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2012年10月24日 (水)

マセラティギブリ、こんどはダッシュボードの裏側を詳解

 うぅーれしぃな、うーれしいなっと!ようやくマセラティギブリ(福岡のTさま号)のダッシュボードが出来ましたので、嬉しいついでに今日はその裏側をご覧に入れつつ細かく御案内いたしましょうね。

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 さて、マセラティギブリのダッシュボード裏側なんですが、他の多くのビトルボマセラティ達と大きく違う特徴が、メインヒューズボックスや各部のメインハーネスをすべてセットした状態になっているという点にあります。

 この体裁は、95年登録あたりからのギブリABS搭載車以降~最終型と、ガンディーニクアトロポルテの最初期型~前期型だけに採用されています。同じギブリでも94年登録車あたりの非ABS車では、デ・トマソ期各車と同じように、ダッシュボードをはずしてもすべてのハーネスやヒューズボックスがボディ側に残り、その状態でのエンジン始動はおろかエアコンを効かせての走行すらも可能でありました。ところが、今回のギブリの様にダッシュボードがメインハーネスを背負ってるモデルでは、ダッシュボードを載せた上、主要なハーネスの再接続を行なわなければ、エンジンの動作にいたらないのです。もちろん他の動作品も、そのほとんどが動かせません。

 ダッシュボードをこうして裏返した状態で、各部結線のチェック、リード線皮膜の剥けチェック、ダッシュボードの芯となる骨格のサビチェック、その他諸々の「要修正項目」をアタマの中にリストアップしていきつつ作業を進めます。先天的な問題点と後天的問題点(改造や結線のゴマカシ、経年による劣化)をそれぞれ洗い出し、今後数年に亘って種々のトラブルに見舞われるコトの無き様に予防的処置を施す場合もあります。

20121024072012102408 左側写真は、オーディオや、インダッシュナビモニターなどを装着する場合に「フレーム」となる部分です。

 この個体では何の問題もありませんが、奥行きの深いユニットを装着するために一番奥の辺(写真では、一番下の樹脂受け具が付いている部分)がブッた切られてる場合や、微妙に変形させられている場合がよくあります。ここを切ってしまうと、装着するユニット後半部の荷重を受けるものが無くなってしまっているというコトですから、ウッドパネルに切られた開口部には常に偏荷重が掛かってしまい、そのロードはウッドパネルの開口部周辺へのクラック発生という結果を生みます。

20121024092012102410 ダッシュボードに装着されているハーネス先端には様々な種類の樹脂製カプラーが付いています。

 初めてヒト目見て、ああ、ここのツメを押しておくのね、とか、ここを拡げながら抜くのね、など、(プロの世界での)一般的常識通りになっているものではあまり問題が出てまいりませんが、「一体どーなってんの?コレ」といったモノも色々とあります。上の左側写真にあるモノなどは、装着時に三つのカプラーが同じボードに三連で並ぶのですが、固定締結の設計理念が真ん中のひとつだけ違います。アリモノのカプラーの中から「いい感じのサイズとピン(端子)数」だけを勘案してセレクトしてしまっただけなのでしょうけれど、あとでバラす人(そして再度組み立てるヒト)の事などは微塵も考慮に入っていないと思われます。

20121024112012102412  山ほどもあるコードを「なんとなく系統的に束ねる」ためには、粘着テープが使用されておりますが、フィアット期以降のビトルボマセラティにおいては、粘着力が弱い上、経年で粘着剤がカゼをひいてしまう独特の布製テープを採用しており、コレは染料の黒色も色移りしてしまう最悪の品物です。内装色アイボリー革のクアトロポルテなどにはカナリアイエロー色のカーペットが設えられておりますが、経年でダッシュボードの裏から落ちてきたこのテープ片を知らずに踏んづけながら使用を続けますと、どうやっても抜けないシミ汚れとなってしまいます。仕方が無いので、全数を良質なビニールテープに巻き替える対策をしています。ちなみに、今回のギブリは保存状態が抜群の個体でしたので、オリジナル布テープの劣化はほとんど進行しておりませんでしたが、近い将来にいきなり「クル」のが分かっているので放ってはおけませんでした(ちなみに、コレだけで丸半日掛かったんです:泣笑)。

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 続いても、どうせ見えないところの煮詰め(笑)。

 各エアコン吹き出し口の裏側も経年で劣化した諸々や、ホコリなどが入り交じったヨゴレにより”まっ黒け”です。強力な洗剤とシリコンオフを用いてマイクロファイバークロスで落としていきます。指の届かない場所は樹脂ヘラの先や精密ドライバー尖端でツツきます。

 一方で、送風経路に関わる部材と部材の間には、スキマを埋めるための充填材や、ウレタンフォーム類が多用されておりますが、こういったものが経年劣化で千切れ飛び、室内に侵入してまいります。そういった問題を解決するために、各関係部材は一旦分解され、内部のウレタンフォーム張替をも行なっておきます。これで向こう10年は安心してエアコンの風を直接顔にウケられますね。

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 ・・・そんなこんなで大体完成したのがこの写真の状態です。

 10余年の間に堆積したホコリやヨゴレの除去と劣化した諸々の交換作業は完成の暁には見えなくなってしまうコトばかりである上に、「どうせ、また汚れるし劣化もする」というのも一方の現実なだけに、毎度やってて一抹の虚しさは禁じ得ませんね。

 しかしながら、コレこそが「リセット」と云うモノです。”Re”・”Set”なのです。「元に戻して(復元)」「再度組み立てる」というコトですよね。そしてその中に専門店ならではのノウハウとともに、誰にでも出来得る「ひと工夫」とか「ひと手間」とか「ひと捻り」を傾注しながら、新車時を超える”something”を少しでも得ようと日々精進して行こうと思っております。この想いを皆さんと共有出来たなら「旧車道」はもっともっと魅力ある世界として光輝く事となりましょう。

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20121024232012102424 こうして、ダッシュボード裏側から、色んなモノ(ゴミ・チリ・ヨゴレ・カケラ・劣化テープ・サビ粉等々)が落っこちてこないレベルまで造り上げたら、ようやくトレー部分のアルカンタラボードを取りはずし、表皮のアルカンタラを張り替える作業に掛かることが出来ます。

 大量のハーネス、中身は銅線などの金属線で出来ている集合体ですから、その重量は相当なモノなんです。この重たいダッシュボードAssyを裏に表にと作業中にハンドリングするのは結構ホネが折れます。アルカンタラトレーは常に運転者の目の前にあり、マセラティ車内装の見せ場の一つでもありますから、表皮のヨゴレやトレー周辺の造作には細心の注意を払う必要があります。トレー取り付け作業中には全神経を集中してコトに臨みたい。裏側からヨゴレたものがパラパラとしている様では新車時状態の再現は難しいのです。

 ・・・で、ソレが一発で上手くいったと、それが本日冒頭の「うぅーれしぃな、うーれしいなっと!」の気持ちにあらわれていると云うオチで如何でしょう(笑)。

 それじゃー、また明日!

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コメント

なるほど、勉強になりました。
まさに「う結」ではなく「う始」ですね。
「すずらん通り」の二の舞にならなくてよかった(笑)。

現在、まさに「マイクロ・デポ博物館」進行形。
是非ビカビカの工房ではなく、このままのスタンスを貫いてほしいと思います。

 裏から覗くダッシュボードとは、初めてです。ビトルボマセラティ解体新書が発刊か。それとも先にマイクロデポ博物館かな。
 最近は、各地で車趣味人のイベントが多いです、ランチャランチ、トリコローレも行ってみたかったが、なかなか時間が合わないです。今週末は、○デイです。最近やけに仕事が重なったりしていますが、「一つ一つ匍匐前進で進んでいくしかありませんな」 by たこちゃん。

手間暇掛けて目に見えない部分にこそ価値があるものだと思います。
今日は大変価値ある物を読ませてもらいました。
オーナーさんもきっと嬉しいはずです。
昔、他店で買ったギブリはエアコンオンにしたら粉っぽいものが出てきて咳き込んだことがあります。今思えばネチョドロちゃんの仲間だったんですね。。。
最初からマイクロデポさんに行けば良かったと思うこの頃です。。。

美しい仕事ですね。どうせ又汚れる、とかわかっていてもやる!。中途半端な仕事では得ることのできない満足感が文章にあふれています。

私のクルマの納車説明の際「ヒューズボックスはここ外してください」「はいはい、わかりました」なんて軽く受け答えをしましたが、後で説明書見たら、「グローブボックス下をドライバーでこじって外す」なんて書いてあって笑えました、トラックか?。

写真を拝見すると、見た目のクオリティが上がって、ギブリになってからは「ヒューズボックスが鬼門」みたいなことは無さそうですね。

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