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2012年9月 3日 (月)

たこちゃんズGT”2012夏”(その11:常滑で”INAXライブミュージアム”を探訪する②)

 昨日の日曜日といい、今朝といい、ようやく多少なりとも「涼しさ」を感じられるようになってまいりました。このブログの方では「2012年8月16日(木)」の午前中のハナシなんかをまだしつこくヤッてますが(もう、三週間くらい遅れてる:笑)。

2012090149 ・・・一昨日までの続き。2012090150

 この「INAXライブミュージアム」というところは、本来この”ライブ”の語が示す様に「体験型ミュージアム」の体もなしております。

 もちろん「やきもの」を制作するので、焼き上がり時間なども考慮しますと、ワタシたちはパスせざるを得ません。お子さん連れの方などには、こういった実地体験コーナーもお奨めしておきます。

 初代「伊奈初之丞」さんが、明治中期に常滑で始めた「土管」製造が事業化され、タイル、衛生陶器とその守備範囲を広げ、伊奈製陶株式会社→株式会社INAX→(その後短期間に曲折あり)株式会社LIXILの一部門となり、現在も衛生機器全般のブランド名に”INAX”の名は残っております。

20120901512012090152 嘗ての常滑、街の風景には煙を吐き出す多数の煙突が欠かせませんでした。

 黒い板塀と黒い屋根。そして赤い煉瓦の煙突の組み合わせは、モノクロームの世界にワンポイントが入って街の景観を引き締めていたコトでありましょう。でも、当時住んでいた人々にとっては、やきものに生活を賭けていた上に、日常的な”煤煙”との闘いもあったはずで、呑気なコトばかりは云ってられなかったコトでしょうけれどもね。

 窯の中をそのまま展示&応接スペースにしたかのような、この空間。ライティングの妙も相まって、ちょっと洒落たバーのようです。

20120901532012090154 そんな「伊奈製陶所」の歴史を語る上で、そのすべての原点となる「土管」。

 大企業の礎になった「土管」製造事業だけに、その紹介コーナーはワンフロアすべてに亘る広範な展示です。

 現在でも、我々の足元深くに数多く埋設してあるのであろう「地中管」の数々。現在では、普段まったく意識して暮すコトはありませんが、明治の時代に焼きまくって、造りまくった「常滑製」の土管こそが、原初の地中管として大量に埋設され、日本における上下水道敷設など、インフラ整備の黎明を支えていたというワケです。

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 明治の人々のモノ造りの知恵には、いつも感服するばかりです。

 ひとつひとつの工程を、なんとか省力化、標準化出来ないものかと、様々に知恵を絞って、工夫を積み重ねていく。

 確かに現在の目で見てしまえば、鉄と木で拵えた武骨な器具ばかりではありますが、こういった技術開発を100年以上に亘って積み重ねる事により、現在の「INAXブランド」が形成されてきたワケです。

 このミュージアムの好ましいところは、そういった「先人達への想い」やリスペクトが詰まっているところです。最新型の機器を並べて「スゴイでしょ」と云われても、心に響いては来ないですからね。普段、土管に興味の無いヒト(もちろんワタシも含みます)が初めてこの展示に触れ、ムカシの製陶製管技術や、地中に埋設された土管達に少しでも感謝の心を持ってくれれば素晴らしいコトだなと思いました。まぁ、地味過ぎて、お子様には難しいかな。

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 「温故知新」という言葉も、現在ではスッカリ色褪せたモノになり果てた感がありますが、工業技術界において「イノベーション」とか「エボリューション」というのを、ここ30年ほど簡単に云い過ぎた。子供にいたるまで皆が携帯電話やパソコンを持つようになり、双方向のデーター受信が出来るという地上デジタルテレビ、そして「エコカー」と称するクルマたちが遍く伝播したにも関わらず、どうして「モノを持つ喜び」がこんなにも喪われてしまったのだろうと強く思いました。積み上げた”ドカン”のある空き地で子供たちが夕方まで遊びに明け暮れる、こんな写真の展示がこのコーナーのシメでありましたのも、なんだか象徴的です。

20120902012012090202 そんな「土管」展示で埋め尽くされた一階から、さらに階上を目指しますと、今まで歩いていたところが本当に大きな窯の中であったコトが分かりました。

 そして二階にアガりますと、いきなり「殿さま用の厠所」。この「窯のある広場・資料館」の二階は「楽しいBENKIワールド(ホントの名前は違いますヨ:笑)」であるコトがわかりました。・・・恐る恐る、奥へと進んでまいりましょうね(食事中の方は、終わったら見てね)。

20120902032012090204 まぁ、まだまだこのあたりですと、カタチが旧過ぎて、ソレらしい「ナマナマしさ」がありません(笑)。

 いっけんして「ソレ」とは分かりませんですからね。何か古代の遺跡から発掘されてきた歴史的遺品だと思えばなんでもない。

 コレは意外にも楽勝なのかと、ちょっと気を抜いておりましたところ・・・。

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20120902072012090208 「ずどーん!!」・・・まー、あるわあるわ、古今東西・和洋大小(笑)、左右の壁一面に展示された「染付作品群」の数々。

 さすがに圧巻ではありますが、ワタシなどは気がヨワいので、目を凝らしつつ一品一品を吟味するなど、ココロの余裕はありません。このあたりの展示スペースには展示品を覆う隔壁や、透明板など一切配置されておらず、博物館にアリがちな「展示品にはお手を触れないでください」的な注意書きも無かったように思います。「さぁ、見て触って存分にお楽しみください」というワケですが、ソコまでは、ちょっと(笑)。

20120902092012090210 あー、ようやく「ショーケース化」されているスペースに来て、なぜかホッとヒト安心。

 染付モノの中でも、最高峰はこの「紋右ェ門窯」のモノらしいです。この展示の中の白眉と云えましょう。

 こうなるとほとんど生け花をあしらう方が相応しい感じです。恐る恐る撮影するワタシたちが、この写真に写り込んでいますのが御愛嬌。万一ワタシがエラくなって自宅にコレを設置するコトが出来ても、きっと勿体なくて「出るモノも出ない」でしょう(笑)。

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 ・・・その後も「コレでもか」と「この手の」展示は続き、いにしえの衛生陶器の職人芸を「イヤと云うほど(笑)」見せつけられました。

 ここを拝見しながら、ワタシたち”たこちゃんズ”の間で話題になったのは、「コレだけの数を集めて、この博物館を開館準備する時には、担当のヒトビトがさぞや一生懸命に”展示物”を洗ったり、INAXの技術の粋を凝らして”除菌”したりとかしたんだろうね」というハナシ。

 とにかく、”衛生面”はバッチリだと信じております(子供とかは、間違えてナメたりしちゃうカモしれませんからね:笑)。もちろん「ニオイ」なども一切ありませんから、こちらもご安心あれ。

 九州の小倉にも、「TOTO」さんに同種の施設があるようで、本来ひょっとすると、この旅行中にはそちらに立ち寄ったかも知れなかったのですが、時間の関係で、計画にイレ込めなかったのです。結局、トイレの神様からの「お導き(笑)」により「常滑」で出会ったのでしょうね。

20120902192012090220 ・・・はい、ここからは「飲食」しても大丈夫ですよ(笑)。

 ヘビーな展示の数々に些かツカれましたので、またも屋外休憩所で一服を。

 しかしながら、自社製品を含む、遍く存在する衛生陶器に対する愛情がホントに満ち溢れておりますね。そしてどこまでも実用品に「アート」な心を注入してきているという、”美的衛生陶器”の世界があるというコトもここで初めて知りました。我が練馬区土支田のアパートに帰ってきて見れば、”INAXシャワートイレ”が装備されているのを再発見。これからは大事に使おうと今さらながらに思いましたヨ(笑)。

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20120902312012090232 今度は「企業モノ」の側面からは些かはずれた博物館です。

 「世界のタイル博物館」と称された、このミュージアムでは、タイルのコレクションで世界的に名高いコレクターの蒐集品を一同に会しています。

 元来が”やきもの”である、このタイルという品物が、有史以前より地球上のあらゆるところで様々な製法により製造されてきたのだなぁというコトが理解できました。特に何千年も色が劣化しないという特性には驚嘆すべきものがありましょう。

 もちろん、展示物はタイルそのものと、そのタイルを使った”暖炉””マントルピース”等々の室内装飾例となっているワケですが、残念ながら、門外漢のワタシにとっては「大量にありすぎて」どう吟味すれば良いのかとかえって持てあましてしまいました。

 ここに掲げた写真以外にも大量に撮影だけはしてきたのですが、「ショーケース展示」の写真がドレも同じようにしか見えてこないので割愛させて頂きました。

 一方で、タイルにご興味のある方々には、最高の展示であるのだろうと思います。ワタシが単純に美しいと思ったのは「ターコイズブルー」のタイルたちです。こんな色目のクルマがあったら乗りたいモノですね。塗料だとなかなかこの深みと渋みが出てこないと思いますけれど。

20120902332012090234 一階ロビーに施設された”トイレ”(また、はじまった:笑)は、上海万博にも出品されたという、現在のINAXが考える「究極のトイレ」であると称しております。

 派手に看板が出ておりましたので、どんなモノかと撮影にのみ(使用はせず:笑)まいりましたが、なんか”未来風”のモノを期待して行ったら、結構フツーでした。まあ、広いし、バリアフリーではありますけどね。現在のワタシの場合はここまで広いと却って落ちつきません。もうちょっとトシをとったらいいのかな。

20120902352012090236 「世界のタイル博物館」、すべての展示(とトイレ:笑)を見終えて、表に出てまいりますと、ベンチに小さなオブジェが展示されております。

 「なんか、可愛いな」と思いつつ、写真も撮影。・・・「んっ?」オブジェの説明書きを見ますと「題名:ツバメのトイレ」・・・って、もういい加減に「ソコ」からは離れないか?(笑)

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 美しい庭園と黒塀を楽しみつつ、本格的なピッツァも味わえるという、オシャレなリストランテが「世界のタイル博物館」の隣には併設されております。

 中を覗くと大きな石窯もありました。そろそろお昼も近づいて、お腹の方も減ってはきたのですが、考えたら今日中に千葉の我が家に戻らなければなりません。

 この「常滑」には見どころがまだまだあると云うので、まずは先を急ぐコトにいたしましょう。

 次回こそは、完結篇に出来るかな(笑泣)。続きをお楽しみに!

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コメント

9月に入り、夜はだいぶ涼しくなりました。
でも、急な雨にはご注意です。
たった今、バシャバシャと雨が降ってきました。

「染付作品群」、写真で見るとお洒落な便器に見えます。
意外と現代の大豪邸にあったりして。
紫陽花やら紅葉やら、粋な感じがします。

茶色の焼き物の土管は、小学校時代に見覚えがあります。でも近所の空き地においてあったのは、既にコンクリート製の土管でした。しかしトイレとタイルのオンパレードですね。なかなか見られないマニアなものが多いんでしょうか。やっと弾丸ラリーも明日で千秋楽?ですね。だいぶ涼しくなりましたが(蚊が増えますね。)、日中は、まだ暑くて、ゲリラ豪雨に注意ですね。

アジアより無事、帰還致しまして・・・。

1週間以上留守にしていたのですが、まだこちらは旅の途中の様ですね(笑)

それにしても、戻ってきて始めて伺うブログの記事が、
我が家と因縁浅からぬ、INAXとは・・・・(笑)
敵ながら中々濃い内容の展示物に、感心しておる次第であります。

今度は小倉のTOTOの記念館にも行ってみて下さいね。
駅から車で15分くらいの所にありますから。
確か本社のある、三萩野ってところです。
こんな事言っておきながら、私は行った事有りませんけど(笑)

近々、お土産もって、調整をお願いに伺いますね。

今日のところはご挨拶まで。

レポートは圧巻です。
だがしかし、俺なら石窯ピッツァを食べてから行くな。

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