アルファロメオスパイダーの下回りを見る
いや、もう、今日もホントに寒かったですね。そのような中、午後には岐阜からお越しのO様が予定通りにクアトロポルテV6で到着。いつもの様にたくさんのお土産を頂戴いたしました(本当に有難うございました!)。ワタシも久しぶりにゆっくりと歓談したかったのですが、以下のミッションに従事するため、本日は車中からの会釈だけで大変失礼をばいたしました。
本日継続車検を受けるため、今朝早くの時間にお持ちになって頂いたのはアルファロメオスパイダーV6(所沢のNさま号)です。
まぁ、いつもの”チッピングガード塗装”を分厚く施されたオールドマセラティたちの見慣れた下回りと比べますと、如何にも工業製品然としておりますね。まずは、各部を点検したり耐熱塗装したりしながら、後部から前へ前へと進んでまいりましょう。まずは左の写真にご注目。円筒状の金属の塊が目に入ります。ただひたすらにぶら下がってるだけ、ハーネスも来てなけりゃ、ロッドも付いてません。おそらく本当にただの”重し”なのだろうと思います。このあたり、何もかもシンメトリーに作りたがるのでお馴染みの(笑)マセラティとは好対照で、コストダウンを考えながらも真面目に操縦性を追及していったらこうするしか無かったのかも知れませんね。初期の空冷911ポルシェなんかは、マイナーチェンジのたびに”重し”を色々と各部に仕込んでいたのは”その筋で”有名なハナシです。
キャタライザー周辺もアッサリとしています。FF車ですから、プロペラシャフトなどの一切の駆動系統が床下にありませんね。
御覧の様に排気系統はフロア底面よりもずっと奥まった位置に”逃げて”装着されておりますので、コレならハラを打つなどと云う余計な心配もなさそうです。キレイに整然と収まってていいよなぁ。ワタシたちが見慣れた、いわゆるカオスっぽさは微塵もありません。
下から覗いて、ナンか説明付けてやれ、とか思うのですが、コレといったモノがなんも見えませんね(笑泣)。
横置きV6ユニットも下から覗いてオイルパンしか見えません。
ミッションデフからは、左右に向かって不等長ドライブシャフトが伸びています。フロントサブフレームに点在するボルト類にも表面処理がキッチリと施してあって、元々車輌自体の素体が良いとは云え、いまだに美しい状態を保っております。
やはり美しいアルミ鋳物のサブフレームが目を引きます。量産型とは云え、ここまで凝った足回りはなかなかの見ものです。
ホイール外側からはチラっと見えるばかりのロッソキャリパーですが、こういったところもイタ車らしくて楽しい演出ですよね。コレだからこうして下回りまで仕上げていきたくなっちゃうんだよなぁ。魔性の女です。
・・・下回りをチェックした限りでは、なーんも”問題無し”で車検に臨めるかなぁーと考えていたら、アルファロメオと云えどもそこはイタ車、やっぱアマかった(笑泣)。すべての電気周りをチェックすると後部ハイマウントストップランプが全球点灯いたしませんコトが判明。そもそもハイマウントランプなどと云うのは、無けりゃ無いでいい様な、云わば”添えモノ”的灯火なのですが、「付いてる以上は全部点け」という”社是(笑)”に忠実なのが、”車検場と云うところ”ですから、とにかく午後のラウンドに向けて速攻で全部点く様にしなきゃなりません。
色々開けて、とにかくランプユニットをはずしては分解してみましょう。まぁ、大体において、全部の電球がキレちゃってると云うコトはそもそも考え難い。電球をひとつひとつチェックしていきますが、どうも切れてはいない様子です。
ワタシが何気なく、さっきハズしたボディ側カプラーの中に目を遣ると、「あー、コレだよ、溶けてるよ、右側の方。原因、たぶんコレ」と二秒後に叫んでました。相手方(ランプユニット)の端子も、高熱で変色しているのが分かりました。フェラーリなんかもそうなんですが、この時期のフィアット系イタ車によく使われている小さな2Pカプラーはホント、ダメ(笑泣)。ボーっとしてると、一見チャンとしてる様に見えてしまうところがミソなんです。このカプラーの使用はヤメて、新たな二本のコードとユニット基盤端子を直接的にハンダで直付けとし、シリコンで絶縁。伸ばした二本のコードはボディ内側において丸ギボシで結合出来る様に改造いたしました。
今日は、昨日午後にお預かりしたクアトロポルテエボV6(和光市のTさま号)と、このアルファロメオスパイダーの二台を同時に車検場に連れて行き、継続車検を受けて二台ともに無事合格。
車検コースに並ぶ、アルファロメオもキチンとハイマウントランプが点灯しております。まずは、良かった良かった。マセラティとアルファロメオの一日車検が出来るなんて、夢の様なイタ車屋マイクロ・デポ(大笑)。二台ともに本日即納車いたしました。確かにこりゃまったく便利だわなぁー。
それじゃー、また明日!
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コメント
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この世代のアルファスパイダーやGTVのデザインはとても好きです。
一時は本気で買おうかと思いました。
安いし。
でももっと安いローバー200、200ターボに行ってしまいましたが…
安物買いはよくないですね。
うーん、でもやっぱりいいなあ。
ミニを先に見つけちゃったけど、こっちを先に見ていたらわかんなかったな。
投稿: りゅたろう(いつかはヌォーバ) | 2013年2月12日 (火) 18時32分
おぼろなのですが実はES30としてザガートが提案したのはこっちの様なエレガント路線だったのが、それじゃぁインパクトに欠ける!ということでフィアットチェントロスティーレ案(モストロ路線)が採用されたとか(ということはES30はザガートデザインでは無く製作のみ?)。
ビトルボ系一日車検っていいですね、普通は何週間も戻ってこないと思います(又は再入庫)。
投稿: 一松 | 2013年2月12日 (火) 19時52分
あー懐かしの916スパイダー。この車種遍歴に関してはワタシビョーキです。
最初期型:ブルーメタ+ベージュ手動幌+タンシートのツインスパーク
間に中期型GTV V6 3リッターを挟んで、
中期型:ネロメタ+黒手動幌+黒革シート+ツインスパーク(最初期程いい音がしない)
後期型:ゾエイエロー+紺電動幌+黒革シート+ツインスパーク(初期とは違うがよく回る)
最終前:ネロ+黒電動幌+赤革シート+V6 3.2リッター(セカンドでもホイールスピンする)
さすがに最終型は買わなかったケド。
初期型の水道並みの雨漏り、三回開けると一回止まる電動幌等々やはりアルファロメオ。
96年大沢自動車導入の最初期型が一番アルファらしかったな。
5分類は私のオリジナルです。そこんとこよろしく。ん…どっかで聞いたような。(笑)
投稿: 松戸のS | 2013年2月12日 (火) 21時09分
↑お三方、毎日のコメント有難うございます。特に「松戸のS」さんには、”畏敬の念”をコメまして、「アホ(笑)」の称号を授与いたします。当然”アルファスパイダーの五分類”に関しましては「松戸のS」さんの登録商標とさせて頂きます。虎ノ門の特許庁にイカなきゃ。
投稿: たこちゃん | 2013年2月12日 (火) 21時40分
アルファロメオスパイダーは結構好きです。
円筒状の物体はラリーXの煙幕発生装置では(←また訳のわからん事言った。ごめん)。
造りは真面目で、見栄えも良く、カジュアルに乗る事が出来て敷居も低そう。それでもワタシにはまだ敷居が高いかな。
小市民のワタシには軽自動車がお似合いです。
では、背伸びしてまで所有しているキャブビトルボはと言えば、不治の病であります。好きなんだからしょうがない。
投稿: Ryo | 2013年2月12日 (火) 21時49分
私もスパイダー好きです。
V6というところが良いですね。
あっ、更に一代前のスパイダーも好きです。(TSですが)
下から見上げると、マセラティのシンメトリーなカオスぶりに
目が覚めます。改めて我が愛車を尊敬した次第です。
投稿: woodykida | 2013年2月12日 (火) 22時01分
おおっ、新たな学説、アルファロメオスパイダーの5分類。
その内、権威ある某クルマ情報誌のアルファスパイダー特集で語られちゃったりして。
便利だな~、このブログ。
クルマ情報誌のライターはこのブログを読むべし!
読んで勉強すべし!
引用する場合はたこちゃんに一報入れてね。
引用の全文に「マセラティ界の権威であるマイクロ・デポ株式会社のホームページにおいて代表取締役・岡本和久氏の解説によれば・・・」とさえ触れていただければ。
アルファスパイダーの5分類の引用については、「マセラティをはじめとするイタリア車を得意とするなんでも屋のマイクロ・デポ株式会社の代表取締役・岡本和久氏のブログ『マセラティでイッてみよう!Part2』において常連コメンテーターの松戸のS氏の解説によれば・・・」とさえ触れていただければ。
・・・ふう、コメント疲れた。
投稿: Ryo | 2013年2月12日 (火) 22時15分
松戸のアホです。
一見車歴を披露し悦に入ってる嫌な奴に見えますが、全人生をそれらに注いでるタダのボンビーなアホです。ワタシ。
このスパイダー便宜的5分類をして、例のギブリ6分類は全部所有したか、詳細にバラした人間にしかわからない事実の積み重ねであり、安易に「6分類できる」などとは言えないはずである事に改めて気付く。(とことん蒸し返す:笑)
投稿: 松戸のS | 2013年2月12日 (火) 22時52分
コメント欄の皆さん凄い、松戸のSさまは特に(入力間違いで「松どS」ってなってしまうところだった)!
実は、アルファは所有したことも、運転すらしたことないんです。だから全然ついていけません(すいません)。
このたこちゃんの「色々な車の底を鑑別する」っていうコーナーも定着してきましたね。
投稿: 練馬のH | 2013年2月12日 (火) 23時06分
本日ひさびさの深残でこの時間のコメントですが
↑「練馬のH」さまコメントには笑わせていただきました(笑)。
916スパイダーは、下回りもスッキリしていますね。
このあたりもピニンファリーナデザインでしょうか。
内外装デザインのトータルバランスが良く、好ましい1台です。
投稿: Wさま | 2013年2月13日 (水) 01時48分
お早うございます。
どっちかと言うと「松どM」です。(笑)
朝からすいません。
でもスパイダー、いい車だと思います。
まだalfaの片鱗をかろうじて感じることができ、
かつそこそこ現代的と敷居も低く、一部のランチアあたりよりは
多分安心してイタリアを楽しめる車です。
デポ謹製alfa なんてのもまた一興。
投稿: 松戸のS | 2013年2月13日 (水) 08時40分
松戸のSさま(今回は打ち間違いなし!!)、失礼致しました。イタリア車好きな人はそうですよね。
投稿: 練馬のH | 2013年2月13日 (水) 12時23分
そこまでディープなアルファ遍歴の主に軽くアホだなんて失礼です。
畏敬の念を込めて練馬変○倶楽部の会長に推薦させていただきます。
投稿: Ryo | 2013年2月13日 (水) 12時44分