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カテゴリー「ガンディーニのクアトロポルテ」の71件の記事

4代目クアトロポルテ関連の記述。ホームページ用の原典。

2013年2月18日 (月)

マセラティクアトロポルテのフューエルポンプ交換など

 はい、こんばんは!まぁ、ここんところは本当に寒い毎日が続いております。東京練馬もパラパラシトシトと雪や雨が降るような天候か、晴れても超突北風が(ホントに文字通りに)吹き荒れるので、”桜咲く春”を心から待ち侘びておりますヨ。皆さんも、それぞれにお仕事がお忙しいとは思いますが、どうぞ御自愛くださいませ。

20130218012013021802_2 さてさて、トランク内側のカーペットをすべて剥がされているのは、先日エアコン修理を実況いたしました、Oさまのマセラティクアトロポルテ後期型V6。

 メーカー無償修理が終わって土曜日に帰ってきたナビ本体の再取り付け(それに伴う内装の組み立て)と、インタンク型フューエルポンプに取り付けられたフューエルホースとフューエルストレーナーの交換を、朝から同時上映(笑)にて行っております。ポリシートで養生して作業開始です。

20130218032013021804_2 まぁ、このブログでは、この一連の風景もスッカリお馴染みとなっておりますが、ビトルボマセラティは御覧の様にトランクルームの最奥部にフューエルタンクが位置しております。

 二本の強靭な金属バンドで、写真の様に取り付けられています。二本のボルトをまずははずして、固定バンドを解放いたします。

2013021805_22013021806 それと同時にガソリン給油口とフューエルタンクを繋ぐホースもバンドをゆるめて抜ける様にしておきます。

 フューエルタンク上方を手前に(後方に)引き出しますと、フューエルポンプユニットとフューエルゲージのフロートユニット、それぞれの頭部がようやく顔を覗かせます。まずは、分解する前に各部を目視でチェックいたします。

20130218072013021808 本当は予定に入ってなかったフューエルゲージパッキンの交換が必要な事も判明いたしましたので、先にコレを作業するコトといたしました。

 厳冬である今の時期では、あまり臭いませんが、もう少し暖かい時候ともなりますと、こういったガソリンの滲みは「ツイキーなオイニー(きつい臭いですヨ:笑)」となってしまいますので、この段階で気がついてよかったです。

2013021809_22013021810 はずしたパッキンは、やはり経年により、膨潤してフヨフヨになっておりました。そもそも耐ガソリンの物性を持たせたゴム部材も、永遠の命ではありません。まぁ、かれこれ15年です。ここは、”よし”といたしましょう。

 それでも新品のパッキンを組み付けるとともに、シリコンガスケットを各部に注入・塗布して今後の万全を期しておきました。

2013021811_22013021812 ちょっと閑話休題なんですが、左の写真をちょっと御覧ください。

 普段はカーペットの裏にかくされた、トランク左側奥には、御覧の様に気化ガソリンの濾過経路にチェックバルブが装備されております。コレが詰まると、どこか別のピンホールから気化ガソリンが漏れ出し、なんとは無しに「ツイキーなオイニー」が出てきてしまうコトがあります。もう一つ、フューエルカットオフスイッチと云うのも憶えておいて良いと思います。本来は衝突時など、瞬間的な急減速度を与えるとフューエルポンプを瞬間的に停止させる装置なのですが、リアフェンダーの板金や、デント作業などの時に、ボディを叩いたり、強く揺すったりいたしますとマレにこの安全装置が作動して、エンジンが掛からなくなってしまうコトがあります。ちなみにこの形状のカットオフスイッチがトランク左側についているタイプは、後期型以降のガンディーニクアトロポルテ(エボも含む)と3200GTです。デ・トマソ期ビトルボと、ギブリⅡ、ガンディーニクアトロポルテ前期型ではトランク右側のオートアンテナユニット裏あたりに装備されており、形状、理念ともに違います(端境期のモデルでは必ずしもこうでは無い場合もあり得ますので、参考程度のハナシだと思ってください)。

20130218132013021814 はい、ここからは、いつもの「痛ーい(泣)」工程になってまいります。

 本来の真冬の寒さ+ガソリンで手が濡れ、ソレが気化するコトにより指先の熱が奪われる現象により、その体感的なツメたさは氷点下です。例によって、この作業を遂行中の”ウチの三男さん”はオニの様な形相をしておりますので、半径3メートル以内にはとても近づけません(笑泣)。だから、このあとの写真、今日は撮ってませんので(笑)。

20130218152013021816 と云うワケで、ワタシの方はナビの再取り付け作業を行う電気屋さんのお手伝いです。

 同じクアトロポルテでも、前期型と後期型・エボ系では、1DINユニットの取り付け理念も、ウッドパネルなど内装各部の組み立て順もまったく異なるものです。こちらのタイプ(後期型)では、先にすべての位置関係や配線取り回しをキメてから、最後にウッドパネルを装着するものです。

20130218172013021818 仮に固定して、電源を入れてみました。おお、無事にモニターが顔を出してくれましたね。

 このあとは、ウッドパネルを仮組みしては取り外すの繰り返しで、モニター動作時の周囲への干渉度合(ウッドパネルやエアコンコントローラー・各コンビネーションスイッチ、オートマセレクターレバーとの距離)を最適化してようやく”本付け”となります。・・・と云うワケで、本日この後の写真も撮ってませんので(コレばっか:笑)。

 闘い済んで(日は暮れてない→コレ全部”昼メシ前”なので)・・・あとにはガソリンが沁み沁みのウエスと、交換されたゴムホース・ストレーナー、そして無数のディスポ手袋が散乱しております。午後は、排気漏れマフラーを溶接修理完了し、とりあえず”無罪放免”と云うコトに(笑)。明日もこの調子で頑張らないとね。

 それじゃー、また明日!

2013年2月14日 (木)

マセラティクアトロポルテ後期型V6のエアコン修理

 今日の午後には、少し日差しも出て、幾分寒さも和らいだ様に思います。考えてみたら、本日はバレンタインデー(おまけに大安:笑)。皆さん、”義理”だの”人情”だので、チョコレートは貰えましたでしょうか。とりあえず、ワタシは可愛い姪っ子たちから貰えましたヨ(エヘン!)。

 午前中には「テツヲタ」さんも御来店、三兄弟それぞれのウチ用にと、さいたまのJR鉄道博物館土産をバレンタインデープレゼントとしてわざわざお持ちくださいました(”日野デュトロ”を、せまいせまいデポ前路地に停めては、嵐の様に上がって来て、嵐の様に去って行かれましたので、御礼もそこそこですみませんでした)。 

 夕方になると、マセラティキャラミをお待ちの「Uさま」が電撃御来店(これまた、いつもの様に大量の差し入れを有難うございました!)、てっきり、先日アップした、ウチのYoutube動画を見てお越しになったのかと思いきや、「えっ?ホント?そんなの出てんの?」と”ヒトごとモード(泣笑)”なので、事務所のパソコンでそのまま御覧頂きました(お帰りになったら、ブログの方も見てくださってるかなぁ)。

2013021409_32013021410_5 ・・・そして、なんと”ともちん”もマイクロ・デポに現る・・・ワケはありませんで、昨日プロトコーポレーションの営業担当氏が担いできたGoo鑑定の板野友美ちゃん等身大POPです。

 営業氏とともに、いきなり組み立ててみますと、結構デカイので置き場にコマっております。階段を上りきって、部屋の方をなにげなくフト見ますと、「ああ、こんなところに知らないヒトがぁーっ!」と、自分が置いたのも忘れて、些かギョっといたします。とりあえず、バレンタインデーに相応しい”派手なねーちゃん”ではありますな(笑)。

20130214012013021402 さてさて、本日の本題はこちら。Oさま(先日は、たくさんの差し入れを有難うございました!)のクアトロポルテ、昨年の夏にエアコンが効かなくなり、岐阜現地でエアコンガスのスローリークと診断され、その場でガスチャージをしたのですが、その後も納車時と比べて冷えが悪いとの事。

 今回、納車時に当店で装着したナビにメーカーの無償修理対象の症状が出ている(インダッシュモニターが途中で引っ掛かって出てこない)のでお預かりしたのですが、そちらの方はメーカーの指定修理業者に昨日お送りいたしましたので、ソレを待つ間にエアコンの方も治してしまいましょうと云う作戦。

20130214032013021404 早速シュートしてみますと、エアコンのエキスパンションバルブ周辺からエアコンオイルの滲みがある様です。

 助手席の足元左側、センターコンソールの奥が今回の”主戦場”となります。

 まずは、グローブボックスをとりはずし、センターコンソール右サイドカーペットをはぐります。奥へ奥へと突き進んでまいりますと、一番手が入りにくいところに「いやがらせの様に(笑)」その”ブツ”は装着されております。色んな工具で色んなコトをして、患部たるエキスパンションバルブをはずします。

20130214052013021406 コレがそのエキスパンションバルブ(通称:エキパン)です。

 ガスの流量を調整するバルブなのですが、時に内部が詰まってしまいます。

 多くはエアコンリキッドタンク内の濾過用活性炭の屑が細かく千切れて流路を詰まらせる(この場合はリキッドタンクも新品交換が必要)のですが、今回の場合は経年で自然発生した”澱”がエキパン詰まりの原因である様です。

20130214072013021408 エキスパンションバルブはエアコンガス経路の途中にありますので、コレを交換した場合は、経路内を一旦完全に真空にする(経路内の結露を防ぐため)作業が必要となります。

 ”真空引き”の完了を待つ間、ウチの電気屋さんとワタシは差し向かいでの昼食。・・・バレンタインデーに、まったく相応しくないシチュエーションではあーりませんか(笑)。チャーハンとギョーザでハラをいっぱいにした後は、R134ガスのチャージを行います。

2013021411 最後には、取り付けたエキスパンションバルブ部分を中心にした室内側と、エアコンコンプレッサー周辺やコンデンサーなど、エンジンルーム内のエアコン経路を順にガス漏れが無いか、トータルにチェックする作業を行います。

 納車前の整備作業でコレをやっている時には、往々にして「あらま、コッチも漏ってるヨー」なんてハナシになり、全部を一からやり直しになるコトも(しかも3回4回と:泣)結構多いのですが、今日は、エキパン交換だけで、一発シュートでした。まっ、タマにはこういったスカっとする状態を味わうのもいいものですね。モノホンの”ともちん”が来るよりも、こっちの方がウレシイわ。ワタシ、A○Bよりも、どっちかって云うと”ももクロ”さんたちの方がいいな、なんだか元気を貰えそうで(笑)。

 それじゃー、また明日!

2013年1月25日 (金)

マセラティクアトロポルテ、リアドア内張りトリムのはずし方講座?

 あちょー!今日は、午前中早くからお二方のマセラティ御試乗希望のお客さんが御来店。ワタシと次男でトクトクと”ビトルボマセラティの素晴らしさ”と”人外魔境の世界”を一生懸命お伝えし、気が付けば、もう午後の2時半。昨日の暖かさとは打ってかわって、午後からは、んもー寒いのなんの。そのような中で、本日夕刻までワタシの行った作業をダシ(笑)にした、現在継続車検でお預かり中「横浜のKさまクアトロポルテ」の一席。

20130125012013012502 車検場から無事にパスしたクアトロポルテが帰ってまいりましたので、「快速でさがるのに、上には手で助けてヤラないとあがってこない」と云う”コマッタちゃん”なリアウインドーレギュレーターを何とかして差し上げようといった試み。

 まずは、ドア内張りトリムをはずします。ビトルボシリーズ中、このクアトロポルテ後期型の”リア”ドアトリムが一番簡単にハズせて戻せるモノだと思いますので、「入門用(笑)」として一連の工程を御紹介しておきましょう。

 ”ドアインナーノブベースカバーを固定するタッピングビスを隠しているカバー(長っ!)”をまずはハズしますが、多くのヒトは大概ここでイヤになります(いきなり笑泣)。当該カバー周囲に切り欠きが無いので、どこにも工具の先を突っ込むコトが出来ないのです(後のエボ系では、一箇所切り欠きがついて改善されましたが、ソレでも経年したものをコワさずに取るのは結構至難です。”ネタネタ病”もあったりするしな。)。

20130125032013012504 隠れていたタッピングビスを抜き取ります。

 樹脂のベースカバーはロックインナーノブの上下に伸びる軸に”パックン”とハメこんでありますので、まずは上、そして下と”逆パックン”します。

 この時、”逆パックン”を注意深くやらなかったクルマは当該部分が欠けてしまいます。時にすでに欠けているモノを見るコトも多い部位です。

20130125052013012506 ああ、初めてみると、コレもどーやって留まっているのだろうと云う、ウインドースイッチ周りの”ウッドパネル(笑)”指で摘めるサイズなのに本当にウッドだからスゴイ。

 写真ははずし方途中の一例ですが、決まったセオリーはありません。個体によって、その密着度合は実に様々(経年といった要素もあります)で、ありとあらゆる先の尖った工具を準備して臨みます。初心者は樹脂ベラで闘うべきですが、それじゃー、ヘラがシナって、全然浮きアガってこないコトもまた多いです。

20130125072013012508 ”ウッドパネル”がキレイに抜けたら、今度はウインドースイッチ自体の取り外しに掛かります。

 コレも前項と”以下同文”。キマりはありませんが、とにかく樹脂のスイッチベース部を割らない様にアチコチ少しずつ浮かせながら徐々にハズしていきます。周囲(相手の四角い穴)はなんと鉄板。ここの穴の開け具合(精度)で、あとから作業する人間の苦楽はキマります。簡単にトレる場合もあれば、一時間掛かってもトレない場合もあり、ソレもまた人生。♪あーあーーーかわのながれのよぉーにーぃー(笑)。

20130125092013012510 で、なんでこんな思いをしながら、スイッチ周りをハズすのかと云えば、ソコに隠しネジがあるからなのです。

 続いて、後部リフレクターをはずします。ヘラや工具の先をイレ、徐々に引き剥がしていきます。コレも、革と樹脂とが密着してしまっているモノもあれば、指先だけで、あっけなくトレちゃうモノもあります。ソレもまた人生。♪あーあーーーかわの・・・(しつこい:笑)。

20130125112013012512 で、色々な人生を噛み締めながらリフレクターをハズしますと、ソコにはまたまた隠しネジがありますので、ソレを抜き取ります。

 この内張りトリムの場合には、合計3本の隠しネジがありますが、通常の車載工具に付いているプラスドライバーよりも一段先端部が太い規格のドライバーを用いるのが(特に取り付け時には)成功のカギです。カタく締まったネジを無理に細いドライバーで緩めようとすると、十字溝をナメてしまうので、充分に注意を払いましょう。

20130125132013012514 ・・・まだ、あるんスから(笑)。今度は普通のプラスドライバーを握ってドア下灯ユニットをはずします。

 左右のネジが完全にハズれても、樹脂が革にハリ付いて、ぜーんぜんビクともしなくなっている場合もよくあります。そんな折には、周囲のスキマに”シリコンオフ”を流しこみながら、樹脂ベラで少しずつ浮かせてまいります。決して癇癪を起こしてはイケません。一気にヒキハガすと皮革表面がベリっとハガれてしまいます。ここは、ただただ”忍”の一字なのです。

20130125152013012516 隠れたネジの最後の一本が、このドア灯の裏にありますので、先ほど同様にソレをはずします。

 で、ここまで、こんなにコンナに苦労して、”ネジを隠す”コトに執心していたにも関わらず、「大ラスの一本」だけは右の写真の様に「アタマ丸出し(笑)」。この”意あって、チカラ足らず”テイストこそが、ビトルボマセラティの真骨頂(笑)なのです。可愛いなぁ。ヤリ抜かないって、ステキなコトね。

20130125172013012518 すべての締結を解いて、一旦ボディ側と皮革トリム部分を分離させる様に、そっと手前に浮かせます。

 そしてそのまま上方にあげれば、ボディパネル上端に嵌っていた水切りモールごとトリムはボディと分離いたします(ぱちぱちぱち)。

 右の写真がトリム分離直後の車輌状態を示すものです。こんな感じでやってるので、サムいのであります。広くて暖かい作業場はワタシの見果てぬユメなのでありましょうか。

20130125192013012520 ドアパネルのインナースキンと、ウインドーレギュレーターの各固定ステーの間には、オリジナルなら、薄いピンク色の防滴用ビニールシートが挟まっています。

 左の写真は固定ネジをすべてはずし、ビニールシートを除去した状態です。作業を円滑に進めるために、ドアのインナーノブを台座ごと一旦はずして、下方にズラしておきます。ここで、窓を締結している二個のハカマ(ガラス屋さん用語)を締め上げているボルトを、それぞれユルめて、窓とレギュレーターを分離出来る様にしておきます。

20130125212013012522 で、その後しばらくの”企業秘密”工程(笑)の後、ウインドーレギュレーターを”ちえの輪”のように、ドア内部から抜き取るワケですが、このシーンはいかにしても写真を撮るコトが出来ません。

 そもそも、このレギュレーター取り出し作業自体、「ホントに足が8本あったらいいのに(たこちゃんなコトだし:笑)」と思わせる作業なので、各自工夫してみてください。この写真にはありませんが、レギュレーターモーターの下部にあるカプラーを抜くだけでも(位置が位置だけに)慣れていないとイヤになると思います。

20130125232013012524 ・・・あちょー!と云うワケで、ここまで寒風の中、散々苦労してまいりましたが、いっけん何でもなさそうなレギュレーターのモーター部分をハズして見れば、ご覧の様に侵入した水分によりサビが進行しており、この後「ジャンボパーツクリーナー」を2本も使って(コレがもう、素手で作業すると気化するときの蒸散効果により、指先の温度が一気に降下するので、体感的には氷点下)、各部を洗浄し再給油の後、単体動作実験にも成功、そして周到に組み直して窓を付けてみたのですが・・・「薬石効無く(笑泣)」生かすコトが叶いませんでした。動作試験を繰り返すうちに、ギアとその勘合部がナメております。錆が見た目以上に深かったのですね。

 闘い済んで、日が暮れて・・・「Kさま」には、「ゴメンなさいねー」と御連絡。もちろん笑ってユルしてくださいましたが。かくて、今後はAssy交換が確定となりました。

 マイクロ・デポにだって敗北の文字はあるんですヨ。いつもいつも成功譚ばかりではありません。ソレもまた人生。「♪あーあぁーーー、かわのながれのよーにーぃー(コレばっか:笑)」

 それじゃー、また明日。

2012年11月23日 (金)

マセラティクアトロポルテV8エボルツィオーネの下周りも、”行きがかり上(笑)”見てみよう!!

 昨日は、ワタシ如きの誕生日を皆さんで祝って頂きまして、本当に有難うございました。コメント欄を拝見して、トシ甲斐も無くとても嬉しい気持ちになりました。で、その御礼と云っては何ですが、今日は”本ネタ”でイッてみましょうね。

20121123012012112302 ビトルボマセラティを裏から見上げた状態での解説シリーズも、ここのところで色々と各車種取り上げてまいりました。

 この間は、クアトロポルテV6エボルツィオーネでヤリましたが、今日はV8の方。只今、継続車検時整備中の「横浜のKさま」のエボV8がリフトに上がっておりますので、この際だから”行きがかり上(ここまで”シリーズ化して”やってきたんですからねぇー、せっかくだから)”こちらもご覧に入れて、解説を加えておきましょう。でもね、エボV6もエボV8も”ほとんど変わり映えしない”ので、ホント、言葉に窮しますが(笑)。

20121123032012112304 ・・・というワケで、本日は各構成要素の全体像を掴んで頂き易くするために、色別の点線で図示してみました。

 左の写真は左リアの足回り、右は同様に右リアのものです。

 このあたりは、鋼管で組まれたアーム類やシャフトたちが複雑に入り組んで配置されておりますので、煩雑になるのを避けるために、左右でお伝えする品目を変えておきました。それぞれ左右対称に同じ形のモノは同じものだと思ってください。

20121123052012112306 上の写真に写るスタビライザーを真下から見るとこのようになっております。

 エボ用のエキゾーストユニットには、丸棒型ステーが各所に溶接されています。

 右の写真は、リアシート足元フロアを図示したものです。クアトロポルテのドア周りには幾重にもウェザーストリップが付いておりますが、経年で全体的に縮んでしまったり、変形したりして、知らず知らずのうちに雨水や洗車水が車内に侵入してしまっているコトがあります。カーペットを剥がすのは非常に大変ですので、一般的には濡れたカーペット上に新聞紙と”水とりぞうさん(除湿剤)”を置きっぱなしにしての「放置プレイ(笑)」と云うコトになりましょうが、それでは”何年経っても”完全に乾くコトはありません。せめて、写真に図示した4箇所のドレーンポイントを開き、水分を排出したいところです。・・・もっとも、カーペットとフロアインシュレーターを剥がして洗浄し、さらに”日光消毒”しつつの”ファブリーズぶっ掛け攻撃”こそが、やっぱ正攻法だとは思いますケドね。

20121123072012112308 はい、今度はエキゾースト中間部からミッション、エンジンと前方に進みましょう。

 ちょうど、車体の後方にアタマを向けた状態で”寝板”に仰向けに乗ったまま真上を見上げつつ、両足の屈伸動作により、ズリズリと足の方へと前進(後退?:笑)しているイメージです。エボ系のエキゾーストシステムでは、排気音がそれまでのモノに比べてずいぶんと小さくなりました。一方でエンジン底部周辺の取り回しは「ちょっとエンジンが長いかなぁ」というくらいで、V8モデルもV6のそれと大きく違いはありませんね。今回の図解では”足回りの脇役”を中心にご案内しておきました。

20121123092012112310 そのフロント足回りを左右それぞれ後方から眺めた写真です。黄色い点線で囲みかけたタイロッドの、見えないもう一方の尖端にもタイロッドエンドが付いています。

 メカニカアッティバ装備のビトルボマセラティでは、左右それぞれ片側に二個のタイロッドエンドと一個のステアリングラックエンドが配置され、左右合計六個のエンドを伸ばしたり縮めたりしながら、サイドスリップ、トーイン&トーアウト調整や、ステアリング切れ角限界調整、ステアリングホイールのセンター出し調整を同時に行なう必要があります。

20121123112012112312 フロントスタビライザーはこのように取り回されています。パワーステアリングラックに沿う様に配置された左右方向の途中に、取付金具でまずは二箇所を固定しております。左右それぞれの尖端部はコネクティングロッドとメーカーが称する「自在軸受」に締結されています。

 エアコンのコンプレッサーはエボ系ですとサンデン製が搭載されています。当然、国産品ですが、国産車レベルの耐久性は見込めません。エアコンは丁寧に使ってくださいね(笑)。

 それじゃー、また明日!!

2012年11月15日 (木)

マセラティクアトロポルテV6エボルツィオーネ、エボにはエボなりの悩みがあんのよ・・・

 あー、ようやく衆議院が解散してくれるらしいです。コレを機会に世の中の閉塞感を払拭出来ると嬉しいのですが・・・レボリューションだかエボリューションだか知らないけど、とにかく”大転換”をハカってほしいモノではあるなぁー。

20121115012012111502201211150320121115042012111505201211150620121115072012111508 まあ、ソレにカコつけてるワケでも無いんですけど、マセラティ界(笑)で十余年前に行なわれた”エボ”の良いところ、ダメなところを「さいたまのTさん号」を組みたてながら解説してまいりたいと思います。

 まず、”ダメ”の筆頭は「ネタネタ病発症部位」が大幅に増えたコトかな。特に、ダッシュボードとセンターコンソール周りに、経年するとネバリ出すモノを増量(笑)してあるのは、大いにイタダケません。

 ナビのインダッシュモニターひとつ取りつけるにも、そのままじゃダメダメ。まずは、ウッドパネル裏側に固定された上部スイッチ群とエアコンコントロールパネルを一旦分解して、すべての”ネタネタ”を丁寧に除去いたしました。

 ナビ本体ユニットと、モニター部を繋ぐRGBケーブルは長いモノが供給されていないので、非エボ型では本体ユニットを置く場所にコマっていたモノですが、エボ化された事により、左右フロントシート下に存在していた「メインECU」がいなくなりましたので、どーにか供給されているロングケーブル(同梱のケーブルは短すぎて使えない)を用いて、こういった取り回しが出来ました。これでどうにかナビ工事も完了です。メインECUの場所変更は、メンテナンス上でも、水没防止の観点でもエボの美点のひとつでありましょう。触ると表面がドロドロに崩壊するエアコン吹き出し口スリット、大きな面積がペタペタするので不快なコラムケース等、完全にネタネタとおさらばしたい場合は、ここまでやらなければなりません。ウッドパネルやメータークラスターも一旦はずす必要があります。スリット各部材は肉厚がウスく、比較的硬質の樹脂製なので、その分解と組み立てには細心の注意が必要です。ウチの次男が、他のシゴトの合間を縫って、かれこれ10日間はこの除去作業に費やしています。

20121115092012111510 一方、こちらは先日まで詳細をご案内していたエンジン周りの写真です。

 元々このクルマのエンジンルームはかなりキレイな部類だったので、このブログのヘビー読者さん方と、ウチのお客さんにとっては、もはやあんまり感動が無いのかもしれませんね。しかーし(笑泣)!コレをあたりまえだとは思わないでください。ここまで持ってくるのに、ものすごい工数と手間が掛かっております。エボ系のエンジンには、エボ系エンジンなりの”見せ場”というものがありまして、キリっとした紅の結晶塗装と、黒々とした樹脂、ゴム部材、そして白く輝くアルミのコントラストこそが信条なのです。

20121115112012111512 先日も触れましたが、エンジンルーム内、特に左側側面への補器類の配置が、エボ前V6モデルとエボ系モデルでは大きく異なります。

 まず目を惹くのは、大型化されたエアークリーナーとそのケース。結構な占有体積になりました。非エボモデルにおいてエアクリーナーに特段の問題を感じたコトはありませんでしたから、クリーナー本体が高価な上に交換するのがちょっとだけ面倒になったこの改変は、エンジンルーム内の放熱の観点から云っても些か解し難いです。まあ、シボが掛かったケース表面の見た目は従来品よりもしっかりした高級感と安心感を湛えております。

 次に大型のラジエターサブタンク。おそらくはアルファロメオやランチアからの流用品ですね。コレにより、キャブビトルボ時代から連綿と使われ続けてきた例の”アッと云う間に膨らむ&キャップ口が変形する”のでおなじみの「白い”憎いヤツ(笑)”」とはようやくおさらばです。ここだけを採ればコレは大いなるエボリューションのハズだったのですが、何事もバランスが大事。

 云わば冷却系統のヒューズ的な役割も(結果的に)負わされていた「白い”憎いヤツ(旧ラジエターサブタンク)”」が丈夫なモノに変更されてしまったおかげで、エボ系(とエボ前でもV8モデルを含む)では却って他の冷却水ホースに大いなる負担が掛かる様になりました。各ホースの材質変更もその耐久性について、経年時の今となっては気になるところです。ソレらのファクターが、先日の当ブログで御紹介した作業の数々=エボ系エンジンに徹底的な水周り経路と冷却系統電気デバイスに関する予防整備の必要性を生んでいると申しあげても過言ではありません。

 もちろん、キチンと造り上げれば、エボならではの至福の時を味わうコトが出来るでしょう。しかしながら、ソレは容易な事ではありません。今日のこの「エボV6」にして、ここまでコレだけの工数と期間と手間を掛けてやってきて、なお、まだまだ当店の判断では”ヤルべきこと(must)”がたくさん残っております。年式が新しくて「楽そう」だからと、安価なエボ系(3200GTも)を選ぼうとしているアナタ、もしも機会がありましたら、数多ある”専門店”の中から、”自称ホンモノ(笑)”マセラティ専門店のマイクロ・デポをお選び頂き、まずは真っ先にお越しください。結果的にウチで買わないならソレはソレで良し!本物の専門店でしか知り得ない「マセラティの真実」を、欠点と美点に分けて事細かに御説明申しあげます(とって喰わないからさぁー:笑)。予備軍の皆さん、「敷居を低ーくして、お待ちいたしておりまーす!!」

 それじゃー、また明日!!

2012年11月10日 (土)

マセラティクアトロポルテV6エボルツィオーネ、エンジン周辺も見てみよう!!(その2)

 キーンと寒い朝、空はハレわたり、清浄な空気感を湛えた、東京は練馬の土曜日。今日も朝からせっせと「マセラティクアトロポルテ前期型」のフロントウインドーはずし(またですか・・・:笑)作業を行なっていたワタシとガラス屋さん。そんなところに「仙台のTさま」御一家がマセラティ3200GTで御来店、久しぶりにお目に掛かれましたが、皆さん変らずにお元気で何より。午後一番にフロントウインドーの装着が無事に済んだところで、「マセラティクアトロポルテV6前期型(名古屋のKさま号)」の試運転の続き。夕方には「マセラティ430前期型」も無事に御売約を賜り(目黒のHさま、”ハイオク満タン:笑”も、有難うございました)、一日中たくさんの方が出たり入ったりの中、まだ師走でもないのに、ワタシも走りまわった活気ある土曜日となりました。一方、デポ場内では「マセラティクアトロポルテV6エボルツィオーネ(さいたまのTさま号)」のエンジン整備が今も粛々と続いております。

2012110921_22012110922_2 タイミングベルトを掛け直された状態の写真がこの二枚です。

 特に左側の写真で、タイミングベルト裏側のリブ(台形断面部分を側面から)をご覧になってください。台形の断面に”凹”ミゾが切ってあるのがお分かりになると思います。ビトルボマセラティ4カムエンジン車では、この”リブ上辺のミゾ”があるものと無いものがあります。一般的にミゾの無いモノが旧いタイプで、ミゾありが新しいモノであるのだと思いますが、ミゾの存在理由については今ひとつ分かりません。耐久性向上のためなのか、はたまた静粛性を狙ったのか。

20121109232012110924 続いてインジェクションユニットを丸ごと降ろした状態のエンジンです。普段はまったく見えなくなってしまうところにある冷却水ホース群を一気に新品交換してしまうためには、このインジェクションユニット降ろし作業が必須となります。

 ガムテープの貼ってあるところがエンジンのインテーク穴です。ヘッド上の清掃作業やホース交換作業中にゴミやホコリ、そして水分が入らない様にしっかりと養生しているというワケです。これからVバンク上にのたうつ(笑)ヒーターホースなどの”冷却水関係ホース”を次々と交換していくための準備であります。

2012111001_22012111002_220121110032012111004_4 まずは、取り揃えた純正新品ホースを色々と並べては机上で精査いたします。

 もちろん形状や寸法(長さ・開口部径)なども細かくチェックいたしますが、いまや入手不能形状のホースなどは、マセラティ純正品を組み合わせたり加工したりしてどうにか最適なモノを造らねばなりませんので、色々と形を組み合わせては、無いアタマを悩ませます。

 すべてのホースバンドは後から増し締めが可能なタイプに交換(メーカー出荷時のオリジナルバンドは機械締めによる一回の使用しか想定していない物なのです→ですから、このバンドが付いているホースには交換歴が無いと容易に判断出来ます)して、周囲の干渉物との逃げなどを考えつつ、全体的に微調整しながら”向き”をキメ、繊細にフィッティングしてまいります。

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 左の写真はエンジンからはずされたヒーターホースたちです。

 ダイヤかルビーでも埋め込まれてるのかと云った値段で御馴染の”ゴムホース”です(笑)が、フェラーリ時期ビトルボエンジン用のこうした消耗パーツは時として”全世界欠品”を来たしますので、あなたが長く大事に愛用していこうと思う向きの方であるならば、中期計画的な”総とっかえ”が必要となります。デ・トマソ期やフィアット期のビトルボと、フェラーリ期のビトルボの間では互換性が少ないものが意外にも多いのです。特に命の水回りに関しては昨日のラジエターファンスイッチともども、一気にケリをつけておきたいものですね。

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 水回りと云えば、ラジエターサーモスタットも、フェラーリ期モデルのみ互換性が無いパーツの代表的な例です。

 エボ期モデルでは、継ぎ手を兼ねた形状に形成されたアルミケースの中に、あらかじめサーモスタットを内蔵させたAssy品となっております。信じられないコトですが、デ・トマソ期からフィアット期のモデルでは、水回りの基本設計が一部を除いてはほとんど変わって来なかったので、その配管類のとり回しもほぼ同じ部分が多く、よって部品の方もあれやこれやと互換性があるワケです。

20121109272012110928 ・・・ここまで来て、エンジン周りの清掃組み立て作業もようやく折り返した感じです。

 ここで遡りますが、交換前のヒーターホースたちの姿もご覧ください。破れや漏れが無い限り、通常は替えなくてもよいパーツなのですけどね。このエボV6の場合でも、今すぐ、どーにかなってしまいそうな感じではありませんが、来年の夏にはどーにかなっちゃうかも知れない(笑)といったレベルの劣化でしかありませんでした。・・・けど、それこそが予防整備と云うものであると、”マセラティ専門店”としてのマイクロ・デポでは常々考えております。

 インジェクションユニットそのものでもある”結晶塗装サージタンク”も清掃して美しく仕上げ、搭載の時を待つコトにいたしましょう。

20121109292012110930 ・・・えー(まだ引きずってる:泣)、エボV6エンジン用のフューエルラインのハナシ。こうしてはずれた状態にしておいてくれれば、こんがらがるコトも無いですね(云い訳がましい:笑)。

 左の写真に明瞭な図解を載せておきました。先日もちょっと触れましたように、フューエルプレッシャーレギュレーターがリターン流路が始まってすぐのところに設置されているのが御理解頂けると思います。出口のシボり具合で、インジェクタ頭部金属管内の最終的な燃圧を制御していると云うワケですね。

 あー、今週も一週間、たくさんのコメントを有難うございました!!それじゃー、また来週。

2012年11月 9日 (金)

マセラティクアトロポルテV6エボルツィオーネ、エンジン周辺も見てみよう!!(その1)

 今朝、N○Kニュースの天気予報見てたら「”立冬”を過ぎたので、暦の上では、もう冬なんですねぇー」なんてハナシをしてたので、そうなのか、と思い調べてみましたら、一昨日の11月7日(水)が二十四節気で云うところの”立冬”だったのでした。でも、一昨日も昨日もミョーに生暖かい気候だったので、デポ周辺地域では夕方になると「蚊」やら「小バエ」がわらわらと湧いて出て、こいつら「春」と感違いしてるんぢゃないの?と、スッぱたきながら(笑)作業してたくらいなんですけどね。ここのところ暑くなったり寒くなったりで、皆さんも御風邪など召さぬ様、御自愛くださいね。

20121109012012110902 先日に引き続いて、今日はマセラティクアトロポルテV6エボルツィオーネについての細かいご案内。そのエンジン周りを中心にお届けいたしましょう。

 「さいたまのTさん号」はエンジン整備も佳境に入っております。まずは、エンジンのフロント周りを分解した状態をどうぞ。左の写真はキャプションイレるのに苦労いたしました。エボ系V6車に特徴的な補器類駆動のドライブベルト、そのとり回しはこういった種々のプーリーを介しますという”概念図的画像”を目指しました。画像の中心下部にある、クランクプーリー取付部分は、このギザギザ部分にタイミングベルトが掛かるので、一応黄色い文字の仲間に入れておきましたが、端面にでかいプーリーがとりつけられますと、そちらの方は緑文字の仲間となります。要はタイミングベルトもドライブベルトもクランク軸からその駆動力を得ているというコトです。

 上右の写真では、昨日も話題といたしました「フューエルホース」のとり回し、その”エボV6篇”であります。ヘンなところにパワステフルードタンクを持ってきてしまったため(と、云うよりも、従前のモノよりはるかにしっかりした大型のラジエターサブタンクを納めるために、キャブビトルボ以来の固定位置からハジかれてしまったのです。形状もまったく違います。)に、メッシュのカッチョいいフューエルホースは”エンジン右バンクの頭上を横断してしまう”とり回しになっておりますね。

20121109032012110904 続いてはウォーターポンプを上から見下ろしたところと下から見上げたところの写真です。

 ウォーターポンプAssyにはあらかじめタイミングベルトのアイドラープーリーを装着するための軸が付いてきます。この軸は、ウォーターポンプのアルミ部材に対してただの”垂直”固定では無くて、尖端部がホンの少し(1~2°かな?)あがった角度であると云うのがデフォルトなのではないかと推測しておりますが、以前に尖端部が”下にさがってる”モノが新品でやってきたコトがありまして、知らずにコレを装着した時には、タイミングベルトを掛け、手回しでクランクを回している段階で、エンジンのタイミングプーリーから、ベルトが前へ前へとセリ出てきてしまう現象に見舞われました。その段階でここがおかしいと気付きまして、別の新品ポンプと比べて「穴が開くほど」よく見たら、確かに軸の取付角度がビミョーーーーーに違うのです。エンジン回す前に気が付いたからよかったけど、ホントにこういう不良品混ぜるのは勘弁してほしいモノです。で、そのように種々の困難を突破してせっかくとり付けても、上右写真のマーキング部分から冷却水が滲み出てくるロットもしばらく続きました(新しくとった新品がみんな同じ芸風で漏る:泣)。というワケで、納車半年でウォーターポンプをクレーム交換という目に幾度も遇わされましたネ(もちろんウチが部品も工賃も泣いて:超大泣大爆笑)。

20121109052012110906 それまでのビトルボ系マセラティでは、オルタネーター、エアコンコンプレッサー、パワステポンプをそれぞれ別の3本のVベルトを用いて、クランクからの動力で回しておりました。

 一方、エボ系以降エンジンでは1本の長いリブベルトをドライブベルトとした近代的な構造となっております。ドライブベルトにはオートテンショナーが付いておりますので、個々における頻繁な調整は不要となりましたが、ウチでは古色蒼然とした「Vベルト方式」の方が好まれている様です(笑)。

20121109072012110908 パワステポンプ、エアコンコンプレッサーともに、プーリーはリブベルトに対応した形状になっておりますね。

 以前にもハナシだけ出てきた”オイルプレッシャーセンサー”の装着位置は、ここまでバラす事によりようやく見るコトが出来ます。まあ、なんでも奥に、下にと隠したがるメーカーです、マセラティ社は。ああ、今度でたクアトロポルテⅥ、ご覧になりました?もうエンジン上部はフルカバードになっちゃってますね。ついにエンジン周りは全部かくれちゃった様です。

20121109092012110910 続いて、これもエボ系エンジン以降車の特徴、HI⇔LO切り替え式のラジエターファンを制御するレジスターです。電動ファンのハネ自体も、形状が改良されて、作動音がとても静粛になりました。

 但し、このレジスター、今までまともな状態のモノが付いている個体に出あった事が無いと云うくらいに必ずなんらかのダメージを抱えている”鬼門パーツ”です。この個体に付いていた写真のモノは、最上級レベル(幾らか問題はありますが、まだしばらくは使えますよ、たぶん:笑)ではあるのですが・・・

20121109112012110912 ・・・マイクロ・デポの場合には”疑わしきは、まず新品交換”です。

 まあ、さっきのウォーターポンプのハナシにもありましたように、新品が必ずしも絶対では無いというところがジゴクなワケですが。ともあれ、今度やってきた新品は、なんだか色が違う様です。熱害に対するなんらかの対策がされていると期待してしまうのですが、そんな芸の細かいコトやってくれてはいないんだろうがなぁー。

20121109132012110914 冷却水周りの設計も、エボ以降大きく変更されていますね。水温計センサーもパイプの裏側に隠されています。

 クランクプーリーが装着されますと、そのプーリーにもリブ対応の溝が切ってあります。上右写真の点線で囲まれた部分がドライブベルトテンショナーAssyです。通常はアイドラープーリーと、リブベルトともども同時交換となります。今回は、前オーナー履歴に直近交換歴がありましたのでチェックと清掃だけいたします。

20121109152012110916 クランクプーリーをより大きく見て頂くための写真が左側のモノ。エボ前モデルに比べると、すべてのプーリーの表面処理が黒光りして美しく強靭になっているように思います。

 右の写真はラジエターファンシュラウドの脇から覗く、美しいアルミのエアコンコンデンサとそれに結合されている二組のエアコンホースです。コンデンサとエンジンオイルクーラーが”合体メカ”化(笑)されているのも特徴的なのですが、コレはまた次の機会にヤリましょう。

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 本日の”トリ”は、地味ながらも高性能の要のひとつ、ツインインタークーラーの装着具合をお届けいたしましょう。

 それまでのシャマル、ギブリ、クアトロポルテ等々と装着位置の基本は同じです。

 どうも、インタークーラーの製造メーカーは変更されているみたいですね。それまではフロントバンパーの精度が「アレ」なため(笑)に、”なんとなく”付けるコトしか出来なかったインタークーラーダクト(一応、定位置と云うのはあったんですけど)がシッカリと”キメ固定”出来る様になってます。一見、エボ前モデルと同じに見えるフロントバンパー自体も内部フォグランプ取付ステーや、リーンフォースメントの形状、そして樹脂材質がすべて変更されています。フェンダーライナーも同様。新車のうちだけはパスパス組める様になってますね。・・・ソレが旧くなってくると色々と大変でして(こんなのばっかし:笑)。

 続きは、また明日!!

2012年11月 8日 (木)

マセラティクアトロポルテV6を、早速試運転してみた

 あおぅー○×△□!!(コトバになってない)・・・すいません、スイマセン、す・み・ま・せ・ん!!昨日の当ブログで御紹介したフューエルクーラーなんですが、最後から二番目の”フューエル流路”の写真とその解説文に完全に”事実と逆”のコトを書いてしまっていたのに気が付いたので、「改訂版」として直しておきました。もう一度お手数ですが、昨日の最後の段落のみ目を通しておいてください。

 言葉足らずになってしまっていた部分もあります。まず昨日このクアトロポルテV6に装着したフューエルクーラー、”基本的な造り”と、”装着位置”に関しては、”デ・トマソ期マセラティ”を踏襲しております。しかしながら、フューエルライン(デリバリー方向)のエンジンルーム内への取り出し位置が”デ・トマソ期モデル”と””フィアット期モデル”ではバルクヘッドの左右で逆になっているために、デ・トマソ期モデルでは、リターン経路途中にフューエルクーラーが位置するのに対して、このたびのクアトロポルテではインジェクタ手前のデリバリー経路に相当する部分にフューエルクーラーを設けることが出来ちゃって(笑)いたのでした。皆さん、もうコレで、ワタシを「ボケ老人」呼ばわりしても全然結構です(ホント、トシあるね:笑泣)。

 お詫びと訂正はコレくらいにさせて頂いて、本日はそのフューエルクーラーの実力を探りつつ、エアコンをLO全開にしたまま東京都内の城北地区を徘徊(笑)試運転してまいりましたので、そちらの様子をお届けいたしましょう。

20121108012012110802 午前中に支度が出来ましたので、早速レッツゴー!!

 ドライバーは岡本次男、コドライバー&撮影係はワタシであります。

 「とりあえず、ドコ行く?」「どっか、無理やり渋滞しそーなトコがいいな」・・・まずは、デポを出て”笹目通り”を走ります。いざムリヤリな条件を求めると意外と思い浮かばないモノではあるな。

20121108032012110804 ”笹目通り”を谷原方面に走るとアンダーパスがあって、それをそのまま潜ると、そこからは自動的に環状八号線に入って行きます。

 平日の午前中ですが、今日は比較的交通量が少ない感じですね。こうなったら、いっそのこと、もっと東京の内側へ内側へと入り込んで行くルートにしてみようというコトになり、環状八号線を井荻トンネル分岐手前で左折、目白方面を目指す様に走ります。

20121108052012110806 JR目白駅前を通過して、日本女子大前、田中角栄邸前、椿山荘前を走ります。

 ああ、まったくもって「ぜっこうちょー」です。エンジンは一向にグズる気配もありません。

 時々メーターの指示位置や各インジケーターランプにも目を遣りますが、こちらの方にもまったく異常は見られません。「どーする?」「もうちょっと混んでるところ、行こ」

20121108072012110808 なんか、文京区小日向あたりの曲がりくねった坂道ルートをわざとエンジンにロードを掛ける様に走りまわってみたりしていると、そのうちようやく知ってる道に出てまいりました。

 ああ、ここは文京区春日の手前あたりですね。ここに”春日”という街が存在するせいで、我が都営地下鉄大江戸線の”春日町”が”練馬春日町”と練馬の冠を付けて呼ばれるコトになってしまったのでしょう。

20121108092012110810 文京シビックセンター(まっ、立派な公会堂だこと)前を右折しますと、かの有名な”東京ドームシティ(ムカシの後楽園ゆうえんち)”が目の前に出現いたします。

 そー云えば、”巨人”、知らない間に日本一になってたんですね、今年の日本シリーズでは。ワタシの”スポーツ関係オンチ(モータースポーツも含む:泣笑)”にもアキレますが。ここ東京ドーム前交差点でも、信号待ちの間にメータークラスター内を色々と確認します。

20121108112012110812 「あー、なんかもうメチャクチャに混んでるところ無いかなぁー」「あっ、アレいってみよー!首都高五号線」

 ・・・というワケで、急遽ETCカードをガザゴソと探し出しまして、首都高へと分け入ります。「うんうん、なんとなく流れがイマイチでイイ感じだな」と通常とは反対の思考回路により、もはや渋滞が嬉しいと感じられてしまうのでありました。

20121108132012110814 と思いきや、完全停止する程の渋滞は起こらずに、かと云ってカッ飛ばせるワケでもなく、ダラダラと時速50~60キロで巡航しております。

 先程まで、下を走っていた江戸川橋の上空に掛かるあたりをアッと云う間に通過してしまい、そのうち「サンシャイン60」がタワーマンション群の陰から姿を現しました。ああ、ここはもう”池袋”上空であります。それにしても、先日の”東京タワーねた”の時にもチラっと触れた「サンシャイン60ビル」も、いまやスッカリ影が薄い存在になり果ててしまっていたのですね。いつも、ここを通る時は操縦者であるコトが多いので、池袋界隈をじっくりと眺めたのは本当に久しぶりです。

20121108152012110816 そのうち東池袋でメタリックブルーの偉容を誇る「アムラックス東京」が見えてまいりました。ここは、トヨタのショールームなのですが、お台場の”メガウェブ”と並んで、現在の世界水準国産車をまとめて”べんきょー”するにはもってこいのスポットです。

 「サンシャイン60」の方も、助手席の窓ごしに瞬間撮影。このビルもワタシが中学生の頃に誕生したんだったと思いますが、コレが建つ以前の東池袋なんてところは、「巣鴨プリズン跡地」というコトもあって、なにかしら番外地感が漂っていたように思います。ちなみに、新宿副都心のビル群が、「東京都水道局淀橋浄水場跡地」であるコトも今ではスッカリ忘れ去られていますね。

20121108172012110818 ・・・おおー、板橋本町ジャンクション(中央環状線:C2への分岐)を前にして、”右往左往のややこし合流”による渋滞が発生。ここには”ゆずり合い”の文字はカケラもありません。みな、それぞれに「オラオラばしり」で目前の状況を打破しようと懸命です。まあ、この道路を設計したヤツがとりあえずはアンでポンでタンだったのだから、いたし方ありませんけど・・・今日はユルす(じゅーたい、うれしいなっと:笑)。クアトロポルテは平穏そのもので、中台ランプが見えてまいりましたので、そのまま下界へと降りるコトにいたしました。

20121108192012110820 中台ランプを降りますと、すぐに交差点があり、交差する道路が環状八号線です。

 ちなみに、コレでもマイクロ・デポは目指せますが、初めての方が首都高五号線経由で御来店くださる場合には、中台の先にある高島平ランプで降りて、すぐの信号を左折、その”笹目通り”をひたすら谷原方面に直進、土支田交差点(右手に電器のコジマ、左手に紳士服のアオキ)を左折、15メートルで右側にあります。本日は試運転のため、わざとややこしいルートを選択しております。環状八号線をしばらく走ると、平和台、春日町と来て、春日町で右手に曲がれば光が丘方面へと誘われます。

20121108212012110822 ひー、とりあえずクアトロポルテフューエルクーラー改装後第一日目の試運転は無事に終えました。明日以降も条件を変えながら続けてみたいと思っております。

 戻ってきて、空ぶかしを一閃、エキゾーストパイプからは水気がピューピューと吹き出しています、これこそは完全燃焼の証。クアトロポルテにはよくある”チェックエンジンランプ”点灯も無いし、とりあえず今日のところは”仮免”合格といったところでしょうか。

 ・・・ああ、出題役の”教授”が「パー」なんですから、「ビトルボ検定」開催などオコガマシイですね。今日のワタシは、まったくもって「不合格(泣)」。ぶって、ぶって・・・。

 それじゃー、(気を取り直して)また明日!

2012年11月 7日 (水)

マセラティクアトロポルテV6前期型にフューエルクーラーを新装してみた(H24.11.8:改訂版)

 あろはー!(やっぱ、コレが無いと調子が出ない:笑)・・・今日は昨日と一転、カラッと晴れ上がりましたので、午前中のワタシはクアトロポルテエボV6からフロントウインドーをはずすミッションを春日町の作業場において”いつものガラス屋さん”と一緒に行ない、一方デポの方ではコチラのクアトロポルテV6前期型のエアコン真空引きとガスチャージを完了。エンジンを掛けての関係各部動作チェックが出来ました。さあ、ワタシも午後からは、はずしてあった”目ん玉”周りも組み立てよっと。

20121107012012110702 名古屋の正規ディーラーで鈑金塗装に出してるうちに、どういうわけかヘッドライトやフォグランプの内部が曇ってしまっておりました「名古屋のKさま(お待たせして居ります)号」なんですが、フューエルクーラー工事のついでに全部はずしておきまして、せっかくですから内部もキレイにさせて頂きました。左の写真が組み立て前の様子。で、右の写真が夕刻に組み上がった状態です。まずはキリッとした視線が甦りました。

20121107032012110704 ・・・ハナシは前後してしまいますが、せっかくですから、最近流行の”おべんきょー”の時間に(笑)。

 左右のヘッドライトとエアクリーナーケースをはずした状態では、内部がこんなコトになっております。エアコンリキッドタンクがフロントバンパー内側に装着されているのは、前期型クアトロポルテの特徴です。エボ前の後期型以降車ではフロントバルクヘッド内右側に移動します。よって、エアコンホースのとり回しはまったく異なるものとなっています。

20121107052012110706 左右のエアクリーナーケースをはずすと、そのすぐ脇にそれぞれボディアース端子が見えます。

 これも念のために、一旦銅製のナットをとりはずし、端子接触部を磨きだし、再度組み付け直しておきました。ボディ側にも銅板が溶接されているのが、写真でもお分かりになると思います。もちろんこの銅板部分も磨きだします。先日ギブリの時にもご案内したウォッシャー液注入パイプが、今日の写真ではよく見えていますね。

20121107072012110708 左右の”目ん玉”がはずれた状態で、それぞれ視線を車体の内側に向けたビューがこの二枚の写真です。

 普段はほとんど気が付かない様なところですよね。

 エンジンフードのキャッチ周りは、ご覧の様にヘッドライトが無い状態を作りませんと、細かい調整が難しい位置に付いています。ヘッドライト自体は三本の固定ボルトで、この写真に写るステーの穴を貫通させつつヘッドライト裏のナッター目掛けて留めるのですが、真ん中のはともかくとして、左右のヤツはメチャクチャ手が入りません(特に取付時にはたいへん往生いたします→今日もコレやって、コシが逝ったのヨ:泣笑)。

20121107092012110710 さて、”おべんきょー”はコレくらいにしておきまして、本日の本題にまいりましょう。

 まだまだ盛夏のうちに、炎天下に駐車したあとでエンジンがストールして暫時掛からなくなってしまうと云った症状を発現していたという、このクランケのために、疑わしいフューエルベーパーロック現象の発生を”根源的に”叩くべく、フューエルラインとエアコンガスラインの双方を改造し、フューエルクーラーを造ってみました。

 そもそも、「デ・トマソ期マセラティ」でも、2.8リッター(タペットカバーが赤いエンジン)になって暫くしたモデルからは、純正でフューエルクーラーが装備され、従前のモデルでは悩みの種であった”フューエルベーパーロック症状”をほとんど抑え込めるレベルに達していたのですが、フィアット期モデルになったら、コストダウンのためか、ヘンに自信を深めてしまった(笑)のか、とにかくフューエルクーラーの装備自体をヤメてしまっていたのです。ですから、昨今の様に「真夏の都市部での異常な猛暑」を喰らうと、時にギブリやクアトロポルテで、このような症状が出てしまうコトが(15台に1台くらいの確率で)ありました。

20121107112012110712 純正オリジナルのフューエルリターンホースはメッシュの編み込まれた非常に高価な部品。エンジンの一番後ろに聳え立つ様に装着されていることから、ここの”美観”は損ねたくはなかったのです。

 そこで、このような凝った加工法になってしまいました。相手は通常のゴム製フューエルホースにして、ある程度フレキシブルに取り回しが出来るという用件を満たしたかった(なにせ凡てが現物合わせなモンですから)ので、尖端をゴムホースに合わせたノズル形状に変えました。

20121107132012110714 さらに云えば、本来フューエルクーラーに即効性を求めるならば、デリバリー側のインジェクタ直前で急速に冷やしたくなるのですが、エンジンルーム内部の種々の配管、配線のとり回しや、周囲のリレーなどとの干渉を避ける観点から、「デ・トマソ期マセラティ」に装備されているフューエルクーラーを参考にして造ったモノですので、同シリーズのモノと同じように、エンジン右側面のインナーパネルに沿った位置(しかも、リレー群の真下に配置して出来るだけ表に見えぬ様、またエンジン熱源からも遠ざけて)に装着いたしました。まずはコレでイッてみましょう。

 夕方、完成したクアトロポルテ、次男と三男で光が丘公園周辺を走り回ってまいりましたが、帰って来て一言「エアコンもバリバリでぜっこうちょー!!」。・・・と申しておりました。明日も走りまわって引き続き様子を見てみようと思います。

 それじゃー、また明日!!

2012年11月 3日 (土)

マセラティクアトロポルテV6エボルツィオーネの下周りも、こうなったら見てみよう!!(その2)

 あっ、ちょっちょー!!今日あたりの朝早くはスッカリ”肌寒い”から単なる”寒い”にとって代わった様に感じられました。今朝のN○Kニュース見てたら、長野の諏訪の映像とともに、気温が0.2度であると報じられておりましたが、いやはや、そうなると東京ではもはや真冬でありますね。寒い地域の方は慣れておられるでしょうけれど、くれぐれもお体の方はご自愛ください。

 ところで、連休の土曜日である本日、「湯河原のNさま(クアトロポルテV8:エボ前モデル)」を皮切りに、「世田谷のKさま(純白のシトロエンCX!!)」と「横浜のKさま(純白のクアトロポルテエボV8)」という”ものスゴイ”(笑)御兄弟が御来店。デポ周辺では「全車型」が見られるんじゃないかと云うくらいの”ガンディーニクアトロポルテフェア”開催中になってました。マセラティなんて銘柄は「スーパーカーブーム」の頃にはわざわざ遠くまで自転車漕いで見にいってたものですから、周囲のそこいら中に”わらわらと(笑)”生息している様を眼前にいたしますと、いまさらながら感慨も無量であります。そのような中で「世田谷のYさま」も車庫証明を携えて一瞬だけいらっしゃいましたが、充分に御相手出来無くて申し訳ありません。今日は何に乗って来てらしたのかしらねー。ともあれ皆さん、お土産の数々を有難うございました!いつもすみません。

20121102152012110216 ・・・で、デポ場内にも引き続きエボV6がいますので、今日も昨日の続きです。

 エボ系クアトロポルテのラジエターファンは、従来までのモノとは異なりまして、「HI⇔Low切り替え式」です。

 その可変機構のためのレジスターが、ファンシュラウド内に装備されております。エアコン経路も従前のモノとまったく違います。ここに写るエアコンホースの先はコンデンサーユニットですが、どうして”ユニット”と称するのかについては、またの機会にお届けいたしましょう。

 フロントバンパー直下に装着されているアンダーカバーには、エボ系車の場合、内部の”網モノ”への通風ダクトが開けられています。が、コレがクセモノ。下に張りだしたアゴ部分がオニの様に地上高を低くしてしまう原因となっています。上右の写真の様に、飛び出した部分を「キリトル(点線部分で)」のが、一般的な対処法です。

20121102172012110218 今まで、あまりイイ写真が撮れなかったために詳細を御説明し難かったフロント足回りの構成を、一発で理解出来る画像を造りましたのでご覧ください。

 ギブリやクアトロポルテの”メカニカアッティバ”は、かなり複雑な構成となっております。サイドスリップ調整などのアライメントに関わる作業や、ステアリングの”センター出し”作業などの時には「どこをどのように詰めたり伸ばしたりすれば良いのか」と、タイロッドをアレコレ悩みながら調整する必要があります。コレは”アホ”なワタシたちにとって、結構な難題であります。エンドが左右計6個もあるからコンガラがっちゃうんだよなぁー。ホンキでやった事の無いヒトにはこのココロが決して分からないと思いますが。

20121102192012110220 続いて、BTR製ミッションの場合のミッションマウント。ご覧の様にガッチリしたブロック体です。メッタなコトでは逝きません。

 右の写真は・・・「クール星人?(コレ分かるヒト、そーとートシあるね:笑)」。エンジンマウントが目ん玉に見えて仕方がありません。画像の上方が車輌の前方側です。ターボチャージャーは、色々とバラさぬ限り、エンジンルームの上からも下からもほとんど覗き見るコトさえ出来ない位置にありますので、その脱着は相当な難行です。

20121102222012110221_2 今度はリアの足回り。鋼管を複雑に組みあげて造られた非常に凝ったモノですが、このあたりの造りは、エボ前モデルのクアトロポルテやギブリ中期以降車とまったく同じ理念のものです。

 本日は、そのさらに上方までのクリアな画像を撮るコトが出来ましたので、さらに詳しく御案内をしてまいりましょうね。

20121102232012110224 リアサスペンションアームのさらに上方、フロアパネルには、「ブレーキプロポーショニングバルブ」というのが位置しています。

 従前、プロポーショニングバルブと云えば、使用上、荷台に搭載する積載物の多い少ないにより、前後軸の荷重バランス変化が激しいトラックなどに一般的には用いられてきた装置で、重たい荷物を後ろに積載した状態では、リアブレーキの効きを強めて、フロントブレーキを減圧するといった働きをなすものです。また、一般フロントエンジン乗用車においてはパニックブレーキ時には、前軸がダイブし、後輪加重は瞬間的に軽くなりますから、この時、接地力の弱まった後輪をロックさせぬように、リアブレーキを減圧させて制動力を弱めます。スポーツタイプ車においては、走行中の挙動変化に応じ、リアを減圧して制動力を弱め(結果的にフロントの制動力を増し)、コントローラブルでスポーツライクなブレーキ特性を得るための装置としての積極的活用法もあります。

 この油圧制御の方式自体は極めてアナログなもので、決して新しい技術ではありませんが、近年ではABSとの組み合わせにより、より確実で安全な制動タッチを生むために活かされてきた、地味ながら精巧なアナログ技術です。

 マセラティに付いているものは、メーカーの純正サービスマニュアル内では「ブレーキアジャストメントコントロール」と呼称しており、リアで左右それぞれに装着されています。左右別々にバルブが付いているところがミソでして、これにより、前後の姿勢(荷重)変化への対応のみならず、高速旋回時や急激な切り返しなど、複雑な姿勢変化時における難しい制動力のコントロールをABSとの組み合わせにより、一層確実なものとしているものと思われます。でもね、肝心のタイヤがズルズルだったらダメよ、やっぱり(”タイヤは命を乗せている”:笑)。くれぐれも安全運転で、良い連休をお過ごしくださいね。

 それじゃー、また来週!

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