しつこく、”自動車趣味”のハナシ(シメ:笑)
あー、9月も過ぎ去っていこうとしております。すっかり過ごし易くなりましたね。長期予報では”暖冬”であるというハナシですが、それがホントなら嬉しいです。
ところでここのところ、自らがここに書いた文面をまじまじと眺め、皆さんから頂戴したコメントの数々をもう一度じっくりと読み返してみました(まーだ、このカタいハナシやるのか・・・)。
つまるところ”趣味”というコトバは、英語で云うところの「ホビー」と「テイスト」に「ファン」と「プレジャー(と”レジャー”も)」をくっ付けて、英語に表現しきれない部分には「もののあはれ」を振りかけてある様な概念を表現している上、個人戦も団体戦もあるよといった感じですね。もう、コレでいいよね?(笑)
どうしてこんなにしつこくも”趣味”の定義をしたかったのかと申しますと、その対象を”自動車”と限定した時に、なぜかこの日本では「青臭い(子供じみている)」と捉えられている部分があって(実際にコメント欄にもそういった御指摘がありました)、その根源にはどういった”原因の巣”があるのかを、言葉尻から探って自分の中で再検証したいという想いからでありました。モータースポーツひとつとっても、国情や歴史の違いがあるとはいえ、自動車大国と云われて久しい割には、例えば「ゴルフが趣味」というのにひき較べて、どのように考えてもマイナーな存在に甘んじている様に思うのです。一方で「囲碁」とか「将棋」がホントに趣味ってヒト、同世代人に居る(一部、A○B48が趣味のヒトはいらっしゃるみたいですが:笑)?
履歴書の趣味欄に「自動車と戯れる事(笑)」って書けるような世の中は、まだまだ遠い未来の話であるようです。ワタシなど、年に何冊の本(くだらないのばっかりだけど:笑)読んでるかわからないくらいに読むけど、決して「趣味:読書」なんて書きたくないモンなー。あっ、ちなみに「旅行」もワタシの場合は趣味ではありませんからね。ありゃー、あくまで「レジャー」であって、精神の解放を目指した行動なのです(ってコトも無いか→ぢゃ、”本能?”:笑)。
先日、このブログでもとりあげた「カーマガ」の365台を、御来店されたある顧客の方がパラパラとめくりながら「ああ、この本買って家でも読んだんですけどね、なーんじゃ、コレ。まったく魂が入ってないと思いません?この365台の選び方」と仰いました。一台一台を指さしながら「コレは、あり得へんやろ」と。実はワタシもそのように嘆かわしく思っておりましたので、「なーんか、編集部員の知ってる(と誇れるようなマイナーどころも含めて)クルマをなんとなく書きだしてみましたって感じですよね、確かに」と御答えしました。
”自動車を趣味としている”と標榜してきた50手前のオトコ二人が談義して「こりゃ、ダメだ」と云われちゃうもんが”自動車趣味の雑誌”を標榜せねばならないところに現在の日本における”自動車趣味”の立ち位置が見えるようです。だから今、我々の声無き声を張り上げておかないと、どんどん隅っこに追いやられてしまうように思うのです。自動車メディアも頑張って欲しいなぁー。
そうでなくても”趣味の自動車(実益を兼ねていたとしても)”を所有し維持するコトは「とてつもない額の納税」と表裏一体です。払うモンはきちんと(しかも旧いクルマには、”ペナルティ的な”重課まで課されて)払ってるんだから、納税者の権利を守る意味でも、一定の声を上げていくコトは必要です。自動車から、単に生活上のツールである以上の存在感を感じとりつつ日々の糧とし、それを愛玩しているヒトも多くいるはず。
そう云えば、ずいぶんムカシのハナシになりますが、歌手の「マイク○木」さんが”モーター党”という政党を立ち上げて政治の世界に打って出ようとしたコトもありましたっけ。マスコミなどは、有名芸能人の道楽と簡単に片付けてしまい、あっと云う間に泡沫候補と断じていた様に記憶しています。その発想自体は自動車趣味人として賞讃されるべきものだと思います。自動車やオートバイをテーマに掲げただけで迫害を受けるというのは、自動車大国、オートバイ製造技術世界一である日本国の中ではあるまじきコトです。”スポーツ”や”サラリーマン”をテーマにしたところは、それなりに耳目を集めましたからね、当時は。それから25年が経ち、その間には、例えば「高速道路を二人乗りオートバイが走れる」ようになったり、「10年落ち以上の旧い乗用車の車検義務が毎年から二年ごとで良い」ことになったりと”モーター趣味人”にとって有益な法律改正が行なわれました。これを見ますと”モーター党”支持者の一定の民意が伝わった部分もあるワケです。社会において、これからジジイになりつつある年齢層の我々こそが、今もっとも中心的な存在(重きを置かれる存在)になっちゃってるワケですから、”自動車趣味”の明日を拓く責任も大きいと云えましょう。
だいたいにおいて、”13年落ち以上の旧車に課せられる重課”などは、”その部分の年式”こそが、ようやく価格的に「天上界」から降りてきた名車群を、クルマ好きの一般庶民が楽しめるギリギリのライン(経年でさらに劣化していくという中古車の特性も踏まえて)であるだけに、庶民には「ゲタにでも乗ってろ」と云わんばかりの施策です。さらに追い打ちを掛ける消費税の増税。その替わりに自動車取得税を免税にされたとて、恩恵をこうむるのは新車か超高年式車を購入するヒトだけ。低年式中古車購買層方面には何の”見返り”もありません。
電車や飛行機、船舶などと違い、自動車はすでに日本では庶民にとっても身近な存在です。それは”自動車趣味”のフィルターを通すことにより、さらに眺めて嬉しく、乗って楽しいモノになる。自ら手を入れてイジる喜びも当然あります。その150年の歴史を紐とき、色々と過去に遡りつつ考察を深める行為は知的好奇心をくすぐります。ヒストリックカーは人類の積み上げてきた文化遺産、工業遺産です。コレを愛でるのも癒しになりましょう。
そろそろジジイになってまいりました皆さん、ここはぜひ「誇りを持って」ともに”自動車趣味”を楽しみ、力強く広めてまいりましょ。そのガイド役はお任せくださいね(笑)。
それじゃー、また明日!
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連日の「運転免許のひっかけ問題」もかくやと思われるテキストを読むにつけ、マイクロデポ顧客の知的水準の高さに、もはやついていけない私。
カーマガの「365台特集」は、たぶん夏休みだから時間がなかったのでしょう、私はそのように理解しましたが。でもこれじゃパラパラめくるだけだなー。
ところで「趣味としてのクルマ」ですが、今だ階級社会が根っこにあるイタリアだと、フツーの人が趣味だからといって「スーパー7」なんかには絶対乗れないらしいことが昔のNAVIに書いてありました。テーマ(ランチア)を買えてもフツーの人はクロマ(フィアット)だとか。7に乗るには哲学者クラスでないと周囲は納得しないとのこと。
このことを考えれば日本はいいですね、一般人の私がマセラティに乗れるんだから。思い出しましたがビトルボをイタリアで乗ろうとすると保険がメチャ高で、およそ90万掛かるとか。
投稿: 一松 | 2012年9月26日 (水) 21時30分
↑「一松」さん、すいませんねー、つまんないネタを引っ張っちゃって(笑)。表紙だけは立派なんだけどな、なんども云うケド”ミウラ絵”。フツーのヒトに色々な選択肢が与えられている日本人だからこそ、多彩な自動車趣味の可能性をご提案してみたかったダケなんですけどね。ちょっと深みにハマり過ぎてしまいました(反省)。
投稿: たこちゃん | 2012年9月26日 (水) 21時37分
たこちゃんプラスここ数日間のコメントを見ていて
「みんな、頭いいなぁ」
と思ってました。
決して文字通りの”ダメ男”ではない。
政党立ち上げたら、妙なオーラですごい力を発揮するかも(笑)。
投稿: Wさま | 2012年9月26日 (水) 21時42分
若者の車離れ〜と世間では言ってますが、魅力的な新車まずない上に、若者が買える価格帯となると軽ですかって感じで、そこへ来て古い(が、とっても魅力的♪)車にペナルティ税制ではお先真っ暗だと、クルマに関して重税を払っているクルマべったりな若者は思ってます。
資源の簡単かつ一番の有効利用のはずなのに重税というのがおかしいですし、せめて将来の自動車社会をにない、ついては新車売上への貢献も期待できる若者くらいは税金安くしてくれとおもいます。任意保険も高いですし!
自動車趣味の布教活動(笑)、全身で楽しさを表現すべく、
ぼくも頑張っていきます(^^ゞ
投稿: kkmustang | 2012年9月26日 (水) 21時44分
10年くらい前、同じ雑誌で「心に残る58台」だったか、多士済々な方々が思い入れのあるクルマについて短文を書かれた特集がありましたが、あれはよかったな、と思い出しました。
365台には、(個人的には)愛が感じられないのです。まるでト⭕タの車づくりみたいに。(ああこんなこと書いていいのかな)
本当に愛がないのか愛情表現の問題なのか、いずれにしても惹かれないんですよね…。
投稿: おぐ | 2012年9月26日 (水) 21時58分
日本経済は自動車産業がになっているので新車が売れる事は経済的に良い事です。新車が売れている地域はメンテナンス需要も増えるので自動車アフターマーケット業界が潤います。
一方、旧車オーナーに重課を課しても新車が売れる訳では無いですよ。官僚や政治家からは自動車趣味は贅沢だから重税を課しても良いと思われているのでしょうか。いやいや勘弁してください。ある種の文化財保護活動なのでむしろ優遇されてしかるべきなのです。
官僚の御方、政治家の御方、有名人・芸能人の御方、心にゆとりが欲しい経営者の御方。マイクロ・デポを訪れて超絶デポ仕上げの旧車をオーダーメイドしてはいかがでしょうか。クルマの素晴らしさと奥深さを再発見出来ますよ。
でも、そうして旧車の社会認知度が高まり税負担等が軽減されたら、今度は旧車自体が高騰して庶民のワタシから縁遠くなるかも。
それはそれでしょうがない。むしろ非常にリーズナブルな価格で提供していただき感謝しております。
投稿: Ryo | 2012年9月26日 (水) 23時59分
自動車趣味完結編ですね。確かにサブタイトルが「一生に一度は乗りたい365台」ってなってますが、全然って思う車もありました。また、おぐさんご指摘のCarMagaは、まだデポの広告が出ていた頃で「この56台が人生を変えた!忘れられないクルマ」ですね。
今月のCarMagaは、りゅたろう様の欲しがっているモーガン3ホイラーが出てます。またイベント参加のクルマや、オーナーの写真も出ていたりして、自動車趣味人健在なりと感じました(CarMagaの宣伝じゃありませんヨ)。
先日参加した某カー○ラの50周年イベントで、宮川さんと歴代編集長面々の講演を聴いていた時、私の隣に座って聞いていた方は、大分、高齢でした(おそらく70歳後半から80歳前半)、熱心にメモしたり、写真を取られたり、「うんうん」なんて頷いたりされていて、やや興奮気味で、非常に楽しんでいるようでした。自分一人でクルマを運転して、御殿場までいらしたのかなとも思いましたが、筋金入りの自動車趣味人であることだけは確かでした(実に微笑ましかったです)。
その方を見ていて、自分も、後何十年かで、免許も更新できなくなっても自動車趣味人を自称することができるのかな?と思いました。
自動車趣味が、子供っぽいと捉えられる原因は、正確にはわかりませんが、子供のときからクルマが好きで(運転はできないけど)、それが大人まで続いているからではないでしょうか?「それからいつになったら卒業できるの」っていう女性(母親)目線というか、子供の頃は、オモチャ屋で、「ト○カ買って!」と駄々をこねていたのに、「大人になっても!! 実用的でないし、お金も掛かるのに、クルマ買うとか買わないとか、ゴチャゴチャまだそんなこと言っているの!」みたいな感じでしょうか。
その点、囲碁、将棋、クラシック鑑賞、ゴルフ、海外旅行、登山とか、多くの人は子供のときは興味がなくて、大人になってから始めるので、青臭いと言われないのではないのかなと。
ちょっとニュアンス違うけど「三つ子の魂百まで」みたいに、子供の頃に好き好きで見ているだけだったけど、大人になって、やっとクルマを所有して、運転して、イジリ倒して、楽しんでいるんだけなんですよね、自動車趣味って(鉄道もかな?乗り物趣味?)。長文御失礼!
投稿: 練馬のH | 2012年9月27日 (木) 00時03分
詩人の田村隆一さんが、趣味とは「やはりテイスト」だね。と仰っていたのを思い出しました。
テイストとなれば、相対的なものだから、他のテイストも知っての趣味(テイスト)となる。
飲む酒毎に、合うつまみを知っているように、クルマ毎に合う道、服、装飾品、行き先、助手席の人・・それらがあいまってテイストになる。
たこちゃんさんのブログはセメダインの匂いばかりがするホビーのお部屋と思わせておいて、
客人のテイストを引き出す深さがあるんですねえ。
投稿: いちファン | 2012年9月27日 (木) 00時43分
以前、趣味について聞かれた時に、「クルマです」って答えてみたことがありました。
すると、「ドライブですね?」って聞き返されたので、「違います。クルマです。」って答えたら、
怪訝そうな顔をしながら「??????」って表情になってました(笑)
きっとその人にとって、クルマは冷蔵庫や洗濯機と同じ「道具」でしかないんでしょうね。
ゴルフや将棋や釣りや音楽鑑賞等のようなものの方が、「趣味」として理解しやすいのかもしれません。趣味の為の道具に拘る人は大勢いますけど、拘っていても「ゴルフクラブが趣味」とか「釣り竿が趣味」って言いませんから。
私は技術職なので、1人で客先へ行く時は基本的に自分の車です。当然、片道2時間なんてこともあります。営業同行で営業車に乗せてもらう時は正直苦痛ですが、自分の車の時は全ての移動時間が「車と戯れる楽しい時間」です。
「移動時間が1年でどのくらいあるんだろう」、そう考えた時、それを「楽しい趣味の時間」として消費するのか、「単なる無駄な移動時間」としてなのか、その差は決して小さくないと思います。
だから私は「車が好きで本当によかった」と思っています。
他人がどう思うかなんて関係無い、ですよね?
投稿: まおぴー | 2012年9月27日 (木) 18時39分
「人には言えない趣味」と言うといかがわしく聞こえますがビトルボが趣味という事はまさしくそんな感じです。けど、変態と呼ばれたくは無いな~。病気とか呪縛とか呼ばれた方が高尚な感じでマシです。でも開き直って自らの自動車趣味を変態と言う先輩は最早達人の領域です。
投稿: Ryo | 2012年9月27日 (木) 19時22分
シャマルに乗って将棋会館に通っているのですが・・・。
投稿: ti | 2012年9月27日 (木) 21時50分
↑「ti」さん、ただただすみません(詫)!
投稿: たこちゃん | 2012年9月27日 (木) 22時14分