時代の空気感
げに、まっこと、本日も不思議なくらいに一日中ハレましたよ、練馬。「ツユ」は何処へイッてしまったのかと思うくらいで、またまた今日も「有難い」。昨日のコメント欄には「年齢関係」とか「月日の流れ」とか、皆さんそれぞれの想いをお寄せくださいました。お忙しい中でのコメント、有難うございました。
誠に私事ではありますが、この8月の終わりに、岡本三兄弟の今は亡き実母が17回忌を迎えます。で、時々亡き母を想う折には、「あー、20年前の今日は、まだ元気にしていたんだよなー」などという「過去の時系列」に遡った記憶や妄想が心の中に渦巻いてまいります。
まあ、俗に云う「放蕩息子」の三人衆といった感じのワタシたち三兄弟。さしたる親孝行も出来ぬままにとっとと旅立たれて(笑泣)しまったので、残されたコチラは喪失感と未達成感で一杯ですね。その後色々ありましたのち、母が亡くなった翌年に起業いたしましたので、もちろんマイクロ・デポの存在も実母は知らないワケです。仮に生きていたらどーなってたのかな、と、パラレルワールドを想像してみたくもなりますね。
旧いモノを商売にして扱うというコトは、その時代、時代の「空気感」を鬻ぐことだと思っています。ですから、ワタシたちマイクロ・デポは、例えば、あの今となっては無くなってしまった「懐かしい等々力のショールーム」で、ムカシのガレーヂ伊太利屋さんがデ・トマソ期マセラティを販売していた「まさにアノ頃」の空気感を身に纏ったビトルボマセラティ、コレを出来るだけ再現しようと常々心掛け、造り上げています。但し、目には見えない部分の信頼性だけは、「はちゃめちゃ」に(笑)アップさせてもいます。だから、ホントのところは「ウソツイテル」と云うコトになっちゃいますかね。
コレに説明を加えますと、1980年代から90年代半ばくらいまでの空気感にプラスアルファの「デフォルメ」を追加させて頂いていると云うコトになりましょうか。当時の空気感を「今現在の感覚」を持っていらっしゃる「今現在の方々」にそのままブツけても、逆に飲み込めなくなっちゃっているのが容易に想像出来ますから、些かならず「翻訳作業(20年間の時空間の隔たりを埋めるため)」がどうしても必要になってくるのです。
ビトルボマセラティは(一般的なイメージの中では)伊達でお洒落で粋なクルマのハズでした。当時の「ホントは洒落にならないくらいのキビシイ真実の姿(笑)」はさておき、皆さんがかつて夢想し憧れた「イメージ」通りに造り上げていく事、コレがワタシたちの毎日の仕事です。夢や憧れを売るんですから、本当はもう少し立派なショールームとかキレイなおねーさん、そして立派な工場が必要なんでしょうけれども、ソコだけはまだまだしばらくの間、当店顧客の皆さんには御辛抱頂くコトになってしまいそうですね。
それでは、また明日!
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コメント
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確かに機械部品まで80年代のイタリア車の空気感ですとこわいことになりそうなので、そこいら含めて追加して頂いたデフォルメを有り難く享受しております。
キーワードとしては伊達、お洒落、粋の他に、(デフォルメ込みなら)上質、コントローラブルもあると思います、いや本当に、個人的には。
投稿: おぐ | 2012年6月30日 (土) 00時07分
夢からリアルへ、という感じでしょうか。
ビトルボ・マセラティが新車で売られていたころ、それは結構な高値で、なかなかおいそれとは手が出せない夢のクルマであったことでしょう。立派なショウルームやきれいなおネエさんは、その夢を増幅する存在であったわけですね。
デポさんのおかげで夢のクルマに手が届くようになったいま、やはりそのクルマはリアルな存在であってほしいですね。単に持っているというだけでなく、存分に走らせて楽しみたいのです。そのために必要なのは夢の増幅装置でなく、三兄弟の腕と熱意、その拠点であるマイクロ・デポそのものだとおもいます。これからもよろしくお願いします。
投稿: 上京FMt | 2012年6月30日 (土) 01時00分
木曜日は、いろいろお気遣いありがとうございました。ちょっと報告が遅れましたが、スカイツリー、「ほんと心配された雨も無くよかったです」と言いたかったのですがー。あの後、「ちょっとだるいな、肩こってるな」くらいの体調が登頂後、急速に悪化、ほとんど半病人の体で地上から350mの救護室?でうんうん唸っていました。
結局体調は戻らず東京に一泊、考えれば私、気圧の変化に弱い性質でした(こればかりじゃないと思いますが?)、でも人気(ひとけ)の無くなった22時近くの時間、空からの東京の夜景は見事でした。
これから出向く方には、明るいうちは人がワイワイうるさいし、季節柄どうせ遠くはガスっているので、夜景に的を絞り、遅くに上り最終まで粘るのがいいかと思います。スカイツリーの皆様には大変良くしていただきました、この場を借りてお礼を(届かないかぁ)。
貴社とお付き合いさせていただき、東京詣も多くなりました、やっぱりなにかと刺激的な都市ですね、帰りに東京駅で「ほんとに不況?」って思いましたが、コンビニやらフランチャイズの店が地方にたくさん出来て、東京の本部なんかにかなり収益を吸収されてるのかななんて思ってしまいました。
投稿: 一松 | 2012年6月30日 (土) 21時17分
↑「一松」さん、その後そんなスゴイコトになっていたとは!実はワタシ、人生に一度だけ浦安ネズミランドに行ったコトがあるのですが、その時に「キャプテン何とか」というジャイケル・マクソンさん(笑)の3D映画を見て思いっきり具合が悪くなり閉園時間まで救護室に入院した後に、ランド近くの東急ホテルの窓の無い部屋に一泊してしまったコトがあります。すごくシンパシーを感じておりますヨ(笑)。お大事にどうぞ。
投稿: たこちゃん | 2012年6月30日 (土) 21時59分
北へ出張中で、コメントできませんでした。土曜夜に戻りました。憧れのビトルボマセラティの出た当初のころを、実はリアルに味わっていないんですね。スパイダー、シャマル、ギブリからなんですね、私の憧れ時期は。でもあまりにも雲の上のため(お値段も、そのお洒落具合も)、まだなんとかなりそうな(実際なんともならなかった)デルタに興味がいっていました。まさに「いつかはマセラティ」でした。だからガレイタ、コーンズのショールームさえ行ったこともなく、時代の空気感がわかっていません。車雑誌のマセラティの広告でなんとなく、それを感じる程度でした。でも納車の後には、色々出かけて、見せびらかしつつ、布教活動したいですね(笑)。でも余りに巷にマセラティがあふれすぎるとありがたみがなくなりますから、その辺の塩梅が難しい。昔はあまり見なかったドイツ製のPやら、Bやら、Mなんて見ない日ないですからね。
投稿: 練馬のH | 2012年7月 1日 (日) 16時13分