は凄まじかったですね。ところが、朝起きると「カラッ」と晴れあがっておりまして、「台風一過」そのものという感じ。とはいえ、結局一日中「強風」は吹き荒れ続けておりましたので、風にアタマを揺さぶられながらの作業にはなってしまいました。・・・あー、いよいよ「アタマがパー」に(笑泣)。

 朝一番、ギブリカップのエアコンガスチャージ作業と、フューエルポンプ交換作業をしておりましたら、京都からこのブログのコメント欄でもお馴染「上京FMt」さん御本人がいきなり御来店くださいまして(お土産、わざわざ有難うございました)、今日のお題の現物を「証人(笑)」になって頂くべく、ご覧に入れておきました。興味深く見入ってらっしゃいましたよ。

20120620012012062002 ・・・というわけで、今日はいきなり「バッチイ(笑)」画像ですよ(すみません)!

 マセラティシャマルのヒーターケースをバラしたての状態がこちら。先日の222SRに引き続いての「惨状(笑泣)」であります。

 まー、すっかりお馴染の「ネチョドロ」やら、枯れ葉やら、サビやらでケースの中は色んなコトになっておりますね。

20120620032012062004 ケースの底に付いている「導水板」も結構サビが来ています。取り付けネジもアタマが錆びてどこにあるかも分からない状態でしたが、周囲を掘ると出てまいりました。 

 ネジのアタマはすっかり山が無くなっている状態でしたので、バイスプライヤーでなんとか摘まもうと試みてみましたが、まったく引っ掛かってはくれません。エアーサンダーでアタマをトバしてようやく導水板をケースから分離するコトが出来ました。

 ・・・で、その後もなんのかんのとアリつつも、「色んなコト(もう、そのプロセスは皆さん飽きましたよね:笑)」をして生まれ変わったケースの各部材を本日撮影いたしましたのでご覧になってみてください。・・・もうご飯食べ始めていいですよー(笑)。

20120620052012062006 本日の二枚目の写真にあった、メインケースがこうなりました。

 もちろん、ドレーンホースの通水状態もしっかりと確認済みであります。

 かなり根性が要りましたが、ここまでに持って行くコトが出来ました。導水板の方は、いまだ修復中ですけれど。

20120620072012062008 で、そのケースの上ブタにあたる部材です。

 内側も外側も渾身の清掃を施しておきました。

 「ココどーせ、見えなくなっちゃうんだよね?」・・・はい!その通りではあります(泣)。

 まあ、クドいですけれど、もう少し御辛抱の程を。

20120620092012062010 フラップの取り付けられるセンターケースです。

 前にブロアーモーターが逝きかけた時に、バルクヘッドの外気導入口から闇雲に給油をしていたようで、内部は酷く汚れておりましたが、ご覧の様にスッキリと生まれ変わりました。

20120620112012062012 ヒーターケースの「顔」とも「胴体」とも云うべき「フェイシアケース」、このブログでは「ドグちゃん(ムカシ社会の教科書に写真が載ってた”土偶”に似てるから:笑)」としてお馴染の部材です。

 本日の一枚目の写真がコレだったのですが、斯くの如くに生まれ変わりました。写真でも、樹脂成型時の「スジ目」までが年輪のように浮き上がって見えているのがお分かりになって頂けると思います。

20120620132012062014 本日は、その「ドグちゃん」内部を拡大して撮影いたしました。

 折角ですから、各部の構造もこの写真でお確かめください。

 この二枚の写真は、後部送風口ダクトへの導入フラップを開いた状態で撮影いたしました。

20120620152012062016 次の写真二枚は、ダッシュボード中央の吹き出し口裏にあたる部分です。

 上の広口は、デフロスター側への導風口です。ここではいまだ装着しておりませんが、左の写真の右方にチラッと写るステーが駆動するフラップが、風の道をつくり出します。

20120620172012062018 「ドグちゃん」の左右「腕」部分の付け根にあたるところを裏から見たところ。

 実によく考えられております。エアコンシステムとかクライメートコントロールと申しますのは、「電気モノ」だと皆さんが思っていらっしゃるのでしょうけれども、「メカトロニクス」と「エレクトロニクス」のアナログな融合物に、デジタルモノたるコントロールユニット(マイコン)をくっつけた総合技術の発露と云えるモノですね。

20120620192012062020 「ドグちゃん」の底部と頭部も拡大写真を撮影しておきました。

 「ネチョドロ」は完膚無きなでに落としましたけど、まるで一日掛かってしまいました。

 一旦ダッシュボードを降ろしたヤツをそのまま「ネチョドロ再使用」したものは、ちょうど「雪を踏み固めた」感じで、タール分が凝り固まってしまいます。こうなりますとトコトンしつこいヨゴレに勝負を挑むハメになってしまうんですよ。あー、なんとか頑張った(ここ二日間でコシがまた逝ってしまいました:泣笑:もうホントに御老体なんだから)。

20120620212012062022_2 アッパーケースには、前回降ろした時にタッパ寸法が足らなくなっちゃったので充填したと思われるシリコンシーラーがゴッテリと付着しており、本日中に落とし切れませんでした。コレは付きあってると日が暮れそうなので、明日以降の課題にしよ(問題を先送りに:笑)。

 とりあえず、日が暮れる前にエバポレーター&ヒーターコアを洗浄しておきましょうね。

20120620232012062024 エキスパンションバルブや、冷却水路を水が入らぬようにしっかりと養生いたします。

 強力な洗剤を掛けてしばらく置き、ジェット水流でコア内部の汚れを洗い流してまいります。表面的には結構ヨゴれて見えてましたが、コアの中からはそれほどでも無かったです。まずは良かった、ヨカッタ。

20120620252012062026 ・・・ところで、フューエルポンプの不調でお預かりしている「世田谷のYさま」ギブリカップの方なんですが・・・

 お引上げ当日にローダーから降ろすと、まったく何事も無かったかの如くに「バヒューン」とエンジンが元気よく掛かってしまいました。こりゃコマっちゃったなーと思っておりまして、とりあえず場内に入れてドアを閉めると、ルームミラーが「ポロっ(大笑)」。なんだか可愛いヤツだよなー、甘えられているような気がして。で、各部をチェックした後にまずは光ヶ丘公園を数周してみました。まったくフツーに走れてしまいます。

20120620272012062028 数日寝かしたので、斯くなる上はと、今朝からフューエルポンプ本体周りをはずして分解チェックするコトにしてみました。

 例によって、三男さんが「イタそうに」作業をしておりますので、この作業中はオッカナクて声を掛けるコトが出来ません(笑)。いや、コレは確かに痛いよなー、アチコチ沁みるし(後述)。

20120620292012062030 格闘するコト小一時間。ようやくフューエルポンプユニットがはずれました。

 分解して各部をチェックいたしますと、フューエルストレーナーから若干の汚れたガソリンが出てきたものの、「決定打」となる不良要素を見つけるコトが出来ませんでした。ですが、せっかくここまでバラしましたので、念のためにポンプとストレーナーは交換いたしました。

20120620312012062032 フューエルポンプを覆うケージというヤツがコレであります。今日は三面図の写真を撮るコトが出来ましたのでここでご覧に入れましょう。

 樹脂のケージの上に在る、ステンレスの「吊り板」。コレがほとんど「カッターナイフ」のように端面の切れ味が良い(笑泣)。コレをさらに吊っているタンク内部のステー(五枚前の写真)がコレまた良くキレるんだ。一応薄いビニール手袋を装着しての作業ですが、アッと云う間に穴があいて沁みるというワケです。

20120620332012062034 ケージ部材を上から見ると、こんな感じです。

 洗浄する前の画像が右の写真ですが、若干のゴム浮遊物を見るコトが出来ます。

 大問題になるような感じでは無いんだよなー、このくらいでは。

 ・・・とりあえず、元に戻しましょうね。

20120620352012062036 交換したフューエルポンプ(右)とストレーナー。

 フューエルホースも念のためにすべて交換といたしました。

 昼飯前にはすべてを元通りに戻して、エンジンを始動。無事に再始動に成功し、とりあえずホッとする一同、「さっ、昼メシにしよ」。

 ・・・昼食が済んで、オーナーの「Yさま」に連絡をいたしました。ワタシも無理を云ってコレから取りに来てくださるとの快諾を得、それならばと最後のチェックでエンジンを始動させたところ、初爆一発でエンジンがストールし、またまたポンプが動きません(超大泣)。「このタイミングで症状再発するか」とホントに情けなくなりましたが、「Yさま」に平謝りの電話をして、ありのままをおハナシし、本日これからの納車が出来なくなった旨を申しあげました(ホントにお忙しいところにどたばたさせて申し訳ありませんでした!)。・・・で、ようやく症状が出てまいりましたので、「検電器」をあてて患部のシュートを開始。フューエルラインにも「燃圧計」を装着し、万全の態勢で臨みました。確かにガソリンが来なくなってる。順序良く電気を追いかけていると・・・「あー、燃圧計がアガってる」との声が。エンジンを掛けてみる→何事も無く掛かる(笑)。その後二時間放置して再始動、で、またフツーに掛かる。夕方光ヶ丘公園を次男三男で周回しましたが、またまたなんでも無くなってしまいました。もうこうなってくると、メインコンピューターの誤作動しか考えられないケドな。嗚呼、明日も匍匐前進が確定ですヨ!(もはや、嬉しそうでしょ:笑)

 それでは、また明日。

2012年6月19日 (火)

やはり、歴史は繰り返しちゃうのか・・・、否!

 今日は「予定通り」に昼過ぎから本格的に雨でした。これから台風の影響も出てくるというハナシですが、皆さん方も色々と御留意くださいね。どしゃ降りの中は視界も悪くなりがちです。くれぐれも安全運転をお願い申しあげますよ。

 ワタシたちは、雨にも負けず、マセラティ222SRのブレーキ整備と、マセラティシャマルのヒーターケース内「ネチョドロ落とし」を並行して行う、まさに「匍匐前進」の一日とはなりました。

 ところで、ホントは以下の文を昨日の冒頭文の「シメ」にしようと思って書いてはあったのですが、「ちょっとクドすぎるかな」と思いなおして、その部分を「切り取り」してしまっていました。ところが、昨日のコメント欄に「練馬のH」さん(本日は有難うございました。帰宅したらヨメが「ロッソマデラ色のチェリー」をほとんど食っちゃってやんの:笑:ともあれワタシも御相伴にあずかりました。とっても美味しかったです)が、「余りにも安いのは、故障が、将棋倒し的に、連係プレイでやって来て、いつも入院で、修理代ばかりで、車両価格を超えてしまいそうですね。そんなブログを見たことありました」とお書きになっているのを拝見し、たまたまワタシも先だっての日曜日にそういったブログをたくさん目にしてしまっていたので、以下「ディレクターズカット版(笑)」として、昨日の冒頭文に入れておいて頂きたいと思います。

 以下、追加分の文章。

 どうして、あらたまってこのような”フリ”をしているのかと申しますと、昨日の日曜日にネット徘徊をしておりましたら、ガンディーニのクアトロポルテやマセラティ3200GTなどを題材にしたブログなどで、「どーにもならない状態に」納車後すぐに遭遇し、その高額な修理費用の負担を恐れたり、主にオーナー御本人よりもことさらに御家族の不興を買ったりで、極めて短期間のあいだにクルマを手放すコトになったというハナシが山のように出てきたからです。

 コレはまるで「デ・トマソ期マセラティ」が市場のメインであった時代をも髣髴とさせる事態です。いつのまにかこのようなコトになっていたなんて・・・ワタシは深く憂慮しています。全国にたった数軒の「ビトルボマセラティを熟知し(また、そうなろうとし)深く愛するお店」が長い年月を掛けてそれぞれに努力した結果、リーズナブルなマセラティを供給することがせっかく出来るようになってきたというのに。コレでまた「マセラティはコワれる」「マセラティはお金が掛かる」「マセラティは治らない」「マセラティは乗り味がヘン」と云われてしまうのでは、それこそ昨今流行りの「風評被害」というヤツでありますよ(大泣)。

 ・・・以上です。まっ、たいしたコト云って無いですけどね(笑泣)。

 ビトルボ期マセラティのスゴいところは、「何を以って”正しい”と為すのか」というのを知らないと、ドコもいじれなくなってしまうところにあります。云い方を替えれば「何が正解の挙動だか、何が正解の状態だか、が分かりにくい」というコトです。また、「正解の挙動や状態」には上から下まで広範なレンジがあり、ソレを非常に低ーい次元に置いて居れば、ほとんど「なんでもあり」になってしまうクルマでもあります。そんなわけで「新車の時からこんなモンすよー、マセ(ああー、イヤだこの呼び方、虫酸が走る(泣)→”マセ”って云うなー、頼むから)は」なんて云う自動車屋も、世の中にはあるやも知れませんね(笑)。

 ビトルボマセラティはもっともっと「クルマ好き」のお客さんに「誇りをもって」安心して乗って頂けるマシンです。ここ何年もアルファロメオやランチア、フィアットで立ち止まり「モノ足りなさ」を感じるあなた、フェラーリにすっかりツカれてしまった「トシを感じる(笑)」あなた。

 マセラティは必ずそんなあなたに「癒し」を届けてくれる・・・間違いなく、そういうクルマですよ。色々とマセラティ探しをする過程で、マイクロ・デポの門も(門、無いけど:笑)お叩きください。

 それじゃ、また明日!今日は「小ネタ」で失礼いたしました。

2012年6月18日 (月)

アホがまた、ダッシュボードを降ろす③(マセラティシャマルの場合)

 今日は梅雨の晴れ間で、東京練馬は何とか一日中晴れておりました。まずは、よかったよかった。

 ここのところ、こういった「分解ネタ」シリーズを書いていて思うんですけどね、コレをご披露していますのは、「マイクロ・デポが如何にデキるヤツか」というのを喧伝しようとする下心からでもありませんし、DIYで作業をしてみようとする方々への利便のためでもありません。毎日このブログに付き合わされている皆さんの目にはどのように映っておられるかはわかりませんけれど(笑)。

 いつも申しておりますように、マイクロ・デポではいまだ「この世界の頂上を極めた」という実感を持っていません。作業のスキル&スピードや、クルマの乗り味に関わるチューニングの領域まで完璧なものをすでに所持するにいたっているとは自惚れておりません。世界は広いです。この日本国内にもウチより上手にエンジンや足回りのチューニングを施すことが出来る(可能性のある)ところは全国に複数軒存在するのを前々から承知しております。

 しかしながら当店においては、その出生の特殊性から、「マセラティの日常車化」と「維持費が読めるクルマ造り」に力点をおいた作業に傾注してきてしまった経緯がございます。また、内外装やエンジンルームなど、見た目の仕上がりにも必須条項としての「超絶さ」を(なぜか)当店だけが高度に求められてまいりました。一方で皆さんから頂戴する総御予算は(すでに”高い”と思われているのかも知れませんが)決して「青天井」ではありませんので、その総予算の範疇内でどうにかやりくりをして、「どこに出しても恥ずかしくない見た目」と「完全動作状態」を実現しているといった次第です。

 この分解シリーズは、せめて当店の持つ「生真面目な作業態度」と「リーズナブルさ、とは一体どういった状態を指すのか」をこれからマセラティを御購入しようと考えていらっしゃる「予備軍の皆さん」にも御理解頂きたいと念じつつ、毎日ハリ切って更新を続けております。

 ビトルボマセラティは、キャブレター時代のものから、3200GTにいたるまで、キチンと動き、また日常的に且つ長い期間楽しんで乗れるように仕立て直すコトが断じて可能です。もちろんオーナーさんの深い愛情も不可欠であるコトは云うまでもありません。これからも当店顧客とその予備軍の皆さま方と、ワタシたちマイクロ・デポとで手を携えつつ、一台でも多くのビトルボマセラティたちを保護してまいりたいものだと一層強く思うところであります。あらためまして、「皆さんよろしくね(軽っ!:笑)」。

20120616612012061662 

 前フリが長すぎましたが、早速今日の本題へとまいりましょう。

 ダッシュボード右側のエアコンリレーをはずしますが、先日の222SRとはネジの取り付け位置が異なっております。あちらはリレーを一旦抜いて、その下に隠れておりましたが、このシャマルでは、カプラーの根元の方にビスが入っておりました。しかしながら、これはこれで正解のひとつなんですよ。

20120616632012061664 この写真が、電子制御サスのコントローラーユニットです。グローブボックスの取り付けステーに7mmなんていうヘンな寸法のボルト&ナット二組で締結されております。

 コレも初めから「イカにも後付け」といった取り付け方をされているものでして、この状態で正解です。ダッシュボード側に付いているというコトになりますので、このユニットも一旦はずしておきましょう。

20120616652012061666 メータークラスターもはずしていきましょうね。シャマルも222と同様にダッシュボードを貫通するタッピングビスにより締結されております。

 ギブリやクアトロポルテになりますと、メータークラスターをはずすだけでも一大事になってしまうのですが、ソレはまた別の機会にお届けするコトといたしましょう。

20120616672012061668・・・と、メータークラスターをはずした跡地の穴からヒーターケースがどんな具合になってるかと覗き込みますと・・・あちょー!なコトになっておりますよ。

 ダッシュボードとヒーターケースの間に、ダッシュ中央部分のスイッチ群へと繋がる二本のメインハーネスが挟まれた状態になってしまっているのが左側の写真でお分かりになれると思います。あー、やっぱりダッシュボードを一回降ろしてたんだな。ソレにしてもチャンと組んで欲しいものではありますよね。

 いつものように最後はステアリングコラム降ろしです。17mmの締結ボルトをソケットレンチではずしていきます。

20120616692012061670 さあー、いよいよダッシュボードがトレますよー。

 いとも簡単にはずれてくれました。

 「おーい!たすけてー」と三男をサポートに呼びまして、ダッシュボードをえっちらおっちらとオモテに運び出します。ここまでくれば、ようやくホッとするひと時ではあります。

20120616712012061672 ・・・でも、ホッとしている間も無く、先ほどの「ハサんじゃってる」ハーネスが白日の下に晒されてまいりました。

 ねっ?先日おハナシした様に、せっかくダッシュボードを降ろしても、「ネチョドロ部」までもを貼り替えて作業をしてくれるところはご覧の写真のようになかなか無いワケであります。再々申しあげますが、コレは「やらせ」ではありませんで、真実の姿をそのまま実況中継しているものであります。再びステアリングコラムをポストに締結して、走行可能状態に戻しておきます。

20120616732012061674 さ、気持ちを新たにリア周りをバラしましょう。真ん中のボードを先にはずします。二本のタッピングビスを取って。下側を浮かせつつボードを抜き取るようにハズします。

 ここはシャマルだけに独特のパーツ割りではあります。皮が色々と張り付いていたりいたしますので、ビスをはずしても通常は微動だにいたしません。こういった場合には、自信を持って分解方法を知らないと、思い切って作業をすすめるコトが躊躇われる部分ですね。

20120616752012061676 そして、続いてはリアシートのセンターボードもはずしますが、前にココがガッチリ張り付いていたシャマルに遭遇した時には往生したモノです。

 今回は特別にハマる事も無く、無事に分解が出来ました。このあとの分解順序は左右クォーターボード→リアトレー→左右Cピラー内張りトリムの順ですが、今日は収拾が付かなくなるのでここまででヤメておきましょう。

20120616772012061678 ヒーターケースを降ろす時には、冷却水が幾らか室内に出てまいりますので、出来るコトなら、助手席側のカーペットとフロアインシュレーターをはずしておきたいモノです。

 助手席のシートベルト支持具を取りはずし、カーペットをサイドからキチンとめくれるようにします。右フロントフェンダー裏の右フロントスピーカーをはずし、スピーカー下に敷かれた小さなカーペット部材も除去します。

20120616792012061680 カーペットをめくると、フロアインシュレーターが姿をあらわします。

 左の写真の中心部にある「丸いヤツ」なんだかわかりますか。コレはセンターコンソール右側カーペットのグロメットの下に入るハズの樹脂ワッシャーです。前回「省略」されてしまっていた部品の一部がこんなところから発掘されたというワケですね。フロアインシュレーターをハグリ出し、コレでヒーターケース降ろしとメインヒュ-ズボックス根源対策への準備は万端です。・・・この状態で走れちゃう(良い子はやっちゃダメよ:笑)ところが痛快ではあります。

 その後のシャマルはヒーターケースも降ろされて、現在メインヒューズボックスの根源的対策工事中です。二階ではダッシュボード自体の分解と各部張替作業も並行して行われております。222SRもそろそろエンジンがかかりそうですね。

 それでは、また明日!

2012年6月16日 (土)

アホがまた、ダッシュボードを降ろす②(マセラティシャマルの場合)

 今日の東京練馬はスッカリ梅雨らしく、一日中「ショボショボ」と雨が降り続く天候でした。場内では、マセラティ222SRのエンジン整備の続きが粛々と行なわれております。

 ところで、九州地方は大雨でたいへんな様子ですけど、皆さんは大丈夫でしょうか?心配申しあげております。九州自動車道も土砂崩れに見舞われているみたいだし。

20120616012012061602 今日はマセラティシャマルの室内を本格的にバラしはじめるところからでしたね。まずは、グローブボックスを開けて、内部の様子を見てみます。

 ああ、ETCの配線&本体(ハガれて落っこちてた)と、USBの延長ケーブルがありました。あちらこちらが「結束バンド」で縛り付けてありましたので、それらをニッパーでチョッキンチョッキンしていきます。

20120616032012061604 このダクトが、先日御説明いたしました「ドクちゃんの右腕上部」から出てきているものです。

 ダッシュボード右端(ウッドパネルの”Maserati”筆記体ロゴ右側)送風口の裏側に繋がっていたものを、抜いた状態がコレです。

 続いてはグローブボックスをはずしてしまいましょう。

20120616052012061606 そうそう、「りゅたろう」先生が「なんとかならんの?なんとかせんね!」と九州弁混じりでワタシを責め立てる(笑)コンピューター周りの「テキトー」なカーペット造作が見えてまいりました。

 ・・・ねっ?このシャマルでもやっぱりこうなってるでしょ(また、なんかオコられそう:笑)。まあ、なんと申しましょうか「後付け感」が横溢しておりますね、このコンピューターの装着方法には。ちなみにフィアット期以降のガンディーニクアトロポルテだと左右フロントシートの下、ギブリですと左右リアシートの下にコンピューターが設置されています。

20120616072012061608

 ダッシュボード右側の13mm固定ボルトをはずします。

20120616092012061610 シャマルの場合、ダッシュ右側固定ボルトは、コンピューターの取り付けステーと共締めになっています。

 コレがボディ側の台座とダッシュボード台座の間に入っている樹脂スペーサーというヤツです。5枚入ってました。

 ダッシュボード左側も同様にはずします。車外電装品用のアース線(黒くて緑のストライプが入った細い線)が見えますが、コレはもちろんノンオリジナルです。ブルーの太いコード二本もオーディオ関係の社外品コードです。上の方の黒いコードは、たぶんETCアンテナ線だと思ふ。

20120616112012061612 リアシートの背もたれ&座面にあたる部分は、背もたれの頂部をちょっと力を入れて下方にめくりますと取り付けネジを見るコトが出来・・・んっ?すでに付いてませんね。

 まあ、コレはシャマルの場合によくあるコトなんですけどね(笑)。一度ハズすと非常に入れにくいので、アキラメちゃってるものが多いです。ウチで再組み立てする時には、きちんとしたタッピングビスとワッシャーを装着いたしましょう。

20120616132012061614_3 その隠してあった取り付けネジをはずすと、下側からめくりあげるようにして、リアシートマットをはずすコトが出来ます。

 夥しい車外品スピーカー類の配線と、リアシート用のシートベルトキャッチがシートマットの底に埋まっておりました。コレもいつもそうですから、そうそう驚くにアタイいたしません。

20120616152012061616 フロントの助手席シートをはずそうとして、シートバックを前に倒しますと、パワーシートのハーネスがすでに抜けてました(笑泣)のを発見。

 シートの下にはオーディオの装置が取り付けられておりますので、これを取りつける時に付け忘れたモノでありましょう。そのまま助手席シートベルトキャッチを17mmソケットではずします。

20120616172012061618 いつものように、六角レンチを用いてシートレール固定ボルトをはずしていきますが・・・あー、固ってぇー(泣)。ボルトをはずして見ますと尖端がナメちゃっています。

 こりゃ、残りの三本もハマり決定か?ヒーハー云いながらも何とかハズしました。あー、よかった。相手のナット、溶接取れなくて。

20120616192012061620 椅子を降ろすとご覧の状態です。次にシートを取り付ける前には、ボディフロア側に溶接されているナットたちをタップであらかじめ「目立て」しておく必要がありますね。

 金属ブッシュがひとつのボルトにつき二枚ずつ重ねて使われておりましたが、ここまで厚みを出している場合はボルトの長さがもう少し欲しいところです。ご覧のように、写真に写っているボルトの先端6mmくらいまでが赤くサビが移っておりますが、ナットにはここしか噛んでいなかったコトが分かります。ここも、再組み立て時には新しく長いボルトを用意いたしましょう。

20120616212012061622 センターコンソール右側のカーペットを取ろうとしましたら、一切のグロメットと取り付けネジが「省略」されておりました。

 コレはいくらなんでも後天的なモノだよなー。旧いクルマにリスペクトをしていないいわゆる「街のオーディオ屋」さんにシゴトをさせるとすべてが「やっつけ」になってしまうコトが、ここまでの一連でわかってしまいます。電気のコトはいくらか知ってても、内装を組み立てる理念がわかっていないと思われます。後に見えなくなるところは「とことん」抜いてあるというワケです。

20120616232012061624 センターコンソールの右側には、オーディオ関係の社外品コード類がのたくっております。

 この内装分解作業をやりながら、戻す(再度組み立てる)時には、どうしてくれようかと考えるのも大事な仕事のひとつです。特に、オリジナルでないモノとオリジナルのものを併存させる場合には、今後の作業性も考えて、「スッパリ」と分けて考えられるような仕立てに直しておかなければなりません。このクルマの、後のメンテナンスをするのは他ならぬワタシたちなのですから、ここは慎重に考えて作業を進めます。

20120616252012061626 センターコンソールボックスは、今回も何事も無く素手で「すぽっ」と抜くコトが出来ました。こういう「楽」なのと、そうでないモノという違いが、ハッキリとあるのがお分かり頂けましたでしょうか。

 灰皿も素手で簡単にハズすコトが出来ました。このあたり、黒い内装のモノの方が、革に張り付きにくいのかも知れませんね。

20120616272012061628 ブーツの紐を解きまして、マニュアルウッドシフトノブをはずします。マニュアル車のノブは120°等間隔に三か所の「いもネジ」で固定されています。六角レンチを使用して作業を進めます。

 そんなに「ぐるぐる」と緩めなくても、三か所を均等に緩めれば、次第にスポスポと抜けるようになります。ノブがはずれましたら、いもネジは失くさない様に、ちょっと戻して(締める方向に)おくと良いでしょう。

20120616292012061630 続いてパーキングブレーキレバーのノブをはずします。要領は222SRと同じですが、こちらはノブ表面が革に覆われています。

 いもネジは緩みましたが、湿気によるサビがレバーに出ており、ノブの内筒と張り付き気味ではありました。ギコギコして、どうにか分離に成功。

20120616312012061632 前回の222SR篇でもなんとか写真をうまく撮ろうとがんばったのですが、パ-キングレバー根元のブーツ固定爪が左の写真です。

 ここに写っているのが右後方のもの。前後左右四か所にこの鉄の爪がありまして、センターコンソールに引っかけるようにして固定してあります。コレもデフォルト状態に色々と相違がありまして、爪の折曲げ方やサビ方によって、簡単にハズれるものとそうでは無いものでは、手間が格段に違います。ちなみに、このシャマル子ちゃんは「イイ子」でした(笑)。

20120616332012061634 さらにセンターコンソールのボードをはずします。このボードは鉄板製で、前方に二個、後方に一個の爪が溶接されています。

 鉄板に革を張ったダケで、こんなにも妖艶なムードを出してしまうのですから、イタリア人の造形力には感心いたします。灰皿の跡地から指を入れ、後部の爪を前方に追いやりますと、後ろ側からめくるコトが可能になります。

20120616352012061636 パワーウインドーとパワーミラーのスイッチをそれぞれカプラーから分離します。そしてスイッチとカプラーには、後の組み立てのために必ずマーキングを施します。

 何か、グレーのコードが出てきていますね。コレは先日の222SRには装備されていなかった、電子制御サス(アクティブサス)の可変切り替えスイッチのコードです。

20120616372012061638 ・・・で、そいつの先端は。ダッシュボードの裏に隠れています。マーキングをしてはずしておきますが、ここでも社外品のコードが一緒に束ねられており、結束を解かねばなりません。

 ルーティン通りに事が運ばないとなんとなくアタマがイタくなってまいります。アホなワタシの脳内にある「作業フローチャート」が幾度も書き換えを余儀なくされてしまうからでしょう。さりとて、ここも再組み立て時にはなんか考えなきゃな。

20120616392012061640 いよいよ、センターコンソールをダッシュボードから分離する工程に入りました。後部二本のタッピングビスをはずしていきます。

 ここにもあるはずのスプリングワッシャーがすでにありません。コレは「オーディオ屋」のしわざでは無さそうだけどなー。んー、またまたイヤな予感が走ってまいりましたよー。

20120616412012061643 センターコンソールのサイドをダッシュボードと締結しているタッピングビスをはずすに及んで、予感は確信へと変わりました。

 リア送風口への導入ダクトが前後ろさかさまに付いてしまっています。本来はジャバラになってる方が前方(写真では右の方)であるべきところです。このシャマル、きっと近過去にダッシュボードを降ろしたコトがあるに違いありません。

20120616422012061644 オーディオをはずそうと思ったら・・・えー、トマってない。取り付け金具ごと、スポッと抜けてきてしまいました。取り付け金具のツメはきちんと折りましょうね、面倒くさいのは重々わかるけど。

 あー、ウッドパネルにもクラックが入っているのね。オリジナルの小さな皿タッピングを失くしたモンで、ワンサイズ大きなモノが強引に入れてあったせいだと考えられます。コレも交換しないとなりません。ひょえー。

 ソレにしても、テキトーな日本人たちだよなー。ここまで続くとなんだかアタマに来るのを通り越して、爽やかにそして静かに「ヒトの道」を説きたい心境になってまいりました(笑)。

20120616452012061646 まあまあ、と心を鎮めつつ、タッピングビスをはずしていきます。右側の写真がノンオリジナルのビスです。

 とにかく「手造りのカタまり」のように設えられたクルマたちです。そして「手抜き」は一切許してくれません。真っ当にバラし、真っ当に組む。コレしか確実な必勝法は無いのですけれど。

20120616472012061648 ウッドパネルをはずしましたら、今度はエアコンコントロールユニットをはずしていきます。

 これは、小さなタッピングビス四か所で固定されておりますので、下に落とさぬ様気を付けながら、先の細いプラスドライバーを用いて作業をすすめます。

20120616492012061650 先日の222SR篇の時には文章でお伝えするに留まりましたが、エアコンコントロールユニットのカプラーはこの写真の様な要領でハズします。

 「左側を支点にして」というのがこういうコトです。このカプラー、再組み立てする時には、「色んなコト」をする必要がある大きなチェックポイントです。

20120616512012061652 こちらも、毎度おなじみのセンタースイッチ類です。シャマルの場合には、フロントバンパー内のドライビングランプ用スイッチが二個に分かれているところが特徴的です。

 すべてのスイッチと各カプラーには、数字をしっかりとペイントマーカーでマーキングしておき、後の備えにいたしましょう。

20120616532012061654 続いては「金時計」を素手でハズします。時計駆動用のハーネスと、内部照明用のコードが出てきます。

 運転席のシートベルトキャッチも、この遥か先の工程のためにハズしておくコトにいたしましょう。

 続いてはセンターコンソールを分離して車外に出したいと思います。

20120616552012061656 必ず車に「輪止め」を掛けてから、パーキングレバーの前後固定ボルトをはずします。

 ここまでくれば、「エイヤー」と、いつものようにセンターコンソールがはずせるハズなのですが、ここまで佳境に入った状態になってるのに思わぬ伏兵が現れて、一瞬お先がマックラに。えー、ホントかよー。

20120616572012061658 あー、中途半端に社外品のオーディオコード類が、センターコンソールのフレームの中を通しちゃってあります。

 コードを切断するワケにもいかず、さりとて、前方にコードを手繰っていっても、どこまでも続いていて、ここでコードの尖端部までバラしちゃうと、さすがに収拾が付かなくなってしまいます。仕方が無いので、コンソールフレームの一部を分解することになりました。溶接では無くてリベット止めであったのが救いです。ドリルでリベットを揉み、その頭をトバします。

20120616592012061660 どうにかフレームをずらしてコードをこちら側に出すコトが出来ました。パーキングブレーキレバーを一旦元通りに固定し直し、引いて(ブレーキを掛けて)おきます。

 コレでいつものようにセンターコンソールを車外に出して、助手席の床に自由に寝ころんでの作業を遂行することが可能になりました。

 そうでなくてもショートホイールベースクーペのシャマルやカリフでは、一旦すべてを降ろしてキチンとした姿勢で仰向けに寝たいものなのですが、どうにもカラダを伸ばせないので窮屈な姿勢での作業をいつも強いられがちなんですよねー。

 今日の教訓:皆さん、頼むからマセラティは「マセラティへの愛」が溢れるお店で買ってください(本日ココに挙げただけでも、後天的なチョンボが幾つありましたでしょうか:泣笑)。

 皆さん、今週も毎日毎日「アツい」コメントを有難うございました。続きはまた来週!

2012年6月15日 (金)

アホがまた、ダッシュボードを降ろす①(マセラティシャマルの場合)

 ぃよーおっ!ポン(鼓の音:笑)・・・と今日は「和風」にハジまりましたが、特に深い意味はありません。今日は静岡県は伊豆方面(このあたり:音出ます、注意)での査定ミッションから先ほど帰ってまいりました。長時間列車に揺られて、アタマの中身が「ガタゴト」としております。帰りは「おだきゅー、おだきゅー、ピポピポー(笑):音出ます、注意」で。行く途中では「湯河原のタレ目」さんの(だと、ほぼ間違いなく思われる)クアトロポルテV8を東海道本線の車窓から発見いたしましたよ!・・・なんだかとっても嬉しかったです。

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 さあ、皆さんお待ちかねのマセラティシャマル、バラしますよ。まずは、恒例の(笑)ボンネットエアロダイナミックスポイラーはずしから。

 シャマルの場合は、ボンネットフード後端部から三本のステーが溶接により生えていて、そこにタッピングビスをそれぞれ二本ずつたてて直接固定しています。タッピングビスですから、適当に締め&緩めを繰り返していくと、スポイラーのネジ穴がそれこそ「バカ」になってしまいます。290Km/h以上時の風圧に果たして耐えうるのかと大きなギモンが湧きます(笑)ケドね。

20120615032012061504 で、おりゃー!とハズしますと、そのスポイラー取り付けステーが姿をあらわします。

 その様子をじっと見つめているのはマセラティギブリカップであります。

 ビトルボ好き垂涎の二台がマイクロ・デポで夢の競演というわけです(このギブリカップの横にはもう一台のシャマルも・・・あっ、春日町作業場の方にも、さらにもう一台、ねっ!:笑)。

20120615052012061506 今度はバルクヘッドカバーをはずします。まずはウェザーストリップをはずしまして、「カポッ」とカバーを浮かせつつはずします。

 「えー?何にも留ってないのー?」「はい!留っておりません(笑)」コレで正解であります。このバルクヘッドカバーは後期222SRあたりから装着されるようになったモノです。このカバーにより、多少ではありますが、ワイパー周りやその他の補器がホコリや雨水から護られるようになったというワケです。

20120615072012061508 バキュームサージタンクもはずしましょう。太細二本のホースを引き抜きます。

 プラスドライバーで両側二本のタッピングビスをはずします。

 この間の222SRと違ってタンクの手前には「フィン」が見えてますね。このフィンはそのまた手前に見えている「イグナイター(右写真右側に白く見えるヤツ)」を冷却するためのものです。結構凝ったコトがしてありますね。

20120615092012061510_3 タンクの取り付け土台には、斜めにカットされた樹脂スペーサーが入ります。イグナイターの冷却フィンが付いている分「逃げ」を設けるためです。

 取り付ける時には充分な注意をして現物合わせでスペーサー角度をキメていきます。なんと申しましょうか、非常に場当たり的でイタリア人らしい対応策(笑)ではありますね。

2012061511_22012061512 はい、こちらもスッカリお馴染のブロアーレジスターです。レジスターとは抵抗器。ここで電圧を三段階に変化させるコトにより、室内への送風量を1・2・3と可変させるという役割をしています。

 ・・・そのカプラーを見てくださいな。やっぱり、こんがりキツネ色になっていますよ。水が掛かってしまうところですからねー、ココはやはりなんとかしないと。

20120615132012061514 続いては外気導入口のカバーをはずします。ホントに何もかも寸法の取り合いがギリギリです。

 寸法の取り合いがギリギリな設計をされたモノ同士というのは、入れる時には「スポン」と入るものなのですが、いざ出そうとする時には色々と引っ掛かったりしてなかなか出てはこないものですね。さらに、カバーに付いた外気検知センサーのカプラーには、先日ご紹介したカプラー内部の崩壊を恐れて一旦コードを別の部分で切ってしまい、丸カプラーで抜き差し出来るように改変されておりました。

20120615152012061516 どうせこうするなら、二本の線を色別に「オス・メス/メス・オス」と互い違いにしておけば結合時のケアレスミスが防げるようになるのに・・・。

 まっ、線の色をみればわかるといった理屈なのでしょうが、暗いところでの応急処置などの場合には、こういった細かい配慮こそが重要なのです。国産車はこういったところのロジックが優れているんですけどね。続いては、外気導入口のウェザーストリップをはずしておきましょう。

20120615172012061518 さらに、ワイパーユニットをはずしますが、今日は気分を変えてバルクヘッド内の13mmナットの方からはずしてみましょう。なんとなくワタシの「野生の勘」で、イヤな予感がするからです。

 この段階で、すでにお気づきの方もいらっしゃるかとは思いますが、先日の222SRと「ブロアーレジスターの取り付け位置」が違うと思いませんか?アレは、ハーネスの長さやら、バルクヘッド内の様々な物品同士の寸法の取り合いの兼ね合いを睨みつつ、「付けてよさそうなところ」を探して付ける(ホントかよー:笑)。というので正解です。「水に濡れにくく、放熱しやすく」が要求事項ですから、相反する要素を満たさなければなりませんが、そんな理想環境はこのバルクヘッド内には結局のところ有ろうハズもありません(泣)。

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 ワイパーモーターのカプラーをはずし、ワイパーアームも取っちゃいましょう。

 このあたりのプロセスは、先日の「222SR」と全く同じで、とりたてて目新しいところはありません。まずは樹脂のカバーをマイナスドライバーの先などで丁寧にはずしていきます。

20120615212012061522 13mmのナットと波板状スプリングワッシャーを取り、ワイパーアームを根元からそっくりはずします。

 アームをはずす時には、必ずウインドーから浮かせた状態(アームを折り曲げた状態)で、コネコネといたします。そうしないとテコでも取れないように出来ているものだからです。取り付ける時はその逆で、とあるスプラインの嵌合部をキメたら、一旦アームを寝かして(伸ばして)位置決めをし、そのままナットを入れて締結します。

20120615232012061524 続いて22mmの軸ナットはずしですが、ココが先日も問題にした部分。やはり前にいじった形跡があり、ボックスソケット工具がきっちりと入りにくかったです(右側写真のように、かなり左側に芯ズレしていました)。

 そのような場合は、一旦ボンネットを開け、ワイパーユニット自体を動かして、軸の周りにソケット工具が入るように考えます。そのうちベストポイントが見つかるハズですよ。

20120615252012061526 で、無事に22mmナットがハズれましたら、樹脂のスペーサーとともに保管いたしましょう。

20120615272012061528 すべてがハズれましたので、ワイパーユニットを「知恵の輪」のようにややこしいコトをしながら取り出します。

 今回のシャマル篇では「ややこしいコト」をしている途中で写真を撮っておきました。バルクヘッド内が比較的キレイであったので、それも達成出来たというワケです。

 ワイパーの駆動軸に被さっているおそらくは「デルリン」製の樹脂カラー(右側写真の白い部分)を一旦必ずはずして保管するようにすると良いでしょう。コレ、無くすと結構面倒なコトになりますから。

20120615292012061530 

 これで、ようやく工具が入るようになりましたので、バルクヘッド内にある四本のダッシュボード締結ロックナットをはずします。

 ワタシたちの場合は、先端部が少しずつ微妙にフレキになっているエクステンションバーを、相手の角度にピッタリと合致する様に複数個組みあわせて、使いやすい構成を考えつつ作業しています(コノ作業、とてもコシに来るもんでね)。あー、あとは、原則的に「エアツール」や「電動工具」は使いません。というか、ワタシの場合には素手勝負の工具を使用する方が、軽いし正確で結果的にハヤいのです。

20120615312012061532 ダッシュボード締結ボルトが四本ともにはずれましたら、エンジンルームやバルクヘッド内に工具などの置き忘れが無いかを「よーく確認」し、ボンネットを静かに閉じます。

 コレで、ダッシュボード降ろしの「あくまでも準備段階」がようやく終了です。いたずらに「正確さを欠く」作業スピードを誇っても仕方がありませんが、ワタシの場合は写真を撮影しながらでもここまで終わるのに結構ハヤかったです。222SRで同種の作業をやったばかりなので、ノリが良かったのかもしれませんね。

 それでは、また明日!

 

2012年6月14日 (木)

ドイツ人もしょうがない(えっ、それホント?:笑)

 本日はちょっと「本ネタ」からはハナれまして、おいおい!ソレは無いだろうといったハナシをひとつだけ(小ネタで失礼します)。

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 ここ最近、ウチの三男が通勤のアシにしておりますのは、ヒト月程前に手に入れた「メルセデスS500」。

 先週末に彼が帰宅する途中で、突如エンジンルーム内より「ごぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゅーん」というゴムのスレる様な、その一方で金属質な音でもある様な不思議な大音響が発生し、ソレと同時にエンジンもスムーズに回らなくなったそうです。

 あわててエンジンを止め、ボンネットを開けて暗闇の中を睨みつけますと、ゴムベルトのちぎれた様な環状の物体がアンダーカバーの上に落っこちていたそうです。その後もとりあえずエンジンは回るので、おそるおそる5キロの道のりを自走で帰宅したそうで、まったく普段はお客さんに口酸っぱく「緊急時の対応法」などを得々と語る彼も、コト自分のクルマになりますと、その扱いはかなりテキトー(笑)ではあります。

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 ・・・で、ご存じの様に、自分のクルマなんかイジる時間などまったく無い彼は、「ドイツ車の師匠」に修理を頼むべく、我が「エス・オー・エス」のローダーに載せて貰い、クルマはドナドナされて行きました。

 その日の午後にはベンツ君が戻ってまいりました。その問題のパーツがコレ。なんとクランクシャフトプーリーが分離してしまっていたのです。ちなみに走行距離は4万キロちょっと。「師匠」が云うには、「高速(道路)でコレくらったら、ラジエターには穴開いちゃうし、ヘタするとエンジン一発でオシャカだよ。よかったねー、街乗りで」だって(笑)。

 このトラブル、この時代あたりのベンツでは良くある「お約束」らしいです。なんでも、対策品は過去3回モデルチェンジをしているらしく、現在供給されているモノが「テイク3」だと云うのです。そもそもは、ドライブベルトの共振を少しでも和らげようとしてのこの構造らしいのですが、ハッキリ言って無理がありますね。金属同士でゴムなどの弾性体をサンドした物は大概ロクなコトになりませんが,こんなに高速でブン回るところを何もこうすることは無かろうに・・・。今や「ここ最近のドイツ」もこんなものですよ。現行のクアトロポルテが輝いて見える出来ごとでした。どうせコワれるんならイタ車がいいよな、やっぱり。オソマツ!

 それでは、また明日。

2012年6月13日 (水)

マセラティ222SRの内装全分解工程(その4)

 6月に入って、ここのところ結構肌寒い日々が続いております。御風邪を召してらっしゃる方も多いと思いますが、皆さんもご自愛くださいね。一方、こちらのブログなんですが、ここのところ結構「濃厚な」本ネタが続いておりますので、いい加減皆さんも飽きてきてるのではないかとちょっと心配ではあります(しかも昨日のコメント欄を拝見いたしますと”あまりのグロさ”に皆さん些かならず「ヒイ」ているのでは無かろうかと若干の懸念もあったりして)。

 ・・・が、今日もしつこく、ソレ(笑)。

20120613012012061302 でも、御心配には及びません。昨日までの「ウゲウゲ状態(笑)」から一転、本日はヒーターケース関連のそれぞれの部材がスッカリ美しくキレイに生まれ変わった姿をご覧に入れたいと思っております。

 はじめに云っておきますが、本日写真に写っている品々は、すべて昨日まで御紹介した現品の作業後の状態をそのまま撮影した画像です。新品を撮影した「まがいもの」ではありませんからね、あしからず(ココまでに出来るワケ無いヨーという”心なきツッコミ”をあらかじめ防御:笑)。

 まずは、エバポレーターの頭部と、ブロアースリットファンを覆うメインケースのふた部分です。仕上げにはシリコンオフを使用しており、この段階ではすべての部材にツヤ出し剤は一切使用しておりません(まだ、このあとにウレタンフォームの接着工程が控えているため)。

20120613032012061304 昨日のコメント欄「おぐ」さんからの御指摘(ご質問?)にお答えいたしますと、「ネチョドロ画像」の撮影は、ホントに困難をキワめてのものでした。

 あまりにも「グロ過ぎる画像」を載せるのもどうかといったワタシの中の逡巡と、作業中のデジカメ撮影が困難であるとの理由で、従来のこのシリーズでは、「ネチャドロ搔き落としシーン」を自粛(笑)しておりましたが、この際「マイクロ・デポが徹底的にやる納車整備作業」というのがどういったモノであるのかを御理解(どちらかと云えば、これからマセラティ中古車を買おうと思っている方々に)頂くべく、あえて載せさせて頂きました。

 服地の裏地に凝る様に、ホントに本物の「粋」というのは見えないところを如何に「シレっと」造り込んであるかに掛かっているとワタシは考えます。「最高級機械式腕時計」なんてのも、そういった世界の産物ですよね。徹底的に造り込まれ且つソレが正確に作動しなければ、時計に4千万円もハラえませんって。クルマも同じです。当店では金時計まで付いた(ソレでいて、きちんとエアコンまで効いて走りもする)ビトルボマセラティ(笑)を総額170万円程度のモノからご用意しております。ワタシはどのように考えても「お得」であると思います。

 ちなみに今回の撮影の仕方。デジカメは作業中にビニール手袋をしたままの左手で保持し、親指をカメラ上部のシャッターに、残りの人差し指を除く3本の指をカメラ底面に添えるようにしつつ一瞬にしてワンカット2~3枚ずつ撮影しています。当然カメラは「ものすごい状態」にはなりましたが、作業完了後に丁寧に汚れを拭き取り、労ってやりましたよ。

20120613052012061306 外気導入口もご覧の様に裏表ともにキレイになりました。

 ヒーターケースの組み立てが済んだら、ここにはウレタンフォームが貼られます。ヒーターケースAssyの頂上に来る部材です。いつも洗浄清掃する時に、その入り組んだ形状には手を焼きます。

20120613072012061308_2 はい、こちらは御馴染「ドクちゃん」の胴体部分です。ダッシュボード中央部の二個の吹き出し口に接する部分です。

 「ちょこんと投げだした足」に見える部分は、センターコンソールに仕込まれたリア送風口への導風ダクトに繋がってまいります。意外と真面目に「クライメートコントロール」化しようとしてるんですよ(笑)。

2012061309_22012061310 裏側の拡大写真を載せておきましょう。精密マイナスドライバーとシリコンオフを浸したマイクロファイバークロスにより隅々まで「仕上げ拭き」を施してあります。

 組み立て直前に、フラップ鉄板へのウレタンフォーム再接着と、可動部への給油を行ないます。「ドクちゃん」頭部にも厚手のウレタンフォームを貼っていきます。

20120613112012061312 「ドクちゃん」腕部にあたる足元向け送風口は、分解された状態ではこのように小判型の穴になっています。

 丸い筒状部分には樹脂の細いジャバラダクトが取りつき、それぞれがダッシュボード左右の一番端にある、左右ドアデフロスターへの送風口(ドアを開けた時、ダッシュボードの脇にゴムのジャバラがついた穴が見えるでしょ、まさにソコです)にエアを送ります。

 このダクトの取り付けはダッシュボード搭載組み立て工程の最後の方で行なわれます。

2012061329_22012061330_3 一番大きなメインケースも水洗いの後、一旦乾燥させて、中も表もシリコンオフで仕上げ拭きいたしました。

 とりあえず、ここまでヤレばようやく、エアコンONでの「車内飲食(笑)」も出来ようかというものです。コレで皆さんも安心でしょ。

20120613132012061314 外気導入・内気循環切り替えフラップに貼られるビニール製表面皮膜部材です。

 前にもおハナシいたしましたが、デ・トマソ期までのものでは、このように厚手の素材が選ばれておりますので、キレイにして再使用出来ます。フィアット期のギブリやガンディーニクアトロポルテでは、ここにかなり薄い素材が使われているため、再使用は不可能。よって、当店ではこの部分も新しく切り出したものを造って装着しています。

20120613152012061316 左側の写真は左右の足元送風口フラップとソレを駆動するダイアフラム。写真中央のちょっと大きなものは内部フラップ駆動用のモノです。

 右側の写真は「ドクちゃん」の腕にあたる、左右足元への送風口です。上部の円筒形部分には樹脂製の太いジャバラが取り付けられ、ダッシュボード両端左右の顔面送風口へとエアを導きます。

20120613172012061318 この小さなケースが変形したり、取り付け不良であったりいたしますと、その内部を摺動する小判型フラップの動きに「引っかかり」が発生いたします。

 というわけで、前述いたしましたように、小判型のフラップは折れているコトが多いというわけです。樹脂の「イキ」が良い時だけちゃんと動けばいいのだという「マズい設計思想」が見てとれます。コストダウンはロクなことがありません。

20120613192012061320 昨日の最後に御紹介した、ケース最下部に位置する「導水板」です。発生していた赤サビが転換剤の作用で化学反応し黒く変色しています。

 ここはあえてこれ以上の塗装を加えずにそのまま組み立てるコトにいたします。塗料の揮発臭を避けるためです。錆転換剤には乾くまでに独特の臭気が若干ありますが、完全乾燥すると、ほとんど無臭化いたしますので大丈夫です。

20120613212012061322 昨日「ネチョネチョ」まみれであったフラップもご覧の様にすっかりキレイになりました。

 樹脂フラップの軸部分をこれから直していかねばなりませんね。また、皮膜部分のウレタンフォームもそれぞれに貼り直さねばなりません。

20120613232012061324 すべてのバキュームホースとワイヤリングハーネスAssyの各部に附着した「ネチョネチョ」類やホコリ汚れもすっかり除去いたしました。

 ホースそれ自体には弾力性も柔軟性もまだまだ充分にありますから、このままでしばらくは大丈夫です。ハーネスの各部皮膜も健康。こういったゴムホース類やビニール皮膜コードの品質は、欧州車においては、この時代までのクルマが最高に良かったモノであったと云えます。90年代中盤からドイツ車を先頭に使われ始めたリサイクルペレットを混ぜた樹脂成型品や弾性材については、ワタシたち、当初からかなりの懸念を抱いておりましたが、10年程度経過すると、「やはりダメか」と云わざるを得ません。もっとも、「6年でクルマを捨ててね」という、メーカー主導の「エコ思想」にはキッチリと合致した品質ではありますが。

20120613252012061326 ケースの組み立てに使用するタッピングビスも、あらかじめ溶剤に付けておき、頭部の「ネチョネチョ」を溶かし落とします。

 右の写真は左からサーミスタとブロアーレジスターです。

 サーミスタから「クルクルと」伸びている針金状の部分は「キャピラリー管」と呼ばれる部分です。ヒーターケースをすべて組み立て終わった後に、ケースに開いた小さな孔からこのキャピラリー管をさしいれて、先端部分をエバポレーターのコア内まで送り込みます。エアコンの物理反応が進み過ぎて、内部を凍結させないための「冷えすぎ防止装置」とでも云うべきものです。89年あたり以前のビトルボ系マセラティにはコレが付いていなかったので、真夏にはホントに凍ってました。凍るとエアコンは機能を失いますので、当然の如くに車内の人間の方は暑い(笑)です。ここ10年の当店出荷車は未装備車にこのサーミスタを追加する工作を(頼まれもしないのに:笑)施しておりますので、御心配は要りません。

20120613272012061328 昨日も御紹介したカプラーの内部崩壊。

 ご覧の様に、ちょっと突くと耳あかのようにポロポロととれてしまいました。ここは、ヒーターケース搭載後に、ブロアーレジスターの直付け配線ともどもに処置してまいります。

20120613312012061332 こうして、ケースの各部材は悉く生まれ変わったワケですが、内部のエバポレーター&ヒーターコアはいまだ未完成です。まずは、散見される錆に転換剤を塗布して行きわたらせます。

 実際に、この部分はエアコンを使用している時には常時水分でビショビショになっているところです。乾く間も無く毎日使用しているクルマの方がカビもサビも出にくくて、コンディションを保ちやすいというのには、こういったコトもあるのですね。

 それでは、また明日!

2012年6月12日 (火)

マセラティ222SRの内装全分解工程(その3)

 はい!こんばんは。今日も午前中から本格的に雨が降り続く天候になってしまった東京練馬ではありますが、そのような中でも作業は精力的に進めておりますよ。本日も昨日の続きで、マセラティ222SRのあれやコレやをお届けしようと思っております。

20120612012012061202 例の「タール状物質」が周囲に散らばらない程度に落とせましたらば、ケースに取り付けられている機構部材を分解していきます。

 コレは顔面送風と足元送風を制御するフラップの駆動部にあたるダイアフラムです。このダイアフラムとフラップとはストップリングで締結された状態のままで取りはずしていきます。この時フラップの軸部はあっさりと折れてしまう(若しくはすでに折れている:泣)場合も多いのですが、この222SRでは、しっかりとしていました。

20120612032012061204 小判型をしたフラップの方は、「ドクちゃん」の腕にあたる部分を分解すると出てまいります。

 二本のタッピングビスをプラスドライバーではずし、指でカバー部をつまみながら、中の爪を逃がしつつ、フラップを壊さないように分解します。

20120612052012061206 各ケース同士の接合部分には、ウレタンフォーム材か、シリコンシーラーによって「目止め」が施してあります。

 それらはすべて一旦除去していく必要があります。

 揮発しにくい溶剤をジャブジャブと掛けてしばらく置き、ふやかした状態になったら、樹脂ベラで掻きとっていきます。

20120612072012061208 ・・・と、フト見ると、はじめから10cm程度の長さでウレタンフォームが欠損しています。

 過去に分解された形跡が無いヒーターケースでしたので、コレはおかしいと思いケースの「相手方」を見てみると・・・

 あー、やっぱりいましたね。ヒーターケースの組立製造時にはすでに一部が裏返ってハミ出した状態で組まれていたコトがわかってしまいました(笑)。ちょうど「Mの字型」のスジが付いているのを右の写真でご理解頂けるコトと思います。

20120612092012061210 こちらは「ドクちゃん」の裏側にある、リア送風口にエアを送るかどうかをキメる「ダイアフラム&フラップAssy」です。

 例によってケースの塞ぎ口にあたるフラップ表面には、ウレタンフォームが貼り付けてあります。当然ここにも、劣化したウレタンフォームを剥がしていく工程が入ります。

20120612112012061212 ブロアーレジスターのギボシカバーはすでにキツネ色に焼けた形跡があります。

 この部分の「焼け」は経年した「すべてのビトルボマセラティ」で見られる症状です。

 塵や湿気、ホコリやギボシの腐食などにより、つねに接触不良気味であるのが、この症状の原因です。ここでは一旦ギボシを除去したうえで、ケース組み立て工程の最後で、ハンダによる直付けとし、熱収縮チューブで絶縁して対策とします。

 もう一つは外気導入口のカバー(デ・トマソマセラティでは、油脂類のスペックプレートが付けられている、アレ)裏に付いている吸入気センサーのカプラーなのですが、絶縁カプラーをめくると、内部の絶縁カバーは風化してコナゴナになっています。この状態も「デフォルト(まじで?:笑)」ですから御心配には及びません。コレはまた、あとで出てまいります。

20120612132012061214 ケース同士が結合されているモノはすべて「最小単位」になるまで分解していきます。

 ここは、バルクヘッド内に顔を出す(カバーは被っているけれど)部分なので、泥汚れも激しい部位ですね。とにかくバラして隅々までも清掃してまいりましょう。

20120612152012061216 こちらは、「外気導入と内気循環を切り替えるフラップ」を駆動するダイアフラム。

 目止め用のウレタンフォームがヒドく無残な様相を呈しておりますので、ここも分解していきます。小さなタッピングビス二本をプラスドライバーではずすだけです。

20120612172012061218 さあ、ここからしばらくは恒例の「エロ・グロ・ナンセンス(笑)」コーナーですから、ご飯食べながら見るのはヤメておきましょうね。

 全体的に分解がすすみましたので、今度は各部材に附着した「タール状充填材」を徹底的に除去していきます。

20120612192012061220

 ところどころには劣化ウレタンフォームも登場いたしますので、先に御紹介いたしました要領でコレも剥がしていきます。

20120612212012061222 どの部材も「オモテはタール・ウラはウレタンフォーム」という感じの構成になっているので、ひとつひとつを完全に除去して清浄な状態にまで仕上げていくには非常に時間と手間が掛かります。

 こういった作業を「みるみるうちに」出来ちゃうとカッチョいいのかもしれませんが、コレでも現在辿りついた工法が一番速くて完全なモノであると信じて取り組みます。「嗚呼、匍匐前進(笑泣)」

20120612232012061224 ウレタンフォームの劣化の仕方には様々な段階があります。表面だけがポロポロと剥がれおちる状態のモノはまだ「軽度」でして、この写真でご覧のフラップなどは、「完全風化状態」になっており、もはや「人口砂」と化しております。

 ここまでイッてるヤツはヘラで掻き落とすと簡単に終わってしまいそうですが、接着剤層だけがガッチリと残るので、ここまでの完全除去を目指すとかなりしんどい目に遭います。

20120612252012061226 ボンネットフードインシュレーターの張替や、天井落ちの修理なども、コレのもっと大規模なモノと御考えくだされば理解がハヤかろうと思います。

 とにかく、第一次フィアット期までのビトルボマセラティでは、低質なウレタンフォームがありとあらゆるところに多用されております(例えば先日のシャマルのドア内部カプラーを覆っていたウレタンフォーム材は触るとモロモロとあっけなく崩れていきました)ので、この素材の扱いに関する勉強は現在にいたるまで随分とヤラされたモノでした(笑)。

20120612272012061228 ・・・はい!「ネチョネチョ・ドロドロ系画像」は終わりましたよー。

 ホントは上の写真どころでは無い量の「ねちょねちょハガしポイント」があったのですが、いい加減クドくなるので(グロいし:笑)ヤメておきました。

 すべてのケース部材に洗剤掛けて水洗いをいたしましょ。あー、ホンの少しだけ爽やかな気持ちになってまいりますねー。

20120612292012061230 ・・・と気持ちよがってたら(笑)思わぬ伏兵が。

 エバポレーターで結露した水は、重力に従い下方へと落下いたしますがそれらの水のドレーンまでの通り道がご覧のようにサビています。

 毎日、常にキレイに水がちょろちょろと流れ続ければ、このようなサビの発生は無いモノですが、「タマに乗る→エアコンつける→水が発生する→下に落下→そこにゴミやほこりが堆積→吸湿する→しばらく乗らない→サビる」という具合に朽ちていくのであります。それでも、この個体の状態は「上」であると断言出来ます。この防錆処理をほどこされた鉄板が原型を留めないほどに朽ち果てているのも中にはあります。

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 この導水板は、たった一本の小さなタッピングビスにより固定されております。

 ゴミたちをどけていきますと、埋まってました。精密プラスドライバーではずします。ここにおいて、このビスの頭が残っているコト自体が稀なんです。大概はビス頭部はサビによりすっかり朽ちており、ドライバーを捻ると即座にナメるのが定番です。ここは手が掛かりませんでした。ナメた場合?バイスプライヤーで挟み、ちょっとずつ緩めていくんです。アタマがハサめない程に無くなっちゃってる場合は色んなコトをしてほじくり出すしかありません。

20120612332012061234 導水板がはずれましたので、通常はいよいよ見えない最下段のドレーン口が見えてまいりました。

 はい、またもや洗剤掛ける、歯ブラシでコスる、水で流すの繰り返しを延々とやります。

 特にエバポレーターとヒーターコア、そしてブロアーモーターの入る、このメインケースは枯れ葉や猫などの動物毛、汚泥や金属粉などなどと、様々な種類のヨゴレが附着しておりますので、色々な手段を講じつつ、すべてを落としきるまで奮闘いたします。

20120612352012061236 さあさ、ずいぶんキレイになった模様ですので、すすぎ工程にまいりましょう。ドレーンホース内にも洗剤を入れてありましたので、それもすすぎながら、最終的な「抜け」状態を確認いたします。

 エアコンの発する水分は、真夏の湿気が多い時期などには、驚くほどの量が発生いたします。車体をリフトアップするコトにより、ドレーンホース内の詰まりを突きだす芸当が出来るクルマも世の中には結構あるのですが、このビトルボマセラティでは、まず難しいものと思われます。

20120612372012061238 ケース類(大物)を大体洗い終えましたので、今度は小さな部品の数々を仕上げてまいります。

 それでも、「コレ(ヒーターケースの分解清掃整備)たいへんだよなー、ヤル気しねぇー」と思っているアナタには「朗報」がありますよ。高年式車にすればいい。

 フェラーリ傘下以降の現行「クアトロポルテ」なんかでは、「ヒーターケースAssy(笑泣)」新品交換対応出来ます。どでかいヒーターケースユニットを丸まるソックリ交換です。ちなみにウチに新品在庫あるよ(長さ2m高さ1mの木箱に入ってやってきました:笑)。ダレか買わない?コレ。

 ・・・旧いクルマは、根性さえ発揮してバラせばどこまでも細分化して心行くまで直せるところが素晴らしいですね。

 昨日のコメント欄、「練馬のH」さんと「まおぴー」さんのご指摘に沿ってワタシもおハナシさせて頂きますと、メルセデスでもアウディでも、旧いのは基本的に同じようなモノ。80年代90年代のフェラーリにいたっては、このビトルボマセラティ用とはヒーターケースの製造メーカーも同じで、ほとんど兄弟のような構造(フェラーリの方が何かとひと手間掛けてはある:笑)なんですよ。世の中にあるほとんどのポルシェやフェラーリの20年落ち車は、エアコンかけると色んなものが、吹き出し口から飛んで出てきます。ひとりマセラティだけが「こんな」なのではありませんよ(名誉のために申し添えます:笑)。ちなみに「カップホルダー」、ワタシは絶対に付けませんし、車内で飲み食いもあまりしたくはありませんね(笑)。

 それでは、また明日!

2012年6月11日 (月)

マセラティ222SRの内装全分解工程(その2)

 いやいやいや・・・。今日も朝から雨がパラ付く東京練馬ではありました。天候のせいか、左の肩、コシ、首筋そして後頭部や奥歯にいたるまで神経痛がいたします(泣)。・・・すっかりトシあるね(笑)。先日、「練馬のH」さんから頂戴した「鳥手羽煮」を肴にウーロンハイでも飲みまして、今晩は英気を養うコトといたしましょう。

20120611012012061102_2 今日は、先日のダッシュボード降ろしの後、さらに深く「降ろしと分解」まで済んでおりました、マセラティ222SRのヒーターケースをキレイに仕上げてまいりましょう。

 本日は各部を洗浄してしまう前に、これからヒーターケース内の「20年分の使用感」といったものが通常どういったものであるかをご覧になって頂きます。些かならず「グロい(笑泣)」画像が以下頻出いたしますので、食事を採りながらの閲覧はお奨めいたしませんよ(笑)。

20120611032012061104 エバポレーター&ヒーターコアと、ブロアーモーターを設置するメインケースがコレです。

 底の方には枯れ葉や土埃がいくらか堆積しているのが見てとれますが、コレでも「最上級(ホント?)」にキレイな部類です。それぢゃ、「最低級(笑)」はどんなかと申しますと、いくらワタシでもここで開陳する気持ちにはならないくらいにスゴイ状態です。コレはマセラティに限ったコトではありませんで、国産車でもドイツ車でも、軽自動車でもロールスロイスでも、経年すればこんなモノです。知らなければシアワセというヤツですね。最近のモデルはエアコンフィルターを装備しておりますので、中が「こんな」でも、送風の段階で「いくらか空気を濾過」するコトにはなっておりますが、そのフィルターの価格は妙に高価で、交換作業も意外とたいへんなモノが多いです。

20120611052012061106_2 次に取り出したるは、ブロアーモーターです。写真ではまあまあキレイに見えますが、軸受のメタル部が完全にロックしており、再生が不可能なダメージです。

 こういった場合は、惜しげなく新品交換をするに如かず。

 あー、また精度の出てない新品と組みたて時には闘うコトが決定してしまいました。

20120611072012061108 フロントウインドーデフロスター送風と、顔面部&足元送風を切り替えるフラップは頑丈な全金属製ですが、作動してそれぞれのダクト裏を塞ぐ状態になった時には、表面に貼られたウレタンフォームが受ける様になっております。

 しかしながら、経年で、ご覧のようにウレタンフォームは粉々に風化いたしておりますので、既に、密着、音止めなどの本来の目的の役に立たないばかりか、この千切れ飛んだウレタンくずたちが、ヒーターケース内を浮遊すれば、異物としてブロアーモーターをロックさせたりいたしますし、ケース外に排出されれば、室内が「砂だらけ状態」となってしまうわけです。コレを根源的に対策する唯一の手段は、本日ここで御紹介している工法を講ずる以外には無いのであります(これホント:笑)。

 マイクロ・デポでは、納車時整備のオプション(別途実費)として、コレを10年も前から設定し皆さんにお奨めしておりますが、この作業の価値を御理解頂くのには毎度の商談の中でも苦労しております。まあ、知らなきゃ知らないでいいこともあるのかもしれませんけれど・・・。

20120611092012061110 今度は、ボディのバルクヘッドに頭部が顔を出す部分、「外気導入口」です。

 ダッシュボード降ろしの時に出てきたメンバー、「ブロアーレジスター」とか、室内の「エアコンコントロールユニット裏のカプラー」とかが、ここに一緒になって出てきております。普段はてんでバラバラな場所に付いてるかの如くに見えるメンバーたちが、すべてをバラして見ると、実はこうして「ひと繋がり」になっているんですよ。なかなか面白いものですね。

20120611112012061112 毎度おなじみの「土偶のドグちゃん」でーす!左がダッシュボード中央部の後ろに来る部分、右がソレを裏から見たところ。

 「ドグちゃん」の髪の毛とまつ毛にあたる部分の黒々とした物体は、ダクトとのスキマを埋める充填材です。幾らか湿気を吸わせようという効果を狙ってか、本来は発泡させた柔らかいタール状の物体ですが、経年するとポロポロと崩れ落ちるようになり、こうなってくると処置無しです。とにかく溶けたりつぶしたりすると、真っ黒に色がうつるところが大問題になってきます。アイボリーやタンなどの淡色系の内装のクルマでは特に気になるところでありましょう。

20120611132012061114 以下の工程でコレを落としていきますが、とにかく、先に落としておかないと、ゆくゆくの工程でも作業の障害になってまいります。

 写真のこの部材は、ダッシュボード中央部と、ダッシュボードデフロスター部のダクトにそれぞれ接しつつ貼りつけてあったものです。アップにしてご覧になると、いよいよ見るからにヤバそうなシロモノでしょ。

20120611152012061116 続いては、外気導入と内気循環の切り替えを司るフラップは樹脂製。ウレタンフォームをサンドしたビニールの皮膜が覆います。

 それが、このようにすべて分離して(泣)出てまいりました。あーあ。

 フラップの取り付け軸もすでに片側が欠損しております。これも復元していかねばならないパーツというコトになってしまいました。

20120611172012061118 はい、コレがこのケース内での一方の主役構造材である「ヒーターコア&エバポレーター」セットです。

 劣化ウレタンフォームやタール屑、ホコリや枯れ葉で結構ニギやか(笑)なコトになっておりますね。さあ、まずはコイツから手をつけてイキますか。

20120611192012061120 強力な洗浄力の洗剤をまずはジャブジャブと掛けていきます。

 数分の後、今度はウォーターガンでジェット水流を吹きつけて洗浄いたします。

 この工程をまずは3回程繰り返します。

 コアの中に入りこんだ汚れをすべて落としきるように、様々な角度から洗っていきます。

20120611212012061122 徐々に、フィンの一枚一枚が本来の色を取り戻してまいります。

 すすぎもしっかりと行わなければなりませんね。30分程度流水ですすぎ続けます。

 仕上げは高圧のエアで水分を吹き飛ばします。最後にこうするコトで内部に残った屑もコアの外に排出されていくのを期待しています。

20120611232012061124 今度はケースに付着している難物、「タール状充填材」を除去する作業です。

 この写真でその取扱いの困難さをなんとなくご想像ください。

 今までに何台も「ブロアーモーター交換歴」のあるマセラティをバラし見る機会がありましたが、こういったところをキチンと貼り替える様なシゴトがしてあったクルマにはお目に掛かったコトがありません(笑)。

20120611252012061126 とにかく、少なくともワタシの美意識とか良心(って、有るのか?オレに:笑)の中ではコレを見て見ぬフリは出来ないわけで、ホントに貧乏性な性分だよなー。

 樹脂のヘラを用いて「匍匐前進」を開始いたします。まずは少しずつ掻き取っていきながら、徐々に追い込んでまいります。

20120611272012061128 劣化したウレタンフォームは、表面の「砂化」した部分を先に掻き落とし、残った接着剤部分は、様々な種類の有機溶剤を段階的に用いつつ、完全に除去出来るまで頑張ります。

 まー、ここまで来るのにも、いったい何組のビニール手袋を捨ててきたコトか・・・。

20120611292012061130 それでも、徐々にワタシのコシが立たなくなって(笑泣)いくのと反比例するように、各部がキレイになっていくのを見るのは気持ちの良いモノです。

 一日中溶かしては剥がし、剥がしては拭き、拭いては洗い、を延々と繰り返します。

20120611312012061132 で、左のような劣化物付着状態を、右のようになるまで仕上げていくのです。

 今日はとりあえず、ヒーターケース仕上げのとっかかり部分のみをご紹介するに留まりましたが、なんと、ここまででまだまだ進捗15%程度なんですよ(笑泣)。

 先が思いやられるコノ続きは、また明日のココロだぁ(笑)。

2012年6月 9日 (土)

マセラティ222SRの内装全分解工程(その1)

 あー、せっかくの土曜日ではありましたが、東京の練馬は一日中雨のそぼ降る空模様でした。というわけで、昨日までの「マセラティシャマルねた」は雨天での作業続行が出来ないので一旦休憩といたしまして、並行して行なわれております「マセラティ222SR(朝霞のHさま号)」の内装分解工程を本日は御届けしようと思います。「SRねた」は今までやってなかったと思いますので、コレもシリーズ化決定です(笑)。但し、前にお届けした「マセラティスパイダーザガート篇」や「マセラティ222SE篇」とほとんど変わり映えいたしませんけれど。

20120609012012060902_3 他の222シリーズと違いまして、この222SRと222 4vの場合には、フロントバルクヘッド上に設置されたエアロダイナミックスポイラーの取りはずしから始まります。

 内装を分解するハナシがどうして外部艤装からはじまるのかという点に付きましては、このブログのヘビー閲覧者の方々でしたら既に御理解頂けているモノと判断し(笑)、その説明を割愛いたします。

2012060903_22012060904_2 左右のワイパーアームを13mmボックスレンチではずしまして、今度はワイパー本体の取り外しです。13mmナットの下から、波板状スプリングワッシャーが出てくれば正解ですが、多くの場合ワッシャーが割れていたり欠損していたりします。そういった場合は組み立て時にワッシャーの調達が必要です。続いて、駆動軸の上に被さる樹脂製防水カバーをコワさぬようにはずします。

 22mmのナットが出てまいりますが、周囲のボディ部分との間に「真芯」が出ていない場合には、ボックスソケットが入りにくい(というか、まったく入らない場合もある)です。その場合は後述するワイパーユニットフレームの取付ネジを先に解放するとよいでしょう。ココ、しれっと書いてますけど、シロウトさんがいじる場合には、コレだけで「もう心折れちゃう」部分なんですよ。

20120609052012060906 深型22mmソケットレンチで緩めていきます。この時フロントウインドーやボディ塗装部分にキズを付けぬ様に周到に作業します。

 プロでもゾンザイな業者さんですと、この周囲をキズだらけにしている場合は非常に多いです。この一段ナットが沈んでいる造作は222SRや222 4v、レーシング等デ・トマソ2ドア系ビトルボの他にシャマル、ギブリ、最終型スパイダーザガート、最終型430にも該当いたします。要はスポイラーとこの造作はセットというわけです。

2012060907_22012060908_2 エアコンの内部フラップを空圧で駆動しておりますが、そのためのバキュームサージタンクがコレ。二本の配管を「プシュッ」と引き抜き、あとはプラスドライバーでタッピングビスを取れば簡単にはずれます。

 ビスやワッシャーとともに、タンク基部の下に敷いてあるゴムパッキンも必ず拾っておいてください。コレ無くすと室内に水が浸み出てまいりますゆえ。再組み付け時に無くされてる個体もまた時々あります。

2012060909_22012060910 外気導入口を覆うカバーもサージタンク同様に取りはずします。この下にもゴムパッキンがありますのでお忘れなく。

 続いては、ブロアーレジスターとワイパーユニットフレームの共締めによる取り付け部分を解放します。13mmソケットを用います。下からC型に切れ目の入ったスプリングワッシャーと通常の平ワッシャーが出てくれば正解です。

20120609112012060912 ワイパーフレームのもう片方の取付部位。上記同様に取り外します。

 ああ、云い忘れてましたが、ワイパーモーターに繋がるカプラーは先に抜いておくと良いでしょう。

 ここまできますと、ワイパーユニットはハズれ掛かります。一旦バルクヘッドに飛び出ている軸部を下方に押し下げ、軸周囲に付いている樹脂ブッシュを左右ともに摘まみあげておきます。この後、ユニット本体を取りだすのですが・・・ちえの輪のように取りだしますゆえ、作業者兼撮影者のワタシにはその工程をお見せすることが出来ません。

20120609132012060914 ワイパーユニットがはずれますと、ようやくバルクヘッド内の「ダッシュボード取り付けナット」に工具を入れやすくなります。デ・トマソ期モデルの場合は四か所で締結してあります。ギブリも同様。ガンディーニルックのクアトロポルテ各モデルや、マセラティ228では、このあたりの手順がちょっと違います。10mmのナイロンロックナットをソケットにエクステンションバーを付けたレンチで緩めていきますが・・・相手のボルト、どーしてこう長いんだろうな(この不必要に思える長さは、搭載時には逆に有難いのですけれど)。

20120609152012060916 といったところで、今度はいよいよ室内側を分解してまいりましょう。

 ダッシュボード右側下面のグローブボックスをまずははずします。

 助手席シートも一旦降ろします。6角レンチで4本のレール固定キャップボルトを緩めていきます。この222SRでは、ハマりませんでしたが、過去に水が浸入しているような個体では、ここが錆ついてまったく動かない場合や、すでにボディ側に溶接されているナットがはずれてしまい、いくらクルクルと回しても取れなくなっちゃってる場合もあります。その状態からの突破方法は御自分で考えてください(結局最後には正攻法しかありませんが:笑)。

20120609172012060918 ダッシュボード裏の右側には、エアコン制御の一部を司るリレーが2基ありますが、そのうちのどちらかひとつを引き抜くとリレーソケットの取付タッピングビスが頭を出します。

 この部分はメーカー製造時に現物合わせでビスの下孔を穿孔しているらしく、それぞれのクルマによって取付位置や取り付け向きに違いがありますので、これといった正解はありません。手造り車らしさを満喫出来るヒト時です(笑)。

20120609192012060920 続いて助手席側のシートベルトキャッチをはずします。

 ボルト頭部の保護カバーをはずし、17mmソケットとエクステンションバーを組み合わせて緩めていきます。長大なボルトには複数の「スリーブ(円筒形の鉄物)」が被さって出てまいりますので、カーペットのうしろに落とさぬ様に注意が必要です。続いて灰皿ユニットを「パカちょ」とはずします。「パカちょ」と簡単にはハズれない場合も良くあります。その場合は先天的・後天的原因を探求しながら作業をすすめます。灰皿ユニット自体が「パカパカする」のを嫌って、灰皿ユニット直下に位置するリア送風口へのエア導入ダクトに直接タッピングビスで打ちつけてあったりするのも多いです。その場合は先にセンターコンソール右側カーペットをはずしてからの作業になりますね。接着剤でくっ付いている場合には、もう処置なしですね(ソレでもワタシたちはなんとかしますけれど:笑泣)。

20120609212012060922 はい、前回スパイダーザガートの巻でも詳しく御説明したセンターコンソールボックスの取りはずしです。ところが、この222SRではあっけなく素手で簡単に取れました。もちろん肘掛け(フタ)なんかハズしたり分解したりいたしません。

 斯くの如くに色々個体差があるのがビトルボマセラティならではの深遠な世界(いやいや、ソコが浅いのか?:笑)なのです。400台近くを徹底的にバラさないと見えてこないコトがあります(それでも、いまだに時々ハマります:笑泣)。

20120609232012060924 センターコンソールボックスをはずすと、コンソール本体の後部取り付けネジの頭が見えます。柄の長いプラスドライバーを用いて二本ともにはずします。

 オートマセレクターの樹脂ベースカバーは左右から指で挟みながら上方に引っ張り上げるだけでいとも簡単にハズれるのがデフォルトですが、後天的に接着されているモノも多いので注意が必要です。ここは緊急時に何かと瞬間的ににハズしたくなるところですので、ガッチリと接着するのはお奨め出来ません。

 灰皿ユニットの跡地(笑)にあいた穴から前方の辺の裏側に指先を突っ込みますと鉄の爪を触ることが出来ます。それを前方に押し込みつつ引き上げますとご覧の様にセンターコンソール下部パネルを分離するコトが出来ます。但し分離時にはゆっくりと丁寧に。革と革とが湿気などで張り付いている場合も多いです。キズやハガれが発生しないように慎重に作業いたします。

20120609252012060926_2 続いてはパワーシートスイッチを浮かせてはずします。

 ワタシはこの時知ったかぶりをせずに、今でも必ずスイッチとカプラーにマーキングを施します。

 あまりにも作業工程が多く、また時間も長期に跨るので、記憶に頼るのは危険だと考えているからです。コレを作業中に行なうのは面倒臭いモノですが、こういったことを怠る作業者は必ずゆくゆくは大きな失敗をするものです。特にイタ車においては、ね。

20120609272012060928 センターコンソールの中心部で威厳ある風格を放つ「パーキングブレーキウッドノブ」。コレはたった一本の小さな小さな「いもネジ」で固定されています。

 細い細い6角レンチで、少しずつ手繰る様に緩めていきます。真夏の夕暮れ時などに行なうこの作業は相当しんどいです。もう、ぜんぜん目が見えん(笑泣)。

20120609292012060930 パーキングブレーキレバーを覆い隠す革製のカバリングは先ほどのセンターコンソール同様に前後4本の鉄の爪で本体に引っかけるようにして留めてあります。

 この分解作業は手先を怪我いたしますので、細心の注意が必要です。また、例によって、ツメの引っかけ方や形状は個体ごとにまちまちなので、あっけなく取れる場合とこの工程だけで30分を費やす場合とがあります。

20120609312012060932 さあ、ダッシュボード本体に戻って右側の固定ボルトをはずしましょう。13mmのメガネレンチ(出来ればラチェット機構付)を工具に選びます。

 写真に見える白い板が積層したモノは、ダッシュボード端部(この場合は右側)の高さをなんとなくキメるための樹脂スペーサーで、ここでは6枚を費やしているのがわかります。

 だいぶん助手席側が爽やかになってまいりました。ようやく半分は越えたかな。

20120609332012060934 ついでに右側ドア周りのウェザーストリップを一旦はずし、その中に貼られている、ダッシュボード端部の皮革ベロを剥がしておきます。

 昨日までのシャマル分解工程解説で、ワタシが指摘していた組み損ない部分の正解がこの写真の状態です。ボディ側に両面テープでしっかりと貼り付けた上に、ウェザーストリップをきっちりとはめこんでいくのが正しい在り方です。

20120609352012060936 センターコンソール右側のカーペットを除去いたします。まずはグロメットなどで留っている前半のピースをはずし、続いて写真のタッピングビスをとります。

 この222SRでは、カーペットのベースにある樹脂部材がいまだシッカリとしておりましたが、後述するように、ここが既に破壊している場合もあります。

20120609372012060938201206093920120609402012060941201206094220120609432012060944 助手席側と運転席側のシートベルト始点、運転席側のシートベルトキャッチをそれぞれはずします。いずれも樹脂カバーをとり、17mmソケットとエクステンションバーを用いての作業です。 ここでも、各ボルトに被さったスリーブがバラバラにならないようにテープを仮に巻いておくなどの処置を施しておくのが良いでしょう。

 ちなみにリアシートのシートベルトも含めて、この時期のマセラティ用「TRWサベルト製シートベルト」はすべて17mmボルトを使っています。

 ついでに云えば、内装の分解組み立てには、7・8・10・13・17mmのボックスソケットレンチとエクステンションバー、メガネレンチ(ラチェット付でオフセット可動式であれば云うコト無し)、柄が数種類の長さの各種プラスドライバー、精密プラスドライバー、6角レンチ各番手、グロメットはずし工具、樹脂ベラ、各種先曲がり千枚通しセット、木槌、ウォーターポンププライヤー、ニッパー、ラジオペンチ、ビニールテープ、黒色ガムテープ等々が最低限必要です。

 また、シリコンオフ、接点復活剤(ドライタイプ・ウェットタイプ)などのケミカルもキチンと組み込むには必ず手元に置いておきたいものです。マイクロファイバークロスも有ると何かにつけて便利ですよ。

20120609452012060946 今度はダッシュボード左側の締結を解きます。13mmのメガネレンチを使用します。左側からは5枚の樹脂スペーサーが出てまいりました。テーピングとマーキングで、ボルト・ワッシャー・スペーサーを一纏めにして保管します。

 右側後半部のカーペット部材を留めている、シートレールベース上のグロメットをはずします。コレでこのカーペット部材がそっくりはずれます。カーペットを貼り付けてあるベースの樹脂部材は経年で「モロモロ」に風化している場合もありますので、ちからワザは出来るだけ避けるように作業いたします。

20120609472012060948 1DIN規格のオーディオ本体を取りはずし(オーディオの取りはずし方法については、メーカーによってそれぞれ異なりますのでここでは割愛させて頂きました)ておき、ウッドパネルを留めている二本のタッピングビスを先の細い精密プラスドライバーではずします。取り付けネジをうまく隠したものですよね。オーディオ本体を取りつけるための「段加工」が素敵なウッドパネルです。

20120609492012060950 前後いたしますが、オーディオを取りはずした直後の状態が左の写真です。先のビスを取りはずすコトにより、いとも簡単にウッドパネルははずれてまいります。

 ウッドパネルの上辺は、その上に位置するスイッチ群の樹脂枠下部に引っかけているだけです。よって、上の樹脂枠はかなりしっかりとダッシュボードにくっ付いていなければなりませんが、樹脂熔着で留められたソレは非常に脆弱で、ちょっと触るとかんたんにダッシュボードと分離してしまいますのでいつもマイります(今回も既にトレてます:泣)。

20120609512012060952 続いては、エアコンコントロールユニットをはずします。先の細いプラスドライバーで4か所のタッピング皿ビスを抜いていきます。ビスは非常に小さいので、落とさない様に細心の注意をして臨みます。

 周囲に気を配りつつ、ユニットをゆっくりと、写真の様に右側から抜き出します。

20120609532012060954 そうしますと、裏側のカプラーが見えてまいりますので、写真の様に左側を支点として奥に引っ張り抜きます(ここには特にロック機構はありません)。

 このカプラー、はずす時はいいのですが、再度装着し直す時には接触不良防止のために「ある策」を弄する必要が出てまいります(実際にソレでエアコンが原因不明の不調を現じている場合が多くあります)。とにかく「地道に」がキーワードなんですけれどね(笑)。

20120609552012060956 ダッシュボードとセンターコンソールの締結は、通常ウッドパネルの裏に隠されたたった一本のタッピングビスによりますが、それをはずしておきます。

 ダッシュボード中央部左右には、ボディと締結するためのステーがあります。まずは、後部送風口への左右ダクトを引っこ抜きますとこの右側写真の状態になります。超長ーい柄のプラスドライバーを用いて、ここのタッピングビスとスペーサー替わりのナットもはずしましょう。

20120609572012060958 ここで、必ず「輪止め」を前輪タイヤに履かせます。パーキングブレーキレバーを一旦はずすからです。

 二本のキャップボルトを6角レンチではずします。

 オートマセレクターレバーを一番手前(Lの位置)に引き寄せ、パーキングレバーを上方に高々と引き上げつつ、センターコンソール本体をダッシュボードから分離いたします。

20120609592012060960 で、センターコンソールがはずれました。例によって「伝統芸能」の黒ガムテープがそこかしこに散見されます(笑)。

 オートマセレクターを必ず「Pレンジ」に戻し、パーキングブレーキレバーも一旦再締結しておきます。

 メータークラスターもはずしましょう。222系の場合、左右二本のタッピングビスが丸だしになっておりますので、作業は簡単です。後部の複合カプラーを5個、2Pカプラーを1個、1Pカプラーを1個、バキュームホースを1個、エキテンアンプの丸ギボシを二組、それぞれはずせば、ダッシュボードと分離が出来ます。

20120609612012060962 ダッシュボードの一部は、ボディ側の構造物にステアリングコラムポストと一緒に共締めされています。

 17mmのソケットにエクステンションバーを付け左右のボルトを取り外していきます。

 一気にはずすとステアリングがゴボッといきなりおっこちてまいりますので、ビックリいたしますよ。また、この作業により、大概劣化したステアリングコラムサポートブッシュが逝きますので、コレは全体的に内装の再組み立てを完了したあとに新品交換します。

20120609632012060964 ここまで来ますと、あとはダッシュボード本体をゆすりつつ引っ張り出すのみ。

 ここでも個体差があり、過去にフロントウインドーの交換歴があったりすると、はみ出たウインドーシーラーがダッシュボードにガッチリとくっ付いてしまっている場合があるので、まあ大変なコトになります。この222SRは当店出身の「イイ子ちゃん」ですから、とても気持よく降りてくれました。

 これで、ダッシュボード降ろし一式がとりあえず完了いたしました。あー、写真撮りながら、文章考えながらの「自作自演作業」はホントにたいへん(笑)。本日はオーナーの「Hさま」が直々の御来店で現在エンジン整備中の現車と御対面されました(今日も楽しいおハナシを有難うございました:喜)。・・・あー、ちなみに明日は日曜だけど、午前中は臨時出勤します。今日はもう早く帰って寝よ(笑)。

 それでは、また来週!

2012年6月 8日 (金)

ドアの中には秘密がいっぱい(マセラティシャマル:ドアの中、完全動作への道)

 ほっ、只今ようやく書き終わりました。さすがにちょっと放心状態ではありますが、「花金」の夜を謳歌する皆さんはこれからのひとときを当ブログでお楽しみください(とは云ってもこの”本ネタシリーズ”、ウチのヨメには「ちっとも、ワケがわからない」と大不評なんですけどね:笑)。

20120608012012060802 一昨日、デント作業のためにはずした、ウインドーレギュレーターを分解して洗いましょう。左側写真は「右ドア用で、窓が全閉状態(一番上まで上がってる)」、右側写真は「左ドア用で、窓が全開状態(一番下まで下がってる)」になっております。

 あー、ホントに今日は、もう朝から足腰が立たないなー。なにしろ、ここ一週間は中腰かソンキョの姿勢で一日中過ごしておりますので、足が伸ばせなくなっております。というわけで気持の方は「ファイト!ふぁいと!」でありますが、ヘタりこんで作業することとします(笑)。

20120608032012060804 まずは、窓が一番下まで下がってきた状態のときにその衝撃をイッテに引き受ける「ストッパーゴム」をはずします。

 本体のスキマから覗いてみますと、あー、結構ゴツくサビが出てるなというコトが分かります。いきなり、もっとヘタりこみそうになりました(泣笑)。

20120608052012060806 はい、続いては駆動モーターユニットをとりはずします。先の太いプラスドライバーで3本のビスをはずしていきますと、簡単に分離します。

 モーターの軸は「□」断面のダボとなっており、相手のギアの中心にある四角い孔に合わせて入っています。

 あー、なんかグリスもゴッテリとカタまってそうだなー。

20120608072012060808 今度は電気ドリルで、ストッパーのステーを固定しているリベットをモミ取ります。

 ここが溶接されていないというところがミソでして、このレギュレーターユニットに分解清掃の余地を与えてくれています。

 コレをはずせば、いよいよ当ブログでは毎度おなじみの「毛虫状のバネ部材」を引き抜くコトが出来ます。

20120608092012060810 うわ、固ってー!コシ抜けのワタシにはコタえる手ごたえ。モーターはずした状態でこんなでは、まともに動作するわけがありません。

 分解前も一応動くことは動いていたのですが、特に「上り方向」では、かなり苦しそうなスピードでしたから。なにしろどうにか引き抜きまして撮ったのがコノ写真。

20120608112012060812 さあ、洗おう。ガソリンを予め全体的に掛けておき、しばらくして、「ワコーズBCジャンボパーツクリーナー」を文字通り「湯水のごとく」噴射して、マイクロファイバークロスに汚れを吸い取らせていきますが・・・まー、ホントに今日のは久しぶりにゴツい汚れ方です。「じゃぶじゃぶ掛けてはニギニギ」の繰り返しで、少しずつ進んでいくしかなさそうです。あー、もうホントに今日はキツいわー。首筋までヘンな痛みが出てきちゃったよ。

20120608132012060814 格闘する事、二時間半。ようやく毛虫達が本来の色を現してくれました。

 使用したパーツクリーナーは本日ここまでで8本。昨日までのドアラッチ洗いやドア内部洗浄には既に2本をカラにしておりましたので、ワタシの使用分だけで計10本。

 場内ではマセラティ222SRのエンジン分解整備中。そっちでもバカバカ使っているようなので、あっと云う間に段ボールひと箱分は無くなってしまいます。

 ワコーズの営業さんたちからは「なんで、こんなにBCジャンボ減るのがはやいんですか、ひょっとして飲んでるの?(笑)」と冗談が出るくらいにウチはコレの使用量が異常に多い。

20120608152012060816 そんなこんなで、モーターも、レールユニットもすっかりキレイになりました。

 とにかく、劣化グリスと、錆とホコリと泥の集合体みたいな汚れですから、コレをきっちり落とすのは容易ではありませんでした。まあ、製造後20年経過しているモノですから、そこは仕方がありませんね。こうして手入れをして完璧な調整を加えたモノであれば新品を超える動作スピードを出すコトがまだまだ可能です。

20120608172012060818 洗いあげた「モーター軸取付部を拡大してみてみましょう。ここに顔を出しているギア中心部はグリス漬けになっているので、サビが出ていませんね。でも表面の感じを見たところでは、焼き入れ後に表面処理がされていないか、リン酸皮膜処理(俗に”黒染め”という安価な表面処理方法)程度の処理がされているかといった体なので、グリスが切れて水が浸入すればひとたまりもなく錆がギア歯を侵します。

 で、ここから先の「レギュレーター組み立て工程」は、いつものように「企業秘密(笑)」につき、お見せ出来ません。申し訳ない!

20120608192012060820 一旦ドア内部に再組み立ての終わったレギュレーターユニットを入れておき、今度はドアウインドーを入れる準備をいたします。水切りモールや、ドアピラーモールはフェルト状の起毛処理が施されておりますので、そこに堆積した20年分のしつこいホコリ汚れを「いろんなコトをして(とは云っても写真ではただ拭いてるだけに見えるけど:笑)」除去していきます。

20120608212012060822 ドアの内部でウインドーの前後ガイドとなる「ランチャンネル」も、同様にキレイになるまで清掃をいたします。

 で、このあとウインドー入れる前に「○○して」、ウインドーを入れて「△△して」、ランチャンネルを「××して」、各部を・・・、すべて企業秘密(笑)。ともあれ、左右のドアウインドーはスーパースピードで動作するように復元いたしました。あー、とりあえずホッとした。

20120608232012060824 まだまだ、ドアの中には色んな構造物があるんだよなー。

 これはドアを室内から開閉する時に動作させる「インナーノブ」の機構部分です。

 単品にバラして動かしてみると結構手ごたえのあるリターンスプリングが入っているのですが、この部材そのものと、各リンクとそのジョイント部、そして昨日洗っていた「ドアラッチユニット」などなどの摺動部位がもつ摩擦抵抗が合わさると、ドアインナーノブを引きあげた後に手を放しても戻らないという症状が現じます。コレは他からはじめてウチにやってきた「四角い系ビトルボ」の場合に大概そうなっています。このシャマルでは、特に問題はありませんでしたが、マイクロ・デポではこれもルーティンですから、キチンと処置をしております。とにかくキレイに一旦脱脂し、そのあとにグリス漬けにします。時々自分でも何をやっているのか分からなくなる場合がありますが(笑)。とことん動作のタッチにまでこだわって行ったらこんなになっちゃいました(こんなワタシにダレがした:泣)。

20120608252012060826 またまた、地味なヤツの仕上げ。ドアの下になんとなく付いているフラップです。

 でも、この部材、端っこの方がドアを開いた時に結構目に入ってくるんですよね。

 で、この工程もルーティンです。今回のシャマルでは、運転席ドアの後方、二個のクリップが欠損したらしく、既に社外品でなんとなく留めてありましたが、どうもその前には接着剤か、両面テープで貼っていたらしく、強力な糊の跡が残っており、その部分が見えてしまいますと非常に格調が低いです。

20120608272012060828 で、ヤッパリとことん除去することに(笑泣)。「色んなコトして(とは云ってもヘラでこすってるだけに見えるが:笑)」キレイにとれました。この15センチの区間を突破するのに40分、アホです。

 気が付けばすっかり夕方になってまいりました。なんだか天候もアヤシクなってきたので先を急がねば。作業に集中してたらカラダの痛みも峠を越えたらしく、段々と調子が上がってきましたよー!

20120608292012060830 キレイになったフラップにはたっぷりの「オートグリム・ビニールアンドラバーケア」をぶっ掛けてしばらく放っておきます。

 完全にヨゴレ部分を除去してこそ、高級浸透艶出し剤はその本当の真価を発揮するのです。写真撮るだけなら、ぶっ掛けるだけでもまあまあ雰囲気が出るんですけどね、しかしながら現物を比べると歴然とそのオーラ感が違います。「超絶」への道のりは遠いのです。

20120608312012060832

20120608332012060834 今度は「電気周り」イッてみましょう。

 これは、ウインドーレギュレーターのコード。オリジナルの「まったく防水防塵効果の無い」絶縁カバーは撤去し、導通性能の低い「平ギボシ」もやめ、しっかりした表面処理を施された「国産の丸ギボシ」に変更しておきます。まずは、カバーをはずし、一本ずつ作業をいたします。ワタシはご存じの様に「アホ」なので、一気に切ってしまうと間違いの元です。立場上、作業中に電話を取ることもありますので、「どこまでやってたんだっけ?」となってしまってはイケませんからね。

2012060835201206083620120608372012060838 まー、なんつーか、特に珍しいコトはやってません。

 コードを切る→カバーを先に入れておく→コード先端の皮膜を剥く→コード尖端部とギボシ接合部を接点復活剤で洗う→電工ペンチでギボシを接合→ギボシ同士を結合→カバーを結合→最後にコード周辺をシリコンオフで清掃・・・これがワンサイクルです。

 だけど、この「デ・トマソ期マセラティ」の場合は、このドア内部に限らず、全身にコレをやらなければならない部分が散りばめられておりますので、「塵ツモ」になるとコレは結構大変ですよ。「なーんだ簡単ぢゃん、自分でヤレば安いし」と思っているアナタはやってみそ(笑)。

20120608392012060840 こんどは、「リモコンドアミラー」のカプラーです。すでにキレイに清掃は終わっておりましたが、結合時には接点復活剤を噴射して一回組み、「ぎこぎこ」しながらまたはずし、もう一度噴射して洗浄し再結合します。白サビなどによる腐食部位を少しでも除去するための気休め的な方策です。・・・で、ここまでやったら、ドア内部のハーネスをすべて這わせて固定していくのですが、ここも「企業秘密」なのでお見せ出来ません。・・・まあ、現物見ればわかりますよ。とにかく「濡れない、浸みない、音出ない、無理ない、無駄ない、干渉しない」が合言葉(ヒント)。

2012060841201206084220120608432012060844 あー、もう今日は写真がヤケに多いな(撮るんぢゃ無かった:笑泣)。

 ドア灯だけでも、ヤルこと「てんこ盛り」。

 まずは、シールドゴムの状態をチェック。このシャマルのは最高の状態でそのまま生かせる。

 オリジナルの電球は無駄に光量ありすぎ(別名:便所の100W)で、長時間点灯させると赤い樹脂レンズ溶かしてしまうほどなので、躊躇なく撤去します。

 続いては「ギボシ」を良質なメッキの国産品に変更していきます。この電球ホルダーも状態が良好なので、そのまま洗浄して使うコトにいたしました。

20120608452012060846 「ギボシ」を交換し、ホルダー内部を接点復活剤で洗浄。旧いギボシを除去し新しいものをホルダーに結合します。

20120608472012060848

 電球はもちろん低ワット化。ちょっとオリジナルより背が低くて可愛いヤツです。

20120608492012060850 一旦電源を入れて、点灯をチェックします。チェックが済んだらシールドゴムをホルダーに被せます。

 ここでの被せ方にはちょっとしたコツがあるのですが、ソレも「企業秘密」とさせて頂きます(笑)。

20120608512012060852

 実はこのシールドゴム、全世界欠品中状態が長らく続いており、入手が難しいものです。たいていの場合は、20年の間の劣化で割いたようにボロボロになっているのが普通ですが、前述のようにコレは非常に状態が良いものです。さらにビニールテープで表面を覆い隠し、そのままコードまでヒト巻きで巻いていきます。後部からの水侵入を完全に遮断するためです。これも当店ではルーティンになってます。

20120608532012060854 すべてが完了したので、既にボディ側に装着してある樹脂レンズの裏側からさし入れます。ゴムシールドとレンズがしっかりと密着するように固定出来れば完成です。

 電源を入れ、最終の点灯チェックをいたします。コレでも夜間充分な光量です。ここは、電球の交換をするためにドア内張り下部をすべてはずさないとならないところです。いっけんどうでも良さそうなモノですが、気になるヒトにとっては一大事(だって、夜キレイなんですよコレ:笑:気になってるヤツってオレ?)。でも、交換は内張りはずしが前提。たったコレだけのことに斯くの如くに手間を掛けているのは、お納めした後のオーナーさんの利便性と、後のトラブルシュートスピードの短縮化をとことん追求した結果。つまるところマセラティを何台徹底的にバラしてきたかが、専門店の真価。もういい加減に「デ・トマソ期マセラティ腐敗神話(不敗でないところが悲しい)」は忘れてください。既に必勝法は、ほとんどすべての分野で開発してあります。現在在庫にある「マセラティ430」なんかも、すべて今日のシャマルと同じ工程を踏んでいるんですよ(しかもドアは4枚もあるから工数は倍掛かってる)。既に何人ものお客さんから(特にGoo経由で)「価格問い合わせ」を頂いておりますが、皆さん躊躇している様子。思い切って飛び込んでは頂けないものかしらねー(泣笑)。

 明日は土曜日。待ってますよー皆さん(コレ3時間掛かって書きあげたんですから:笑泣)!さあ、ワタシも無罪放免。帰って「花金」ヤルことにいたしましょう。おやすみなさーい!

2012年6月 7日 (木)

ドアの中はラビリンス(マセラティシャマルの場合)

 はいはい、お待たせいたしました!昨日は久しぶりの「図解付本ネタ」であったせいか、アツいコメントをたくさん頂戴している様で、感謝に堪えません。ハッキリ云って今日はもう「結構キテます」よ、ワタシの足腰&二本のカイナ(笑)。全体的にシビれてくるとこれはもう快感なのかも知れないと思う(しかない)今日この頃ではありますよ。

 今日の午後には、御近所に住むという二十歳のお客さんが、「見学していいですか?」とお尋ねになるので、黙ってこのような一連の光景を見ていって頂きましたが・・・どう思われただろう(やっぱアホ?:笑)?

 ところで、当ブログのプラットフォームである「ココログ」自体が、本日の朝からダウンしている様子で、一応コレをアップしてみましたが、自分も見るコトが出来なくなっております(大泣@現在21:10)。午前0時までに果して大丈夫になるのか(笑)?連続更新記録の運命や如何に。

 20120607012012060702

 はい、今朝は左ドア内部の清掃作業から始めます。写真をご覧になりますと、コレは「結構きてーる」な汚れ具合に見えましょうが、コレでもストック状態ではマシな部類です。だいいち、昨日の右ドアの経過を思えば、インシュレーターがあるべき位置に正しく貼られているだけでも、もはや僥倖と云わねばなりませんね(笑)。早速、洗剤と水流でまずは泥汚れ系を流していきます。ホラ、きれいに水も抜けている。こうでなくてはイケません。ああ、こんなにも「あたりまえのコト」に日々感動出来るシアワセを噛みしめながら・・・。

20120607032012060704 今度は、エアツールで隅々の水分を吹き飛ばし、ありとあらゆる「色んな種類のヤバイ汁(笑)」を駆使して、ありとあらゆる「色んな種類のこびりつき汚れ」を除去してまいります。

 ボディ下部はよーく脱脂した後、錆転換剤を念のために流し込んでおきました。今日は天気に恵まれたので、こういった乾かし系仕事には絶好です。

20120607052012060706 続いてドア内部に存在するハーネス類の清掃と各部のチェックを進めます。

 右の写真は左ドアに位置する「パワーミラースイッチ」の繋がるカプラーです。

 あー、皮膜が数か所ツブれているようですね。昨日ドアの内張りを外す時に、間違ったハーネスの取り回しをしているなと思っておりましたが、やはり、ムリヤリ押しこんでスイッチを内張り部材に埋め込んでいたのが、こういった見えないところに「災厄の元(笑)」をもたらしてしまっています。

20120607072012060708 一本一本を具に見ますと、結構あちこちつぶれてるな。

 まあ、サイワイなコトに完全に剥けてしまったり、ギボシからコードが抜けてしまったりはしていないようです。

 ちなみに、このカプラーとスイッチ本体は「フォードプローブ」のもので、ムカシのランドローバーディスカバリーにも同じヤツが使われておりました。ハッキリ云って品質は良くないです。ギボシとコードのカシメ具合が、もう最低。アメリカ人もやっぱりしょうがない(笑)。

20120607092012060710 ご覧の様に、内部のハーネスはすべて一旦おもてに抜き出して作業をいたします。途中に色々なカプラーが枝葉の様にくっ付いていますので、ウインドーレギュレーターを取り外しているこのチャンスでないと、非常にヤッカイなコトになります。

 各コードを束ねるテーピング素材が、この時期のビトルボモデルあたりから一旦「布製」になるのですが、このテープは、経年すると最低最悪の素材です。このシャマルの場合は、いまだギリギリセーフといった感じだったので、こういったところで、保管状態や、普段の走行・保管状況(雨天で乗ってるかどうか、車庫付ガレージ収納か否か等々)を推し量っている側面もあるんです。

 ああ、どうマズくなるのかと云うと、ある一定ラインを超えると一気に粘着力を失い、バラけてしまうというのが一つ(ギブリやクアトロポルテで床下などにポロポロおっこちてきたのを見たコトはありませんか?オーナー諸氏)。その一方で、バラけているのに、「ネバネバ感」が表面にまで浸み出してくるのが二つ目。とどめに、染色もネバネバに混じってトロけ出てくるので、ちょっと触ると手が真っ黒になる。特にドア内部などで、長らく水に浸かっていたようなものは、腐って風化してしまい、これが最終段階。ギブリやガンディーニクアトロポルテの内装に使われているのがすべてこの黒い布製テーピング素材で、真夏のダッシュボード降ろし作業などは汗と埃臭さとネバネバ真っ黒の三重苦でホントに最低です。というわけで、事態が悪化するまえに、ビニールテープで覆っているというわけです。

2012060711_22012060712_3 さあ、こちらはキレイに掃除の終わった左ドアの内部です。本日の最初の写真とお比べください。別物に生まれ変わっているのが御理解頂けると思います。

 あー、やっと風呂上がりのさっぱり感が出てまいりました。

 例によって、まったく見えなくなってしまう裏の裏まで造り込んでしまいました。「笑わば笑え(自分も自嘲笑)」。

20120607132012060714 先ほどのテーピング作業を終えたハーネスをドアの内部に戻してまいります。

 いまだ、このあたりは未清掃ゾーンですから、油とホコリで汚れていますね。

 この部分は大ラスでの仕上げになりますので、御心配無く。とにかく今日は、ドアを閉められるところまではイカないとなりませんが、作業は匍匐の歩みです。朝からほとんど休まずに座りっぱなしなんですけどね。

20120607152012060716 ドアラッチの機構部分です。左は洗浄前、右が洗浄後。「ありとあらゆる(以下省略:笑)」・・・でキレイにしたあとで、全体的にグリスを注入するように入れ直し、表面にもウッスラと塗り伸ばしておきます。

 ワタシは高粘度グリス(ワコービスタックなどの茶色い糸を引く系)を原則的にキラっています。各部のフリクションが多いくせに、リターンスプリングの引っ張り力が弱い傾向にあるイタリア車の機構部材にあれを使うと大概碌なコトにならない(満足に動作しなくなる)からです。というわけで白色系のウレアグリスと各種シリコングリスを適材適所に使い分けています。・・・あー。モリブデン系(真っ黒なヤツ)は一度使ったらもうおしまいです(とにかく手が汚れるのがイヤ→アルカンタラなどの内装布材を汚すと絶対取れないし)。

20120607172012060718 夕方になって、今朝オーダーしておいた、インシュレーター材が届きました。早速採寸して、昨日の右ドア内に接着。

 まあ、ホントはあっても無くてもあんまり変らない様な気もするモノなんですが、そこはやはり「気分の問題」というコトもありますので。もう、はじめからこんなのちゃんと貼って来いよな、イタリア人よー(笑)。

20120607192012060720 ドアラッチのガーニッシュはステンレス製。実はワタシがビトルボ系統のマセラティにヒカれたのって、こういった「小ワザ的演出」のカッチョ良さにあったんだよなー。

 とにかく、クラシカルなムード漂う演出ですね。でもこういったいっけん無駄な演出は真っ先にコストダウンの対象にされてしまいました。・・・ささ、磨こう磨こう、もう日が暮れる。

20120607212012060722 ここで、昨日の「デント(凹み取り)作業」の結果写真を。

 思えば、そもそも、凹みをあちこち取るために、ここまでバラバラにしたんだったよな(すでに遠い目をしている:笑)。先天的、後天的な凹みや歪みを残さずキレイに取ることが出来ました。

 ついでに内側の写真もどうぞ。ドアのラッチ金具(機構内部も)が美しくなったので、見栄えが良いですね。あー、だけどドアが完成するのにあと何工程あるんだろうと長嘆息ではありますが。

20120607232012060724 ここにも忘れぬようにグリスをたっぷりと給油します。やはりウインドーレギュレーターを入れる前に行わないと肝心の部分への正確な給油が難しくなる「ドアストッパー」機構部分です。

 ギブリまでのビトルボマセラティでは、ここが固まってドア開閉時に「きーかー、きーかー」と音が出ているモノが非常に多いです。そういった個体は大概外側からグリスをドロドロと塗ったくられているものですが、コアに届いていないので、一向に治りません。ちなみにドア開閉時に「げこげこ」と云うのは、このストッパー取り付けネジが緩んでいるか、鈑金屋のチョンボでスプリングワッシャーを入れ損なっているか、ボディ側基部のスプリングスリーブが真っ二つに折れているかのどれかです。このハナシはまた別の機会に。

 日が暮れてまいりました。左右のドアアウターノブは一旦キーシリンダーを分解清掃の上、たっぷりと給油。この部分も、キー穴からなんとか給油しようと試みることが多いと思いますが、ほとんど肝心のところには入っていきません。このハナシは・・・前にやったよな、確か(もはや自分でも、どこまで重複しているか憶えてないのです:笑)。あー、あとねー、スプリングワッシャー(入ってなかった)はちゃんと入れて固定しろよな、鈑金屋。止まらないからムリヤリ締め上げて、アウターノブの周囲が全体的に歪んじゃってたんで、デント屋さんにここまで手間掛けさせちゃったんだから。

 とはいえ、このアウターノブをボディの正しい位置に装着するのは、周囲にキズも付けられないし、かなり難度の高い仕事ではあります。ウインドーレギュレーターその他の臓物が入っちゃってる状態では、リンク繋ぎも恐ろしく難しいです。こねくり回しているうちに、ボディが歪んでいってしまうという事情の方は、ワタシ拝察いたしますよ(だから、モチはモチ屋で:笑)。

 というわけで、今日もまだシャマルにドアウインドーが入りませんでした!昨日分解までいった「222SRのヒーターケース」ネタもおあずけであります。ごめんなさい。

 ・・・寝ましょう、やっぱり(笑)。それじゃ、また明日!

2012年6月 6日 (水)

本日は、イタリア人も日本人も、どっちもしょうがない(笑)

 いやはや、本当にお客さんという存在は有難いものですね。今朝も「練馬のH」さんがたくさんのお土産を携えて御来店、また夕刻には「テツヲタ」さんもお茶をいっぱい差し入れしてくださいました。日暮れと競争での作業であったので、ワタシ自身が満足に御相手出来なくて恐縮です。

 今日のお題は「マセラティシャマル」のボディに付いた凹み取り(デント)と、マセラティ222SR(朝霞のHさま号)のヒーターケース降ろしと分解の二本立て。とりあえず、シャマルのハナシで今日はイッてみましょう!

20120606012012060602 いまだアヤシゲな空ではありますが、雨がほぼ上がってきた様子なので、早速戦闘開始でありますよ。

 左右のドアに細かくたくさんの凹みがありましたので、デント作業でひとつひとつを取って行こうと思います。

 はじめのうちは、ドアの内張りをはずさずに突破しようと思っておりましたが、やっぱりアマかった。シャマルのドアはボディ外皮の基本的形状こそ222などと同じですが、内側のビーム部分がスパイダーザガートやカリフと同様に天地方向に幅が広いうえ、ボディ外皮裏側とのスキマもほとんど無く、さらにそのスキマにはシーリング剤が充填してあるというシロモノ。シーリング剤を少しずつ切り進めては、デント棒を突っこむという匍匐前進が繰り広げられております。

20120606032012060604 まあ、今までウチのネットワーク内にあったクルマではありませんので、先天的(イタリア人のシワザ:笑)にも後天的(こっちは日本人のせい:再笑)にも色々な問題点がありますね。

 詳細は写真をご覧になってくださいな。ドアの内張りなど、すべてのネジが間違えられていまして、しばしクチが「あんぐり」。とにかく愛が足りないんだよなー、マセラティに対する愛とリスペクトが(泣)。

20120606052012060606 立派なスピーカーがあつらえモノで取り付けられておりましたが、スピーカーの裏側には防水さえ施されておりませんでした(このスピーカー造作と、トランク内への巨大アンプの設置、1DINオーディオ本体等々の取り付けと配線で既に27万円の工賃(機器は持ち込みに付き別料金)が過去に支払われていたのが、過去の明細書により明らかになりました)。さらに ドア内側のビニールシートは、梱包用テープで無造作に貼り直してありました。所詮、世の中で栄華を誇ろうと思えばそんなモンなのかも知れません(泣)。

・・・さあ、一方で逆境になればなるほど盛り上がる「マセラティへの情愛」の炎!「超絶仕上げへの道」はたった今第一歩を踏み出したばかりです。ワタシの云う「超絶」とは見えるところだけの美しさを誇大に表現しているわけではありません。それがダレのせいであれ、すべての「アラ」をプチプチとつぶしていったその先に待つ「マセラティの本当の素晴らしさ」を我が顧客の皆さんに味わって頂きましょうという気持ちをいささかオーバーに標榜していると御理解ください。

2012060609_32012060610_8 デント職人さんは必死にシーラーを切り進めつつ、凹みとり作業を一心不乱に行っております。

 作業を進めるうちに、「コレはもう、左右ともにウインドーレギュレータとドアウインドー、そして、ラッチ金具をすべて除去する必要が出てきてしまった」と判断したので、ワタシはデント作業中ではない方の助手席ドア内部から分解作業をはじめました。

20120606072012060608 窓をはずしてしまうので、空模様が気にはなりますが、この際イッてしまいましょう!・・・で、すべてを取り外してドア内部を見ると・・・「ギョエー、インシュレーターがトロけて床に落っこちて貼り付いちゃってる!(前にもマセラティ222SEで似た様なコトがありましたよね)」。このメーカー製造時のチョンボは、マセラティ430の後部ドアでよく見るモノですが、2ドア車でここまでヒドいのは、10年くらい前にやったマセラティカリフ以来かもしれません。とにかく、ここまで「パーフェクトに」水抜き孔が埋まってしまっている事例は今まで見たコトがありませんでした。
20120606112012060612 とりあえず、水抜き孔を貫通させてみます。

 ああ、ここまで床に分厚く残ってしまうんでは、仮に孔だけをすべて貫通させても、水の流れが淀んでしまいます。水は入ってもキレイに排出されれば、すぐにサビなど出ないものです。この時期のビトルボマセラティのボディ用鉄板には、本塗りの下に「防錆皮膜」が形成されておりますので、実はサビには結構強いのです。しかしながら、長期に亘って溜まりっぱなしでは、やはりサビの発生を食い止めるのは難しいでしょうね。

20120606132012060614 というわけで、ズリ落ちてしまっているインシュレーターの「全摘出」、急遽コレをやらなければならなくなってしまいました。

 ドア内部を一旦強力な洗剤で水洗い。続いてカッターナイフと、先が細くてカドのヘタったマイナスドライバーを用いて、ひとカケラずつ除去していきます。コレは本当に根気と忍耐だけの作業です。今までずーっと「見て見ぬふり」をされてきた問題点ですけれど。

2012060615_22012060616 二時間掛かって、慎重にインシュレーターを除去いたしました。剥がしてみるとやはり若干のサビが出ています。

 サイワイであったのは、過去のオーナーさん方が皆さん原則雨天未使用であったらしいこと。そして、しっかりしたガレージ保管を励行してくださってきたコトですね。この状態で普通に雨の中を走行すれば、間違い無くドアの内部には四センチほどの水位で水が溜まりっぱなしになります(ドアを閉めるとチャポンチャポン音がするようになる:笑泣)。

20120606172012060618 すべてを剥がし終え、有機溶剤で丁寧に何度も脱脂作業をいたしました。

 やはり、ホンの軽症ではありますが、いくばくかのサビが散見されます。

 さすがに7時になると日も暮れてまいりましたので、エアガンで内部を乾燥させ、錆転換剤を流し込むように塗布いたしました。

2012060619 ドアの底面は、まず普段見るコトが無い部位ですが、チラっとでも荒れた部分が見えると興ざめですね。

 せっかくゴムフラップをはずしてしまいましたので、こういったところもキレイに仕上げていきます。

 この段階で、反対側のドアもデント完了以外バラしっぱなしで、すべては明日に持ち越しです。

 あー、明日も早起きしてガンバロ。222SRのヒーターケース内部洗浄と、このシャマルの両ドア組み立て仕上げが、明日のワタシに課せられたミッションになりそうです。

 続きは、また明日(の予定なんだけど、書くチカラが残ってるかなー:笑)。

2012年6月 5日 (火)

浮世離れもホドホドに・・・

 はい!こんばんは。今日は朝から「ビミョー」な空模様でしたが、なんだか目が覚めてしまったので、ノコノコと出社。「最低でも午前中はもつダロ、天気」と思い、朝霞の「Hさま」マセラティ222SRのダッシュボード降ろしを敢行。また、この先の当ブログで実況でもお届けしようと「秘技:ひとり写真撮影」をしながらの作業でしたが、風も無く、気温も適温バッチリでサクサクと9時半には降ろし終わりました。あしたは、ヒーターケース降ろしが待ち構えております。本日はその後も結局雨は降りそで降りませんでしたね。

 ところで、今朝早く出社するときに、「土支田交番」の前を通りかかったのですが、ホレ、よくあるでしょ、「指名手配犯」の掲示が。で、なにげなくソレに目をヤリますと、「逮捕!御協力有難うございました」てなシールがとある人物の写真の上に貼ってある。「うー、コレ誰だったかなー」としばらく考えて・・・「あー、地下鉄で猛毒巻いた一派のあのオンナ(ある意味有名人)のコーナー」だよなーと得心。

 弟さん方に「やっぱ、そうなの?」って聞いたら、「捕まったんだよ、(そんなコトも)知らねーの?」という感じで異星人を見るよな目をしております。

 ホント、ワタシは新聞も購読してないし、地上波テレビも原則的に「Eテレ」以外は見ないコトにキメているので、世の中のニュース知らないよな(笑泣)。まあ、昨日の「高原へいらっしゃい」やら、「サインはV」やらしかテレビは見てないので、仕方が無いと云えば仕方が無い。

 とはいえ、今日の昼食時の雑談で、時事ネタを三兄弟間でハナシあっていたのですが、全員英国の首相がダレかを知りませんし、ドイツの首相がダレかも知りませんでした(キッパリ)!あっ、日本は「のだ」とか云うヒトらしいのは知ってます。まっ、今の日本にゃ政府無いようなモンだけど(笑:って、笑ってる場合ぢゃ無いような気もするが)。我が国の場合は、とにかく早く総選挙ヤレとしか云いようがありません(AKB48の総選挙の方は盛り上がっているみたいですが・・・ホントーにくだらん!:怒泣)。

 でも、結局、一般世間と自分は関係があるようで、実はほとんど関係が無い、けどやっぱりある(なんのこっちゃ:笑)、みたいなところがあって、世間様ともホドホドの距離感はキープしておかなければなりませんね。でもねー、忙しく仕事している方々には分かると思うんだけど、ホントどーでもいいニュースの方がほとんどだよなとつい思ってしまう今日この頃ではあります。マセラティの回路図読んでる方がとりあえずハラの足しにはなるモンな(笑)。皆さんは新聞とか読んでますか?

 それでは、また明日(目一杯、タイガーバーム塗りつけて寝るコトにします)!

2012年6月 4日 (月)

「高原へいらっしゃい」のココロ、今にして知る

 はい!気が付けば6月に入って、もう今日は4日。もうじき「夏至」というわけで、すっかり日が長くなりました。様々な作業にあたって自然光を愛するワタシにとってはかけがえの無い時期到来といった感じです。

 土曜日にも劣化したボンネットフードインシュレーターの剥がしと貼りを行って、「コシがずっこけ(笑)」、昨日曜日はカラダ中のイタいところに「タイガーバーム」塗って、一日寝込んでおりましたら、今朝はスッカリ蘇生したので、早くから、また別のクルマ(2台)のインシュレーター剥がしを行って日が暮れました。で、また「コシがずっこけ(再笑)」ているので、またまた「タイガーバーム」塗って寝るコトにします(泣笑)。

 最近、CSで始まった番組に「高原へいらっしゃい」というのがあります。主演が「田宮(タイムショック)二郎」さんの初代バージョン(音出ます、注意)と「佐藤(三国連太郎御子息)浩市」さんのリメイクバージョンと両方ともやってます。まだ、再放送もあるようなのでこれからでも全話視聴に間に合います。

 なんか、この物語についてメチャクチャ熱く語ってくださってる素晴らしいサイトを発見いたしましたので、詳細はそちらを御参照頂くとして、ワタシ、このドラマをここ数年なんとか見たいものだと念願しておりましたので、ものすご嬉しいんです。

 小学生高学年の頃にコレの本放送を観まして、当時いたく感動したのを覚えております。小室等さんの主題歌(音出ます、注意)も懐かしい。で、なんで最近になってコレが観たくなっていたかの理由が分かりました。

 ありとあらゆる悪条件(駅からジープで行くしかない立地、スキーが出来るわけでもない、周辺にこれといった名物も無い・・・等々)が揃ったダメなホテル(八ヶ岳の景色と空気と地元食材の料理だけはいい)を、人生の再起を掛けた田宮二郎さん扮するマネージャーが、与えられた限られた予算(たったの300万円)内で七転八倒しながらも、スカウトしてきた10人のメンバー並びに地元の協力者たちと初めは様々な齟齬がありつつも、徐々に心を通わせあい、なんとか軌道に乗せるというハナシなのです。

 そのようなわけで、このドラマ、観れば観る程どこぞの「自動車屋(練馬のマセラティ専門店:笑)」の現在に至るまでを彷彿とさせるので、なんか懐かしいような、こそばゆいような。

 現在、毎日普通になんでもなく行っている作業(例えば、本日のフードインシュレーター剥がしにしても)やトラブルシュートが初めのうちはそれは「ものスゴク」たいへんだったんだよなー。立ち上げた当初は外注業者さんも皆、旧いイタ車なんか「見るのもイヤ」といった感じだったんですよ。なぜなら、「手間ばかり掛かって、まったく商売にならないから」。それを一人一人説得してそれぞれの分野で作業にも慣れてもらい、キチンとやれば「商売に出来る」ことを実証し、彼らがワタシの理想とする結果を出してくれた場合には値切るコト無く「言い値」で払ってまいりました。それらはすべて現在のマイクロ・デポの大いなる戦力となり、「超絶仕上げ」の源泉でもあるのです。

 皆さん、初めは「不可能」を口にしてました。ワタシたちは、「こうすれば出来んじゃないか」と「可能」であるコトを見せ続けてきました。これからもそうでありましょう。「今日の不可能」は明日以降、可能にするしかないのです。

 それにしても「田宮二郎さん」のシブさ爆発のオトナさ加減には、ワタシなどどうしたら良いのでしょうとアタマを抱えます(笑泣)。ホント、ムカシの人は「30代」でスッカリ大人ですよね。まあ、アンチエイジングというコトで良しとするかな。皆さんのお仕事にもヒントになりうるドラマだと思いますよ。

 それでは、また明日!

2012年6月 2日 (土)

希少価値と絶対性能と・・・何と云ってもカッチョいい!

 はい!今日もたくさんのお客さんにお越しいただきまして有難うございました。安心して乗れるキチンとしたビトルボマセラティを希求するココロのみで、皆さん遠方よりお見えになってくださいます。今週もお二方が九州より御来店されました。本当に有難く、胸が一杯になります。ワタシたちマイクロ・デポもその信託に応えるべく不断の努力をしてまいります。

20120602012012060202 昨日、店舗前で撮影した写真。マセラティ222 4vとマセラティシャマルのツーショットです。

 いずれ劣らぬ超希少車ですが、キチンと整備された個体は、いまや本当に少ないと思われます。その一方で、キチンと整備したマシンであれば、最高速250Km/h以上(良い子はサーキットでね:笑)!

 すでに、当店よりビトルボマセラティを納めさせて頂いている顧客の皆さん、どうか愛車を大事にしてやってください。初めてマセラティを手にし、(長ーい納期を待たされ:笑)ようやくガレージに収めた「あのハレの日」を時々思い出してください。どの一台も手を抜くことなく、文字通り心血を注いでお造りしたマシンたちです。

 マセラティという車は、ホントに不思議なマシンでして、どういったわけかオーナーの気持ちが伝わります。いつも「気に掛けてやる」といつまでも真価を発揮し続けるものです。ワタシたちのところにも、時々元気な顔を見せに来て頂くと嬉しいな。長く可愛がって頂けますように、手入れをさせて頂きますよ。

 ともあれ、今週は、なんだかアッと云う間に過ぎ去ってしまいました。

 それでは、また来週!

2012年6月 1日 (金)

イギリス人もスゴイけど、しょうがない(笑)

 今日は、夜になって帰宅すると、「なんかイギリスのクラシックカーの番組やってたみたいだから録画しといたよー(カーライフに英国魂ありという題名)」とヨメが申しますので、さっそく観てみました。

 んまー、前半の30分。彼の地の「おセレブさん」たちはスゴイですね。ケタはずれとはまさにこのこと。まずは「グッドウッドのクラシックカーフェスティバル」の様子。主催者の「マーチ伯爵」という方の私有地内(笑)で行われております。番組の中ではこの私有地が「東京の練馬区と同じ面積」であると云ってました。その私有地内には「伯爵所有のサーキット」というとんでもないモノの他、競馬場などもあるらしいです。そのサーキットには450台もの名車が勢ぞろい。特に「ジャガーEタイプ生誕50周年記念レース」というエキシビジョンは圧巻。

 色々と写っていたパドック映像には、(おそらくはカニンガムカラーの)我らがマセラティ450Sやらバードケージ、(おそらくはNARTカラーの)フェラーリ250GTOなどがチラッと見えてました。

 1時間番組ですが、後半に入ると些か退屈で紋切り型のイギリス自動車事情の紹介の他、45分頃からは、現在唯一の英国資本、英国メーカーであるとして、かの「モーガン」社の赤レンガ工場内を詳しく紹介、ほとんど家具屋(ものスゴイです。ある意味感動:笑)。

 しまいには、250人で1日9台の生産台数を誇る「マクラーレン」の工場紹介。最新廉価版型「MP4」の製造工程を具にみせてくれました。でも、一日に9台って結構多くないか(笑)?9台/1日×250日(ごく控えめな年間稼働日数)=2250台(ごく控えめな年産台数)×4年間=9000台・・・やっぱりよくよく考えると、全然希少価値無いよなー。日本での「素うどん価格」は2750万円だそうですけど、だったら「フェラーリ458イタリア」の方がいいや、ワタシの場合。やっぱりイタ車が好き♡。

 でも、先の「マーチ伯爵」さん、ロールスロイス(現在BMW傘下)はやっぱりイギリス国内で造るべきだと、工場を誘致したらしいです。そんなエピソードを紹介して、番組は幕。

 大英帝国は健在なり。・・・でも富の偏在を感じるよなー。

 ・・・それでもワタシは、明日も「ビトルボマセラティ」をしこしこと仕上げます。ビトルボ時代のマセラティ、世界のモータリストがその真価を理解出来ずに、いまだ「再評価」の時期は到来しておりませんが、気が付いた時にはもう遅いですよ、皆さーん(笑)。とにかく「製造台数の少なさ」においては、どのビトルボモデルも折り紙付き。ランチアストラトスも、フェラーリ365GTB/4も、ディーノ246GTも、皆がバカにしている間に「とんでも無い天上界の価格」になってしまった経過をワタシは同時代に見てきています。人生の”とある”ひと時をビトルボとともに過ごす経験はクルマ好きにとって得難い経験となるハズです。キチンと乗れるビトルボマセラティは、一度知ったらヤメられない世界です。だけど、その台数はメチャクチャ少ないんです。やっぱり「カーマニア」を自称するなら、一度は乗らないとイケません。その世界をリーズナブルに御提供するのがマイクロ・デポのレゾンデートル。こんなチャンスはまたと無い!

 それでは、また明日。

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