マイクロ・デポ株式会社”公式ウェブサイト”「マセラティに乗りませんか・・・」

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カテゴリー「ビトルボ関連ネタ」の113件の記事

直球勝負の本ネタ。豊富な写真図解入り解説で超ディープ。

2013年2月 7日 (木)

ビトルボマセラティのフロントサブフレーム詳解とか

 うわー!実は昨日の雪が舞い散る天候の中、海外に発注していたビトルボマセラティのパーツ群が航空便で速攻到着してしまい、デポの二階は(そーで無くても、御存知の様にいつもスゴイ事になってるのに)それはもう、足の踏み場も無い状況に突入いたしております。今月は決算月でもあるので、在庫”棚卸し”も並行して行っており、いよいよ”あぱらかちゃー(笑)”です。

20130207012013020702 そのような物品の数々を次から次へと順番に開梱しては、品目と数量をインボイスと首っぴきでチェックしてまいります。

 その中のヒト箱から出てまいりましたのが、フロントのサブフレーム(もちろん新品)です。この部材がこうして単体になっている状態を見るのは極めてレアであると思われますので、各部の写真を撮影いたしました。画像をご覧になってみてください。大雑把に云えば、エンジン本体・ステアリングラック・フロントサスペンションアーム等々が、すべてこのサブフレームに取り付けられつつ、ボディのモノコックシャーシに締結されていると云うコトになります。

20130207032013020704 

 エンジン本体を載せるためには、エンジンマウントが二つ必要です。

 実際の搭載時には、写真の位置にエンジンマウントを取り付けつつサブフレームに載せていきます。

 まあ、エンジンが載ってなければ楽々と出来そうなマウント交換作業ですが、多くの場合は、あらかじめステアリングラックや足回りをすべてはずした上で、さらにエンジンが載ったまま(場合によってはミッションも繋がったまま)での作業になりますので、それなりに困難を伴います。

20130207052013020706 左の写真はフロアを下から見上げた状態で、上方が車輌の前進方向です。

 パワーステアリングラックの搭載位置はご覧の様にサブフレームの後端となります。

 ボディ側のメインモノコックフレームと、サブフレームの結合には、右写真の様にメカニカアッティバのS字型アーム(のブッシュ)を途中に貫通させながら作業を行う部位があります。すべてのフレーム結合ボルトをナメずに締めこんでいくのは、特にエンジンを搭載したままの状態で行う場合に相当な難しさがあります。ボディ側のメスネジをナメてしまったら、一巻の終わり。すべてをもう一度分解して、メスネジの目立てからやり直しとなってしまいます。

20130207072013020708 ビトルボ系統のサブフレームは、その製造後半期において、ステアリングラックのコラム基部(底部)を直接的なハラ打ちから防護すべく、ご覧の様なガード用部材が付く様になりました。

 コレで”ビトルボ乗り”の悩みも多少なりとも軽減されていると云えましょう。荷札の様な紙に書かれた番号は品番ですが、手書きによりマジックで描かれていますのが御愛嬌です。

2013020709201302071020130207112013020712 コレが凄惨な状態(ある意味、満たされた空間とも云えるが:笑)のデポ二階の様子。

 さあ、その他にも諸々の箱を頑張って開梱し整頓していかなければなりませんね。次々と段ボール箱の山を積み上げては作業を続けます。

 「ともちん(笑)」もニコニコと見守る中、紙の小袋を開けてはチェック、附番を確認して養生部材を処分していきます。大きなゴミ袋はたちまちいっぱいになってしまいます。

 こうしてこれからお納めする当店顧客売約済みのマセラティに使用する分と、同様に修理をお待ちのマセラティへの用途分、そして通常在庫分と分類していく作業は果てしなく続きます。当面入手が難しくなりそうなモノは予定が無くても在庫用として発注していたりもいたします。

 マイクロ・デポには、「こんな”くーだらないモノまであったの?(笑)”」と、ワタシ自身も思わず苦笑せずにはいられない物品までを通常在庫として保管しております。マセラティ専門店の意地(ホントはたいへんなんすから:笑泣)の見せ所と云った感じで、今後もこれまで以上に”部品供給”の分野でも頑張ってまいりますヨ。部品が無ければ、ホントにオブジェになっちまいますモンね、旧車は。

 それじゃー、また明日!

2013年2月 5日 (火)

”思い込み”の罠

 えー、映像作家には程遠いたこちゃんでございます(エーン、エーン!:泣)。といったワケで今日はおとなしく地味ーぃな”本ネタ(しかも小ネタ)”でお送りしようと思っております。

20130205012013020502 コレは、本日継続車検を無事にパスしたマセラティギブリ(目黒区のMさま号)がリフトに載っかってる時に撮影した、リアブレーキキャリパーの写真です。それぞれ左は左、右は右、後ろから見たところです。

 ここで、何が云いたいのかと申しますと、実は中期以降のマセラティギブリⅡと、後期型(シリーズⅡ)前半までのガンディーニクアトロポルテに採用されているドイツAte製のブレーキキャリパーは、「定評ある他車(笑)」用の”流用品”であるといったコトです。マーキングは(マセラティの)オリジナル状態では耐熱パテ状のモノで埋め込まれて消されています。ソレが経年でハガれてしまいますと、ご覧の様に素性が明らかになるといった寸法です。

20130205032013020504 左の写真では”問題の部位”をそっと(笑)示しておきました。

 右の写真は、その「定評あるドイツ製高級スポーツクーペ(笑)」のモノ。あっ、やっぱ、おんなじマークだぁー。

 前々から自動車雑誌のヒトは、「M○」を手放しで絶賛するコトが非常に多いような気がいたしますが、ソレがビトルボマセラティともなりますと、手放しで非難(笑)されてきたモノで、そんなのを目にいたしますと隔靴搔痒な気分で一杯になったものです。一方で、同じ世界の方々の中にも極々少数の分かっているヒトは本質を見抜いて、絶賛していた向きもあるにはありましたけど。

 表面に美しいカラーの電着塗装が施され”maserati”ロゴが配された、後の”伊ブレンボ製キャリパー”に比べてイカにも地味な見た目ではありますが、ワタシ自身の見解では、必要にして充分以上の確実な制動力、耐フェード性、ローター磨耗時の音鳴きの少なさ、パッドやローターのリーズナブルな供給価格、故障のほとんど無いボッシュABSシステムとの程よいマッチング、比較的容易に分解リビルドが可能である事等々、いい事ばかりの”名ブレーキキャリパー”だと思います。コレが「そういう素性のモノ」だと知って乗ったら、全然その評価も違ったモノになっていたような気がいたします。まあ、路上インプレとは”インプレッション=印象”ですから、当事者の感じる官能的要素には、こういった事前情報や、ブランドイメージが色々と介入してくるのでしょうね。・・・と云うワケで、旧いマセラティ、ちゃんと止まります。だけど、頼むからポル○ェとは比べるなよ(笑)な。そもそも違うんだから、生き方が。

 それじゃー、また明日!

2013年1月12日 (土)

マセラティクアトロポルテを超極寒地で乗る猛者

 ひょぇーーー!東京練馬でも今朝早起きをして出掛けた5時台には、かなーり”超寒む”でした。ところが、”豪の者(笑)”と称するに足るヒトビトは日本全国の津々浦々にいらっしゃるモノで、超極寒地帯の真冬でも、ガンディーニ・ルックのクアトロポルテを日常の足にしてらっしゃる方から、年始のご挨拶とともに”写メ”が届きましたので、御本人の快諾を得て、ここに御紹介いたしましょう。

2013011201 ここは、北海道最東部に位置する中標津町。すぐ近くにいわゆる北方四島を臨む地域です。当然、そもそも寒さにヨワい”チキン野郎(笑泣)”であるワタシなど、真冬に近付こうとはユメにもウツツにも思わないエリアであります。さしものワタシも、その半生において北海道は札幌までのドライブが精一杯。

 車窓眼前に広がる青い空と白い凍結路が美しいコントラストですね、・・・って、このアルカンタラ装メータークラスターは、まさにマセラティクアトロポルテのモノではありませんか。あのマシンの良く見慣れた底部最低地上高を考えますと、背筋の寒さもより一層強く感じられようと云うものです(笑)。この写真をくださった、中標津町在住の「Iさん」は、昨秋わざわざ当店までご夫婦でお越しくださり、その時には現地の真冬の行状(笑)について様々な呆気に取られるお話をしてくださったのですが、こうして写真で拝見すると、やはり迫力が違いますね。

2013011202_2 メーター内の外気温度計は「-13℃」。当然インジケーターランプは点灯しっぱなしのコトでしょう。今週9日(水)に「Iさん」より頂戴したメールによれば、前日の8日(火)が最低気温「-20℃」、翌9日は「ー19℃」であったそうです。どうせなら「-20℃」表示の画像を送りたかったと仰っていらっしゃいました。

 「Iさん」のクアトロポルテは10万キロ超えの前期型だそうで、現地で手に入れてから、ショックアブソーバー折損のトラブルに見舞われたものの、以後はこうして日々活躍しているとのコトです。

 オーナーのヤル気と、愛車に対する愛情の注ぎ方次第では、いっけん旧いマセラティにとって過酷な状況下においても日常の足にし得るひとつの可能性(事例)として、御紹介いたしました。但し、それぞれ皆さんが努力や試行錯誤を繰り返し、自己責任に基づいてお楽しみくださいね。

 実は本日のワタシ、北海道とは対極みたいな場所におります(ワイハーやグァムぢゃないヨ:笑)。このハナシは、また別の機会のお楽しみと云うコトで。

 それじゃー、また来週!

2013年1月 7日 (月)

新春早々のマセラティビトルボ

 はい、こんばんは!本日よりマイクロ・デポは早速の新春全開営業を開始いたしました。

 で、折角の新春一番の営業日でしたので、初めてこのブログをご覧になる閲覧者の方々に向けて、その”来歴”をかなーり久しぶりに書いておかなければなりませんね。

 このブログはマセラティ専門店のマイクロ・デポ(東京練馬在)がお送りしています。旧いマセラティやフェラーリをはじめとする「イタ旧車」をネタに、日々色々とおハナシするコトに”原則的には(笑)”なっているサイトなんですが、その実、「ぜーんぜん関係ないぢゃん」なハナシにも平日のほぼ毎日お付き合い頂くといった趣向のモノでもあったりします。頼むからワタシ(たこちゃん)を見捨てずに、今年も皆さんには付いて来てほしぃーの(笑)と熱望しておりますです、ハイ。

 と云うワケで、今日のネタはいきなり本ネタにして、ビトルボ系マセラティの原点、毎度お馴染みの「マセラティビトルボE(「Ryo」さんこと仙台のMさん号)」なんですが、昨年末に間に合わなかった諸々を半日でシュートし、何とかすると云った、いわば”完結篇(笑)”であります。さてさて・・・

20130107012013010702 朝一番に補修塗装が完成したドア内張りトリムがやってまいりましたので、早速、左右ともに組み上げてみました。

 全体的に経年による変退色が広がっておりましたが、ご覧の様に何とかバランスよく仕上げるコトが出来ました。補修業者さんも年末年始返上で、アニリン風仕上げを「3トライ」してくれたそうで、ここでも職人の意地を発揮しております。このような感じで勘弁して(笑)ください。

20130107032013010704 年末ギリギリに「伸びたまんま」で縮まなくなってしまった、オートアンテナは、ヒューズホルダー内でヒューズと接点が接触不良を起こしていたためと判明し、今様のブレードヒューズが使えるようにホルダーごと交換といたしました。

 年末には、ワタシとウチの電気屋さんとの電話によるシュート打ち合わせ中に、一旦は「本体のモーターがダメかも知れないよ」になり掛けていたのですが、本日中に軽微な原因を発見出来てよかったです。

20130107052013010706 というワケで、左がラジオをONにした時、自動的に最上段まで伸びきったアンテナロッドの状態。右はラジオOFFでロッドが縮みきった状態です。

 あー、まずはアンテナが引っ込んでくれてホッといたしました。なんとか間に合った。続いてオーディオには、まだもう一つの問題が発生していたので、そちらもシュートします。

20130107072013010708 経年でオーディオ本体裏側にある各コードの皮膜が硬化しており、取り外しはともかく、取り付けには難儀いたします。

 アレコレとシュートして、ヒューズ等々を交換し、選局不能トラブルの方も完治いたしました。サワヤカにニッポン放送が受信出来ました(ああ、TBSで大沢悠里も聞けたよ。相変わらず”毒蝮”ヤッてた。:笑)。

20130107092013010710 あー、やれやれと思いきや、今度は灰皿のスライド蓋部分が経年による風化で完膚無きまでにバラバラになっているのを今さら発見(大泣)。

 ついこの間まで、使用感もまったく無い様な好コンディションだったハズなんですけどね。こちらは同色の中古灰皿に”丸どっかえ”して何とか乗り越えました。

20130107112013010712 年末に配線まで終わっていたETCも、オーディオの諸問題が解決したので本取り付け完了。

 最後にすべての電気周り装備の動作チェックを行い、完全動作を確認いたしました。

 陸送業者に託すための、「キャブビトルボエンジン始動法マニュアル」を記述して印刷、車内に貼り付けておきました。明後日1月9日(水)に、仙台に向けて旅立ちます。お待たせいたしました!

 今年も毎日がこんな感じで、ひとつひとつ目前に立ち塞がる岩盤を打ち砕きながら、確実に匍匐で進みます。皆さん、本年も引き続きよろしくお願い申し上げます!

 それじゃー、また明日!

2012年12月26日 (水)

マセラティスパイダーザガートとビトルボEをコネくり回した(笑)一日

 ギョエー!!きょーは、もうほんっとーーーーーに寒かった東京練馬。「いやぁー、マイッタ、まいった(懐かしの”カトちゃん”のボディアクションを思い出してください:笑)!!」。

2012122611_22012122612_220121226012012122602 先週の土曜日に名古屋から陸送で到着した「スパイダーザガート(”名古屋のWさま”こと「みっち」さん号)」、日曜、月曜と丸二日間寝かせて、冷間始動時にスターターモーターが重くなるという、その症状の再現を期しました。

 果たして昨日火曜日の早朝にエンジンを始動いたしますと、確かにスターターの立ち上がりが重ったるい感じ。モーター回転時に電圧も通常以上にドロップしている雰囲気でした。しばらくエンジンを暖めてから、再度始動すると今度は何事も無く掛かってしまいます。まずは、今回お預かり本来の目的である継続車検を終え、夕刻より電圧計測の上、念のためにやはり一遍開けてみようと云うコトになりまして、インジェクションをはぐり、スターターモーターをはずしてみるコトになりました。はずしたスターターは見た目新品同様なのですが、振るとシャカシャカと音がいたします。内部の永久磁石の一部が欠けて踊っているのでしょう。速攻で新品スターターモーターに交換し、再びインジェクションを載せて一晩寝かせました。

 今朝になり、冷間時始動をいたしますと、本来の「きゅる、どっかーん」になりましたので、予定通りに本日午後には陸送業者の積載車に載せました。そのままお正月が迎えられるようにと、写真の如く外装もキレイに御仕立てしておきましたヨ。あー、なんとか間に合った。

20121226032012122604 並行して作業しているのは、「ビトルボE(”仙台のMさま”こと「Ryo」さん号)」の内装補修塗装です。

 キャブのビトルボ時代の内装は合成皮革の部分が多いのですが、経年により変退色いたしますのがタマにキズ。部分的な補修とは云え、出来るだけ丁寧に行おうと思えば、結局ご覧の様に内張り全バラになってしまいます。この時代のビトルボも、後の222系も、そしてカリフやシャマルも基本的には同一構造のドアであります。

20121226052012122606 はずした変色部のある部材を露天に晒してみます。緑色っぽく変色しているのが、左の写真でお分かりになると思います。

 寒さにヒーヒー云いながら、ようやく再現された「アニリン風仕上げ」が右の写真。合成皮革表面の柄(目を近づけていくとブラウン管の様に細かい粒子状の模様になっている)をオリジナルに近い雰囲気に手間を掛けて近づけてまいります。

20121226072012122608 一方、こちらは表面のクリア層に、経年による変色を来していた、ビトルボ期アルミホイール。

 写真でご覧の様に、新車時を越える仕上がりとなりました。やはり足元が引き締まりますと、車輌全体に漂うオーラ感がひときわ違ってまいります。このうえは「ガリ傷」を付けぬ様にお願いいたしますよ(今までもキズひとつ付けずに乗ってこられましたから大丈夫でしょう:笑)。それにしても、旧いビトルボは見れば見るほどカッチョいいなぁー。

20121226092012122610 本日の最後は、せっかく内張りがトレてるのならと行う「デントリペア」作業の風景です。

 右側のドアには写真には写らない程度の(でも、現車を前にすると光の加減で結構ポチポチと見えちゃう)微小な凹みが3箇所。同様に右フロントフェンダーにも一箇所。実はコレやってる夕方の時間が今日一番サムかった。デント職人さんも歯を食いしばって頑張ってくれました。ビトルボEも年内には完成させておこうと思っております。大変お待たせいたしました。

 それじゃー、また明日!

2012年12月24日 (月)

マセラティシャマルのドアをデントする

 今日は全国的に”クリスマス寒波”が襲来している様で、はげしい雪に見舞われている地域も多いみたいですね。マイクロ・デポの所在する、東京練馬では”ホワイトクリスマス”にこそなりませんでしたが、朝から強い北風が吹きすさび、身を切る様な寒さではありました。

 そんな中でも、今日一日粛々と作業を進めてまいりました。このあたりの交通量はお正月もかくやと云うくらいに激減し、いたって静かなクリスマスイブです。店の電話も「ブッ壊れてるのか?」というくらいにまったく鳴りません(泣笑)。まぁ、師走・年末の三連休でおまけに”イブ”では、世間の皆さんにとってはクルマをカマってる場合ではないのかもしれません。”クルマをカマってる場合(笑泣)”であるワタシにとっては、気持ちを集中して作業をヤリ抜くために、却って絶好の環境かも知れませんね。

20121224012012122402 ・・・というワケで、元気よくマセラティシャマル(新宿区のAさま号:いつもお待たせして申し訳ありません!)のデント作業にイッてみましょう!

 朝早くに、塗装工場からローダーに載せられてやってきたシャマルを降ろし、店頭にもってまいります。いやぁー、ソレにしても寒いわぁー、ホントに今日は北風が直撃です。

 デント(凹み取り)のハナシは以前にもちょっとやりましたが、マイクロ・デポで、その作業を承った場合には、必要ならばどこまでも分解しつつ、ワンパネル全体の凹みや歪みを可能な限り調整していきます。ソコは、一般的な「ちょちょっと直す」というレベルとは大きくイメージが違います。

20121224032012122404 とりわけ今日は気温が一向にアガってこないので、ヒートガンを用いて鋼板表面や、各部のシーラーを温めつつの作業となりました。

 このマセラティシャマルの左ドアには、写真の部位に「グーパンチ」をくらわせたかのような大きな凹みとソレに伴うプレスラインの歪みがありましたが、ご覧の様に完全に除去する事が出来ました。その他にも無数の微細な凹みや歪みがありましたがすべて追い掛けておきましたヨ。ここまでバラした甲斐もありましたが、やはり、ウチのデント職人さんが寒い中でもネをあげずに一日中頑張ってくれた賜物です。

20121224052012122406 同じシャマルの右のドア。こちらには、小さくて深い”突き凹み”が特に目だっていました。

 先ほど同様に内張りのトリムをすべてはずして、「どこからでも掛かって来い(笑)」の体勢を作ってから、本格的な作業の開始です。こちらにも、全体的に小さな凹みや歪み、そして以前に別のデント業者が中途半端なシゴトで終わらせていた(まぁ、デントのためだけにここまでバラしてるところはメッタに無いハズだものな:笑)と思しき形跡などがたくさんありましたが、すべて取りきる事が出来ました。

2012122407_22012122408_3 右側リアフェンダー前部のコスリ傷も今回塗装で直しましたので、左右どちらから見てもスキの無いボディラインにようやく戻りました。

 繊細且つ豪快なビトルボ系デ・トマソマセラティのボディデザインですが、中でもガンディーニルックを身に纏ったシャマルではすべての面と線に微妙な意味を持たされているので、あちこちと歪んでいては本来のオブジェとしての魅力が半減してしまいます。コレでブリバリに磨いたら、オーラも出まくるコトでありましょう。

 あー、今日も良く働いたこと。自身の健康に感謝してイブの夜を過ごす事にいたします。

 「メリー・クリスマス!!」 それじゃー、また明日!

2012年12月12日 (水)

マセラティシャマルの下周りを見てみよう!真打登場。

 はい、こんばんは。先週あたりからは、東京練馬でも吐く息が白く見えます。朝早くには霜も降りて、いよいよ本格的な冬の到来を感じますね。今日は、2012年12月12日。ワタシの通信簿の様に”1”と”2”が仲良く並んでおります。正月休みまであと二週間といった感じまで、暮れも押し迫ってまいりました。色々と冬ならではの流行病もあるようです。うがい、手洗い、除菌・消毒と手を尽くして、これからも元気にバリバリと働きたいものです。

20121212012012121202 ・・・で、本日はついに皆さんお待ち兼ねの真打登場。マセラティシャマルの下周りを現在リフトアップ作業中の「新宿区のAさん号(たいへんお待たせして申し訳ありません)」で解説してまいろうと思います。Aさん、あとちょっとですからね、色々と抱えた懸案事項をひとつずつ突破して、すでに”峠”は越えましたから。

 リアバンパーから順を追って前へ前へと進みます。このあたり、バンパーの形状以外は、他の見慣れたデ・トマソ期ビトルボシリーズ各車と大きくは変わりありませんね。

20121212032012121204 デファレンシャルギアボックス周辺に、顔を近づけていきますと、普段は見えにくいところが順次見えてくるようになります。

 ビトルボ系マセラティでは、スピードメーターケーブルが、メータークラスター内→ダッシュボード内→センターコンソール右側内→右リアシート座面下部と長大な経路で取り回され、最終的には、このようにフロアを貫通して床下に出てまいります。

20121212052012121206 さらに前方に進みます。シャマルはシャマル専用のエキゾースト&キャタライザーシステムを持っています。

 後のクアトロポルテV8やエボV8ともまったく異なるモノです。こうしてリフトアップしてフロア中央にキチンと収まっているのを見ますと、コレがどーしてハラを摺るのだろうと思いますが、車輌本体を接地させますと、「あっ、ダメだこりゃ(笑)」な低さであるコトがわかります。100円パーキングの踏み板や段差の乗り越えなどには充分な注意が必要です。

20121212072012121208 続いて、ゲトラーク6速マニュアルミッションと3.2リッターV8ツインターボエンジンを下から見上げます。

 シャマル特有の装備としては、頑健極まる”極太フロントスタビライザー”と云うのがあります。ギブリやクアトロポルテと比べても倍以上の線径では無かろうかと思います。太いおかげで下にも出っ張るので、このスタビライザーの固定金具部分はちょっとしたバンプでもすぐに摺れます。この件に関しては「りゅたろう」先生から”イヤミな”コメントが寄せられるであろうコトが、すでに国会で決議されております(笑)。

 一方、右の写真では、なかなか写真に写ってくれない”S字型スレイブアーム”を捉えましたので、このメカニカアッティバ独特の配置をご覧になってください。同じメカニカアッティバでも、このシャマルをはじめとするデ・トマソ期モデルと、ギブリ以降のフィアット期モデルでは、設計に違いがあるコトを過去記事と比較して”おべんきょー(笑)”願います。

20121212102012121209 フロントバンパー側面底部はこのようになっております。このあたりは、ギブリやクアトロポルテ一族とよく似ておりますね。

 ラジエターファンの下部には、ギブリやクアトロポルテでお馴染みのエンジンオイルクーラーが見当たりません。このようにシャマルは意外と全体的に、余計な”コワれどころ”が少なく、スッキリしていて簡素なのです。

20121212112012121212 左右のフロント足周りを、ちょっと後方から見たところ。美しいアルミのロワアーム、サブフレーム側の取り付け部にはトライデントが鋳込まれています。

 いつもの様にタイロッドエンドは左右合計4個。左右のステアリングラックエンドを合わせて6個のエンドを持つ、ステアリングの”センター出し”や、アライメント調整にはいつもアタマを悩ませる設計です。

20121212132012121214 本日のしんがりは、左右リアの足周りです。ギブリ以降のフィアット期ビトルボ中、いわゆるフェラーリデフを持つものに特徴的なデフを取り囲む頑丈な鋼管フレームがありません。

 原則的に222などと同様のサブフレームに、サスペンションアームのみプレス鋼板製から鋼管アームに変更した設計のものを取り入れています。これは、ごく初期のギブリ(非フェラーリデフ・非ABS)と同様の構成となっており、エンジンはともかくとして、下から見上げた状態からは、初登場当時の原初のギブリこそが、シャマルの兄弟車と云うのに相応しいと思われます。フロアプラットフォームの設計自体、ショートホイールベースであるコトと、先ほどの”ブッとい”フロントスタビライザー以外には違いが無い様に見えてまいります。現在、中古車市場で冷遇されている”初期ギブリ”の方にも、それはそれでスパルタンな良さがありますよ、ってなコトが本篇ホームページ「マセラティに乗りませんか・・・」のギブリ解説コーナーの方にも書いてありますが、なんとなく、コジツケ的に云ってるダケでは無いというコトをご理解頂ければ有難いです。

 それじゃー、また明日!暖かくしてお休みください。

2012年12月 3日 (月)

マセラティ(オリジナル)ビトルボの下周りも、やっぱ見てみる?

 はいよー!きょおはもう、サブイサブイ一日ではありました。しまいにゃ雨もショボショボと降ってくる始末。「川崎のKさん」のマセラティクアトロポルテV8も、予定通りの時間におみえになった(ちなみに”おみえになる”と云うのは、ワタシよくつかうケド名古屋弁らしいぞ:笑)ので、その場で”効かないヒーター”をシュート&修理完遂。速攻で日が暮れました。今日のワタシ、かなーりカラダがバラバラ(泣)になってるので、本日はマセラティビトルボE(仙台のMさん号)の下周りの解説でお茶をニゴさせて(失礼)頂きます。少々”小ネタ”。

20121203012012120302 まず、当ブログに出てくるクルマ達は大概タイコが左右振り分けになってる”4本出し”エキゾーストになってる上、全体的に、ドコもカシコもシンメトリカルな配置になってますので、片側タイコのデュアルと云うところから、ある意味で新鮮さを感じさせてくれます。ビトルボ時期に採用されていたデフは、メーカーが”センシトルク”と呼んでいたモノです。外からの見た目は、後の”マセラティレンジャーデフ”とあまり変わりがありません。内部ギアの形状が異なります(平歯から捩り歯に変更されたのです)。

20121203032012120304 リアサブフレームの周囲もスカッとシンプルな美しさを湛えております。

 エキゾーストの取り回しが、なんとも回りクドくて(笑)いい感じですね。

 新車時より下周りには入念なチッピングガード処理が行われてきておりますので、25年の時の経過をまったく感じさせない清潔さを保っております。

20121203052012120306 フロアの縦方向中央部にはいつもの様にキャタライザーがありますが、随分と小型のものです。

 キャブビトルボ時代のものは、そもそもオートマ設定自体すらも存在しなかったため、すべてがパーパスビルド的にに設計(共用のための妥協が無い)されており、”なんで、こう云うコトになっちゃってるの?”的なカオスはありません。逆に触媒周りなどは、その後のモデルに比べると遮熱板なども小さくて、こんなんでいいのか?と新たな不安を呼びますが(でも、大丈夫ですからね:笑)。

20121203072012120308 で、ステアリングもノンパワー。だから、パワステオイル漏れの心配は絶無(あたりまえだのクラッカー<音出ます注意>1:30あたりで、このギャグが出てきます→超絶旧っ!→しかも3:00からの物語冒頭では”ハヤシもあるでよ”さんの若かりし頃の雄姿まで拝めます→その上4:08から出てくるのは”マチャ○キさん”のお父様です。スゴすぎる動画:笑)。

 右の写真の様に、ノンパワーステアリングラックは左右両側の位置決めと締結がバンド状のステーに拠ります。よって、ステーが挟んでいるゴムの緩衝材部分がズッコケますと、ステアリングがガクガクと動いてしまう様になります。この締結法は、この直後に出た極初期の”パワステ付き車”にもそのまま継承されてしまったので、”ビトルボ425”や”ビトルボスパイダー”などでは、操舵中にラックが左右にズレてしまうと云う問題の出るクルマがありました。コレはさすがに”リ○ールもん”なので、222時期になってからは、(左ハンドル車の場合)左側の締結部位が予めラック本体のアルミ部材に鋳込まれる設計に変更され、同時にフロントサブフレームにもコレに合わせた改良を加えるコトにより、この問題については根源的な解決をみています。

2012120309 2012120310

 本日の最後は、やはりマイクロ・デポでは、メッタに目にする事の無い「普通の取り回しを持ったフロント足周り」の画像です。

 ”S字型のスレイブアーム”も、”合計で6個ものエンド”も、そして”コネクティングロッド”もありません。切れ角は確かに猛烈に少ないと云うところが欠点と捉えれば欠点ですが、ネバリ気を廃した爽やかな旋回性能は、空気のタップリ入った低扁平率タイヤも相まって、現代のクルマにおいては絶えて久しい”しなやかさ”を感じさせてくれます(でも、スパっと正確に向く)ので、ワタシはこの乗り味が大好きです。

 それじゃー、また明日!

2012年10月31日 (水)

マセラティスパイダーザガートを納車するハレの日

 わーい、わーい!今日は天気もいいし、絶好の納車日和。”名古屋のWさま”マセラティスパイダーザガートの「納車の儀」を午前中からとり行いました。お土産に頂いた”味噌煮込みうどんセット”を今日一日のハゲミにして(笑)元気よく過ごすコトが出来ました。本当に有難うございます。無事に御帰りになったかなぁ。(→無事に400Km弱の道のりを走破して、名古屋にお着きになったと、メールを頂戴いたしましたので付記しておきます。有難うございました。 PM19:20追記)

20121031012012103102 ここからは、昨日のデポ場内の風景です。朝一番でホイールをはずし、リフトアップしたまま作業を開始いたしました。

 はずしたホイールはオモテでワタシがシコシコと洗っております。朝の水仕事が結構ツメたく感じられる気候になりました。気が付けば10月も過ぎて行くのですね。ああ、そろそろ「鍋」がウマい季節だなぁ・・・。

20121031032012103104 ・・・なんて、ワタシが感傷にヒタりつつホイール洗いをヤッてる間に、場内の「ゴリさん(三男)」はつるつるとラジエターを降ろし、ウォーターポンプを替え、新品タイミングベルトを張り・・・あっ、もうカバーが付いちゃってる。

 このように、過去に一度大掛かりな重整備を当店で施してある個体では、再度整備する段階での「ハマり」が少ないので、本当に助かります。一本のボルトを抜くのに、エアツールで5秒の場合もあれば、ボルトが折れて、ソレを除去するだけで3日になっちゃう場合もある、というのがイタ旧車の世界。

20121031052012103106 喜ばしいコトに、今回は「(泣)」系のトピックスがありませんでしたので、ここからは急遽予定を変更(笑)して、またまた下周りのおべんきょーの時間(最近コレばっかし)。

 昨日のマセラティギブリ先日のマセラティ430などと比べて頂くのも、また一興かと思います。似てるんだけど違うところが面白いですね。リア周り中央部は、やはりスペアタイヤの存在が目を惹きます。マセラティレンジャーデフのデフクーラー装着車や、いわゆるフェラーリデフ車においては、スペアタイヤとその吊り下げケージがオミットされます。昨日のギブリでは、ここにチャコールキャニスターがぶらさがってましたね。ここには写真がありませんが、スパイダーザガートでは、ソレがエンジンルーム内の左前方に位置しています。全然付いてる場所が違うんですね(モノは一緒ですけど)。

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 左の二枚の写真は、上が車体後方で、下が車体の前方です。

 ビトルボ期のマセラティでは、床下のボディフロア造作部分全面に「チッピングガード」塗装がゴッテリと分厚く施されています。概してビトルボ系マセラティにおいてはボディのサビによる損傷というのが、経年を考えれば非常に少ないですが、こういった見えないところのひと手間もその一環を支えているモノと思われます。このガード塗装、ひょっとすると「旧ガ○ーヂ伊太○屋」さんがインポーターであった頃に日本仕様独自のモノとして採りいれた仕様なのかも知れませんけど、旧いロールスロイスなども床下はこのようにガードされているものが多いです。

20121031092012103110 今度はフロントバンパー周辺です。後期型フェイスのビトルボマセラティにおいて、そのバンパー材質には二種類あり、柔らかさが違います。

 バンパーのアンダーカバーは前期型フェイスのものには付いてません。この写真からも「フォグランプの電球交換は大変そう」であるとの想像が容易に出来ると思います。フロントスタビライザーの線径は、シャマルにおいてはもっとずーっと太くなっております。

2012103111_22012103112 さあ、このカットは今までに御披露したコトが無い角度だと思います。左の写真がフロントバンパー右側内部の状態、右の写真が左側内部の状態になっちゃってます。ややこしいコトしてすみません。

 「ヒャーン」音で御馴染のエアホーン二連はこんなところに入っているのでした。サイドマーカーの電球を交換するのも、クルマの下にこうして潜るか、腕のながーい(しかもヒジから先だけが)ヒトにたのんで、バンパーの裏を弄ってもらうか(若しくはステアリングをフルに切って、フェンダーライナー前半部をはずすか)でどちらにしてもワンタッチでは叶いません。その隣にある「バキュームポンプ」と称しているヤツが、エンジン始動後に「じーこら、じーこら」と音を出している部分です。

 ウインドーウォッシャータンクは結構大容量ですね。ウォッシャーポンプの代表的なトラブルはポンプ吸入口にあるネットフィルターの詰まり。タンク内に経年で生成された「澱(オリ)」がネットを詰まらせて「音はすれども、水は出ず」となります。ポンプのタンク取り付け基部にあるゴムパッキンがダメになって、ここからウォッシャー液が浸み出てしまい、気が付いたら「カラ」というトラブルもあります。いずれの場合も、その攻撃方法は前項「サイドマーカー電球交換」と以下同文であります(泣)。

20121031132012103114 リアのブレーキ、ディスクローターはソリッドです。現今スーパーカーの些かバケものじみたローターを見慣れた目には「コレで大丈夫?」と思われるかもしれませんが、必要にして充分以上の耐フェード性がありますのでご安心を。ローター内部にはブレーキライニングを装備し、コレをパーキングブレーキとしていますが、その効きは皆さんが良く御存じの通りで「必要にして不十分(大泣)」なシロモノです。車検場では「エビぞる様に」レバーを引いて、検査を通過するコトが出来ますが、毎度そんなヒキ方してたらインナーワイヤーがダルダルになってしまいます。オートマ車の方は、シフトセレクターを必ずPレンジに、マニュアル車の方は、必ず”1”か”R”かのポジションにギアを入れたままエンジン停止してクルマを離れる・・・マセラティに限らず、フェラーリなど旧いイタ車乗りには、いまや常識のハズ(笑)です。

 ゴムを鉄板に焼き込んだエンジンマウントは、ギブリのものと違いますよね。こちらは今でもリーズナブル価格なので、車検二回に一回の頻度で、最低でも交換しておきたいモノです。

20121031152012103116 洗いあげた四本のホイールは裏も表もツヤ出し剤で仕上げておき、装着の時を待ちます。

 現在、前後のタイヤサイズが異なるスパイダーザガートやカリフの場合、前後同銘柄同シリーズで選定すると、こちらのTOYOプロクセスという選択のみとなっております。「マイナーな番手」救済銘柄の「プロクセス」さんには、今後もフンばってほしいモノです。あっ、サイズ違うけど、228やシャマルもそうですからね。

 このマセラティスパイダーザガートというクルマ、ワタシの後半生をクルわせた張本人というくらいの逸品ですから、「イタリア車マニア」の方々に限らず、「クルマ好き」を自称される方々は、やはり一度味わってみて頂きたいモノです。「剛と柔」が高レベルで調和した上に、絶対的な動力性能やハンドリング領域においても、ソレが完調ならば素晴らしい世界をお楽しみ頂けます。その上、オープンエアは最高ですよ!

 それじゃー、また明日!

2012年10月30日 (火)

マセラティギブリの下周りを詳解する

 ひーこら!あいかわらず「匍匐」の日々を続けております。ワタシも何時の日にかは華々しくイベントデビューしてみたいモノですけど、毎日がコレじゃーねぇー(笑泣)。まさにビンボー暇無しを絵に描いた様です。ヨメが千葉の家に帰っているので、今日もアパートでペヤング喰いながらコレ書いてますけどね。

20121030012012103002 ・・・気を取り直して、今日も「本ネタ」でイッてみましょう。マセラティギブリ(福岡のTさま号)は、すでにリフトから降りまして、昨日御紹介した天井張替工程中ですが、数日前に撮影いたしました写真の数々を使いまして、今日は下回りのおべんきょーをしてまいりたいと思います。

 いわゆる「フェラーリデフ付きギブリ」というのがこのあたりの年式のものでして、太い鋼管で出来たサブフレームがガッチリと周囲を囲んでいるのも特徴的です。この風景はマセラティ3200GTもよく似たモノ(アッチはサスペンションアームがもっと凝ってますけど)ですね。

 続いて、ギブリやガンディーニクアトロポルテ(エボ前V6モデル)に共通のキャタライザーユニット。ご覧の様に左右バンクが独立した経路を持っております。

20121030032012103004 次にオートマオイルパン周辺を後方からと前方からのショット。

 下から覗いても、出来得る限り重心を下げた上、左右対称になる様に設計されているのがわかります。タマに違う銘柄のをリフトアップして眺めると、あまりにもアンシンメトリーな感じのするモノが多くて、すごく落ち着かない気持ちになってしまいます。当然ヘンなのは、我々の方(笑)です。

20121030052012103006 今度は、さらに前方のフロントバンパー周辺です。

 色んなモンが付いていますが、それを覆う一切のカバリングはありません。

 ”漢”らしく丸ハダカといったところですが、パンツは履こうよ、せめて(笑)。せいぜい風邪をひかぬ様に御用心といった感じです。冗談はともかく、ハラ打ちもさるコトながら、大きな水たまりや冠水道路にはくれぐれもご注意ください。えっ?雪?・・・コレを見ても、なおチャレンジしてみたい御仁は、どこまでも自己責任でどーぞ(笑)。オイルクーラーガードでラッセル車ごっこが出来るかもしれませんね。

20121030072012103008 この間、当ブログで取り上げました「腹打ちに気をつけようネタ(要旨)」の実はビジュアル版が、今日のお題の目指すところです。

 一度、その記事に目を通して頂けますと、本日の写真のひとつひとつが「あー、そういうコトなのね」と理解の助けになることでありましょう。そんな中のひとつが上左の写真。ステアリングラックのコラム軸底面のヒットは一発でラック交換となりますのでご用心、御用心。ましてエンジンマウント(ちなみに、ここのところ常時”スーパー狂乱時価”で御馴染のコマったちゃんパーツ:笑)のあたりを打ってるようじゃ、クランクケースがワレます(笑)。

20121030092012103010 左の写真で、「おさらい」をしてみてください。

 ハラ打ちとは無関係ですが、ギブリとガンディーニクアトロポルテ(エボ前V6車)のオートマ車には、ご覧の構成で四個のミッションマウントラバーが使われております。タテ二個、ヨコ二個です。エキゾーストパイプまでをもついでになんとかしようとしているところに相変わらずムリを感じますけどね(笑)。

20121030112012103012 うー、何とかタテ方向のマウントを片側のみ撮影成功しました。使っているマウントパーツはタテヨコ同一のものです。

 オートマ車でリバースギアに入れた時などに蹴っ飛ばされる様な挙動を感じる個体は、このミッションマウントのドレかがズッコケてる状態であるコトが多いです。「ああ、ミッションが逝っちゃったよー」と嘆く前に、ミッションマウントを何時の頃から交換してないかを、まずは思い起こしてください。

 あー、今日も真面目に本ネタ勝負してしまいました。そろそろ脱線してもいい?

 それじゃー、また明日!

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