マイクロ・デポ株式会社”公式ウェブサイト”「マセラティに乗りませんか・・・」

サイト内検索
ココログ最強検索 by 暴想
2019年3月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            

カテゴリー

無料ブログはココログ

« アホがまた、ダッシュボードを降ろす①(マセラティシャマルの場合) | トップページ | アホがまた、ダッシュボードを降ろす③(マセラティシャマルの場合) »

2012年6月16日 (土)

アホがまた、ダッシュボードを降ろす②(マセラティシャマルの場合)

 今日の東京練馬はスッカリ梅雨らしく、一日中「ショボショボ」と雨が降り続く天候でした。場内では、マセラティ222SRのエンジン整備の続きが粛々と行なわれております。

 ところで、九州地方は大雨でたいへんな様子ですけど、皆さんは大丈夫でしょうか?心配申しあげております。九州自動車道も土砂崩れに見舞われているみたいだし。

20120616012012061602 今日はマセラティシャマルの室内を本格的にバラしはじめるところからでしたね。まずは、グローブボックスを開けて、内部の様子を見てみます。

 ああ、ETCの配線&本体(ハガれて落っこちてた)と、USBの延長ケーブルがありました。あちらこちらが「結束バンド」で縛り付けてありましたので、それらをニッパーでチョッキンチョッキンしていきます。

20120616032012061604 このダクトが、先日御説明いたしました「ドクちゃんの右腕上部」から出てきているものです。

 ダッシュボード右端(ウッドパネルの”Maserati”筆記体ロゴ右側)送風口の裏側に繋がっていたものを、抜いた状態がコレです。

 続いてはグローブボックスをはずしてしまいましょう。

20120616052012061606 そうそう、「りゅたろう」先生が「なんとかならんの?なんとかせんね!」と九州弁混じりでワタシを責め立てる(笑)コンピューター周りの「テキトー」なカーペット造作が見えてまいりました。

 ・・・ねっ?このシャマルでもやっぱりこうなってるでしょ(また、なんかオコられそう:笑)。まあ、なんと申しましょうか「後付け感」が横溢しておりますね、このコンピューターの装着方法には。ちなみにフィアット期以降のガンディーニクアトロポルテだと左右フロントシートの下、ギブリですと左右リアシートの下にコンピューターが設置されています。

20120616072012061608

 ダッシュボード右側の13mm固定ボルトをはずします。

20120616092012061610 シャマルの場合、ダッシュ右側固定ボルトは、コンピューターの取り付けステーと共締めになっています。

 コレがボディ側の台座とダッシュボード台座の間に入っている樹脂スペーサーというヤツです。5枚入ってました。

 ダッシュボード左側も同様にはずします。車外電装品用のアース線(黒くて緑のストライプが入った細い線)が見えますが、コレはもちろんノンオリジナルです。ブルーの太いコード二本もオーディオ関係の社外品コードです。上の方の黒いコードは、たぶんETCアンテナ線だと思ふ。

20120616112012061612 リアシートの背もたれ&座面にあたる部分は、背もたれの頂部をちょっと力を入れて下方にめくりますと取り付けネジを見るコトが出来・・・んっ?すでに付いてませんね。

 まあ、コレはシャマルの場合によくあるコトなんですけどね(笑)。一度ハズすと非常に入れにくいので、アキラメちゃってるものが多いです。ウチで再組み立てする時には、きちんとしたタッピングビスとワッシャーを装着いたしましょう。

20120616132012061614_3 その隠してあった取り付けネジをはずすと、下側からめくりあげるようにして、リアシートマットをはずすコトが出来ます。

 夥しい車外品スピーカー類の配線と、リアシート用のシートベルトキャッチがシートマットの底に埋まっておりました。コレもいつもそうですから、そうそう驚くにアタイいたしません。

20120616152012061616 フロントの助手席シートをはずそうとして、シートバックを前に倒しますと、パワーシートのハーネスがすでに抜けてました(笑泣)のを発見。

 シートの下にはオーディオの装置が取り付けられておりますので、これを取りつける時に付け忘れたモノでありましょう。そのまま助手席シートベルトキャッチを17mmソケットではずします。

20120616172012061618 いつものように、六角レンチを用いてシートレール固定ボルトをはずしていきますが・・・あー、固ってぇー(泣)。ボルトをはずして見ますと尖端がナメちゃっています。

 こりゃ、残りの三本もハマり決定か?ヒーハー云いながらも何とかハズしました。あー、よかった。相手のナット、溶接取れなくて。

20120616192012061620 椅子を降ろすとご覧の状態です。次にシートを取り付ける前には、ボディフロア側に溶接されているナットたちをタップであらかじめ「目立て」しておく必要がありますね。

 金属ブッシュがひとつのボルトにつき二枚ずつ重ねて使われておりましたが、ここまで厚みを出している場合はボルトの長さがもう少し欲しいところです。ご覧のように、写真に写っているボルトの先端6mmくらいまでが赤くサビが移っておりますが、ナットにはここしか噛んでいなかったコトが分かります。ここも、再組み立て時には新しく長いボルトを用意いたしましょう。

20120616212012061622 センターコンソール右側のカーペットを取ろうとしましたら、一切のグロメットと取り付けネジが「省略」されておりました。

 コレはいくらなんでも後天的なモノだよなー。旧いクルマにリスペクトをしていないいわゆる「街のオーディオ屋」さんにシゴトをさせるとすべてが「やっつけ」になってしまうコトが、ここまでの一連でわかってしまいます。電気のコトはいくらか知ってても、内装を組み立てる理念がわかっていないと思われます。後に見えなくなるところは「とことん」抜いてあるというワケです。

20120616232012061624 センターコンソールの右側には、オーディオ関係の社外品コード類がのたくっております。

 この内装分解作業をやりながら、戻す(再度組み立てる)時には、どうしてくれようかと考えるのも大事な仕事のひとつです。特に、オリジナルでないモノとオリジナルのものを併存させる場合には、今後の作業性も考えて、「スッパリ」と分けて考えられるような仕立てに直しておかなければなりません。このクルマの、後のメンテナンスをするのは他ならぬワタシたちなのですから、ここは慎重に考えて作業を進めます。

20120616252012061626 センターコンソールボックスは、今回も何事も無く素手で「すぽっ」と抜くコトが出来ました。こういう「楽」なのと、そうでないモノという違いが、ハッキリとあるのがお分かり頂けましたでしょうか。

 灰皿も素手で簡単にハズすコトが出来ました。このあたり、黒い内装のモノの方が、革に張り付きにくいのかも知れませんね。

20120616272012061628 ブーツの紐を解きまして、マニュアルウッドシフトノブをはずします。マニュアル車のノブは120°等間隔に三か所の「いもネジ」で固定されています。六角レンチを使用して作業を進めます。

 そんなに「ぐるぐる」と緩めなくても、三か所を均等に緩めれば、次第にスポスポと抜けるようになります。ノブがはずれましたら、いもネジは失くさない様に、ちょっと戻して(締める方向に)おくと良いでしょう。

20120616292012061630 続いてパーキングブレーキレバーのノブをはずします。要領は222SRと同じですが、こちらはノブ表面が革に覆われています。

 いもネジは緩みましたが、湿気によるサビがレバーに出ており、ノブの内筒と張り付き気味ではありました。ギコギコして、どうにか分離に成功。

20120616312012061632 前回の222SR篇でもなんとか写真をうまく撮ろうとがんばったのですが、パ-キングレバー根元のブーツ固定爪が左の写真です。

 ここに写っているのが右後方のもの。前後左右四か所にこの鉄の爪がありまして、センターコンソールに引っかけるようにして固定してあります。コレもデフォルト状態に色々と相違がありまして、爪の折曲げ方やサビ方によって、簡単にハズれるものとそうでは無いものでは、手間が格段に違います。ちなみに、このシャマル子ちゃんは「イイ子」でした(笑)。

20120616332012061634 さらにセンターコンソールのボードをはずします。このボードは鉄板製で、前方に二個、後方に一個の爪が溶接されています。

 鉄板に革を張ったダケで、こんなにも妖艶なムードを出してしまうのですから、イタリア人の造形力には感心いたします。灰皿の跡地から指を入れ、後部の爪を前方に追いやりますと、後ろ側からめくるコトが可能になります。

20120616352012061636 パワーウインドーとパワーミラーのスイッチをそれぞれカプラーから分離します。そしてスイッチとカプラーには、後の組み立てのために必ずマーキングを施します。

 何か、グレーのコードが出てきていますね。コレは先日の222SRには装備されていなかった、電子制御サス(アクティブサス)の可変切り替えスイッチのコードです。

20120616372012061638 ・・・で、そいつの先端は。ダッシュボードの裏に隠れています。マーキングをしてはずしておきますが、ここでも社外品のコードが一緒に束ねられており、結束を解かねばなりません。

 ルーティン通りに事が運ばないとなんとなくアタマがイタくなってまいります。アホなワタシの脳内にある「作業フローチャート」が幾度も書き換えを余儀なくされてしまうからでしょう。さりとて、ここも再組み立て時にはなんか考えなきゃな。

20120616392012061640 いよいよ、センターコンソールをダッシュボードから分離する工程に入りました。後部二本のタッピングビスをはずしていきます。

 ここにもあるはずのスプリングワッシャーがすでにありません。コレは「オーディオ屋」のしわざでは無さそうだけどなー。んー、またまたイヤな予感が走ってまいりましたよー。

20120616412012061643 センターコンソールのサイドをダッシュボードと締結しているタッピングビスをはずすに及んで、予感は確信へと変わりました。

 リア送風口への導入ダクトが前後ろさかさまに付いてしまっています。本来はジャバラになってる方が前方(写真では右の方)であるべきところです。このシャマル、きっと近過去にダッシュボードを降ろしたコトがあるに違いありません。

20120616422012061644 オーディオをはずそうと思ったら・・・えー、トマってない。取り付け金具ごと、スポッと抜けてきてしまいました。取り付け金具のツメはきちんと折りましょうね、面倒くさいのは重々わかるけど。

 あー、ウッドパネルにもクラックが入っているのね。オリジナルの小さな皿タッピングを失くしたモンで、ワンサイズ大きなモノが強引に入れてあったせいだと考えられます。コレも交換しないとなりません。ひょえー。

 ソレにしても、テキトーな日本人たちだよなー。ここまで続くとなんだかアタマに来るのを通り越して、爽やかにそして静かに「ヒトの道」を説きたい心境になってまいりました(笑)。

20120616452012061646 まあまあ、と心を鎮めつつ、タッピングビスをはずしていきます。右側の写真がノンオリジナルのビスです。

 とにかく「手造りのカタまり」のように設えられたクルマたちです。そして「手抜き」は一切許してくれません。真っ当にバラし、真っ当に組む。コレしか確実な必勝法は無いのですけれど。

20120616472012061648 ウッドパネルをはずしましたら、今度はエアコンコントロールユニットをはずしていきます。

 これは、小さなタッピングビス四か所で固定されておりますので、下に落とさぬ様気を付けながら、先の細いプラスドライバーを用いて作業をすすめます。

20120616492012061650 先日の222SR篇の時には文章でお伝えするに留まりましたが、エアコンコントロールユニットのカプラーはこの写真の様な要領でハズします。

 「左側を支点にして」というのがこういうコトです。このカプラー、再組み立てする時には、「色んなコト」をする必要がある大きなチェックポイントです。

20120616512012061652 こちらも、毎度おなじみのセンタースイッチ類です。シャマルの場合には、フロントバンパー内のドライビングランプ用スイッチが二個に分かれているところが特徴的です。

 すべてのスイッチと各カプラーには、数字をしっかりとペイントマーカーでマーキングしておき、後の備えにいたしましょう。

20120616532012061654 続いては「金時計」を素手でハズします。時計駆動用のハーネスと、内部照明用のコードが出てきます。

 運転席のシートベルトキャッチも、この遥か先の工程のためにハズしておくコトにいたしましょう。

 続いてはセンターコンソールを分離して車外に出したいと思います。

20120616552012061656 必ず車に「輪止め」を掛けてから、パーキングレバーの前後固定ボルトをはずします。

 ここまでくれば、「エイヤー」と、いつものようにセンターコンソールがはずせるハズなのですが、ここまで佳境に入った状態になってるのに思わぬ伏兵が現れて、一瞬お先がマックラに。えー、ホントかよー。

20120616572012061658 あー、中途半端に社外品のオーディオコード類が、センターコンソールのフレームの中を通しちゃってあります。

 コードを切断するワケにもいかず、さりとて、前方にコードを手繰っていっても、どこまでも続いていて、ここでコードの尖端部までバラしちゃうと、さすがに収拾が付かなくなってしまいます。仕方が無いので、コンソールフレームの一部を分解することになりました。溶接では無くてリベット止めであったのが救いです。ドリルでリベットを揉み、その頭をトバします。

20120616592012061660 どうにかフレームをずらしてコードをこちら側に出すコトが出来ました。パーキングブレーキレバーを一旦元通りに固定し直し、引いて(ブレーキを掛けて)おきます。

 コレでいつものようにセンターコンソールを車外に出して、助手席の床に自由に寝ころんでの作業を遂行することが可能になりました。

 そうでなくてもショートホイールベースクーペのシャマルやカリフでは、一旦すべてを降ろしてキチンとした姿勢で仰向けに寝たいものなのですが、どうにもカラダを伸ばせないので窮屈な姿勢での作業をいつも強いられがちなんですよねー。

 今日の教訓:皆さん、頼むからマセラティは「マセラティへの愛」が溢れるお店で買ってください(本日ココに挙げただけでも、後天的なチョンボが幾つありましたでしょうか:泣笑)。

 皆さん、今週も毎日毎日「アツい」コメントを有難うございました。続きはまた来週!

« アホがまた、ダッシュボードを降ろす①(マセラティシャマルの場合) | トップページ | アホがまた、ダッシュボードを降ろす③(マセラティシャマルの場合) »

コメント

222SRとシャマルの内装同時並行作業、スゴすぎます。
数字のマーキングももはや美学に見えます。

マイクロ・デポさんが「マセラティへの愛」溢れるお店で良かったと
思える作業内容です。

あーこういうのを見てるとやっぱり走りに行きたくなりますねー。ちょこっと漏れてても大丈夫かなぁ。スタビも気になるところですけどー…。しくしく。

いじり壊し、乗り壊しはせつないものですね…。

222SRと違いこのシャマルは社外のオーディオが後付けされているので、色々面倒なことになっていますね。15枚目写真で助手席シートレールの下に黄色い飴の袋が落ちていますね(笑)。やはり見えるところさえ上手くやっておけばというのが、時間とコストの削減という名の下で、社会通念になっているのでしょうかね。こうしてばらしていくと、それが見えてしまい。嫌な気分になりますね。一連の作業を見ているとお手伝いしたくなりますが、素人が手を出しても邪魔にしかなりませんね。自分の愛機の中で飲食したことありませんが、この分解作業をみていてもしない方が良いと思わされます。しかしオーディオがスポッと抜けてしまうとは、シャマルの鬼急加速で外れてしまいそうですね(とほほっ)。いやはや頭が下がる作業工程で、確かにアホになりきらないとできないですね。

飲み過ぎて、たった一日ブログを拝見し損なっただけなのに、
もう、シャマルの内装がバラバラになってる・・・(笑)

いやはや、まったくここのブログは油断もスキもありませんな。

なんとも濃い1週間、ご苦労様でございました。

次なる1週間に備え、プラモの本でも読んで、ゆっくりとご養生のほどを(笑)

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック

« アホがまた、ダッシュボードを降ろす①(マセラティシャマルの場合) | トップページ | アホがまた、ダッシュボードを降ろす③(マセラティシャマルの場合) »