ビトルボマセラティのフロントサブフレーム詳解とか
うわー!実は昨日の雪が舞い散る天候の中、海外に発注していたビトルボマセラティのパーツ群が航空便で速攻到着してしまい、デポの二階は(そーで無くても、御存知の様にいつもスゴイ事になってるのに)それはもう、足の踏み場も無い状況に突入いたしております。今月は決算月でもあるので、在庫”棚卸し”も並行して行っており、いよいよ”あぱらかちゃー(笑)”です。
そのような物品の数々を次から次へと順番に開梱しては、品目と数量をインボイスと首っぴきでチェックしてまいります。
その中のヒト箱から出てまいりましたのが、フロントのサブフレーム(もちろん新品)です。この部材がこうして単体になっている状態を見るのは極めてレアであると思われますので、各部の写真を撮影いたしました。画像をご覧になってみてください。大雑把に云えば、エンジン本体・ステアリングラック・フロントサスペンションアーム等々が、すべてこのサブフレームに取り付けられつつ、ボディのモノコックシャーシに締結されていると云うコトになります。
エンジン本体を載せるためには、エンジンマウントが二つ必要です。
実際の搭載時には、写真の位置にエンジンマウントを取り付けつつサブフレームに載せていきます。
まあ、エンジンが載ってなければ楽々と出来そうなマウント交換作業ですが、多くの場合は、あらかじめステアリングラックや足回りをすべてはずした上で、さらにエンジンが載ったまま(場合によってはミッションも繋がったまま)での作業になりますので、それなりに困難を伴います。
左の写真はフロアを下から見上げた状態で、上方が車輌の前進方向です。
パワーステアリングラックの搭載位置はご覧の様にサブフレームの後端となります。
ボディ側のメインモノコックフレームと、サブフレームの結合には、右写真の様にメカニカアッティバのS字型アーム(のブッシュ)を途中に貫通させながら作業を行う部位があります。すべてのフレーム結合ボルトをナメずに締めこんでいくのは、特にエンジンを搭載したままの状態で行う場合に相当な難しさがあります。ボディ側のメスネジをナメてしまったら、一巻の終わり。すべてをもう一度分解して、メスネジの目立てからやり直しとなってしまいます。
ビトルボ系統のサブフレームは、その製造後半期において、ステアリングラックのコラム基部(底部)を直接的なハラ打ちから防護すべく、ご覧の様なガード用部材が付く様になりました。
コレで”ビトルボ乗り”の悩みも多少なりとも軽減されていると云えましょう。荷札の様な紙に書かれた番号は品番ですが、手書きによりマジックで描かれていますのが御愛嬌です。
コレが凄惨な状態(ある意味、満たされた空間とも云えるが:笑)のデポ二階の様子。
さあ、その他にも諸々の箱を頑張って開梱し整頓していかなければなりませんね。次々と段ボール箱の山を積み上げては作業を続けます。
「ともちん(笑)」もニコニコと見守る中、紙の小袋を開けてはチェック、附番を確認して養生部材を処分していきます。大きなゴミ袋はたちまちいっぱいになってしまいます。
こうしてこれからお納めする当店顧客売約済みのマセラティに使用する分と、同様に修理をお待ちのマセラティへの用途分、そして通常在庫分と分類していく作業は果てしなく続きます。当面入手が難しくなりそうなモノは予定が無くても在庫用として発注していたりもいたします。
マイクロ・デポには、「こんな”くーだらないモノまであったの?(笑)”」と、ワタシ自身も思わず苦笑せずにはいられない物品までを通常在庫として保管しております。マセラティ専門店の意地(ホントはたいへんなんすから:笑泣)の見せ所と云った感じで、今後もこれまで以上に”部品供給”の分野でも頑張ってまいりますヨ。部品が無ければ、ホントにオブジェになっちまいますモンね、旧車は。
それじゃー、また明日!
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これはいつものデポ2階がでんぐりがっていますね。サブフレームはどなたのものかな(興味シンシン)。こういったパーツは「備えあれば憂いなし」ですね、特にイタリア車は(笑)。
投稿: 練馬のH | 2013年2月 7日 (木) 19時37分
「凄惨な状態」なんてとんでもない。宝の山ではないですか。
サブフレーム、パワステラックをガードする形状になっていたのですね。うちのギブリはよほど変な打ち方をしてしまったのですね…。いやはや。
投稿: おぐ | 2013年2月 7日 (木) 20時37分
今日はパソコンの調子が悪く携帯でブログチェックです。
携帯の小さい画面から写真を見ますと、二階の惨状が際立ちます。
ほふくで整理整頓ですね。←ほふくが変換出来ず(笑)。
投稿: Wさま | 2013年2月 7日 (木) 21時09分
すごいですねー、宅配で何か届くとわくわくします、何かサービス品は入ってないか?カタログとかあるとうれしいもんです、みなさんがネットあるいはテレビ通販に嵌るのもわかるなー。それにしても棚卸しが大変そうです。
投稿: 一松 | 2013年2月 7日 (木) 22時22分
サブフレームもFedexで仕入れらたんですか!物流費が怖いですが、注文できるんですね。
よく考えたら、昨年バンパーを擦られた時、コーンズさんも新品のバンパーを注文しようとしてました。(汗)
在庫はありませんでしたが、有ったら幾らだったんでしょうね。
投稿: woodykida | 2013年2月 7日 (木) 22時40分
マセラティのロゴの入った梱包箱が御洒落ですね。
中の部品が良く解らなくてもこの箱に入っていると嬉しい。
投稿: Ryo | 2013年2月 7日 (木) 23時32分
「凄惨な状態」なのは私のShamalでして…サブフレーム逝ってます。
エンジンを下さずに交換することは、相当難しそうですが、あの工場長ならきっとやってくれるでしょう。
心よりそう願っています。
春に入るという3次元フレーム修正機の到着を待ちわびています。
ロアアームだの何だの、まあ、細かく壊してしまいました。
Shamalで自損はないだろう(そんな無茶な運転はしないだろう)と思っていた私は愚か者でした。
学習能力のないラット以下でした。
自分のことだけは何にも分かっていないものですね。
自損でも支払い可能な車両保険に入りましょう、皆さん
園子温の映画「ヒミズ」の中で語られる詩、フランソワ・ヴィヨン「軽口のバラード」をもう一度噛みしめようっと。
部品が到着してうれしいです

投稿: りゅたろう(いつかはヌォーバ) | 2013年2月 8日 (金) 03時09分
マセラティ専門店の意地に敬意を表します。
マイクロデポがあるから古いマセラティを維持できるのだと思います。
安心感があるんです。心のよりどころなんですね。
投稿: みっち | 2013年2月 8日 (金) 14時43分